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第69回WHO総会結果(概要)

1 概要

  • 期間:平成28年5月23日(月)〜5月28日(土)
  • 場所:スイス(ジュネーブ)
  • 日本政府代表団:太田房江厚生労働大臣政務官、山本尚子厚生労働省大臣官房審議官  等
  • 本会議では、6日間に渡り、全76議題につき協議。25の決議および10の決定が採択。日本は高齢化に関する決議を主導した他、持続可能な開発目標(SDGs)に関する決議等の5つの決議を共同提案。未採択は1決議。
  • ※WHO総会は、全加盟国代表で構成される最高意思決定機関であり、毎年1回5月に開催され、保健医療に関わる重要な政策決定を行うもの。

2 政府代表演説

 本会議では、太田房江厚生労働大臣政務官が政府代表演説を行った。ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)※を含むSDGs達成に向け、安倍晋三内閣総理大臣がWHOを含むグローバルヘルス機関へ約11億米ドルの拠出をプレッジ(WHOに約5千万米ドル)したことに言及した上で、本年、G7伊勢志摩サミット議長国として、グローバルヘルスに一層貢献していく意欲を表明。

  • ※WHOによる定義では「すべての人が適切な予防、治療、リハビリなどの保健医療サービスを、必要なときに支払い可能な費用で受けられる状態」のこと

3.主な成果

  1. (1)健康危機対応体制改革と補正予算(160百万米ドル)の合意、決定採択
    西アフリカでのエボラ出血熱の流行を契機としたWHOの健康危機対応体制の改革について、WHOに緊急時のオペレーション機能を付与すること、そのための2016−2017年予算の補正予算(160百万米ドル)を含む決定が採択され、2015年1月の執行理事会から続く改革の議論が帰結。
  2. (2) WHOと非政府組織の関わりに関する包括的な枠組みの合意、決議採択。
    2013年より議論されてきた上記枠組みが合意、決議が採択された。

4.我が国の貢献と発信

  1. 1.健康危機対応体制改革合意への貢献
     G7等の主要国とWHO事務局の調整をサミット議長国の我が国がリードしたことにより、総会でのスムーズな決定に大きく貢献。50百万米ドルのプレッジに加え、改革案合意のための各種調整もWHOや各国より大きな感謝を受けた。
     また、総会中にも、西太平洋地域事務局(WPRO)の加盟国(日・中・韓・豪・比等)による、WHOの改革を支持する共同声明を日本が中心となり作成。これにより、改革に消極的な地域の幾つかの国が態度を軟化させる等の効果があった。
  2. 2.高齢化決議主導
     我が国より4年ぶりの決議案提出。決議案の内容は、事務局が起草した行動計画(アク ション・プラン)を採択し、加盟国に同計画に沿った分野横断的な高齢化対策の実施を促すとともに、WHO事務局長に各国への技術的支援を要請するもの。高齢化という各国共通の課題であり、対立点も少なく、また、日本が知見を有する課題でもあり、5地域から幅広い共同提案国(23か国)を得て採択。
  3. 3.サイドイベントでのG7伊勢志摩サミットの保健アジェンダに係る発信
     認知症(スイス)、薬剤耐性(オランダ、英国)、高齢化(豪州)、保健システム強化/UHC (ドイツ)等、我が国が共催した6つの公式イベントの他、カナダ主催の紛争地における医療任務の保護に関するサイドイベント、世界銀行や米国医学アカデミー等主催の緊急危機対応体制改革、保健人材関連行事など複数の非公式イベントにおいても、山本尚子厚生労働省大臣官房審議官、中谷比呂樹厚生労働省国際参与、渋谷健司厚生労働省国際参与及び嘉治美佐子在ジュネーブ日本政府代表部大使が、座長やパネリスト等としてG7伊勢志摩サミットの成果を含め発信。安倍晋三内閣総理大臣のプレッジやG7サミットの保健アジェンダについて謝意や祝意多数。
  4. 4.決議案合意への貢献
     栄養に関する決議案において、今次総会において、最も多くの回数の非公式協議が開催された。欧米先進国と中低所得国の間で、加盟国に求める要求の強さに関して交渉が難航したが、最終的に我が国から折衷案を提案し、両者を合意へ導き、合意形成に貢献。関係者から謝意が述べられた。

5.その他

  1. (1) 本会議に係る決議・決定案に関し、会議中6つの草案作成グループ全ての協議に参加。争点の合意に至らなかった薬物問題以外は採択に至った。
  2. (2) 太田房江厚生労働大臣政務官は、マーガレット・チャンWHO事務局長や、エチオピア、パキスタン、フランス出身の次期WHO事務局長候補者をはじめとして、2者会談を積極的に行い、我が国の保健医療政策について紹介しつつ、各国の課題、取組について意見交換を実施。さらに、山本厚生労働省大臣官房審議官等はG7各国と神戸保健大臣会合に向けた2者会談を実施、議題候補や7月の専門家会合等の進め方を調整。
  3. (3) 今回は特に、若手保健人材育成の観点から、事前にタイでのワークショップに参加するとともに、続いて我が国において、初のWHO総会準備ワークショップを開催。タイの指導者を招聘して省庁・関係機関・大学などの関係者を対象とし、これにより若手人材の世界保健総会準備プロセスや総会への参画が促進され、発言の機会も拡大。総会当日の我が方の発言やその内容については、WHO事務局長や関係者に高い評価を受けた。

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