ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 他分野の取り組み > 国際関係 > 日本とWHO > WHO総会について > 第68回WHO総会結果(概要)

第68回WHO総会結果(概要)

1 概要

  • ○ 期間:平成27年5月18日(月)〜5月26日(火)
  • ○ 場所:スイス(ジュネーブ)
  • ○ 日本政府代表団:永岡厚生労働副大臣、牛尾大臣官房審議官 等
  • ※WHO総会は、全加盟国代表で構成される最高意思決定機関であり、毎年1回5月に開催され、保健医療に関わる重要な政策決定を行うもの。

2 政府代表演説

 本会議では、永岡桂子厚生労働副大臣が政府代表演説を行った。
 永岡副大臣からユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の全世界での達成に向けた貢献や高齢化社会を見据えた保健システムへの転換などを中心に、日本が取り組む保健医療分野における国際協力について紹介しました。

  • ※ WHOによる定義では「すべての人が適切な予防、治療、リハビリなどの保健医療サービスを、必要なときに支払い可能な費用で受けられる状態」のこと

3 主な議題

(1)マラリア世界技術戦略案2016-2020

 加盟国に対して、戦略に沿ったマラリア対策の取組を要請し、パートナーに対して資金協力を呼びかけ、WHOに対して加盟国への技術移転を促す決議が採択された。

(2)ポリオ

 ポリオ発生国に対して、ポリオ根絶最終戦略計画2013-2018に沿った対策によって野生型ポリオの感染を阻止し、国際保健規則の一時的勧告を実施し、国境を越えた協働の強化を求める決議が採択された。

(3)薬剤耐性

 世界行動計画で提案されている行動を各国の優先度と状況に合わせて実施することを加盟国に求める決議が採択された。

(4)てんかん

 加盟国に対して、保健政策にてんかんを含め、てんかんの管理をプライマリーヘルスケアに統合し、てんかんに関する人々の認識を高めることなどを求める決議が採択された。

(5)大気汚染

 加盟国に対して、大気汚染の健康被害への対策を強化し、研究開発の促進、サーベイランス強化、他分野との情報共有、国際的協働を求める決議が採択された。

(6)国際保健規則(2005)の実施

 国際保健規則(2005)のコア・キャパシティ確立のための更なる取組および確立後の維持の必要性について議論がなされた。また、黄熱病のリスク・マッピングおよび旅行者に対する予防接種の勧告に関する決議および国際保健規則のコア・キャパシティ確立の2度目の期限延長に関する決議が採択された。

(7)2016-2017事業予算提案

 事務局より、総額4,384.9百万米ドルの予算案(2014-15年と比較して10.3%増)が提案され、加盟国による議論が行われた。その後、予算案は事務局提案どおり承認され、具体的な配分は、今後、財政対話を経た後に決定されることとなった。

(8)WHO改革

 各国は、事務局の改革実施の報告を歓迎する一方で、エボラ出血熱対応の反省を踏まえて、費用対効果、効率性等に関する改革の加速、WHOのリーダーシップ強化及び財政対話を通じた予算の透明性・説明責任強化、緊急性の高い領域への予算の重点配分等、事務局の対応のさらなる努力を求めた。

4 二ヵ国間会談等

 英国のジェーン・エリソン保健省政務官、オーストラリアのバウエル保健省次官、ノルウェーのヘイバーグ副大臣等との意見交換を行った。

○英国

 薬剤耐性に関する取組みについて、日英協力のさらなる推進を図ることを確認した。また、エボラ対応に関連して、英国から、公衆衛生危機に対応可能な公的なシステム構築が必要との認識が示され、両国の国際保健分野における継続的な貢献・支援の重要性を認識した。この他、高齢化や非感染性疾患などの課題について、両国の取組みの現状について意見交換を行い、引き続き協力関係を強化していくことを確認した。

○オーストラリア

 薬剤耐性に関する取組みについて、貧困国だけでなく、先進国を含めた喫緊の問題であるとの認識を共有し、早急に対策を進めることの重要性を確認した。また、オーストラリアから、急速な高齢化が進む中における持続可能な社会保障のあり方について、日本とハイレベルでの意見交換をしていきたい旨、発言があった。

○ノルウェー

 高齢化および薬剤耐性に関する取組みについて意見交換を行った。ノルウェーからは、介護を担う人手不足が問題となっており、日本の高齢化対策のうち、特に介護ロボットなどを始めとした高齢者の自立を支えるためのテクノロジーの可能性に注目しているとの発言があった。日本からは、介護保険や訪問介護・訪問医療の充実への取組み、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の重要性などについて、意見を述べた。

ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 他分野の取り組み > 国際関係 > 日本とWHO > WHO総会について > 第68回WHO総会結果(概要)

ページの先頭へ戻る