Ministry of Health, Labour and Welfare

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4. 外国人就業者の属性
 (1)  在留資格
   外国人の在留資格についてみると、「日本人の配偶者等」、「人文知識・国際業務」、「教授」の在留資格を保有している外国人を活用している法人が多くなっている。
 産業分野別にみて特徴的な点(図表3−15の網掛け部分)は、「製造業」では「技術」、「通訳・翻訳・語学学校」では「人文知識・国際業務」、「日本人の配偶者等」、「卸売・小売・商社」では「人文知識・国際業務」や「投資・経営」の在留資格を保有する者を活用している法人の割合が高くなっていることである。また、「旅行・ホテル」では「技能」、「金融・保険・証券」では「企業内転勤」や「投資・経営」、「私立大学・研究機関」では「教授」、「教育」、「情報・通信」では「技術」、「人文知識・国際業務」の在留資格を保有している人を活用している割合が高くなっている。
 また、外国資本の参入状況別、産業分野別に在留資格をみると、産業分野に関係なく、外国資本が入っている方が、「投資・経営」、「企業内転勤」の在留資格を持っている人が多くなっている。

図表3−15 在留資格(複数回答)
  合計 在留資格
教授 投資・経営 研究 教育 技術 人文知識・国際業務 企業内転勤 技能 日本人の配偶者等 永住者の配偶者等 定住者 その他 無回答
全体 539 138 43 47 114 83 149 71 38 166 37 88 53 7
100.0 25.6 8.0 8.7 21.2 15.4 27.6 13.2 7.1 30.8 6.9 16.3 9.8 1.3
  外資あり 125 0 41 3 0 40 41 59 8 36 7 16 8 2
100.0 0.0 32.8 2.4 0.0 32.0 32.8 47.2 6.4 28.8 5.6 12.8 6.4 1.6
外資なし 411 138 2 44 114 43 108 11 30 130 29 70 43 5
100.0 33.6 0.5 10.7 27.7 10.5 26.3 2.7 7.3 31.6 7.1 17.0 10.5 1.2
製造業 92 0 7 14 4 39 28 18 10 11 7 13 6 3
100.0 0.0 7.6 15.2 4.3 42.4 30.4 19.6 10.9 12.0 7.6 14.1 6.5 3.3
  外資あり 28 0 7 3 0 14 8 12 3 2 2 3 1 1
100.0 0.0 25.0 10.7 0.0 50.0 28.6 42.9 10.7 7.1 7.1 10.7 3.6 3.6
外資なし 64 0 0 11 4 25 20 6 7 9 5 10 5 2
100.0 0.0 0.0 17.2 6.3 39.1 31.3 9.4 10.9 14.1 7.8 15.6 7.8 3.1
通訳・翻訳・語学学校 50 4 0 4 13 3 28 0 1 26 4 7 4 0
100.0 8.0 0.0 8.0 26.0 6.0 56.0 0.0 2.0 52.0 8.0 14.0 8.0 0.0
卸売・小売・商社 50 1 10 0 3 6 20 10 4 7 0 8 6 1
100.0 2.0 20.0 0.0 6.0 12.0 40.0 20.0 8.0 14.0 0.0 16.0 12.0 2.0
  外資あり 22 0 9 0 0 3 7 7 1 6 0 2 1 0
100.0 0.0 40.9 0.0 0.0 13.6 31.8 31.8 4.5 27.3 0.0 9.1 4.5 0.0
外資なし 26 1 1 0 3 3 13 3 3 1 0 5 3 1
100.0 3.8 3.8 0.0 11.5 11.5 50.0 11.5 11.5 3.8 0.0 19.2 11.5 3.8
旅行・ホテル 58 0 2 0 9 3 16 1 17 15 2 10 10 1
100.0 0.0 3.4 0.0 15.5 5.2 27.6 1.7 29.3 25.9 3.4 17.2 17.2 1.7
金融・保険・証券 56 0 18 0 0 14 19 31 2 21 3 6 3 0
100.0 0.0 32.1 0.0 0.0 25.0 33.9 55.4 3.6 37.5 5.4 10.7 5.4 0.0
  外資あり 49 0 18 0 0 12 17 29 2 18 2 4 2 0
100.0 0.0 36.7 0.0 0.0 24.5 34.7 59.2 4.1 36.7 4.1 8.2 4.1 0.0
外資なし 6 0 0 0 0 2 2 1 0 3 0 1 1 0
100.0 0.0 0.0 0.0 0.0 33.3 33.3 16.7 0.0 50.0 0.0 16.7 16.7 0.0
私立大学・研究機関 192 133 1 25 82 5 20 1 1 71 17 35 21 1
100.0 69.3 0.5 13.0 42.7 2.6 10.4 0.5 0.5 37.0 8.9 18.2 10.9 0.5
情報・通信 17 0 3 3 1 10 7 3 2 6 2 3 0 0
100.0 0.0 17.6 17.6 5.9 58.8 41.2 17.6 11.8 35.3 11.8 17.6 0.0 0.0
  外資あり 9 0 3 0 0 6 4 3 1 5 2 2 0 0
100.0 0.0 33.3 0.0 0.0 66.7 44.4 33.3 11.1 55.6 22.2 22.2 0.0 0.0
外資なし 8 0 0 3 1 4 3 0 1 1 0 1 0 0
100.0 0.0 0.0 37.5 12.5 50.0 37.5 0.0 12.5 12.5 0.0 12.5 0.0 0.0
出版・印刷・広告代理 6 0 0 1 1 1 5 1 0 1 1 1 0 0
100.0 0.0 0.0 16.7 16.7 16.7 83.3 16.7 0.0 16.7 16.7 16.7 0.0 0.0
その他 18 0 2 0 1 2 6 6 1 8 1 5 3 1
100.0 0.0 11.1 0.0 5.6 11.1 33.3 33.3 5.6 44.4 5.6 27.8 16.7 5.6
注) 表中の数値は、各法人で就業している外国人の在留資格の種類について回答した件数であり、人数を示すものではない。
太字部分は、産業分野別で構成比が上位3つ以内のもの、網掛け部分は、産業分野別の構成比が全体の構成比よりも10%以上高いもの。

 (2)  日本での留学経験
   日本で就業している外国人の中には、留学後そのまま日本にとどまって就業するようになった者や留学経験を活かし、一度日本国外で就労しながらも再度来日し、日本で就労するようになった者もいる。
 外国人従業員の日本における留学経験についてみると、1法人あたり、14.7人いる外国人就業者の中で2.2人の留学経験者がおり、留学経験者が占める比率は、1割程度となっている。
 産業分野別では、1法人あたりの留学経験者の数は、「通訳・翻訳・語学学校」で3.6人と最も多くなっているが、外国人従業員における留学経験者の占める比率は低く、5%程度となっている。また、「金融・保険・証券」においても、留学経験者の占める割合は9.2%と1割を切っている。一方、「情報・通信」において外国人従業員に閉める留学経験者の割合が最も高く41.4%となっており、次いで「旅行・ホテル」(38.6%)、「卸売・小売・商社」(31.6%)、「製造業」(31.0%)となっており、これらの産業分野では留学経験者の占める割合が3割を越えている。
 「通訳・翻訳・語学学校」において留学経験者数自体は多いものの、外国人従業員全体に占める割合が低いのは、後述するように(詳細は48ページ参照)、ネイティブスピーカーとして外国人ならではの技能に期待をして外国人を活用しているケースが多いからであると考えられる。また、外国人従業員のうち、留学経験者の比率が高い産業分野は、日本人の同僚若しくは顧客とのやり取りの頻度が高く、そのため日本語能力がある程度あったり、日本の商習慣等に馴染みがある人が好まれるために、留学経験者の採用が多くなっているのではないかと推測される。
 なお、外国資本の参入状況別、産業分野別に外国人従業員に占める留学経験者の割合をみると、「製造業」を除いて、いずれの分野においても外国資本が参入していない方が圧倒的に高くなっている。これは、外国資本が入っていない法人の方が海外とのつながりが弱いために、同一法人内での国境を越えての人材の交流が少なかったり(後述の50ページ図表3−19参照)、採用・募集活動を日本国内でのみ行っているケースが多いからではないかと推測される。

図表3−16 日本への留学経験者
  留学経験のある外国人従業員がいる法人数 外国人従業員数(人)A  
うち留学経験者(人)B 外国人従業員に留学経験者の占める割合(B/A)
全体 350 14.7 2.2 15.1%
  外資あり 80 9.7 1.4 14.6%
外資なし 269 16.1 2.4 15.2%
製造業 67 6.5 2.0 31.0%
  外資あり 19 8.0 2.6 32.9%
外資なし 48 5.9 1.8 29.9%
通訳・翻訳・語学学校 36 63.6 3.6 5.7%
卸売・小売・商社 29 3.3 1.0 31.6%
  外資あり 11 6.5 0.9 13.9%
外資なし 18 1.3 1.1 87.0%
旅行・ホテル 41 5.0 2.0 38.6%
金融・保険・証券 40 12.0 1.1 9.2%
  外資あり 34 12.9 1.1 8.7%
外資なし 5 3.8 1.0 26.3%
私立大学・研究機関 109 13.4 2.9 21.8%
情報・通信 11 5.3 2.2 41.4%
  外資あり 6 6.8 2.2 31.7%
外資なし 5 3.4 2.2 64.7%
出版・印刷・広告代理 5 3.2 0.4 12.5%
その他 12 7.8 0.8 10.6%

 (3)  出身国・出身地域
   外国人就業者の出身国・出身地域を全体でみると、最も多いのはアメリカ(21.3%)であり、次いでイギリス(15.9%)、中国(15.8%)、カナダ(11.4%)となっている。地域別にみると、北米がほぼ3分の1、アジア、ヨーロッパがそれぞれ4分の1を占めている。
 産業分野別に外国人就業者の出身国・出身地域の上位3位をみると「製造業」、「卸売・小売・商社」、「旅行・ホテル」、「情報・通信」では中国や韓国といったアジア出身者が上位を占めている。なお、「情報・通信」を除くこれらの分野では、中国出身者が4割以上を占めている。
 「通訳・翻訳・語学学校」ではイギリス、カナダ、アメリカと英語圏出身者が中心となっており、「私立大学・研究機関」に関しても、一部中国出身者が多くなっているものの、「通訳・翻訳・語学学校」とほぼ同様の傾向で英語圏出身者が多くなっている。「金融・保険・証券」ではブラジルに本店がある法人において、ブラジル人の活用が圧倒的に多くなっており、ブラジル人が第1位となっているものの、それ以外では欧米各国の出身者が上位を占めている。

図表3−17 出身国・出身地域
  法人数 人数 構成比(%)
アジア 394 2,115 27.8
  中国 302 1,206 15.8
韓国 142 395 5.2
インド 40 112 1.5
フィリピン 35 95 1.2
台湾 42 70 0.9
タイ 23 43 0.6
インドネシア 22 42 0.6
マレイシア 23 40 0.5
シンガポール 8 18 0.2
パキスタン 5 15 0.2
スリ・ランカ 13 13 0.2
北朝鮮 7 10 0.1
ネパール 6 10 0.1
その他 40 46 0.6
ヨーロッパ 243 2,032 26.7
  イギリス 155 1,209 15.9
フランス 69 278 3.7
ドイツ 71 226 3.0
ロシア 32 48 0.6
スペイン 24 45 0.6
アイルランド 29 44 0.6
イタリア 24 41 0.5
スイス 20 22 0.3
オランダ 12 19 0.2
デンマーク 4 19 0.2
ベルギー 14 16 0.2
オーストリア 12 13 0.2
スウェーデン 9 10 0.1
その他 29 42 0.6
北米 273 2,503 32.9
  アメリカ 243 1,621 21.3
カナダ 130 869 11.4
その他 10 13 0.2
南米 48 244 3.2
  ブラジル 33 195 2.6
アルゼンチン 6 19 0.2
ペルー 11 18 0.2
その他 9 10 0.1
オセアニア 123 671 8.8
  オーストラリア 107 525 6.9
ニュージーランド 52 145 1.9
その他 1 1 0.0
アフリカ 31 48 0.6
  南アフリカ 6 17 0.2
その他 25 31 0.4
全体 522 7,613 100.0
注) 本表は、国籍別人数についての回答があった場合のみ集計対象としている。

図表3−18 産業分野別にみた出身国・出身地域(上位3国まで)
    出身国・出身地域
1位 2位 3位 全体
全体 出身国 アメリカ イギリス 中国  
人数 1,621 1,209 1,206 7,613
構成比(%) 21.3 15.9 15.8 100.0
製造業 出身国 中国 韓国 アメリカ  
人数 258 61 54 601
構成比(%) 42.9 10.1 9.0 100.0
通訳・翻訳・語学学校 出身国 イギリス アメリカ カナダ  
人数 736 620 359 2,310
構成比(%) 31.9 26.9 15.6 100.0
卸売・小売・商社 出身国 中国 フランス 台湾  
人数 40 7 5 93
構成比(%) 43.0 7.5 5.4 100.0
旅行・ホテル 出身国 中国 韓国 フィリピン  
人数 169 17 11 264
構成比(%) 64.0 6.4 4.2 100.0
金融・保険・証券 出身国 ブラジル アメリカ フランス  
人数 143 124 98 804
構成比(%) 17.8 15.4 12.2 100.0
私立大学・研究機関 出身国 アメリカ 中国 イギリス  
人数 1,044 580 347 3,266
構成比(%) 32.0 17.8 10.6 100.0
情報・通信 出身国 中国 アメリカ 韓国  
人数 10 10 9 68
構成比(%) 14.7 14.7 13.2 100.0
出版・印刷・広告代理 出身国 アメリカ イギリス 韓国  
人数 5 4 4 17
構成比(%) 29.4 23.5 23.5 100.0

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