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「国際協力シンポジウム」 アジアにおける社会開発の現状と国際協力−世界経済危機下での貧困と雇用問題への取組

国際協力シンポジウム:アジアにおける社会開発の現状と国際協力
〜世界経済危機下での貧困と雇用問題への取組〜
結果概要

平成21年10月9日(金)
於:三田共用会議所講堂

1 開催趣旨

厚生労働省は、1974年以来35年にわたり実施しているILO/日本マルチバイプログラムを始め、JICA技術協力等様々な団体・プログラムにより、社会開発分野の国際協力事業を実施しています。世界経済危機の下、アジア・太平洋地域における貧困や雇用問題に対応し、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を実現するため、社会開発分野の国際協力の重要性はますます高まっています。厚生労働省では、これら社会開発の国際協力の現状を概観し、現下及び将来の課題に対応するための協力のあるべき姿について検討を加えるため、シンポジウムを開催いたしました。

2 開催状況

(1) 参加者数 約80名(事務局除く)
(2) 概要

受付開始より開会まで1時間においては、講堂後方にILO/日本マルチ・バイ事業に関するパネルを展示し、参加者に観覧していただきました。

開会の挨拶については、厚生労働大臣を代理して村木太郎総括審議官(国際担当)より行いました。


《シンポジウム参加者》

 

基調講演では、山本幸子ILOアジア・太平洋地域総局長より「公正なグローバル化と社会正義のための持続的な回復」というテーマで、@世界全体の弱体化している労働市場の現状を背景に、G20や国連内においても雇用が重要なテーマとなってきていること、A2008年にILO総会において採択した「公正なグローバル化のための社会正義に関する宣言」について、B日本が拠出してILOが実施しているILO-Japan Programmeについて、講演いただき、ディーセント・ワークの重要性を強調されました。


《基調講演を行う山本幸子ILOアジア・太平洋地域総局長》

 


《シンポジウムにご参集いただいたパネリストの皆様(左から鈴木宏二(財)国際労働財団現地支援グループリーダー、中野頼明(財)海外職業訓練協会国際協力アドバイザー、福澤義行厚生労働省職業能力開発局外国人研修推進室長)》

 

シンポジウムにおいては、まず座長である村木総括審議官(国際担当)より、日本政府がODAを推進すべき理由として、@経済のグローバル化により、各国の経済情勢が互いに影響し合う状況にあることから協働発展の必要であること、A日本企業が海外進出する際に現地で成功するための労働環境整備が必要であること、を挙げ、厚生労働省の取り組みについて説明しました。


《厚生労働省の取り組みを説明する村木厚生労働省大臣官房総括審議官(国際担当)》

 

続いて、(財)国際労働財団(JILAF)の鈴木宏二現地支援グループリーダーより、日本は中間所得層の厚いことが高度経済成長期の経済発展を支えたが、現在の途上国においては、最下層に張り付いていることが問題であると提起をした上で、POSITIVEプログラム等JILAFの実施しているプロジェクトを紹介いただきました。


《(財)国際労働財団の活動内容を紹介する鈴木宏二氏》

 

(財)海外職業訓練協会(OVTA)の中野頼明国際協力アドバイザーからは、職業訓練分野の国際協力に関して、技能習得レベル別の人口構成などから対象者の選定方法の説明、これまでの現場経験談を紹介いただくとともに、ASEAN域内の各機関がネットワーク構築することで、点から線へ、線から面へ、と人的資源開発を広げることが効果的であることなどを提言いただきました。


《職業訓練分野の国際協力に関する経験談を紹介する中野頼明氏》

 

元JICA専門家・ILOアジア・太平洋地域総局のチーフ・テクニカル・アドバイザーである福澤義行職業能力開発局外国人研修推進室長からは、過去に携わったJICAやILOのプロジェクトについて紹介いただくとともに、JICA、ILO双方の特長を述べ、双方が独立してプロジェクトを実施するのではなく、連携して実施することで、より効果的になることを提言いただきました。


《過去に携わったJICAやILOの活動について紹介する福澤義行氏》

 

各パネリストのプレゼンテーションの後に、指定発言者として(財)日本経団連国際協力センター「アジア諸国人事労務管理者育成事業」研修受講生としてタイより来日中のパニダ・カラチェディーさんより、研修の内容を紹介するとともに、タイのキャリア・アップの考え方と研修で理解した日本の経営のあり方の違いの紹介、研修で得た経験をどのように活かしたいかということ、このような経験の場を与えてくれた日本に感謝していること等について、ご発言いただきました。


《指定発言者としてご発言いただいたパニダ・カラチェディーさん》

 

最後に、ILO駐日事務所長谷川真一代表より、今後社会開発分野の国際協力が一層重要になるだろうことなどを挨拶としていただき、シンポジウムは閉会しました。


《閉会の挨拶を行う長谷川真一ILO駐日事務所代表》

 

以上

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