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第64回WHO総会結果(概要)

大臣官房国際課

1 概要

  • ○ 期間:平成23年5月16日(月)〜24日(火)
  • ○ 参加国:193ヶ国
  • ○ 日本政府代表団:大塚厚生労働副大臣、麦谷審議官、藤井国際企画室長、武井国際協力室長 等
  • ※WHO総会は、全加盟国代表で構成される最高意思決定機関であり、毎年1回5月に開催され、保健医療に関わる重要な政策決定を行うもの。

2 政府代表演説

大塚厚生労働副大臣より、政府代表演説を行った。概要は以下のとおり。

  • ○ 3月11日に発生した東日本大震災に対する各国政府、国際機関等からの支援への感謝の表明
  • ○ 原子力発電所事故の発生後、大気・海洋中に放射性物質を放出したことへのお詫び及び科学的事実に基づく冷静な対応の依頼
  • ○ ミレニアム開発目標(MDGs)の達成に向けた、母子保健対策及び感染症対策の重要性と日本の支援を表明
  • ○ 非感染疾患対策については、継続的な日本の支援及びWHOの取組みを踏まえた各国における対策の推進への期待を表明

3 「放射能の公衆衛生上の懸念」に関するテクニカル・ブリーフィング

 大塚厚生労働副大臣及び明石真言放射線医学総合研究所理事より、東日本大震災、東京電力福島第1原子力発電所事故の状況及び対応について説明後、WHOより、災害対応に関するWHOの取組みを説明。その後、加盟国との質疑応答が行われた。

4 主な技術保健議題

  1. (1)WHO財政の将来
    • ○ 事務局報告を検討し、執行理事会に対して、WHOのガバナンスに関連する事項を検討するための適切なプロセスを確立することを要求すること、及び、事務局長に対して、1)2012年1月の第130回執行理事会時に、「2012年11月の世界保健フォーラム(World Health Forum)」に関し、詳細なコンセプトペーパーを示すこと、2)加盟国にコンサルテーションを行い、独立評価についてのアプローチを作成し、WHOの仕事についての第1回独立評価報告書を2012年の第65回世界保健総会(WHA)時に提示すること、を求める内容を含む決議を採択した。
  2. (2)中期戦略計画2008−2013とプログラム予算2012-2013
    • ○ 提案された予算総額を3959百万米ドル(2010-2011予算の13%減)とする予算案が承認され、決議が採択された。
    • ○ 24%が分担金であり、前回予算と比べて名目ゼロ成長(ZNG)となった。なお、本年1月の第128回執行理事会で提示された予算案と比較し18%減であった。
  3. (3)鳥・新型インフルエンザ対策:ウイルス共有と他の便益
    • ○ 本年4月に開催された第3回インフルエンザ検体共有問題オープンエンドワーキンググループ(OEWG)会合において合意形成がなされていた、新型インフルエンザのパンデミック発生時におけるウィルス検体共有とワクチンその他の便益へのアクセスに関する枠組み文書が採択された。
  4. (4)保健関連国連ミレニアム開発目標(MDGs)
    • ○ 「女性と子どもの健康に関する情報と説明責任委員会」の最終報告書を歓迎することなどを内容とする決議「第65回国連総会(2010年9月) MDGsハイレベル会合のフォローアップにおけるWHOの役割」が採択された。
  5. (5)HIVエイズのWHO戦略(案)2011-2015
    • ○ 本戦略は、第128回執行理事会時に、多数のコメントが寄せられたことから、加盟国のコンサルテーションに基づき、改変されることとなった。加盟国より、今回提示された戦略案は簡潔となり、また、UNAIDS戦略との整合性が改善しているとして歓迎され、戦略は承認された。
  6. (6)偽造医薬品
    • ○ 本年2月28日から3月2日にかけて開催されたワーキンググループ(WG)の報告がなされ、WGの期間延長を了承した上で、今般の第64回総会終了後、可及的すみやかにWGにおける作業を再開、完了させ、第130回執行理事会を経て次回の第65回総会へ報告することとする旨の総会決定がなされた。
  7. (7)非感染性疾患(NCDs)の予防とコントロール
    • ○ 決議案がドラフティンググループにて検討され、モスクワ宣言(4月に露政府とWHOにより開催された「第1回NCDsと生活習慣に関する閣僚級会合」の成果文書)への言及が盛り込まれ、最終的に決議は採択された。
    • ○ 決議は、モスクワ宣言を承認し、本年9月に予定されている国連ハイレベル会合へのインプットとして位置づけで、ハイレベル会合に向けて、各国とWHOにおいて準備を進めることを要求する内容。

5 二カ国間会談等

 マーガレット・チャンWHO事務局長、シン・ヨンスWHO西太平洋地域事務局長、ハワード・コー アメリカ保健担当次官補、ザビエル・ベルトラン フランス労働・雇用・保健大臣、陳竺 中国衛生部長、陳寿姫 韓国保健福祉部長官、コー・ブンワン シンガポール保健大臣及び、ジェーン・ホルトン オーストラリア健康・高齢省次官との会談を実施。

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