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第108回ILO総会(2019年6月17日)階厚生労働副大臣 日本政府代表演説

 議長、ありがとうございます。私は、日本政府を代表して発言いたします。

 まず、ILO創設100周年をお祝いするとともに、長年にわたり、ILOの活動を支えてきたILO事務局、加盟国、及び各国の労使の皆様に対して、敬意を表します。同時に、「仕事の未来世界委員会」の報告書をとりまとめられた、仕事の未来世界委員会、そして事務局長に感謝いたします。

 今日、世界は、人口動態の変化、技術革新、グローバル化といった構造変化に直面しています。このような中、我々は、どのようにディーセントで持続可能な仕事を実現し、輝かしい未来を創ることができるか、考えていかなければなりません。

 報告書では、未来は人間が選び取るという「人間中心」の考え方が示されました。これは、政労使が向かうべき基本的な方向性を示したものであり、我が国も強く賛同するものです。

 報告書では、様々な政策が提言されています。特に、男女平等に向けたアジェンダの実施、生涯現役社会の実施、そして生涯学習の権利の確立といった政策については、我が国の政策と軌を一にしています。

 我が国は、少子高齢化や生産年齢人口の減少といった大きな構造変化の中にあります。このため、女性や高齢者などを含む様々な方々が、それぞれの事情に応じて、自らの能力を発揮できる環境を整備することが重要です。

 女性の労働参加については、女性活躍推進法等の改正法が国会で成立したところです。この改正法は、企業に女性活躍のための更なる取組を促すものとなっています。具体的には、女性の活躍に向けた行動計画の策定義務の対象となる企業の拡大等を盛り込んでいます。

 この改正法では、ハラスメント対策を一層推進するための規定も盛り込んでいます。具体的には、セクシュアルハラスメント等の防止対策の強化、パワーハラスメント防止のための事業主の雇用管理上の措置義務の新設等を盛り込んでおり、ハラスメントのない職場づくりに向けて尽力していきます。

 また、これまで、女性が、自らの個性と能力を十分に発揮することを妨げていた要因をとり除くことも必要です。長時間労働の是正や、雇用形態に関わらない公正な待遇の確保といった「働き方改革」を着実に推進していきます。

 さらに、日本政府は、今回の総会での「仕事の世界における暴力とハラスメント」に関する条約の採択に向けた議論を歓迎します。各国が効果的にハラスメント対策を進めていくことができる基準の内容となることを期待します。

 高齢者の労働参加については、我が国は、「人生100年時代」を見据えた取組を進めており、70歳までの雇用と就業機会の確保について、検討を行っています。加えて、何歳になっても学び直し、職場復帰や転職が可能となるよう、リカレント教育の拡充にも取り組んでいます。

 この他、国際社会において、人権の保護と促進を図るという観点も重要です。我が国は、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」を履行するための行動計画の作成に取り組んでいます。
 本年、我が国はG20の議長国を務めます。

 9月初めに開催する労働雇用大臣会合では、人口動態の変化、ジェンダー平等、新しい形態の働き方について議論します。

 この機会に、「人間中心」の仕事の未来を形づくるという力強いメッセージを、国際社会へ発信したいと考えています。

 我が国は、ILOの創設に関わった原加盟国として、ILOとのパートナーシップを長い時間をかけて築いてきました。

 これからも、皆さんとともに、ILOの活動に協力するとともに、「人間中心の仕事の未来」を形づくることに取り組んでまいります。

 ありがとうございました。

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