ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 他分野の取り組み > 国際関係 > 日本とILO > ILO総会について > 第107回ILO総会の開催 > 第107回ILO総会(2018年6月6日)牧原厚生労働副大臣 日本政府代表演説

第107回ILO総会(2018年6月6日)牧原厚生労働副大臣 日本政府代表演説

 議長、ありがとうございます。私は、日本政府を代表して発言いたします。

 まず、日本の雇用情勢についてご紹介します。

 日本では、完全失業率は2.5%となっています。有効求人倍率については、1.59倍を記録し、全ての都道府県で1倍を超えており、正社員に関して言えば1.08倍を記録しています。また、今春卒業の大学生の就職率は98.0%と過去最高を記録しています。このように、我が国の雇用情況は歴史的にみても高水準であり、むしろ、人手不足が深刻です。

 一方で、女性活躍については、日本政府としても、事務局長報告で述べられているように重要なものであると認識しています。

 女性の活躍のためには、仕事を続けやすい環境が、職場の内外について整うこと、また、女性の活躍を企業が積極的に後押しすることが必要であり、そのための施策を進めています。

 具体的には、2013年度から2017年度末までの5年間で約52.3万人分の保育の受け皿拡大を進めてきました。さらに、2018年度から3年間で約32万人分の受け皿を拡大すべく取り組んでいます。

 さらに、子育てや介護をしながらキャリアを中断せずに働き続けられるよう、例えば、2014年から、育児休業開始後6箇月までの育児休業給付の比率を50%から67%に引き上げています。

 企業における取組の推進としては、女性活躍推進法に基づき、301人以上の大企業に、自社の女性活躍の状況に関する把握・分析を踏まえた行動計画の策定等を義務付けています。

 これらの取組の結果、女性の就業者数はこの5年間で約201万人増加するとともに、これまで30〜40%台で推移してきた女性の「第一子出産後の就業継続率」が、最近では、50%台まで増加するなどの成果が出ています。

 また、来年10月の消費税率引き上げによる増収に合わせて、3歳から5歳までの幼児教育・保育の無償化を進めることとしています。

 日本の人口は、2008年には約1億2810万人とピークを迎えたものの、わずか9年で約140万人減少し、2055年には1億人を下回ることが予想されています。

 そのような状況において、我が国では、高齢者も若者も、女性も男性も、難病や障害を抱える人も、誰もが活躍できる一億総活躍社会の実現を安倍内閣の最重要課題として取り組んでいます。

 その最大のチャレンジである働き方改革は、一人ひとりの意思や能力、置かれた事情に応じた多様な働き方の選択を可能とするため、働く方の視点に立って行う改革です。

 具体的には、長時間労働の是正に向けて、時間外労働の上限について、特別な事情がある場合でも、年720時間、単月100時間、複数月平均80時間を限度に設定し、違反があった場合の罰則を設ける規制を創設します。

 我が国の非正規雇用労働者は、現在、全雇用者の37.3%となっており、非正規雇用の68.2%は女性です。また、不本意ながら非正規の職に就いている方の割合について、2017年は14.3%となっています。
 このため、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差や差別的取扱い等を禁止する規定の整備などを行います。

 このような改革を実行に移すため、本年4月に働き方改革法案を本国会に提出し、本格的に議論を行っています。

 日本は他国に先駆けて少子化や長寿化が進み、人手不足を抱える課題先進国です。そのような状況下で、例えば、AI等のイノベーションを、あらゆる産業や社会生活に積極的に取り入れ、様々な社会課題の解決を目指しています。日本の経験を世界の皆さんの課題解決に役立てて頂きたいと願っています。

 情報交換や意見交換を通じ、女性をはじめとするより多くの人々が活躍できる社会をつくるために、ともに取り組んでいきましょう。

 ご清聴ありがとうございました。

ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 他分野の取り組み > 国際関係 > 日本とILO > ILO総会について > 第107回ILO総会の開催 > 第107回ILO総会(2018年6月6日)牧原厚生労働副大臣 日本政府代表演説

ページの先頭へ戻る