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第67回WHO総会(概要)

大臣官房国際課

1 概要

  • ○ 期間:平成26年5月19日(月)〜24日(土)
  • ○ 開催地:ジュネーブ(スイス)
  • ○ 参加国:194ヵ国
  • ○ 日本政府代表団:土屋厚生労働副大臣、牛尾大臣官房審議官 堀江大臣官房国際課長 他
  • ※WHO総会は、全加盟国代表で構成される最高意思決定機関であり、毎年1回5月に開催され、保健医療に関わる重要な政策決定を行うもの。

2 政府代表演説

 本会議では、土屋品子厚生労働副大臣が政府代表演説を行った。  我が国が国際保健外交戦略を掲げたことを説明し、国民皆保険制度の経験など、これまでの知見を総動員し、世界の全ての人が経済的打撃なく基礎的保健医療サービスを受けられること、すなわちユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)(※)を目指すことを表明した。

  • ※ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ (UHC:Universal Health Coverage)
    全ての人々が質の担保された基礎的保健医療サービスを、必要な時に、負担可能な費用で享受できる状態概念。今回の総会では、UHC関連の議題や非公式会合などが数多く開催され、日本もサイドイベントにパネリストとして登壇した。日本のUHC達成に関する経験や今後の日本の貢献について意見交換し、活発な議論が行われた。

3 主な議題

(1)結核対策

 2035年までに、世界の結核による死亡を2015年比で95%削減するという目標を掲げた2015年以降の世界の結核対策の枠組みを示した戦略が提示され、これまでの結核対策や今後の課題についての検討が行われた。この戦略を承認する決議が採択された。

(2)薬剤耐性への取組

 薬剤耐性(※)に関する世界の状況、これまでの取組、今後必要とされる取組についての報告に対し、検討が行われた。加盟国に対して薬剤耐性への取り組みを強化すること、WHOに対して世界行動計画の策定を求めることなどを求めた決議が採択された。

  • ※薬剤耐性
    生物が、自分に対して何らかの作用を持った薬剤に対して抵抗性を持ち、これらの薬剤が効かない、あるいは効きにくくなる現象。

(3)ポスト2015開発アジェンダにおける保健課題

 2015年以降の保健分野の開発課題に関する国連全体の議論および保健に特化した議論の進捗状況に関する報告に対し検討が行われた。保健を開発課題の中心に据えるとし、UHCの推進を含む今後の保健課題への対応にかかる決議が採択された。

(4)人材開発(いわゆるレシフェ宣言(※)のフォローアップ)

 保健人材に関するWHOの取組、世界保健人材アライアンス(GHWA:Global Health Workforce Alliance)の活動などに関する報告、検討が行われた。日本が議長を務めた2013年11月に開催された第3回保健人材グローバルフォーラムの成果文書であり、UHC達成に向け、保健人材開発の積極的な推進をうたった「保健人材に関するレシフェ政治宣言」へのコミットメントを呼びかける決議が採択された。

  • ※レシフェ宣言
    UHCの達成に向けて、保健人材をその原動力の中心に据えた政治宣言。「保健医療人材の国際採用に関するWHO世界実施規範」を保健システムと人材強化のためにガイドとして用いること、国の財政状況に応じた活動を明確にし、UHCのための人材育成を優先されることを呼びかけている。

(5)WHO改革

 WHOは、事業・ガバナンス・管理/運営の3分野について総合的に改革を進めており、各分野の改革の進捗について報告し、引き続き戦略的な組織改革を推進していくことについて、加盟国の合意を得た。

  • ○事業改革:
    ・事業計画に対応したプログラム予算の編成
    ・WHO組織内における予算の一貫性保持
  • ○ガバナンス改革:
    ・管理コストの削減、加盟国の管理部門への参加支援
    ・非政府組織との関わり方(今後も検討を継続)
  • ○管理/運営改革:
    ・人材戦略の見直し、戦略的な資源配分の推進、評価体系の確立

4 二ヵ国間会談等

 シン・ヨンスWHO西太平洋地域事務局長ほか、米をはじめとする10カ国以上の政府代表と意見交換を行った。

○アメリカ合衆国

米が主導する世界健康安全保障アジェンダ(GHSA:Global Health Security Agenda)、日本における介護保険と医療提供体制の見直しを盛り込んだ地域医療・介護総合確保推進法案(平成26年6月18日に法案成立)等について、意見交換を実施した。米国からは、GHSAに対する日本の関心と積極的参加に感謝し、JICAとの連携を重視する旨、言及があった。

○英国

日本から、認知症について、日英協力のさらなる推進を図りたい旨、発言。また、英国からは、薬剤耐性対策に関する日本の援助・支援の感謝が伝えられた。加えて、院内感染や医療安全について意見交換を行った。

○カナダ

日本から、本年11月の認知症に関するレガシーイベントへの参加、12月に東京で開催予定の世界健康安全保障イニシアティブ(GHSI:Global Health Security Initiative)への協力を呼びかけた。

○タイ王国

日本における高齢化対策や介護保険と医療提供体制の見直しを盛り込んだ地域医療・介護総合確保推進法案(平成26年6月18日に法案成立)等について、意見交換を実施した。日本からは、タイはASEANの中でリーダー的存在であり、ASEAN地域内での高齢化対策において協力していきたい旨、言及した。一方タイからは、これまでの日本の支援に感謝しており、今後も高齢者のケアの資金調達等について緊密な連携を保ちたい旨、発言があった。

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