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児童相談所運営指針新旧対照表

児童相談所運営指針新旧対照表

児童相談所運営指針
改正後 現行
第3章   相談、調査、診断、判定、援助決定業務 第3章   相談、調査、診断、判定、援助決定業務
   第2節   相談の受付と受理会議    第2節   相談の受付と受理会議
   
6  .  相談受付の方法
6  .  相談受付の方法
   相談の受付時は子どもや保護者等にとって危機的な状況である場合もあり、この間の相談受付の方法がその後の経過に大きな影響を与えることになる。したがって、子どもや保護者の気持ちを和らげ、秘密は守る旨話す等受容的かつ慎重に対応する。
   なお、児童虐待防止法第6条で、児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所又は児童相談所に通告しなければならないこととされている。
   虐待に関する通告は、必ずしも通告という形でもたらされるとは限らず相談・情報提供等の形態でもたらされることも多いことから、外部からの個人を特定できる虐待に関する情報(要保護児童対策地域協議会等の事例検討の場において協議された事例であって、市町村が送致を要しないものとして対応しているケースに係るものを除く。)については、すべて虐待通告として、虐待相談・通告受付票(虐待対応の手引き:第3章、表3−1を参照)を起こし、緊急受理会議を開き、対応を組織的に協議すること。


   相談の受付時は子どもや保護者等にとって危機的な状況である場合もあり、この間の相談受付の方法がその後の経過に大きな影響を与えることになる。したがって、子どもや保護者の気持ちを和らげ、秘密は守る旨話す等受容的かつ慎重に対応する。
   なお、児童虐待防止法第6条で、児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所又は児童相談所に通告しなければならないこととされている。虐待相談においては特に受付段階(初期段階)の対応が重要であり、その後の対応に決定的な影響を与えることもあることを十分注意し、積極的に通告として対応するよう努めなければならない。
   市町村、福祉事務所及び児童相談所は、相互に緊密に連携し、夜間、休日等であっても通告を受けて適切な対応が採れるよう所要の体制を整備することが必要である。
   このため、児童相談所においては、当直体制の整備など自らが通告を受けて適切な対応が取れるような体制の確保に努めるほか、児童相談所が市町村や福祉事務所とは異なり、立入調査や一時保護等の権限の行使を認められた児童福祉の専門機関であることも踏まえ、夜間、休日等の執務時間外の市町村等からの送致や相談に適切に対応することが必要である。
   また、守秘義務にかかわること(児童虐待防止法第6条第3項、同法第7条)や調査項目、速やかな安全確認(児童虐待防止法第8条)等について所内で意思統一を図っておく必要がある。
   市町村、福祉事務所及び児童相談所は、相互に緊密に連携し、夜間、休日等であっても通告を受けて適切な対応が採れるよう所要の体制を整備することが必要である。
   このため、児童相談所においては、当直体制の整備など自らが通告を受けて適切な対応が取れるような体制の確保に努めるほか、児童相談所が市町村や福祉事務所とは異なり、立入調査や一時保護等の権限の行使を認められた児童福祉の専門機関であることも踏まえ、夜間、休日等の執務時間外の市町村等からの送致や相談に適切に対応することが必要である。
   また、守秘義務にかかわること(児童虐待防止法第6条第3項、同法第7条)や調査項目、速やかな安全確認(児童虐待防止法第8条)等について所内で意思統一を図っておく必要がある。
   
7  .  受理会議
7  .  受理会議
   (1)    受理会議の目的
  受理会議の目的は以下のとおりである。
児童相談所で受け付けた事例について協議し、主たる担当者、調査及び診断の方針、安全確認(児童虐待防止法第8条)の時期や方法、一時保護の要否等を検討するとともに、既にとられた対応の適否や調査・診断中の事例の結果を報告、再検討し、最も効果的な相談援助方 法を検討することである。
   なお、来談者の相談内容(主訴)と児童相談所が援助の対象とすべきと考える問題が異なる場合もあるので、受理会議ではこれらについても十分検討を行う。
   (1)    受理会議の目的
     受理会議の目的は以下のとおりである。
   児童相談所で受け付けた事例について協議し、主たる担当者、調査及び診断の方針、安全確認(児童虐待防止法第8条)の時期や方法、 一時保護の要否等を検討するとともに、既にとられた対応の適否や調査・診断中の事例の結果を報告、再検討し、最も効果的な相談援助方法を検討することである。
   なお、来談者の相談内容(主訴)と児童相談所が援助の対象とすべきと考える問題が異なる場合もあるので、受理会議ではこれらについても十分検討を行う。
   (2)    受理会議の方法
      ア   原則として週1回定例の会議を開催する。このほか虐待通告があった場合等の緊急に受理会議を開催する必要がある場合には随時開催する。
      イ    相談・指導部門の長が主宰し、児童相談所長、各部門の長及び受付相談員等が参加する。緊急に受理会議を開催する場合には柔軟に対応する。
      ウ    提出する事例は児童相談所でその週に受け付けた全事例、調査・診断の結果報告、再検討を要する事例等である。
      エ    事例の中には比較的軽易な検討ですむものから十分な協議を必要とするものまで含まれているので、柔軟な会議運営を心がける。
      オ    会議の経過及び結果は受理会議録に記載し、保存する。
      カ    会議の結果に基づき、当面の方針や主たる担当者、調査及び診断の方針、一時保護の要否等を決定する。
      キ    受理した事例の進行状況の把握・管理のため所長が決裁する。
   (2)    受理会議の方法
      ア   原則として週1回定例の会議を開催する。このほか緊急に受理会議を開催する必要がある場合には随時開催する。
      イ    相談・指導部門の長が主宰し、児童相談所長、各部門の長及び受付相談員等が参加する。緊急に受理会議を開催する場合には柔軟に対応する。
      ウ    提出する事例は児童相談所でその週に受け付けた全事例、調査・診断の結果報告、再検討を要する事例等である。
      エ    事例の中には比較的軽易な検討ですむものから十分な協議を必要とするものまで含まれているので、柔軟な会議運営を心がける。
      オ    会議の経過及び結果は受理会議録に記載し、保存する。
      カ    会議の結果に基づき、当面の方針や主たる担当者、調査及び診断の方針、一時保護の要否等を決定する。
      キ    受理した事例の進行状況の把握・管理のため所長が決裁する。
   
8  .  児童記録票の作成
8  .  児童記録票の作成
   (1)    児童記録票は、世帯ごとではなく相談を受理した子どもごとに作成する。
 
   (2)    受理会議終了後、児童記録票の番号を確定する。再相談の場合は、これまでの児童記録票が再びおこされることになる。
   (1)    受理会議終了後、児童記録票の番号を確定する。再相談の場合は、これまでの児童記録票が再びおこされることになる。
   
第3節   調査 第3節   調査
3  .  調査の開始
3  .  調査の開始
          調査の開始及び担当者は原則として受理会議を経て決定する。ただし、緊急の場合、巡回相談中の受付の場合等においてはこの限りでない。

          調査の開始及び担当者は原則として受理会議を経て決定する。ただし、緊急の場合、巡回相談中の受付の場合等においてはこの限りでない。
          虐待通告(「送致」を含む。)を受けた場合であって、安全確認を必要と判断される事例については、速やかに緊急受理会議を開催し、緊急性など個々の事例の状況に応じて、安全確認の実施時期、方法等の対応方針を決定する。
   なお、安全確認は、児童相談所職員又は児童相談所が依頼した者により、子どもを直接目視することにより行うことを基本とし、他の関係機関によって把握されている状況等を勘案し緊急性に乏しいと判断されるケースを除き、通告受理後、各自治体ごとに定めた所定時間内に実施することとする。当該所定時間は、各自治体ごとに、地域の実情に応じて設定することとするが、迅速な対応を確保する観点から、「48時間以内とする」ことが望ましい。
   また、こうした初期対応のほか、必要に応じて、後日、追加的なアセスメントを適切に実施する。
 
   
4  .  調査事項
4  .  調査事項
   (1)    調査事項は相談の内容によって異なるが、標準的には以下の事項が調査対象となる。
   (1)    調査事項は相談の内容によって異なるが、標準的には以下の事項が調査対象となる。
      [1]    子どもの居住環境及び学校、地域社会等の所属集団の状況
      [2]    子どもの家庭環境、家族の状況
      [3]    子どもの生活歴、生育歴
      [4]    子ども、保護者等の現況
      [5]    過去の相談歴等
      [6]    児童相談所以外の機関の子ども・家族への援助経過
      [7]    援助等に関する子どもや保護者等の意向
      [8]    その他必要と思われる事項
      [1]    子どもの居住環境及び学校、地域社会等の所属集団の状況
      [2]    子どもの家庭環境、家族の状況
      [3]    子どもの生活歴、生育歴
      [4]    子ども、保護者等の現況
      [5]    過去の相談歴等
   
      [6]    援助等に関する子どもや保護者等の意向
      [7]    その他必要と思われる事項
   
   (2)    法第25条の6において、児童相談所は、法第25条の規定による通告を受けた場合において必要があると認めるときは、速やかに、その子どもの状況の把握を行うものとされている。
   特に児童虐待に係る通告については、児童相談所が児童虐待防止法第6条第1項の規定による通告又は市町村若しくは都道府県の設置する福祉事務所からの送致を受けたときは、児童相談所長は、必要に応じ近隣住民、学校の教職員、児童福祉施設の職員その他の者の協力を得つつ、その子どもとの面会その他の手段によりその子どもの安全の確認を行うよう努めなければならないこととされている。(児童虐待防止法第8条第2項)
   (2)    法第25条の6において、児童相談所は、法第25条の規定による通告を受けた場合において必要があると認めるときは、速やかに、その子どもの状況の把握を行うものとされている。
   特に児童虐待に係る通告については、児童相談所が児童虐待防止法第6条第1項の規定による通告又は市町村若しくは都道府県の設置する福祉事務所からの送致を受けたときは、児童相談所長は、必要に応じ近隣住民、学校の教職員、児童福祉施設の職員その他の者の協力を得つつ、その子どもとの面会その他の手段によりその子どもの安全の確認を行うよう努めなければならないこととされている。(児童虐待防止法第8条第2項)
   
   5  .調査の方法
   5  .調査の方法
   
  (4)立入調査   (4)立入調査
   ア    法第29条に規定する立入調査は、法第28条に定める承認の申立を行った場合だけではなく、虐待や放任等の事実の蓋然性、子どもの保護の緊急性、保護者の協力の程度などを総合的に勘案して、法第28条に定める承認の申立の必要性を判断するために調査が必要な場合にも行えることに留意する。
   また、児童虐待防止法第9条の規定では、児童虐待が行われているおそれがあると認めるときに子どもの住所又は居所に立ち入り、必要な調査又は質問させることができること、同条第2項において、立入り及び調査又は質問を正当な理由なく拒否をした場合等については、必要に応じて法第62条第1号の規定の活用を図ること。
   ア    法第29条に規定する立入調査は、法第28条に定める承認の申立を行った場合だけではなく、虐待や放任等の事実の蓋然性、子どもの保護の緊急性、保護者の協力の程度などを総合的に勘案して、法第28条に定める承認の申立の必要性を判断するために調査が必要な場合にも行えることに留意する。
   また、児童虐待防止法第9条の規定では、児童虐待が行われているおそれがあると認めるときに子どもの住所又は居所に立ち入り、必要な調査又は質問させることができること、同条第2項において、立入り及び調査又は質問を正当な理由なく拒否をした場合等については、必要に応じて法第62条第1号の規定の活用を図ること。
   イ    立入調査の必要がある場合には、都道府県知事等(児童相談所長に権限が委任されている場合は児童相談所長)の指示のもとに実施する。
(削除)
   イ    立入調査の必要がある場合には、都道府県知事等(児童相談所長に権限が委任されている場合は児童相談所長)の指示のもとに実施する。市町村吏員に立入調査を行わせるときは市町村長を通じ指示・監督することが適当である。
   ウ    立入調査に当たっては、必要に応じ、市町村に対し関係する職員の同行・協力を求める。また、子ども又は調査担当者に対する保護者等の加害行為等に対して迅速な援助が得られるよう、必要に応じ、児童虐待防止法第10条により警察に対する援助の依頼を行い、これに基づく連携による適切な調査を行うとともに、状況に応じ遅滞なく子どもの一時保護を行うなど、子どもの福祉を最優先した臨機応変の対応に努める。
   ウ    立入調査に当たっては、必要に応じ、子ども又は調査担当者に対する保護者等の加害行為等に対して迅速な援助が得られるよう、児童虐待防止法第10条により警察に対する援助の依頼を行い、これに基づく連携による適切な調査を行うとともに、状況に応じ遅滞なく子どもの一時保護を行うなど、子どもの福祉を最優先した臨機応変の対応に努める。
          なお、警察への援助の依頼については、第7章第14節「5.虐待事例等における連携(3)立入調査における連携」を参照すること。
          なお、警察への援助の依頼については、第7章第14節「5.虐待事例等における連携(2)立入調査における連携」を参照すること。
   エ    立入調査に当たっては、その後の家庭裁判所における審判等における事実関係の確認に資するため、必要な範囲において写真やビデオあるいはスケッチ等を含め具体的、詳細な調査記録の作成を行うとともに、関係書類等の入手・保存に努める。
   エ    立入調査に当たっては、その後の家庭裁判所における審判等における事実関係の確認に資するため、必要な範囲において写真やビデオあるいはスケッチ等を含め具体的、詳細な調査記録の作成を行うとともに、関係書類等の入手・保存に努める。
   オ    立入調査については、平成12年11月20日児発第875号「「児童虐待の防止等に関する法律」の施行について」及び平成16年8月13日雇児発第0813002号「「児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律」の施行について」、本指針並びに平成9年6月20日児発第434号「児童虐待等に関する児童福祉法の適切な運用について」及び「子ども虐待対応の手引き」に基づき行う。
   オ    立入調査については、平成12年11月20日児発第875号「「児童虐待の防止等に関する法律」の施行について」及び平成16年8月13日雇児発第0813002号「「児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律」の施行について」、本指針並びに平成9年6月20日児発第434号「児童虐待等に関する児童福祉法の適切な運用について」及び「子ども虐待対応の手引き」に基づき行う。
   
第  6節   援助方針会議 第  6節   援助方針会議
      (1)     援助方針会議は調査、診断、判定等の結果に基づき子どもや保 護者等に対する最も効果的な援助指針を作成、確認するために行 う。援助指針は、援助方針会議の結果に基づき事例の主担当者が 作成する。なお、援助指針の意義、内容等については、第1章第 4節を参照すること。
      (2)     援助方針会議は、原則として受理会議後、児童相談所が相談援 助活動を行うこととしたすべての事例の援助について検討を行う。
   現に援助中の事例の終結、変更(措置の解除、停止、変更、在所期間の延長、援助指針の変更等も含む)等についても検討を行う。その際、事例の中には比較的軽易な検討ですむものから十分な協議を必要とするものまで含まれているので、柔軟な会議運営を心がける。
   なお、在宅の虐待事例については、状況の変化等についてのフォローを確実に行うため、ITシステムの導入・進行管理台帳の整備等を行うことにより、すべての事例について定期的に現在の状況を会議において検討することが必要である。
      (1)     援助方針会議は調査、診断、判定等の結果に基づき子どもや保護者等に対する最も効果的な援助指針を作成、確認するために行う。援助指針は、援助方針会議の結果に基づき事例の主担当者が作成する。なお、援助指針の意義、内容等については、第1章第4節を参照すること。
      (2)     援助方針会議は、原則として受理会議後、児童相談所が相談援助活動を行うこととしたすべての事例の援助について検討を行う。
   現に援助中の事例の終結、変更(措置の解除、停止、変更、在所期間の延長、援助指針の変更等も含む)等についても検討を行う。なお、事例の中には比較的軽易な検討ですむものから十分な協議を必要とするものまで含まれているので、柔軟な会議運営を心がける。
      (3)     援助の決定に当たっては、特別な場合を除き、子どもや保護者 の意向を尊重するとともに、子どもの最善の利益の確保に努める
      (4)     援助方針会議においては、緊急対応が必要か、カウンセリングが必要か等の援助の内容の検討及び児童相談所、施設、機関等の援助能力も考慮に入れ検討を行う。
      (5)     援助方針会議は措置部門の長が主宰し、原則として週1回定例 的に開催し、児童相談所長、各部門の長、事例を担当した児童福祉司、児童心理司等の事例担当者等が参加し、多角的・重層的に検討を行う。
      (6)     会議の経過及び結果は援助方針会議録に記入し、保存する。
      (7)     援助方針会議に提出された事例の個々の援助は、所長が決定する。
      (3)     援助の決定に当たっては、特別な場合を除き、子どもや保護者 の意向を尊重するとともに、子どもの最善の利益の確保に努める。
      (4)     援助方針会議においては、緊急対応が必要か、カウンセリングが必要か等の援助の内容の検討及び児童相談所、施設、機関等の援助能力も考慮に入れ検討を行う。
      (5)     援助方針会議は措置部門の長が主宰し、原則として週1回定例的に開催し、児童相談所長、各部門の長、事例を担当した児童福祉司、児童心理司等の事例担当者等が参加し、多角的・重層的に検討を行う。
      (6)     会議の経過及び結果は援助方針会議録に記入し、保存する。
      (7)     援助方針会議に提出された事例の個々の援助は、所長が決定する。
   
第7章   各種機関との連携 第7章   各種機関との連携
   第 1節   各種機関との連携の重要性    第 1節   各種機関との連携の重要性
   (1)     子どもや家庭をめぐる問題は複雑・多様化しており、問題が深刻 化する前の早期発見・早期対応、子どもや家庭に対するきめ細かな 支援が重要となっている。そのためには、児童相談所の有する機能 等のほか、福祉事務所、知的障害者更生相談所、身体障害者更生相 談所、児童福祉施設、児童委員、児童家庭支援センター等福祉分野 の機関のみならず、保健所、精神保健福祉センター、市町村保健セ ンター、家庭裁判所、学校、教育委員会、警察、人権擁護委員、民 間団体等種々の分野の機関とも連携を図るとともに、各機関とのネ ットワークを構築して、その活用を図ることが必要である。
   (1)     子どもや家庭をめぐる問題は複雑・多様化しており、問題が深刻 化する前の早期発見・早期対応、子どもや家庭に対するきめ細かな 支援が重要となっている。そのためには、児童相談所の有する機能 等のほか、福祉事務所、知的障害者更生相談所、身体障害者更生相 談所、児童福祉施設、児童委員、児童家庭支援センター等福祉分野 の機関のみならず、保健所、精神保健福祉センター、市町村保健セ ンター、家庭裁判所、学校、教育委員会、警察、人権擁護委員、民 間団体等種々の分野の機関とも連携を図るとともに、各機関とのネ ットワークを構築して、その活用を図ることが必要である。
   (2)     こうした関係機関の円滑な連携を図るためには、これらの機関の 機能や仕組及び関連制度等について的確に把握するとともに、児童 相談所の機能や仕組等についても関係機関の理解を求める等、各機 関の相互理解に基づく一体的な連携が重要である。
   (2)     こうした関係機関の円滑な連携を図るためには、これらの機関の 機能や仕組及び関連制度等について的確に把握するとともに、児童 相談所の機能や仕組等についても関係機関の理解を求める等、各機 関の相互理解に基づく一体的な連携が重要である。
   (3)     複数の機関が連携しながら相談援助を進める場合、事例の進捗状況や援助の適否、問題点、課題等について、特定の機関が責任をもって把握、分析、調整等(ケースマネージメント)を行う必要があるが、どの機関がこれを行うのか常に明らかにしておく必要がある。
   (3)     複数の機関が連携しながら相談援助を進める場合、事例の進捗状 況や援助の適否、問題点、課題等について、特定の機関が責任をも って把握、分析、調整等(ケースマネージメント)を行う必要があ るが、どの機関がこれを行うのか常に明らかにしておく必要がある。
   (4)     特に、近年子どもに対する虐待が増加しているが、虐待は家庭内 で行われることが多いため、早期発見が困難な場合が多く、また、 同時に多くの問題を抱えている場合が多いことから、関係機関が一 堂に会し、情報交換を行うとともに、共通の認識に立ってそれぞれ の役割分担を協議する等、各関係機関が連携しながら早期発見並び に効果的対応を図ることが極めて重要である。
   (4)     特に、近年子どもに対する虐待が増加しているが、虐待は家庭内 で行われることが多いため、早期発見が困難な場合が多く、また、 同時に多くの問題を抱えている場合が多いことから、関係機関が一 堂に会し、情報交換を行うとともに、共通の認識に立ってそれぞれ の役割分担を協議する等、各関係機関が連携しながら早期発見並び に効果的対応を図ることが極めて重要である。
   (5)     このため、平成16年児童福祉法改正法により、地方公共団体は、 要保護児童の適切な保護を図るため、関係機関等により構成され、 要保護児童及びその保護者に関する情報等の交換や要保護児童等に 対する支援内容の協議を行う要保護児童対策地域協議会を置くこと ができることとされた。
   (5)     このため、平成16年児童福祉法改正法により、地方公共団体は、 要保護児童の適切な保護を図るため、関係機関等により構成され、 要保護児童及びその保護者に関する情報等の交換や要保護児童等に 対する支援内容の協議を行う要保護児童対策地域協議会を置くこと ができることとされた。
   (6)     児童相談所は、児童家庭相談への対応について、市町村とともに 中核的な役割を担っており、市町村による要保護児童対策地域協議 会の設置や運営を支援するなどに積極的に取り組むことが求められる。
   (6)     児童相談所は、児童家庭相談への対応について、市町村とともに 中核的な役割を担っており、市町村による要保護児童対策地域協議 会の設置や運営を支援するなどに積極的に取り組むことが求められ る。
   (7)     また、虐待の早期発見については、平成16年児童虐待防止法改正 法により、子どもの福祉に職務上関係のある者だけでなく、学校、 児童福祉施設、病院等の児童の福祉に業務上関係のある団体も児童 虐待の早期発見に責任を負うことが明確にされるとともに、通告の 対象が「児童虐待を受けた児童」から「児童虐待を受けたと思われ る児童」に拡大された。
   これを踏まえ、関係機関等に対し平成16年児童虐待防止法改正 法の内容を周知するとともに、虐待の早期発見のため、通告はためらうことなく、幅広く行うよう依頼することも必要である。
   (7)     また、虐待の早期発見については、平成16年児童虐待防止法改正 法により、子どもの福祉に職務上関係のある者だけでなく、学校、 児童福祉施設、病院等の児童の福祉に業務上関係のある団体も児童 虐待の早期発見に責任を負うことが明確にされるとともに、通告の 対象が「児童虐待を受けた児童」から「児童虐待を受けたと思われ る児童」に拡大された。
   これを踏まえ、関係機関等に対し平成16年児童虐待防止法改正 法の内容を周知するとともに、虐待の早期発見のため、通告はため らうことなく、幅広く行うよう依頼することも必要である。
   (8)     さらに、児童相談所は、地域における各種機関相互の有機的な連携を図るとともに、児童相談所と各種機関相互の情報流通を良くする観点から、関係機関の関与が必要な事例に関する情報について、抱え込むことなく、市町村及び要保護児童対策地域協議会に対し積極的に提供するものとする。
 
   (9)     個々の事例に関して他の機関にあっせんする等の場合には、子ど もや保護者等の了解を得ることを基本とし、やむを得ずこうした了 解が得られない場合においても、参加機関に守秘義務が課せられる 要保護児童対策地域協議会を活用するなど、プライバシ−保護に留意する。
   (8)     個々の事例に関して他の機関にあっせんする等の場合には、子ど もや保護者等の了解を得ることを基本とし、やむを得ずこうした了 解が得られない場合においても、参加機関に守秘義務が課せられる 要保護児童対策地域協議会を活用するなど、プライバシ−保護に留 意する。
   (10)   また、個別ケースに関する援助方針の策定に当たっては、民間団 体を含め、様々な連携する関係機関の意見を十分に踏まえるととも に、関係者による事後的な評価に努めること。
   (9)     また、個別ケースに関する援助方針の策定に当たっては、民間団 体を含め、様々な連携する関係機関の意見を十分に踏まえるととも に、関係者による事後的な評価に努めること。
   
      第2節   市町村との関係    第2節   市町村との関係
   
   2  .個別的事項
   2  .個別的事項
   (1)     1歳6か月児に係る精神発達面における精密健康診査並びに3歳児に係る精神発達面における精密健康診査及びこれらの事後指導を行う場合には、児童相談所は市町村と十分に連携を図って行う。
   (1)     1歳6か月児に係る精神発達面における精密健康診査並びに3歳児に係る精神発達面における精密健康診査及びこれらの事後指導を行う場合には、児童相談所は市町村と十分に連携を図って行う。
   (2)     保育の実施が必要な子どもについては、これを市町村に通知する。
なお、児童虐待防止法第13条の2により、市町村は、保育所に入所する子どもを選考する場合には、児童虐待の防止に寄与するため、特別の支援を要する家庭の福祉に配慮をしなければならないこととされていることに留意すること。
   (2)     保育の実施が必要な子どもについては、これを市町村に通知する。
なお、児童虐待防止法第13条の2により、市町村は、保育所に入所する子どもを選考する場合には、児童虐待の防止に寄与するため、特別の支援を要する家庭の福祉に配慮をしなければならないこととされていることに留意すること。
   (3)     児童相談所は市町村が障害児保育事業又は障害児デイサービス事業を行う場合には、必要に応じ判定、相談等を行う。
   (3)     児童相談所は市町村が障害児保育事業又は障害児デイサービス事業を行う場合には、必要に応じ判定、相談等を行う。
   (4)     子どもを養育している家庭の保護者が疾病等の社会的事由や仕事の事由等によって家庭における子どもの養育が一時的に困難となった場合などには、子育て支援短期利用事業の活用について、市町村に通知する。
   (4)     子どもを養育している家庭の保護者が疾病等の社会的事由や仕事の事由等によって家庭における子どもの養育が一時的に困難となった場合などには、子育て支援短期利用事業の活用について、市町村と十分な連携を図る。
   (5)     子どもを養育している家庭が、養育困難家庭(出産後間もない時期の養育者が、育児ストレス等の問題によって子育てに対して不安や孤立感等を抱える家庭、又は虐待のおそれや、そのリスクを抱える家庭等)として養育支援の必要性が認められる場合には、育児支援家庭訪問事業の活用について、市町村に通知する。
   (5)     子どもを養育している家庭が、養育困難家庭(出産後間もない時期の養育者が、育児ストレス等の問題によって子育てに対して不安や孤立感等を抱える家庭、又は虐待のおそれや、そのリスクを抱える家庭等)として養育支援の必要性が認められる場合には、育児支援家庭訪問事業の活用について、市町村と十分な連携を図る。
   (6)     棄児を受理した場合は、必要に応じ新たに戸籍を作成するよう市町村に届け出る。
   (6)     棄児を受理した場合は、必要に応じ新たに戸籍を作成するよう市町村に届け出る。
   (7)     巡回相談、児童福祉に関する企画、広報等を行う場合には、市町村と十分連携を図る。
   (7)     巡回相談、児童福祉に関する企画、広報等を行う場合には、市町村と十分連携を図る。
   (8)     その他児童相談所は児童居宅介護等事業等市町村が実施主体となっている事業の実情を把握し、十分な連携を図っていく。
   (8)     その他児童相談所は児童居宅介護等事業等市町村が実施主体となっている事業の実情を把握し、十分な連携を図っていく。
   
   第14節   警察との関係    第14節   警察との関係
   5  .虐待事例等における連携
   5  .虐待事例等における連携
    (1)連携体制
     子どもの保護に向けて、児童相談所と警察署、都道府県児童福祉担当部局と都道府県警察本部のそれぞれにおいて連携体制を整備し、相互に情報を交換し、衆知を集めた対応が行えるようにする。
 
    (2)   要保護児童の通告
     警察から通告される虐待事例等は、一般に保護の緊急性が高い場合が多いので、即日緊急の受理会議を開催する等、特に迅速かつ柔軟に対応する。
(1)    要保護児童の通告
     警察から通告される虐待事例等は、一般に保護の緊急性が高い場合が多いので、即日緊急の受理会議を開催する等、特に迅速かつ柔軟に対応する。
    (3)   立入調査における連携
     立入調査に当たっては、必要に応じ、子ども又は調査担当者に対する保護者等の加害行為等に対して迅速な援助が得られるよう、児童虐待防止法第10条により警察署長に対する援助の依頼を行い、これに基づく連携による適切な調査を行うとともに、状況に応じ遅滞なく子どもの一時保護を行うなど、子どもの福祉を優先した臨機応変に対応しなければならない。
   なお、警察署長への援助の依頼については、緊急の場合を除き、行政組織を一体的に運営し、子どもの保護の万全を期する観点から、事前に文書により行うことを原則とする。
(2)    要保護児童の通告
     立入調査に当たっては、必要に応じ、子ども又は調査担当者に対する保護者等の加害行為等に対して迅速な援助が得られるよう、児童虐待防止法第10条により警察署長に対する援助の依頼を行い、これに基づく連携による適切な調査を行うとともに、状況に応じ遅滞なく子どもの一時保護を行うなど、子どもの福祉を優先した臨機応変に対応しなければならない。
   なお、警察署長への援助の依頼については、緊急の場合を除き、行政組織を一体的に運営し、子どもの保護の万全を期する観点から、事前に文書により行うことを原則とする。
    (4)   一時保護における連携
   [1]    現に保護者等が子どもに著しい身体的暴力を加えている場合など、子どもの保護の緊急性や保護者の違法行為の蓋然性の程度から判断して警察官の援助が必要であると認められる場合には、児童虐待防止法第10条により警察署長に対する援助を求めなければならず、これに基づく連携による子どもの迅速な保護に努める。
   [2]    一時保護中の子どもについて保護者等の強引な引取りに対しては、必要に応じ、子ども又は担当者等に対する保護者等の加害行為等に対して迅速な援助が得られるよう、警察に対して、児童虐待防止法第10条に準じた対応を依頼し、これに基づく連携を図る。
(3)     一時保護における連携
   [1]    現に保護者等が子どもに著しい身体的暴力を加えている場合など、子どもの保護の緊急性や保護者の違法行為の蓋然性の程度から判断して警察官の援助が必要であると認められる場合には、児童虐待防止法第10条により警察署長に対する援助を求めなければならず、これに基づく連携による子どもの迅速な保護に努める。
   [2]    一時保護中の子どもについて保護者等の強引な引取りに対しては、必要に応じ、子ども又は担当者等に対する保護者等の加害行為等に対して迅速な援助が得られるよう、警察に対して、児童虐待防止法第10条に準じた対応を依頼し、これに基づく連携を図る。
   (5)    法第28条による家庭裁判所の承認に基づく児童福祉施設入所措置等について、保護者等の強引な引取りが予想される場合には、必要に応じ、子ども又は担当者等に対する保護者等の加害行為等に対して迅速な援助が得られるよう、施設の住所地を管轄する警察に対し、児童虐待防止法第10条に準じた対応を依頼し、これに基づく連携を図る等、児童福祉施設に対する協力を行う。
(4)       法第28条による家庭裁判所の承認に基づく児童福祉施設入所措置等について、保護者等の強引な引取りが予想される場合には、必要に応じ、子ども又は担当者等に対する保護者等の加害行為等に対して迅速な援助が得られるよう、施設の住所地を管轄する警察に対し、児童虐待防止法第10条に準じた対応を依頼し、これに基づく連携を図る等、児童福祉施設に対する協力を行う。
(6)      再被害を防ぐために、一時保護や児童福祉施設入所措置された子どもや保護者の状況についても警察との綿密な情報交換がなされるよう連携を強化する。
 
(7)      児童虐待防止法第10条の「必要があると認めるとき」とは、児童相談所長等による立入調査、一時保護等の職務執行に際し、保護者又は第三者から物理的その他の手段による抵抗を受けるおそれがある場合、現に子どもが虐待されているおそれがある場合などであって、児童相談所長等だけでは職務執行をすることが困難なため警察官の援助を必要とする場合をいう。
   警察官の「援助」とは、児童相談所長等による職務執行に際して、当該職務執行が円滑に実施できるようにする目的で、警察官が警察法、警察官職務執行法等の法律により与えられている任務と権限に基づいて行う措置である。なお、児童相談所長等による職務執行そのものは、警察官の任務ではなく、児童相談所長等がその専門的知識に基づき行うべきものであり、警察官は、児童相談所長等の権限行使の補助者ではない。
(5)      児童虐待防止法第10条の「必要があると認めるとき」とは、児童相談所長等による立入調査、一時保護等の職務執行に際し、保護者又は第三者から物理的その他の手段による抵抗を受けるおそれがある場合、現に子どもが虐待されているおそれがある場合などであって、児童相談所長等だけでは職務執行をすることが困難なため警察官の援助を必要とする場合をいう。
   警察官の「援助」とは、児童相談所長等による職務執行に際して、当該職務執行が円滑に実施できるようにする目的で、警察官が警察法、警察官職務執行法等の法律により与えられている任務と権限に基づいて行う措置である。なお、児童相談所長等による職務執行そのものは、警察官の任務ではなく、児童相談所長等がその専門的知識に基づき行うべきものであり、警察官は、児童相談所長等の権限行使の補助者ではない。
(8)      平成16年の児童虐待防止法の改正により、子どもが同居する家庭における配偶者に対する暴力も児童虐待の一種であるとされた趣旨も踏まえ、その子どもが面前で配偶者に対する暴力が行われる等により有害な影響を受けていないか等についても、児童福祉の専門的知見を活用して検討し、適切に対応すべきである。
(6)   平成16年の児童虐待防止法の改正により、子どもが同居する家庭における配偶者に対する暴力も児童虐待の一種であるとされた趣旨も踏まえ、その子どもが面前で配偶者に対する暴力が行われる等により有害な影響を受けていないか等についても、児童福祉の専門的知見を活用して検討し、適切に対応すべきである。
   
第1章   児童相談所の概要 第1章   児童相談所の概要
   
第3節   相談の種類とその対応 第3節   相談の種類とその対応
   
1  .相談の種類
1  .相談の種類
   相談の種類は子どもの福祉に関する各般の問題にわたるが、大きくは養護相談、障害相談、非行相談、育成相談、その他の相談に分類される。
   相談の種類は子どもの福祉に関する各般の問題にわたるが、大きくは養護相談、障害相談、非行相談、育成相談、その他の相談に分類される。
   
2  .各種相談の対応の基本
2  .各種相談の対応の基本
   
      中   略       中   略
   
(6)  いじめ相談
   上記の(1)〜(5)の各種相談の一環として行われる「いじめ」に関する相談に対応するに当たっては、
 
   [1]    子どもの錯綜する気持ちに十分配慮して、安心できる雰囲気を作り、悩みを一緒に考えるという姿勢で相談に臨むとともに、保護者に対しても苦悩する心情に十分配慮することが重要である。
   [2]    子ども本人や保護者への援助を行うとともに、いじめの原因、態様、程度等の状況に応じて、学校や教育委員会と十分な連携を図るとともに、必要に応じ、医療機関、警察等とも協力をしつつ対応を進めることが必要である。
 
   
   

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