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児童相談所の運営指針について:新旧対照表 - 第7章(各種機関との連携)

児童相談所運営指針 - 第7章(各種機関との連携)

現行 改正後 備考
第7章 各種機関との連携 第7章 各種機関との連携
第1節 各種機関との連携の重要性 第1節 各種機関との連携の重要性
(1) 児童や家庭をめぐる問題は複雑・多様化しており、問題が深刻化する前の早期発見・早期対応、児童や家庭に対するきめ細かな支援が重要となっている。そのためには、児童相談所の有する機能等のほか、福祉事務所、知的障害者更生相談所、身体障害者更生相談所、児童福祉施設、児童委員(主任児童委員)、児童家庭支援センター等福祉分野の機関のみならず、保健所、精神保健福祉センター、市町村保健センター、家庭裁判所、学校、教育委員会、警察、人権擁護委員、民間団体等種々の分野の機関とも連携を図るとともに、各機関とのネットワークを構築して、その活用を図ることが必要である。 (1) 子どもや家庭をめぐる問題は複雑・多様化しており、問題が深刻化する前の早期発見・早期対応、子どもや家庭に対するきめ細かな支援が重要となっている。そのためには、児童相談所の有する機能等のほか、福祉事務所、知的障害者更生相談所、身体障害者更生相談所、児童福祉施設、児童委員、児童家庭支援センター等福祉分野の機関のみならず、保健所、精神保健福祉センター、市町村保健センター、家庭裁判所、学校、教育委員会、警察、人権擁護委員、民間団体等種々の分野の機関とも連携を図るとともに、各機関とのネットワークを構築して、その活用を図ることが必要である。
(2) 円滑な連携を図るためには、これらの機関の機能や仕組及び関連制度等について的確に把握するとともに、児童相談所の機能や仕組等についても関係機関の理解を求める等、各機関の相互理解に基づく一体的な連携が重要である。 (2) こうした関係機関の円滑な連携を図るためには、これらの機関の機能や仕組及び関連制度等について的確に把握するとともに、児童相談所の機能や仕組等についても関係機関の理解を求める等、各機関の相互理解に基づく一体的な連携が重要である。
(3) 複数の機関が連携しながら相談援助を進める場合、事例の進捗状況や援助の適否、問題点、課題等について、特定の機関が責任をもって把握、分析、調整等(ケアマネージメント)を行う必要があるが、どの機関がこれを行うのか常に明らかにしておく必要がある。 (3) 複数の機関が連携しながら相談援助を進める場合、事例の進捗状況や援助の適否、問題点、課題等について、特定の機関が責任をもって把握、分析、調整等(ケアマネージメント)を行う必要があるが、どの機関がこれを行うのか常に明らかにしておく必要がある。
(4) 特に、近年児童に対する虐待が増加しているが、虐待は家庭内で行われることが多いため、早期発見が困難な場合が多く、また、同時に多くの問題を抱えている場合が多いことから、関係機関が一堂に会し、情報交換を行うとともに、共通の認識に立ってそれぞれの役割分担を協議する等、各関係機関が連携しながら早期発見並びに効果的対応を図ることが極めて重要である。児童相談所は児童虐待への対応において中核的な役割を担っており、地域における関係機関の会議を積極的に開催し、ケアマネージメントの機関として情報収集を図るとともに必要な助言・調整を行う、あるいは関係機関及び関係団体に呼びかけて地域でのネットワークの構築を支援するなど、児童虐待への対応において中心的な役割を果たすことが求められる。 (4) 特に、近年子どもに対する虐待が増加しているが、虐待は家庭内で行われることが多いため、早期発見が困難な場合が多く、また、同時に多くの問題を抱えている場合が多いことから、関係機関が一堂に会し、情報交換を行うとともに、共通の認識に立ってそれぞれの役割分担を協議する等、各関係機関が連携しながら早期発見並びに効果的対応を図ることが極めて重要である。
(5) このため、平成16年児童福祉法改正法により、地方公共団体は、要保護児童の適切な保護を図るため、関係機関等により構成され、要保護児童及びその保護者に関する情報等の交換や要保護児童等に対する支援内容の協議を行う要保護児童対策地域協議会を置くことができることとされた。
(6) 児童相談所は、児童家庭相談への対応について、市町村とともに中核的な役割を担っており、市町村による要保護児童対策地域協議会の設置や運営を支援するなどに積極的に取り組むことが求められる。
(5) 児童相談所は、住民に最も身近な地方公共団体である市町村の行う児童福祉活動に対し援助を行う等、市町村との連携に努めていく。
(7) また、虐待の早期発見については、平成16年児童虐待防止法改正法により、子どもの福祉に職務上関係のある者だけでなく、学校、児童福祉施設、病院等の児童の福祉に業務上関係のある団体も児童虐待の早期発見に責任を負うことが明確にされるとともに、通告の対象が「児童虐待を受けた児童」から「児童虐待を受けたと思われる児童」に拡大された。
 これを踏まえ、関係機関等に対し平成16年児童虐待防止法改正法の内容を周知するとともに、虐待の早期発見のため、通告はためらうことなく、幅広く行うよう依頼することも必要である。
(6) 個々の事例に関して他の機関にあっせんする等の場合には、児童、保護者等の了解を得るプライバシ−保護に留意する。 (8) 個々の事例に関して他の機関にあっせんする等の場合には、子どもや保護者等の了解を得ることを基本とし、やむを得ずこうした了解が得られない場合においても、参加機関に守秘義務が課せられる要保護児童対策地域協議会を活用するなど、プライバシ−保護に留意する。
(9) また、個別ケースに関する援助方針の策定に当たっては、民間団体を含め、様々な連携する関係機関の意見を十分に踏まえるとともに、関係者による事後的な評価に努めること。
[参考]
第8節 市町村との関係 第2節 市町村との関係
1.市町村の位置付け 1.市町村の位置付け
(1) 市町村は住民に身近な地方公共団体として、未成年者等の援護に関する業務を行うこととされている。(地方自治法第2条第3項第9号、同条第4項)
 したがって、児童相談所は市町村と十分な連携を図り、地域の児童の福祉向上のための体制作りを行っていく必要がある。
(1) 平成16年児童福祉法改正法により、児童家庭相談に応じることが市町村の業務として法律上明確化された。
 具体的には、市町村は児童福祉法の施行に関し、次に掲げる業務を行うこととされている(法第10条第1項各号)。
  • [1] 子ども及び妊産婦の福祉に関し、必要な実情の把握に努めること。
  • [2] 子ども及び妊産婦の福祉に関し、必要な情報の提供を行うこと。
  • [3] 子ども及び妊産婦の福祉に関し、家庭その他からの相談に応じ、必要な調査及び指導を行うこと並びにこれらに付随する業務を行うこと。
(2) この観点から児童福祉法においては、児童相談所、市町村相互に通報等を行い、援助を求めることができることとされている。
 したがって、市町村から通報を受け又は援助を求められた場合には、受理会議で検討し、必要な相談援助を行う。また、必要に応じ、市町村に対し協力を求める。(法第11条第3項、第13条)
(2) これに対し、都道府県は次に掲げる業務を行うこととされ、児童相談所は、こうした業務のうち、子どもの福祉に関し、主として[1]及び[2]のイからオまでに掲げる業務を行うものとされている。(法第11条第1項各号及び第12条第2項)
  • [1] (1)に掲げる市町村の業務の実施に関し、市町村相互間の連絡調整、市町村に対する情報の提供その他必要な援助を行うこと及びこれらに付随する業務を行うこと。
  • [2] 子ども及び妊産婦の福祉に関し、主として次に掲げる業務を行うこと。
    • ア 各市町村の区域を超えた広域的な見地から、実情の把握に努めること。
    • イ 子どもに関する家庭その他からの相談のうち、専門的な知識及び技術を必要とするものに応ずること。
    • ウ 子ども及びその家庭につき、必要な調査並びに医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定を行うこと。
    • エ 子ども及びその保護者につき、ウの調査又は判定に基づいて必要な指導を行うこと。
    • オ 子どもの一時保護を行うこと。
(3) その上で、こうした市町村と都道府県の連携については、まず市町村長は、
  • [1] (1)の[3]に掲げる業務のうち専門的な知識及び技術を必要とするものについては、児童相談所の技術的援助及び助言を求めなければならず(法第10条第2項)、
  • [2] (1)の[3]に掲げる業務を行うに当たって、医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定を必要とする場合には、児童相談所の判定を求めなければならない。(法第10条第3項)
(4) 他方、都道府県知事は、市町村の(1)に掲げる業務の適切な実施を確保するため必要があると認めるときは、市町村に対し、必要な助言を行うことができる。(法第11条第2項)
(5) 法第27条の措置を要すると認められる者並びに医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定を要すると認める者は、市町村から児童相談所に送致される。
(6) なお、児童相談所に送致された事例についても、引き続き、市町村において実施されている保健サービスや一般の子育てサービス等が必要である場合や、児童相談所の措置後に市町村が中心となって対応することとなる場合もある。このため、児童相談所は、市町村から送致を受けた事例についても情報の共有など市町村と十分に連携を図り、協働して支援をしていくことが重要である。
2.個別的事項 2.個別的事項
(1) 1歳6か月児精神発達精密健康診査並びに3歳児精神発達精密健康診査及びこれらの事後指導を行う場合には、児童相談所は市町村と十分に連携を図って行う。 (1) 1歳6か月児に係る精神発達面における精密健康診査並びに3歳児に係る精神発達面における精密健康診査及びこれらの事後指導を行う場合には、児童相談所は市町村と十分に連携を図って行う。
(2) 保育の実施が必要な児童については、これを市町村に通知する。 (2) 保育の実施が必要な子どもについては、これを市町村に通知する。なお、児童虐待防止法第13条の2により、市町村は、保育所に入所する子どもを選考する場合には、児童虐待の防止に寄与するため、特別の支援を要する家庭の福祉に配慮をしなければならないこととされていることに留意すること。
(3) 児童相談所は市町村が障害児保育事業又は障害児通園事業(障害児デイサービス事業)を行う場合には、必要に応じ判定、相談等を行う。 (3) 児童相談所は市町村が障害児保育事業又は障害児通園事業(障害児デイサービス事業)を行う場合には、必要に応じ判定、相談等を行う。
(4) 児童を養育している家庭の保護者が疾病等の社会的事由や仕事の事由等によって家庭における児童の養育が一時的に困難となった場合などには、子育て支援短期利用事業の活用について、市町村と十分な連携を図る。 (4) 子どもを養育している家庭の保護者が疾病等の社会的事由や仕事の事由等によって家庭における子どもの養育が一時的に困難となった場合などには、子育て支援短期利用事業の活用について、市町村と十分な連携を図る。
(5) 棄児を受理した場合は、必要に応じ新たに戸籍を作成するよう市町村に届け出る。 (5) 棄児を受理した場合は、必要に応じ新たに戸籍を作成するよう市町村に届け出る。
(6) 巡回相談、児童福祉に関する企画、広報等を行う場合には、市町村と十分連携を図る。 (6) 巡回相談、児童福祉に関する企画、広報等を行う場合には、市町村と十分連携を図る。
(7) その他児童相談所は児童居宅介護等事業等市町村が実施主体となっている事業の実情を把握し、十分な連携を図っていく。 (7) その他児童相談所は児童居宅介護等事業等市町村が実施主体となっている事業の実情を把握し、十分な連携を図っていく。
第3節 要保護児童対策地域協議会
1.制度の趣旨
(1) 虐待を受けている子どもを始めとする要保護児童の早期発見や適切な保護を図るためには、関係機関が当該児童等に関する情報や考え方を共有し、適切な連携の下で対応していくことが重要であるが、こうした多数の関係機関の円滑な連携・協力を確保するためには、
  • [1] 運営の中核となって関係機関相互の連携や役割分担の調整を行う機関を明確にするなどの責任体制の明確化、
  • [2] 関係機関からの円滑な情報の提供を図るための個人情報保護の要請と関係機関における情報共有の関係の明確化が必要である。
(2) このため、平成16年児童福祉法改正法において、
  • [1] 地方公共団体は、要保護児童等に関する情報の交換や支援内容の協議を行う要保護児童対策地域協議会(以下、「協議会」という。)を設置できることとし、
  • [2] この協議会に、その運営の中核となり、要保護児童等に対する支援の実施状況の把握や関係機関等との連絡調整を行う調整機関(要保護児童対策調整機関)を置くこととし、
  • [3] さらに、協議会の構成員に対して守秘義務を課すとともに、要保護児童等に関する情報交換や支援内容の協議を行うため必要があると認めるときは、協議会は、関係機関等に対して情報の提供等の必要な協力を求めることができることとされた。
2 要保護児童対策地域協議会の運営
(1) 設置主体
 協議会の設置主体は地方自治法第1条の3に規定する地方公共団体である。協議会は、個別の要保護児童等に関する情報交換や支援内容の協議を行うことを念頭に置いていることから、基本的には住民に身近な市町村が設置主体となると考えられるが、地域の実情に応じ、複数の市町村が共同で設置することも考えられる。
 なお、複数の市町村による共同設置については、一部事務組合や広域連合を設けることなく、事実上共同で設置することも可能である。
 このように市町村が設置主体となる要保護児童対策地域協議会については、児童相談所は、その構成員として参画し、個別ケースの見立てを行うなど、市町村の後方支援を行うことが期待される。
 一方、都道府県等が設置主体となる要保護児童対策地域協議会については、自らが、3に定める要保護児童対策調整機関になるなど、中心的な役割を果たすことが期待される。
(2) 対象となる子ども
 協議会の対象となる子どもは、要保護児童であり、虐待を受けている子どものほか、非行児童なども含まれる。
(3) 構成員
 協議会の構成員は、法第25条の2第1項に規定する「関係機関、関係団体及び児童の福祉に関連する職務に従事する者その他の関係者」であり、地域の実情に応じて、福祉、保健、医療、教育、警察、司法等の関係者や民間団体、ボランティア団体等幅広い者を参加させることが可能である。
(4) 業務
 協議会は、要保護児童及びその保護者に関する情報その他要保護児童の適切な保護を図るために必要な情報の交換を行うとともに、要保護児童等に対する支援の内容に関する協議を行う。
 協議会については、個別の要保護児童等に関する情報交換や支援内容の協議を行うことを念頭に、要保護児童対策調整機関や協議会の構成員に対する守秘義務が設けられており、個別の事例について担当者レベルで適時検討する会議(個別ケース検討会議)を積極的に開催することはもとより、構成員の代表者による会議(代表者会議)や実務担当者による会議(実務者会議)を開催することが期待される。
 また、支援が必要であるにもかかわらず、連絡先等が不明となってしまった子どもや保護者等に関する情報を共有し、これらの者を早期に発見し、必要な支援を行うことも期待される。
 なお、協議会の対象は、虐待を受けている子どものほか、非行児童や障害児なども含まれることも踏まえ、虐待、非行、障害などの分科会を設けて対応することも考えられる。 個別ケース検討会議への個別の要保護児童等に関する情報の提供については、あらかじめ子どもや保護者の理解を得ておくことが望ましいが、その子どもの保護のために特に必要がある場合であって、これらの者の理解を得ることが困難であるときはこの限りではない。
 こうした要保護児童等に関する情報の交換や支援内容の協議を行うために必要があると認めるときは、協議会は、関係機関等に対して、資料又は情報の提供、意見の開陳その他必要な協力を求めることができる。
3 要保護児童対策調整機関
(1) 多数の関係機関から構成される協議会が効果的に機能するためには、その運営の中核となって関係機関相互の連携や役割分担の調整を行う機関を明確にするなどの責任体制の明確化が重要であることから、こうした業務を行う調整機関(要保護児童対策調整機関)を協議会に置くこととされている。
(2) 協議会を設置した地方公共団体の長は、協議会の的確な運営を図る観点から、協議会を構成する関係機関等のうちから、1つの機関を要保護児童対策調整機関を指定する。
(3) 要保護児童対策調整機関には、児童福祉担当部局あるいは母子保健担当部局といった児童福祉に関係の深い部局が指定されることが想定されるが、具体的にどの関係機関等を調整機関として指定するかは各地方公共団体の児童相談体制の実情等による。
(4) 要保護児童対策調整機関は、協議会に関する事務を総括するとともに、要保護児童等に対する支援が適切に実施されるよう、要保護児童等に対する支援の実施状況を的確に把握し、必要に応じて、児童相談所その他の関係機関等との連絡調整を行うものとする。
4 関係機関等の守秘義務
(1) 協議会における要保護児童等に関する情報の共有は、要保護児童の適切な保護を図るために行われるものであり、協議会の構成員は、正当な理由がなく、協議会の職務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(2) この守秘義務が課せられる者の範囲は、協議会を構成する関係機関等の区分に応じて以下のとおりとされている。
  • ア)協議会を構成する関係機関等が国又は地方公共団体の機関である場合(法第25条の5第1号)
    :当該機関の職員又は職員であった者
  • イ)協議会を構成する関係機関等が法人である場合(法第25条の5第2号)
    :当該法人の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者
  • ウ)協議会を構成する関係機関等がア)及びイ)以外の者である場合(法第25条の5第3号)
    :協議会を構成する者又はその職にあった者
(3) この守秘義務に反し、秘密を漏らした場合には、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が課せられる(法第61条の3)。
(4) なお、法人格を有さない任意団体については、その会長のみが構成員になる場合は、当該団体の役職員は構成員とならないため、守秘義務がかからない。このため、このような場合は、当該任意団体の役職員すべてを構成員にすることが適当である。
 その他
(1) 地方公共団体の長は、協議会を設置したときは、厚生労働省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない(法第25条の2第3項)。具体的には、
  • [1] 要保護児童対策地域協議会を設置した旨
  • [2] 当該協議会の名称
  • [3] 当該協議会に係る要保護児童対策調整機関の名称
  • [4] 当該協議会を構成する関係機関等の名称等
  • [5] 関係機関等ごとの法第25条の5第1号から第3号までのいずれに該当するかの別(「国又は地方公共団体の機関」、「法人」、「その他の者」のいずれに該当するかの別)
を公示することが必要である。
(2) ただし、要保護児童対策調整機関に名簿を設置した場合については、個人資格での参加者(法第25条の5第3号の資格で参加している者)については、「○○市長が指定する者」という形で公示することが可能であるので、この方法を積極的に活用するものとする。
第2節 福祉事務所との関係 第4節 福祉事務所との関係
1.福祉事務所の位置付け 1.福祉事務所の位置付け
(1) 福祉事務所は、その管轄する地域の住民の福祉を図る行政機関であり、福祉六法(生活保護法、児童福祉法、母子及び寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法)に基づく事務を行う。 (1) 福祉事務所は、その管轄する地域の住民の福祉を図る行政機関であり、福祉六法(生活保護法、児童福祉法、母子及び寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法)に基づく事務を行う。
 都道府県及び市は福祉事務所を設置しなければならず、町村は福祉事務所を設置できることとされている。
(2) 平成16年児童福祉法改正法により、平成17年4月から、
  • [1] 児童家庭相談に応じることを市町村の業務として法律上明確にし、住民に身近な市町村に積極的な取組みを求めつつ、
  • [2] 都道府県(児童相談所)の役割を、専門性の高い困難な事例への対応や市町村の後方支援に重点化し、全体として地域における児童家庭相談体制の充実を図ることとされた。
(3) このため、市の設置する福祉事務所は、市における児童家庭相談体制の一翼を担うと考えられ、他方、都道府県の設置する福祉事務所は、町村の後方支援や都道府県の担う専門的な相談を児童相談所とともに担うことが考えられる。
(2) 児童福祉法において福祉事務所は、法第22条、第23条に規定する助産施設、母子生活支援施設への措置のほか法第18条の2の規定に基づき幅広い活動を行う任務を有している。なお、福祉事務所における家庭児童福祉の充実・強化を図るために、家庭児童相談室が福祉事務所内に設置されている。 (4) このほか、児童福祉法において福祉事務所は、法第22条、第23条に規定する助産施設、母子生活支援施設への措置を行うこととされている。なお、福祉事務所における家庭児童福祉の充実・強化を図るために、家庭児童相談室が福祉事務所内に設置されている。
(3) 児童相談所は、福祉事務所の有するこれらの機能を十分活用し、児童の問題の解決を図っていく。特に、家庭児童相談室との連携には十分留意する。両者の関係については、昭和39年4月22日児発第360号「家庭児童相談室の設置運営について」による。 (5) 児童相談所は、福祉事務所の有するこれらの機能を十分活用し、子どもの問題の解決を図っていく。特に、家庭児童相談室との連携には十分留意する。両者の関係については、昭和39年4月22日児発第360号「家庭児童相談室の設置運営について」による。
2.児童相談所へ送致される事例 2.児童相談所へ送致される事例
(1) 次の場合には福祉事務所から児童相談所に送致される。
  • [1] 法第27条の措置を要すると認められる児童(重症心身障害者を含む。)
  • [2] 医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定を要すると認められる児童
(1) 次の場合には都道府県の設置する福祉事務所から児童相談所に送致される。
  • [1] 法第27条の措置を要すると認められる子ども(重症心身障害者を含む。)
  • [2] 医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定を要すると認められる子ども
(2) 福祉事務所の措置や社会福祉主事の指導で問題が解決する事例以外のものについては、早期に送致を受けられるような体制を整えておく。 (2) 福祉事務所の措置や社会福祉主事の指導で問題が解決する事例以外のものについては、早期に送致を受けられるような体制を整えておく。
(3) 送致は福祉事務所における調査結果、相談経過及び処遇に関する意見等を付して行うよう調整しておく。 (3) 送致は福祉事務所における調査結果、相談経過及び援助に関する意見等を付して行うよう調整しておく。
(4) 15歳以上の知的障害児、身体障害児であって施設入所を必要とする者の送致を受けた場合には、福祉事務所、知的障害者更生相談所、身体障害者更生相談所等と十分連携をとって相談援助を行う。 (4) 15歳以上の知的障害児、身体障害児であって施設入所を必要とする者の送致を受けた場合には、福祉事務所、知的障害者更生相談所、身体障害者更生相談所等と十分連携をとって相談援助を行う。
3.調査の委嘱
 児童相談所長は、福祉事務所に次のような調査を委嘱することができる。(法第18条の2第2項
3.調査の委嘱
 児童相談所長は、福祉事務所に次のような調査を委嘱することができる。(法第12条第4項
  • [1] 取扱い事例に関する必要な社会調査
  • [2] 福祉事務所から送致された事例に関し、判定のため更に必要な資料を得ようとする場合の調査
  • [3] 法第27条第1項第3号の措置をとった後における保護者等の家庭現況調査
  • [4] 法第27条第1項第3号の措置を解除し、家庭に復帰させようとする場合の受け入れ体制に関する調査
  • [5] 里親、保護受託者申込者又は養子縁組希望者等の調査
  • [6] その他必要と認められる調査
  • [1] 取扱い事例に関する必要な社会調査
  • [2] 福祉事務所又は市町村から送致された事例に関し、判定のため更に必要な資料を得ようとする場合の調査
  • [3] 法第27条第1項第3号の措置をとった後における保護者等の家庭現況調査
  • [4] 法第27条第1項第3号の措置を解除し、家庭に復帰させようとする場合の受け入れ体制に関する調査
  • [5] 里親申込者又は養子縁組希望者等の調査
  • [6] その他必要と認められる調査
4.その他 4.その他
(1) 処遇会議等の結果、福祉事務所に送致、報告又は通知を行うことが適当と認められる場合は、これを行う。特に18歳以上の知的障害者又は身体障害者の施設入所措置を解除、延長する場合には、解除、延長後の処遇について福祉事務所と十分協議する。 (1) 援助方針会議等の結果、福祉事務所に送致、報告又は通知を行うことが適当と認められる場合は、これを行う。特に18歳以上の知的障害者又は身体障害者の施設入所措置を解除、延長する場合には、解除、延長後の援助について福祉事務所と十分協議する。
(2) このほか、次のような場合においては、福祉事務所と連携を図る。
  • [1] 児童家庭に関する相談、指導等
  • [2] 生活保護受給事例の相談、指導等
  • [3] 児童の一時保護の場合
  • [4] 法第27条第1項第2号による児童委員指導の場合
  • [5] 法第27条第1項第3号の措置の開始、解除、変更、停止、在所期間の延長の場合
  • [6] 巡回相談の場合
  • [7] 児童福祉に関する企画・広報等
  • [8] その他必要と認められる場合
(2) このほか、次のような場合においては、福祉事務所と連携を図る。
  • [1] 児童家庭に関する相談、指導等
  • [2] 生活保護受給事例の相談、指導等
  • [3] 子どもの一時保護の場合
  • [4] 法第27条第1項第2号による児童委員指導の場合
  • [5] 法第27条第1項第3号の措置の開始、解除、変更、停止、在所期間の延長の場合
  • [6] 巡回相談の場合
  • [7] 児童福祉に関する企画・広報等
  • [8] その他必要と認められる場合
第3節 保健所との関係 第5節 保健所、市町村保健センター等との関係
1.保健所、市町村保健センター等の位置付け 1.保健所の業務
(1) 保健所は地域保健法(昭和22年法律第101号)により都道府県、政令で定める市及び特別区によって設置され、地域における保健衛生活動の中心機関として、次に掲げるような業務を行っている。 (1) 保健所は地域保健法(昭和22年法律第101号)により都道府県、指定都市、中核市その他の政令で定める市及び特別区によって設置され、地域における保健衛生活動の中心機関として、次に掲げるような業務(ウについては、都道府県の設置する保健所に限る。)を行っている。
  • [1] 公衆衛生の思想の普及・啓発及び地域保健に関する統計・調査等
  • [2] 地域保健医療計画の策定や予防に関する企画・調整等、結核・感染症対策、精神障害者の社会復帰対策等
  • [3] 結核・エイズ等の感染症対策や食中毒・毒劇物等の健康危機管理体制の整備
  • [4] 精神保健・難病等に関する施策の整備や社会復帰対策等、専門的・広域的な保健サービスへの援助
  • [5] 食品衛生や環境保健、医務・薬事等の生活の安全や保健にかかわる監視指導・啓発
  • [6] 市町村保健活動に対する指導・調整
  • ア 次に掲げる事項に関する企画、調整、指導及びこれらに必要な事業
    • [1] 地域保健に関する思想の普及及び向上に関する事項
    • [2] 人口動態統計その他地域保健に係る統計に関する事項
    • [3] 栄養の改善及び食品衛生に関する事項
    • [4] 住宅、水道、下水道、廃棄物の処理、清掃その他の環境の衛生に関する事項
    • [5] 医事及び薬事に関する事項
    • [6] 保健師に関する事項
    • [7] 公共医療事業の向上及び増進に関する事項
    • [8] 母性及び乳幼児並びに老人の保健に関する事項
    • [9] 歯科保健に関する事項
    • [10] 精神保健に関する事項
    • [11] 治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病により長期に療養を必要とする者の保健に関する事項
    • [12] エイズ、結核、性病、伝染病その他の疾病の予防に関する事項
    • [13] 衛生上の試験及び検査に関する事項
    • [14] その他地域住民の健康の保持及び増進に関する事項
  • イ 地域住民の健康の保持及び増進を図るために必要があるときに行われる次に掲げる事業
    • [1] 所管区域に係る地域保健に関する情報を収集し、整理し、及び活用すること
    • [2] 所管区域に係る地域保健に関する調査及び研究を行うこと
    • [3] 歯科疾患その他厚生労働大臣の指定する疾病の治療を行うこと
    • [4] 試験及び検査を行い、並びに医師、歯科医師、薬剤師その他の者に試験及び検査に関する施設を利用させること
  • ウ 所管区域内の市町村の地域保健対策の実施に関する市町村相互間の連絡調整、及び市町村の求めに応じた技術的助言、市町村職員の研修その他必要な援助
(2) 児童福祉法において、保健所は次の業務を行う。
  • [1] 児童の保健・予防に関する知識の普及
  • [2] 児童の健康相談、健康診査、保健指導
  • [3] 身体に障害のある児童及び疾病により長期にわたる療養を必要とする児童に対する療育指導
  • [4] 児童福祉施設に対する栄養の改善その他衛生に関する助言
(2) 保健所は法により次にかかげるような業務を行っている。
  • [1] 子どもの保健・予防に関する知識の普及
  • [2] 子どもの健康相談、健康診査、保健指導
  • [3] 身体に障害のある子ども及び疾病により長期にわたる療養を必要とする子どもに対する療育指導
  • [4] 児童福祉施設に対する栄養の改善その他衛生に関する助言
2.市町村保健センター等の位置付け
 市町村保健センターは地域保健法により、住民に身近で頻度の高い保健サービスについて、市町村で一元的かつきめ細かに対応する地域保健の第一線機関として、次に掲げるような業務を行っている。
  • [1] 住民に対する健康相談
  • [2] 保健指導及び健康診査
  • [3] その他地域保健に関し必要な事業
2.市町村保健センターの業務
 市町村保健センターは地域保健法により、地域住民に身近な対人保健サービスを総合的に行う拠点として、次に掲げるような業務を行っている。
  • [1] 健康相談
  • [2] 保健指導及び健康診査
  • [3] その他地域保健に関し必要な事業
3.児童相談所は、保健所、保健センター等と密接な連携をとることにより、これらの機能を十分活用し、児童の問題の解決を図っていく。特に身体に障害のある児童の処遇、精神保健に関する事項、母と子の心の問題については、保健所、精神保健福祉センター、市町村保健センター等と十分協議する。 3.保健所、市町村保健センター等との連携
 保健所や市町村保健センター等は、乳幼児健診や家庭訪問等の母子保健活動を通して、子どもの発育や発達状況、子どもや保護者の心身の健康問題、養育環境等を把握し、養育支援が必要な家庭に対して育児に関する専門的な技術支援を行うなどの虐待の発生予防に対する取り組みを始め、虐待を受けた子どもとその保護者に対して家族全体を視野に入れた在宅支援を行っている。これらの機能を十分活用するため、児童相談所は、日頃から保健所や市町村保健センター等と密に連携を図っておくことが必要である。
 特に精神保健に関する事項や心の問題については、保健所や精神保健福祉センターとも連携を密にしておくことが必要である。
4.主な連携事項 4.具体的な連携事項
(1) 児童相談所は次の事例について保健所に対して依頼等を行う。 (1) 児童相談所長は、相談に応じた子ども、その保護者又は妊産婦について、保健所に対し、次に掲げるような保健指導その他の必要な協力を求めることができる(法第12条第6項第2号)
[1] 一時保護、法第27条第1項第3号の措置等を行う際の健康診断の依頼 [1] 一時保護、法第27条第1項第3号の措置等を行う際の健康診断の依頼
[2] 保健、栄養上の指導依頼(身体に障害のある児童の療育指導、精神障害のある児童、保護者の指導等を含む。) [2] 保健、栄養上の指導依頼(身体に障害のある子どもの療育指導、精神障害のある子ども、保護者の指導等を含む。)
[3] その他保健所、保健センター等の関与が必要と認められる事例(育児不安及び児童虐待問題、いじめ問題、引きこもりその他の思春期精神保健問題など)の依頼 [3] その他保健所、市町村保健センター等の関与が必要と認められる事例(保護者に統合失調症等の精神疾患やその疑いがある場合やアルコール依存症等アルコールに関連する問題がある場合、育児ストレス、産後うつ病、育児ノイローゼがある場合のほか、いじめ問題、引きこもりその他の思春期に特有の精神保健問題への対応が必要な場合など)への協力依頼
(2) その他次の事業について十分な連携を図る。
  • [1] 巡回相談
  • [2] 児童福祉に関する企画・広報等
  • [3] その他必要と認められる場合
(2) その他次の事業について十分な連携を図る。
  • [1] 巡回相談
  • [2] 児童福祉に関する企画・広報等
  • [3] その他必要と認められる場合
5.その他
 上記連携に関しては、本指針に定めるほか次の通知による。
  • [1] 平成8年11月20日児発第933号「母子保健施策の実施について」
  • [2] 平成8年11月20日児発第934号「母性、乳幼児に対する健康診査及び保健指導の実施について」
  • [3] 平成9年9月29日児発第610号「子どもの心の健康づくり対策事業について」
  • [4] 平成10年4月8日児発第285号「乳幼児に対する健康診査の実施について」
5.その他
 上記連携に関しては、本指針に定めるほか次の通知による。
  • [1] 平成8年11月20日児発第933号「母子保健施策の実施について」
  • [2] 平成8年11月20日児発第934号「母性、乳幼児に対する健康診査及び保健指導の実施について」
  • [3] 平成9年9月29日児発第610号「子どもの心の健康づくり対策事業について」
  • [4] 平成10年4月8日児発第285号「乳幼児に対する健康診査の実施について」
  • [5] 平成14年6月19日雇児発第0619001号「地域保健における児童虐待防止対策の取組の推進について」
  • [6] 平成15年5月1日厚生労働省告示第201号「地域保健対策の推進に関する基本的な指針の一部を改正する告示について」
  • [7] 平成16年1月30日雇児総発第0130001号「児童虐待防止対策における適切な対応について」
  • [8] 平成16年3月31日雇児母発第0331001号「『家庭の養育力』に着目した母子保健対策の推進について」
第4節 児童委員(民生委員)との関係 第6節 児童委員との関係
1 児童委員の位置付け
 児童委員は、担当区域内の児童、保護者等の福祉に関し、主として次の業務を行う。
  • [1] 担当区域内の実情の把握と記録
  • [2] 要保護児童の把握
  • [3] 連絡通報
  • [4] 要保護児童発見者からの通告の仲介
  • [5] 相談・援護
  • [6] 行政機関の行う業務に対する協力
  • [7] 児童の健全育成のための地域活動
1 児童委員の位置付け
 児童委員は、担当区域内の子どもや保護者等の福祉に関し、主として次の業務を行う。
  • [1] 担当区域内の実情の把握と記録
  • [2] 要保護児童の把握
  • [3] 連絡通報
  • [4] 要保護児童発見者からの通告の仲介
  • [5] 相談・援護
  • [6] 行政機関の行う業務に対する協力
  • [7] 子どもの健全育成のための地域活動
2 連絡通報
 児童相談所は、児童委員自らその担当区域内において保護の必要な児童等を発見した場合又は地域住民から児童委員を介して通告が行われた場合に、速やかに児童相談所に通告等が行われるよう体制を整えておく。また、児童相談所は、緊急時における児童等に関する状況の通知が行われた場合に、必要な措置等が迅速に行われるよう、緊急時の連絡体制を整えておく。
2 連絡通報
 児童相談所は、児童委員自らその担当区域内において保護の必要な子ども等を発見した場合又は地域住民から児童委員を介して通告が行われた場合に、速やかに児童相談所に通告等が行われるよう体制を整えておく。また、児童相談所は、緊急時における子ども等に関する状況の通知が行われた場合に、必要な措置等が迅速に行われるよう、緊急時の連絡体制を整えておく。
3 調査の委嘱
 児童相談所は、その管轄区域内の児童委員に次のような調査を委嘱することができる。
  • [1] 児童委員から通告等を受けた事例で判定のために更に必要な資料を得ようとする場合の調査
  • [2] 保護を要する児童の家庭、地域に関する調査
  • [3] その他必要と認められる調査
3 調査の委託
 児童相談所は、その管轄区域内の児童委員に次のような調査を委託することができる。
  • [1] 児童委員から通告等を受けた事例で判定のために更に必要な資料を得ようとする場合の調査
  • [2] 保護を要する子どもの家庭、地域に関する調査
  • [3] その他必要と認められる調査
4 児童委員指導等 4 児童委員指導等
(1) 児童相談所長は、問題が家庭環境等にあり、児童委員による家族間の人間関係の調整又は経済的援助等により解決すると考えられる事例については児童委員指導措置を行う。
 特に、児童虐待事例等について在宅指導を行う場合、頻繁な家庭訪問等による濃密な指導と観察が必要となるが、児童相談所だけでこれを行うには限界がある場合が多いことから、児童委員指導と児童福祉司指導を併せて行うなど、両者の密接な連携に留意する。
(1) 児童相談所長は、問題が家庭環境等にあり、児童委員による家族間の人間関係の調整又は経済的援助等により解決すると考えられる事例については児童委員指導措置を行う。
 特に、児童虐待事例等について在宅指導を行う場合、頻繁な家庭訪問等による濃密な指導と観察が必要となるが、児童相談所だけでこれを行うには限界がある場合が多いことから、児童委員指導と児童福祉司指導を併せて行うなど、両者の密接な連携に留意する。
(2) 児童相談所長は児童委員の指導状況を常時把握し、適切な指示を行う。また、必要に応じ児童委員指導を行っている児童委員を含めた事例検討会議を行う。 (2) 児童相談所長は児童委員の指導状況を常時把握し、適切な助言を行う。また、必要に応じ児童委員指導を行っている児童委員を含めた事例検討会議を行う。
5 主任児童委員 5 主任児童委員
(1) 主任児童委員は、区域を担当せず、児童福祉に関する事項を専門的に担当し、児童福祉関係機関と区域を担当する児童委員との連絡・調整を行うとともに、区域を担当する児童委員に対する援助・協力等を行う民生委員・児童委員である。 (1) 主任児童委員は、主として児童福祉に関する事項を専門的に担当し、児童福祉関係機関と区域を担当する児童委員との連絡・調整を行うとともに、区域を担当する児童委員に対する援助・協力等を行う児童委員である。
(2) 児童相談所は、主任児童委員と常に連携を図り、地域の児童・家庭の実情把握に努めるとともに、巡回相談、啓発・予防活動等地域の児童・家庭のニーズに対応した事業の企画・実施を行う場合には、主任児童委員に情報を提供し、その協力を求める。 (2) 児童相談所は、主任児童委員と常に連携を図り、地域の子どもやその家庭の実情把握に努めるとともに、巡回相談、啓発・予防活動等地域の子どもやその家庭のニーズに対応した事業の企画・実施を行う場合には、主任児童委員に情報を提供し、その協力を求める。
(3) 区域を担当する児童委員に個別の事例にかかる調査・指導を委嘱する場合、必要に応じ主任児童委員の支援、協力を求める。 (3) 区域を担当する児童委員に個別の事例にかかる調査・指導を委嘱する場合、必要に応じ主任児童委員の支援、協力を求める。
(4) 主任児童委員は、児童委員の中から選任されることから、児童委員としての職務を行い得るものである。この旨が平成16年児童福祉法改正法により明確化されたところであり、3に掲げる調査の委託や、4に掲げる児童委員指導措置を行う際には、主任児童委員をはじめ、問題解決に最適と考えられる者を選任するものとする。
6.その他 6.その他
(1) このほか児童相談所は児童委員に対し次のような協力を求めることができる。 (1) このほか児童相談所は児童委員に対し次のような協力を求めることができる。
[1] 里親及び保護受託者の開拓に協力すること [1] 里親の開拓に協力すること
[2] 保護を要する児童及びその保護者等が児童相談所を利用することについて協力すること [2] 保護を要する子ども及びその保護者等が児童相談所を利用することについて協力すること
[3] 児童福祉施設に入所中の児童等の家庭の状況を報告すること [3] 児童福祉施設に入所中の子ども等の家庭の状況を報告すること
[4] 児童福祉施設に入所中の児童と保護者等との連絡を促進すること [4] 児童福祉施設に入所中の子どもと保護者等との連絡を促進すること
[5] 児童福祉施設から退所した子ども等の状況を報告し、またその子どもの支援を行うこと
[5] 巡回相談等に協力すること [6] 巡回相談等に協力すること
[6] その他必要と認められること [7] その他必要と認められること
(2) 児童相談所は、児童委員とのより一層の円滑な連携を図るため、努めて児童委員協議会に出席する等、児童委員との情報交換等を行う。 (2) 児童相談所は、児童委員とのより一層の円滑な連携を図るため、努めて児童委員協議会に出席する等、児童委員との情報交換等を行う。
(3) 児童委員は法律上民生委員でもあるので、それに関する業務についても協力を求める。また「心配ごと相談所」等の相談事業に協力を行う。 (3) 児童委員は法律上民生委員でもあるので、それに関する業務についても協力を求める。また、各種の相談事業に協力を行う。
第5節 児童家庭支援センターとの関係 第7節 児童家庭支援センターとの関係
1.児童家庭支援センターの位置付け 1.児童家庭支援センターの位置付け
(1) 児童家庭支援センターは、児童相談所等の関係機関と連携しつつ、地域に密着したよりきめ細かな相談支援を行う児童福祉施設である(法第44条の2第1項)。 (1) 児童家庭支援センターは、児童相談所等の関係機関と連携しつつ、地域に密着したよりきめ細かな相談支援を行う児童福祉施設である(法第44条の2第1項)。
(2) 児童家庭支援センターは次の業務を行う。 (2) 児童家庭支援センターは次の業務を行う。
  • [1] 地域の児童の福祉に関する各般の問題に関する相談、必要な助言
  • [2] 児童相談所長の委託に基づく法26条第1項第2号、第27条第1項第2号の規定による指導
  • [3] 訪問等の方法による要保護児童及び家庭に係る状況把握
  • [4] 児童相談所、福祉事務所、児童福祉施設、民生委員、児童委員、母子相談員、母子福祉団体、公共職業安定所、婦人相談員、保健所、市町村保健センター、学校等関係機関との連絡調整
  • [5] 要保護児童及び家庭に係る援助計画の作成
  • [6] その他児童又はその保護者等に対する必要な援助
    (児童福祉施設最低基準(昭和23年厚生省令第63号)第88条の4)
  • [1] 地域の子どもの福祉に関する各般の問題に関する相談、必要な助言
  • [2] 児童相談所長の委託に基づく法26条第1項第2号、第27条第1項第2号の規定による指導
  • [3] 訪問等の方法による要保護児童及び家庭に係る状況把握
  • [4] 児童相談所、市町村、福祉事務所、児童福祉施設、児童委員、母子自立支援員、母子福祉団体、公共職業安定所、婦人相談員、保健所、市町村保健センター、学校等関係機関との連絡調整
  • [5] 要保護児童及び家庭に係る援助計画の作成
  • [6] その他子ども又はその保護者等に対する必要な援助
    (児童福祉施設最低基準(昭和23年厚生省令第63号)第88条の4)
2.主な連携事項 2.主な連携事項
(1) 児童家庭支援センター指導
  • ア 児童相談所長は、法26条第1項第2号、第27条第1項第2号による指導が必要と認める事例で、地理的要件や過去の相談経緯、その他の理由により児童家庭支援センターによる指導が適当と考えられるものについては児童家庭支援センター指導措置を行う。
     なお、本措置は、法第27条第1項第3号の措置により、児童福祉施設に入所した児童の保護者に対し指導の措置が必要な場合にも行うこととする。
  • イ 児童家庭支援センターに指導を委託する場合は、児童、保護者等に対しその旨十分説明し、了解を得ることを原則とする。
  • ウ この場合、委託の趣旨、委託後の指導のあり方等について児童家庭支援センターと十分な協議を行うとともに、児童家庭支援センターが的確な援助計画を作成できるよう助言を行うなど、指導の一貫性・的確性が確保できるよう努める。
  • エ 児童相談所は、指導を委託した事例について、児童家庭支援センターの指導状況を常時把握するよう努めるとともに、必要な指示、指導、援助等を行う。また、必要に応じ児童家庭支援センター職員を含めた事例検討会議を開催する。
  • オ 児童相談所は、必要に応じ児童家庭支援センター指導と児童福祉司指導を併せて行う等、両者の密接な連携を図るとともに、柔軟な対応を図る。この場合、両者の役割分担を明確にしておく。
(1) 児童家庭支援センター指導
  • ア 児童相談所長は、法26条第1項第2号、第27条第1項第2号による指導が必要と認める事例で、地理的要件や過去の相談経緯、その他の理由により児童家庭支援センターによる指導が適当と考えられるものについては児童家庭支援センター指導措置を積極的に行う。
     なお、本措置は、法第27条第1項第3号の措置により、児童福祉施設に入所した子どもの保護者に対し指導の措置が必要な場合にも行うこととする。
  • イ 児童家庭支援センターに指導を委託する場合は、子どもや護者等に対しその旨十分説明し、了解を得ることを原則とする。
  • ウ この場合、委託の趣旨、委託後の指導のあり方等について児童家庭支援センターと十分な協議を行うとともに、児童家庭支援センターが的確な援助計画を作成できるよう助言を行うなど、指導の一貫性・的確性が確保できるよう努める。
  • エ 児童相談所は、指導を委託した事例について、児童家庭支援センターの指導状況を常時把握するよう努めるとともに、必要な指示、指導、援助等を行う。また、必要に応じ児童家庭支援センター職員を含めた事例検討会議を開催する。
  • オ 児童相談所は、必要に応じ児童家庭支援センター指導と児童福祉司指導を併せて行う等、両者の密接な連携を図るとともに、柔軟な対応を図る。この場合、両者の役割分担を明確にしておく。
(2) その他の連携
  • ア 児童相談所は、児童家庭支援センターに対する技術的支援に努める。
  • イ 児童相談所は、児童家庭支援センターと、福祉事務所、教育委員会、学校、保健所、母子相談員、婦人相談員、児童委員等、他の関係機関との仲介、調整を図る等、児童家庭支援センターの円滑な業務の遂行に向け支援、協力に努める。
(2) その他の連携
  • ア 児童相談所は、児童家庭支援センターに対する技術的支援に努める。
  • イ 児童相談所は、児童家庭支援センターと、市町村、福祉事務所、教育委員会、学校、保健所、母子相談員、婦人相談員、児童委員等、他の関係機関との仲介、調整を図る等、児童家庭支援センターの円滑な業務の遂行に向け支援、協力に努める。
第6節 知的障害者更生相談所及び身体障害者更生相談所との関係 第8節 知的障害者更生相談所及び身体障害者更生相談所並びに発達障害者支援センターとの関係
1.知的障害者更生相談所との関係 1.知的障害者更生相談所との関係
(1) 知的障害者更生相談所の業務は、知的障害者に関する問題について家庭その他からの相談に応じ、医学的、心理学的及び職能的判定を行い、並びにそれに基づいて必要な指導を行うことである。 (1) 知的障害者更生相談所の業務は、知的障害者に関する問題について家庭その他からの相談に応じ、医学的、心理学的及び職能的判定を行い、並びにそれに基づいて必要な指導を行うことである。
(2) 療育手帳の判定等知的障害を有する者の判定については原則として18歳を境として判定機関が異なるので、児童相談所で判定後知的障害者更生相談所で判定することとなる場合等には、その求めに応じて児童相談所から資料を送付する等、緊密な連携を図る。 (2) 療育手帳の判定等知的障害を有する者の判定については原則として18歳を境として判定機関が異なるので、児童相談所で判定後知的障害者更生相談所で判定することとなる場合等には、その求めに応じて児童相談所から資料を送付する等、緊密な連携を図る。
(3) 重度知的障害児収容棟の対象知的障害者の判定に当たっては、知的障害者更生相談所と十分に連携を図る。 (3) 重度知的障害児収容棟の対象知的障害者の判定に当たっては、知的障害者更生相談所と十分に連携を図る。
(4) 重症心身障害者の判定については、児童相談所が知的障害者更生相談所の協力を得て行う。 (4) 重症心身障害者の判定については、児童相談所が知的障害者更生相談所の協力を得て行う。
(5) 児童相談所が18歳以上の知的障害者、重症心身障害者の措置を解除する場合には、解除後の処遇について知的障害者更生相談所と十分協議する。 (5) 児童相談所が18歳以上の知的障害者、重症心身障害者の措置を解除する場合には、解除後の援助について知的障害者更生相談所と十分協議する。
2.身体障害者更生相談所との関係 2.身体障害者更生相談所との関係
(1) 身体障害者更生相談所の業務は、身体障害者に関する相談及び指導のうち、特に専門的な知識及び技術を必要とするものを行い、医学的、心理学的及び職能的判定を行い、並びに必要に応じて補装具の処方及び適合判定を行うことである。 (1) 身体障害者更生相談所の業務は、身体障害者に関する相談及び指導のうち、特に専門的な知識及び技術を必要とするものを行い、医学的、心理学的及び職能的判定を行い、並びに必要に応じて補装具の処方及び適合判定を行うことである。
(2) 身体に障害を有する者の処遇については原則として18歳を境として判定機関が異なるので、児童相談所で判定後身体障害者更生相談所で判定することとなる場合には、その求めに応じて児童相談所から資料を送付する等、緊密な連携を図る。 (2) 身体に障害を有する者の援助については原則として18歳を境として判定機関が異なるので、児童相談所で判定後身体障害者更生相談所で判定することとなる場合には、その求めに応じて児童相談所から資料を送付する等、緊密な連携を図る。
(3) 重症心身障害者、肢体不自由児施設重度棟の対象児、盲重度児、ろうあ重度児(18歳を超えて入所している者を含む。)の判定については、児童相談所が必要に応じ身体障害者更生相談所の協力を得て行う。 (3) 重症心身障害者、肢体不自由児施設重度棟の対象児、盲重度児、ろうあ重度児(18歳を超えて入所している者を含む。)の判定については、児童相談所が必要に応じ身体障害者更生相談所の協力を得て行う。
(4) 児童相談所が18歳以上の身体障害者の措置を解除する場合には、解除後の処遇について身体障害者更生相談所と十分協議する。 (4) 児童相談所が18歳以上の身体障害者の措置を解除する場合には、解除後の援助について身体障害者更生相談所と十分協議する。
3.発達障害者支援センターとの関係
(1) 発達障害者支援センターは以下の業務を行う。
  • [1] 発達障害者の早期発見、早期の発達支援等に資するよう、発達障害者及びその家族に対し、専門的に、その相談に応じ、又は助言を行う
  • [2] 発達障害者に対し、専門的な発達支援及び就労の支援を行う
  • [3] 医療、保健、福祉、教育等に関する業務([4]において「医療等の業務」という。)を行う関係機関及び民間団体並びにこれに従事する者に対し発達障害についての情報提供及び研修を行う。
  • [4] 発達障害に関して、医療等の業務を行う関係機関及び民間団体との連絡調整を行う。
  • [5] [1]から[4]までの業務に附帯する業務を行う
(2) 児童相談所は、発達障害児に係る相談についても、必要に応じ、対応すべきものであるが、発達障害者(児)への専門的な相談援助、支援等は、発達障害者支援センターが担うことから、必要に応じて、児童相談所から同センターを紹介するなど同センターと適切な連携を図りつつ、発達障害児に対する相談援助に当たる必要がある。
(3) また、児童福祉施設への措置や一時保護の権限は都道府県や児童相談所長にあることから、発達障害児やその家族への支援において、児童福祉施設への入所措置や一時保護が必要であると判断されるような場合については、児童相談所が中心となって対応することとなる。
第7節 児童福祉施設、里親等との関係 第9節 児童福祉施設、里親等との関係
1.基本的事項 1.基本的事項
(1) 児童福祉施設、里親等に対する措置は児童相談所の主要業務の一つであり、その効果的実施のため、児童福祉施設、里親等と十分に連携を図る。また、措置中も、児童福祉施設、里親等と十分連携を図りつつ、児童及びその家庭環境の状況等を継続して把握するとともに、必要な指導・援助を行う。 (1) 児童福祉施設、里親等に対する措置は児童相談所の主要業務の一つであり、その効果的実施のため、児童福祉施設、里親等と十分に連携を図る。また、措置中も、児童福祉施設、里親等と十分連携を図りつつ、子ども及びその家庭環境の状況等を継続して把握するとともに、必要な指導・援助を行う。
(2) 児童福祉施設に対する措置が行われてから児童福祉施設が子ども等の実態把握・評価に基づき自立支援計画を策定するまでの数ヶ月間は、児童相談所の策定した援助指針を自立支援計画として活用し支援することも差し支えない。
(3) 里親へ措置された子どもの自立支援計画については、児童相談所が策定する。自立支援計画は、事前に子どもや保護者等に対して児童相談所の案について十分説明を行い、その意向等を踏まえて策定すること。
(4) 児童福祉施設又は里親に対する措置に係る子どもに関し、援助指針又は自立支援計画を策定する際には、児童福祉施設又は里親と十分な協議を行うこと。
(2) 個々の措置を的確に行うためには、児童福祉施設、里親等の状況を十分把握しておく必要があるので、施設長、里親等との連絡会議を適宜開催し、相互理解、相互信頼を深めておく。 (5) 個々の措置を的確に行うためには、児童福祉施設、里親等の状況を十分把握しておく必要があるので、施設長、里親等との連絡会議を適宜開催し、相互理解、相互信頼を深めておく。
(3) 措置した児童の経過を把握するため、児童福祉施設、里親等から児童の養育状況に関する報告を年2回程度徴し、また定期的に訪問したり、合同で会議を行う等相互の連携を十分に図る。 (6) 措置した子どもの経過を把握するため、児童福祉施設、里親等から子どもの養育状況に関する報告を年2回程度徴し、また定期的に訪問したり、合同で会議を行う等相互の連携を十分に図る。
(4) 児童相談所は、措置を行う場合及び措置の解除、停止、変更、在所期間の延長を行う場合のほか退所後の援助方法等についても児童福祉施設、里親等と連携を図る。 (7) 児童相談所は、措置を行う場合及び措置の解除、停止、変更、在所期間の延長を行う場合のほか退所後の援助方法等についても児童福祉施設、里親等と連携を図る。
(5) 児童福祉施設等に入所している児童の保護者等の状況を把握する際には各施設の協力を得る。 (8) 児童福祉施設等に入所している子どもの保護者等の状況を把握する際には各施設の協力を得る。
(6) 児童福祉施設が退所児童に対し指導を行うに当たっては、児童相談所はその指導状況について報告を求め、処遇会議等で検討し必要な助言指導等を行う。なお、これについては次の通知による。
  • [1] 昭和42年5月24日発児第78号「児童福祉施設退所児童に対する指導の強化について」
  • [2] 昭和63年5月20日児発第465号「児童福祉施設退所児童指導実施要綱の運用について」
(9) 児童福祉施設が退所した子どもに対し相談その他の援助を行うに当たっては、児童相談所はその状況について報告を求め、援助方針会議等で検討し必要な助言指導等を行う。なお、これについては次の通知による。
  • [1] 昭和42年5月24日発児第78号「児童福祉施設退所児童に対する指導の強化について」
  • [2] 昭和63年5月20日児発第465号「児童福祉施設退所児童指導実施要綱の運用について」
2.個別的事項 2.個別的事項
(1) 乳児院に対しては、保護者が出産、傷病、病気看護等緊急の事情又は出張等の勤務上の都合等特別の事情により保護者の下で養育できない児童について、1か月未満の短期の措置を行うことができる。この場合には、特に迅速に対応する。なお、これについては「平成13年3月29日雇 児発178号「ベビーホテル問題への積極的な取組について」による。 (1) 乳児院に対しては、保護者が出産、傷病、病気看護等緊急の事情又は出張等の勤務上の都合等特別の事情により保護者の下で養育できない子どもについて、1か月未満の短期の措置を行うことができる。この場合には、特に迅速に対応する。なお、これについては「平成13年3月29日雇 児発178号「ベビーホテル問題への積極的な取組について」による。
(2) 児童自立支援施設、情緒障害児短期治療施設等に入所している児童処遇に困難を伴うことが多いので、定例的に連絡協議会を開催する等、特に緊密な連携を図る。 (2) 児童自立支援施設、情緒障害児短期治療施設等に入所している子ども援助に困難を伴うことが多いので、定例的に連絡協議会を開催する等、特に緊密な連携を図る。
(3) 児童自立支援施設入所児童の高等学校進学等進路指導及び処遇計画の策定に当たっては、児童自立支援施設の長と十分協議し、適切な処遇を行う。なお、これについては、平成元年4月10日児発第265号の7「教護院入所児童の高等学校進学の取扱いについて」等による。 (3) 児童自立支援施設に入所している子どもの高等学校進学等進路指導及び自立支援計画の策定に当たっては、児童自立支援施設の長と十分協議し、適切な援助を行う。なお、これについては、平成元年4月10日児発第265号の7「教護院入所児童の高等学校進学の取扱いについて」等による。
(4) 医学的治療等が必要な障害児の判定、処遇に当たっては、児童相談所は、必要に応じ肢体不自由児施設等の協力を求めることが適当である。 (4) 医学的治療等が必要な障害児の判定、援助に当たっては、児童相談所は、必要に応じ肢体不自由児施設等の協力を求めることが適当である。
(5) 知的障害児施設、肢体不自由児施設等の有する機能を広く在宅の障害児(者)のためにも活用し、施設を地域社会に開かれたものとしていくため心身障害児(者)施設地域療育事業、障害児(者)地域療育等支援事業が実施されているが、児童相談所は、これを実施する施設と連携を図り、事業が円滑に実施されるよう努める。 (5) 知的障害児施設、肢体不自由児施設等の有する機能を広く在宅の障害児(者)のためにも活用し、施設を地域社会に開かれたものとしていくため障害児(者)地域療育等支援事業が実施されているが、児童相談所は、これを実施する施設と連携を図り、事業が円滑に実施されるよう努める。
(6) 児童相談所は、児童福祉施設の長に、当該施設に里親委託等を行うことが適当な児童がいた場合には連絡するよう求める。 (6) 児童相談所は、児童福祉施設の長に、当該施設に里親委託等を行うことが適当な子どもがいた場合には連絡するよう求める。
(7) 児童相談所は、現に児童を委託している里親及び児童を委託していない里親を対象とする児童の養育方法等に関する研修会の実施に協力する。なお、これについては平成14年9月5日雇児発第0905005号「里親支援事業の実施について」による。 (7) 児童相談所は、現に子どもを委託している里親及び子どもを委託していない里親を対象とする子どもの養育方法等に関する研修会の実施に協力する。なお、これについては平成14年9月5日雇児発第0905005号「里親支援事業の実施について」による。
(8) 児童相談所は、里親会と十分な連携を図り、里親制度の充実に努める。 (8) 児童相談所は、里親会と十分な連携を図り、里親制度の充実に努める。
(9) 児童相談所は、児童養護施設、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設、里親に委託措置された児童で、必要と認められるものについて、指導及び一時保護の実施を検討するとともに、さらに必要な場合には法第27条第9項の規定に基づく児童自立生活援助事業の対象とすることや再度施設入所措置を採ることについても検討する。 (9) 児童相談所は、児童養護施設、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設、里親に委託措置された子どもで、必要と認められるものについて、指導及び一時保護の実施を検討するとともに、さらに必要な場合には法第27条第7項の規定に基づく児童自立生活援助事業の対象とすることや再度施設入所措置を採ることについても検討する。
(10)知的障害児施設等に入所している児童の措置を解除する場合等には、その児童の社会的自立を援助するため、知的障害者通勤寮、知的障害者地域生活援助事業等の活用も考慮する。 (10)知的障害児施設等に入所している子どもの措置を解除する場合等には、その子どもの社会的自立を援助するため、知的障害者通勤寮、知的障害者地域生活援助事業等の活用も考慮する。
(11)児童相談所は、保育所が行う障害児保育等について助言指導等を行う。また母子生活支援施設に入所している児童の処遇についても、児童相談所は施設と十分な連携を図る。 (11)母子生活支援施設に入所している児童の援助についても、児童相談所は施設と十分な連携を図る。
(12)その他児童館等が実施する事業についても必要に応じ協力する。 (12)その他児童館等が実施する事業についても必要に応じ協力する。
(13) 保育所との関係については、本節のほか、次節による。
第10節 保育所等との関係
1.保育所との連携
(1) 保育所では、登園時や保育活動中などあらゆる機会に児童虐待の早期発見が可能であることから、児童相談所は日頃から保育所との連携を密にし、要保護児童(虐待を受けたと思われる子どもを含む。)の通告が早期に図られるよう体制を整えておく。
(2) 保育所から通告又は相談を受けた場合は、児童相談所の機能や業務の流れ等について十分説明を行うとともに、児童相談所、保育所それぞれの役割分担を明確にする。特に、保育所を通じて保護者や子ども等に児童相談所への相談を勧める場合は、あらかじめ保育所が保護者や子ども等に児童相談所の機能や業務の流れ等について十分説明し、同意を得るよう保育所の協力を求める。また、保育所が児童相談所に通告する際には、併せて市町村にも連絡するよう指導する。
(3) 保育所に入所している子どもに、虐待などが疑われる状況がある場合には、児童相談所は、保育所に対して必要な助言・指導を行い、保育所と連携してその子どもの援助に当たる。また、併せて保護者への援助も行い、その際には、保育所と協力して育児負担の軽減など保護者の子育てを支援する姿勢で接するとともに、保護者が当該行為に至った心理的社会的背景の理解にも努める。
(4) 児童虐待防止法第13条の2により、市町村は、保育所に入所する子どもを選考する場合には、児童虐待の防止に寄与するため、特別の支援を要する家庭の福祉に配慮しなければならないこととされている。このため、児童相談所長は、要保護児童の通告を受け、保育の実施が適当と認めてその子どもの保育の実施に係る市町村の長に通知する措置を採る際には、その旨を伝えることとする。また、通知した場合には、その後も保育所と連携してその子どもの状況の把握に努めるものとする。
(5) 認可外保育施設から通告又は相談を受けた場合においても、児童相談所は保育所からの通告又は相談と同様に対応し、当該施設と連携して子ども及び保護者の援助を行う。
(6) 児童相談所は、児童福祉主管部局等を通じて、ベビーホテルにおいて長期滞在児がいることを把握した場合には、市町村や福祉事務所等と協力して、その子ども保護者から長期間ベビーホテルに預けている事情等家庭の状況について調査する。なお、ベビーホテル問題への対応については、「平成13年3月29日雇児発第178号 ベビーホテル問題への積極的な取組について」を参照のこと。
第8節 市町村との関係
1.市町村の位置付け
(1) 市町村は住民に身近な地方公共団体として、未成年者等の援護に関する業務を行うこととされている。(地方自治法第2条第3項第9号、同条第4項)
 したがって、児童相談所は市町村と十分な連携を図り、地域の児童の福祉向上のための体制作りを行っていく必要がある。
(2) この観点から児童福祉法においては、児童相談所、市町村相互に通報等を行い、援助を求めることができることとされている。
 したがって、市町村から通報を受け又は援助を求められた場合には、受理会議で検討し、必要な相談援助を行う。また、必要に応じ、市町村に対し協力を求める。(法第11条第3項、第13条)
2.個別的事項
(1) 1歳6か月児精神発達精密健康診査並びに3歳児精神発達精密健康診査及びこれらの事後指導を行う場合には、児童相談所は市町村と十分に連携を図って行う。
(2) 保育の実施が必要な児童については、これを市町村に通知する。
(3) 児童相談所は市町村が障害児保育事業又は障害児通園事業(障害児デイサービス事業)を行う場合には、必要に応じ判定、相談等を行う。
(4) 児童を養育している家庭の保護者が疾病等の社会的事由や仕事の事由等によって家庭における児童の養育が一時的に困難となった場合などには、子育て支援短期利用事業の活用について、市町村と十分な連携を図る。
(5) 棄児を受理した場合は、必要に応じ新たに戸籍を作成するよう市町村に届け出る。
(6) 巡回相談、児童福祉に関する企画、広報等を行う場合には、市町村と十分連携を図る。
(7) その他児童相談所は児童居宅介護等事業等市町村が実施主体となっている事業の実情を把握し、十分な連携を図っていく。
第9節 家庭裁判所との関係 第11節 家庭裁判所との関係
1.家庭裁判所の位置付け 1.家庭裁判所の位置付け
(1) 家庭裁判所は、裁判所法(昭和22年法律第59号)第31条の3の規定により、次に掲げる権限を有する。
  • [1] 家事審判法で定める家庭に関する事件の審判(家事審判)及び調停
  • [2] 少年法で定める少年の保護事件の審判(少年審判)
  • [3] 少年法第37条第1項に掲げる罪に係る訴訟(少年の福祉を害する成人の刑事事件)の第1審の裁判
  • [4] その他、他の法律で家庭裁判所の権限とされたもの(戸籍や親権の関係等)
(1) 家庭裁判所は、裁判所法(昭和22年法律第59号)第31条の3の規定により、次に掲げる権限を有する。
  • [1] 家事審判法で定める家庭に関する事件の審判(家事審判)及び調停
  • [2] 少年法で定める少年の保護事件の審判(少年審判)
  • [3] 少年法第37条第1項に掲げる罪に係る訴訟(少年の福祉を害する成人の刑事事件)の第1審の裁判
  • [4] その他、他の法律で家庭裁判所の権限とされたもの(戸籍や親権の関係等)
(2) 児童福祉法において、家庭裁判所は、法第27条第1項第4号又は27条の3により送致を受けた場合、法第28条等児童、保護者等の意に反して処遇を行う必要があるとして承認を求められた場合、法第33条の6等により児童の親権者の親権喪失宣告等を行って保護する必要があるとして請求を受けた場合等に審判、許可等を行うものとされている。 (2) 児童福祉法において、家庭裁判所は、法第27条第1項第4号又は27条の3により送致を受けた場合、法第28条等子どもや保護者等の意に反して援助を行う必要があるとして承認を求められた場合、法第33条の6等により子どもの親権者の親権喪失宣告等を行って保護する必要があるとして請求を受けた場合等に審判、許可等を行うものとされている。
2.児童相談所に送致される事例 2.児童相談所に送致される事例
(1) 次の場合には、家庭裁判所から児童相談所に送致される。
  • ア 家庭裁判所が調査、審判した結果、児童福祉法の規定による措置を適当と認めるときは、家庭裁判所の決定によって事件が都道府県知事又は児童相談所長に送致される。(少年法第18条第1項)
  • イ 法第27条の3、少年法第6条第3項により家庭裁判所に送致した児童について、強制的措置が許可された場合は、期限、方法その他の措置が指示されて、事件が家庭裁判所から児童相談所長に送致される。(少年法第18条第2項)
  • ウ 家庭裁判所が保護処分として児童を児童自立支援施設又は児童養護施設に送致した場合、現実の取扱としては、児童が児童相談所に送致される。(少年法第24条第1項第2号、少年審判規則第37条第2項)
(1) 次の場合には、家庭裁判所から児童相談所に送致される。
  • ア 家庭裁判所が調査、審判した結果、児童福祉法の規定による措置を適当と認めるときは、家庭裁判所の決定によって事件が都道府県知事又は児童相談所長に送致される。(少年法第18条第1項)
  • イ 法第27条の3、少年法第6条第3項により家庭裁判所に送致した子どもについて、強制的措置が許可された場合は、期限、方法その他の措置が指示されて、事件が家庭裁判所から児童相談所長に送致される。(少年法第18条第2項)
  • ウ 家庭裁判所が保護処分として子どもを児童自立支援施設又は児童養護施設に送致した場合、現実の取扱としては、子どもが児童相談所に送致される。(少年法第24条第1項第2号、少年審判規則第37条第2項)
(2) (1) のウの送致の場合は、決定の通知とともに、家庭裁判所の調査記録等の参考書類が送付される(少年審判規則第37条の2第1項)が、(1) のア及びイの送致の場合は、原則的に事件記録のみが送付されるので、児童相談所は、この場合にも調査記録等必要な書類を添付してもらうよう調整しておく等十分連携を図る。 (2) (1) のウの送致の場合は、決定の通知とともに、家庭裁判所の調査記録等の参考書類が送付される(少年審判規則第37条の2第1項)が、(1) のア及びイの送致の場合は、原則的に事件記録のみが送付されるので、児童相談所は、この場合にも調査記録等必要な書類を添付してもらうよう調整しておく等十分連携を図る。
(3) 児童相談所は、家庭裁判所から(1) のアの送致を受けた場合には、受理会議において検討し、他の事例と同様の相談援助活動を行い、その結果を家庭裁判所に通知する。 (3) 児童相談所は、家庭裁判所から(1) のアの送致を受けた場合には、受理会議において検討し、他の事例と同様の相談援助活動を行い、その結果を家庭裁判所に通知する。
(4) 児童相談所は、家庭裁判所から(1) のイの送致を受けた場合には、家庭裁判所の指示の範囲内で必要最少限度において強制的措置をとる。 (4) 児童相談所は、家庭裁判所から(1) のイの送致を受けた場合には、家庭裁判所の指示の範囲内で必要最少限度において強制的措置をとる。
(5) 児童相談所は、家庭裁判所から(1) のウの送致を受けた場合は、その決定に従って児童自立支援施設又は児童養護施設への入所措置を採らなければならない。この場合、第27条第4項及び同条第8項の規定は適用されないが、これは、保護処分決定に当たり、司法判断としての手続きが保障されていることを理由とするものである。このため、(1) のウの送致に基づき児童福祉施設に入所の措置を採った場合については、入所後に親権者等が児童の引取りを主張した場合には、これを拒否できる。
 ただし、当該措置は児童福祉法に基づき行われるものであり、措置中の児童処遇方針並びに措置解除及び措置変更の決定等は、児童福祉の観点から適切に行うとともに、措置後には家庭環境の調整等も必要となることから、措置を行う際にはもちろん、措置後においても、親権者等の理解を得るよう努力する等、児童の適切な処遇の確保を図る。
(5) 児童相談所は、家庭裁判所から(1) のウの送致を受けた場合は、その決定に従って児童自立支援施設又は児童養護施設への入所措置を採らなければならない。この場合、第27条第4項及び同条第6項の規定は適用されないが、これは、保護処分決定に当たり、司法判断としての手続きが保障されていることを理由とするものである。このため、(1) のウの送致に基づき児童福祉施設に入所の措置を採った場合については、入所後に親権者等が子どもの引取りを主張した場合には、これを拒否できる。
 ただし、当該措置は児童福祉法に基づき行われるものであり、措置中の子ども援助方針並びに措置解除及び措置変更の決定等は、児童福祉の観点から適切に行うとともに、措置後には家庭環境の調整等も必要となることから、措置を行う際にはもちろん、措置後においても、親権者等の理解を得るよう努力する等、子どもの適切な援助の確保を図る。
(6) 児童相談所は、家庭裁判所の決定に従い、児童自立支援施設や児童養護施設に入所の措置をとったときは、その結果を家庭裁判所に通知する。 (6) 児童相談所は、家庭裁判所の決定に従い、児童自立支援施設や児童養護施設に入所の措置をとったときは、その結果を家庭裁判所に通知する。
(7) 家庭裁判所から(1) のイ及びウの送致を受けて児童自立支援施設等に入所措置を行った児童について、措置の変更、解除を行ったときは家庭裁判所に報告する。 (7) 家庭裁判所から(1) のイ及びウの送致を受けて児童自立支援施設等に入所措置を行った子どもについて、措置の変更、解除を行ったときは家庭裁判所に報告する。
3.調査嘱託を受けた事例について
 家庭裁判所から家事審判規則第8条に基づき、特別養子縁組等に関する調査嘱託を受けた場合及び少年法第16条に基づく援助・協力依頼を受けた場合には、児童福祉の観点から協力する。
3.調査嘱託を受けた事例について
 家庭裁判所から家事審判規則第8条に基づき、特別養子縁組等に関する調査嘱託を受けた場合及び少年法第16条に基づく援助・協力依頼を受けた場合には、児童福祉の観点から協力する。
4.その他 4.その他
(1) 処遇会議等の結果、家庭裁判所に送致等を行うことが適当と認められる場合はこれを行う。 (1) 援助方針会議等の結果、家庭裁判所に送致等を行うことが適当と認められる場合はこれを行う。
(2) 児童相談所は、家庭裁判所と定期的に連絡会議を行う等常に十分な連携を図る。また、その他児童相談所の業務に関し必要な協力を求める。 (2) 児童相談所は、家庭裁判所と定期的に連絡会議を行う等常に十分な連携を図る。また、その他児童相談所の業務に関し必要な協力を求める。
(3) 家庭裁判所に対する家事審判の申立てについては、第4章第8節を参照のこと。
第12節 弁護士、弁護士会との関係
(1) 平成16年児童福祉法改正法により、保護を必要とする子どもに関する司法関与が強化されるなど、児童家庭相談活動を行うに際して法的な対応が必要となる場面は増えてきている。
(2) このため、児童相談所は、必要に応じて弁護士や弁護士会と連携を図りつつ、必要となる法的対応について、適切に対応していくことが必要である。
(3) 具体的な連携としては、個別のケースで問題となる法的問題に対する助言や、法第28条の申立ての代理人等を要請することが考えられる。
第10節 学校、教育委員会との関係 第13節 学校、教育委員会との関係
1.学校(幼稚園、小・中・高等学校等)との関係 1.学校(幼稚園、小・中・高等学校等)との関係
(1) 児童相談所は日頃から学校との連携を密にし、虐待を受けている児童等要保護児童の通告が早期に図られるよう体制を整えておく。また、処遇に当たっても、学校との連携を十分図る。 (1) 児童相談所は日頃から学校との連携を密にし、要保護児童(虐待を受けたと思われる子どもを含む。)の通告が早期に図られるよう体制を整えておく。また、援助に当たっても、学校との連携を十分図る。
(2) 学校から通告又は相談を受けた場合は、児童相談所の機能や業務の流れ等について十分説明を行うとともに、児童相談所、学校それぞれの役割分担を明確にする。特に、学校を通じて保護者や児童等に児童相談所への相談を勧める場合は、あらかじめ学校が保護者や児童等に児童相談所の機能や業務の流れ等について十分説明し、同意を得るよう学校の協力を求める。 (2) 学校から通告又は相談を受けた場合は、児童相談所の機能や業務の流れ等について十分説明を行うとともに、児童相談所、学校それぞれの役割分担を明確にする。特に、学校を通じて保護者や子ども等に児童相談所への相談を勧める場合は、あらかじめ学校が保護者や子ども等に児童相談所の機能や業務の流れ等について十分説明し、同意を得るよう学校の協力を求める。
(3) 相談援助活動の一環として担当者が学校を直接訪問する場合は、原則としてその趣旨等を児童、保護者等に説明し同意を得た上で、学校長、教頭、担当教師、生徒指導主事、スクールカウンセラー等と面接する。相談援助活動を行うに当たっては、児童相談所と学校それぞれの役割分担を明確にするとともに、担当教師等の協力を求める。 (3) 相談援助活動の一環として担当者が学校を直接訪問する場合は、原則としてその趣旨等を子どもや保護者等に説明し同意を得た上で、学校長、教頭、担当教師、生徒指導主事、スクールカウンセラー等と面接する。相談援助活動を行うに当たっては、児童相談所と学校それぞれの役割分担を明確にするとともに、担当教師等の協力を求める。
(4) 非行、不登校等の行動を有する児童については、児童相談所は、学校との会議等を行い、一貫した処遇を行う体制を整えておく。 (4) 非行、不登校等の行動を有する子どもについては、児童相談所は、学校との会議等を行い、一貫した援助を行う体制を整えておく。特に不登校の子どもについては、学校として組織的に対応し、その子どもの家庭等における状況の把握に努めるとともに、学校関係者のみでは、その子どもの状況把握が困難である場合には、児童相談所等の関係機関等の協力を得て状況把握に努めることとされているところであり、十分に連携を図りつつ対応する。
(5) 障害児等については、児童相談所は、地域の盲・ろう学校、養護学校又は特殊学級等と十分連携を図り、一貫した処遇が行われる体制を整えておく。 (5) 障害児等については、児童相談所は、地域の盲学校・聾(ろう)学校、養護学校又は小学校、中学校等と十分連携を図り、一貫した援助が行われる体制を整えておく。
2.教育委員会との関係 2.教育委員会との関係
(1) 児童相談所は学校のほか各教育委員会と協力して、巡回相談等を行う等連携を図る。 (1) 児童相談所は学校のほか各教育委員会と協力して、巡回相談等を行う等連携を図る。
(2) 法第27条第1項第3号の措置に伴い転校が必要となる児童の手続きについては、できるだけ速やかに行えるよう協力を求める。
 また、学齢児童の入所措置に当たって児童相談所は、教育委員会と密接に連携をとり、当該児童が適切な教育を受けられるようにする。
(2) 法第27条第1項第3号の措置に伴い転校が必要となる子どもの手続きについては、できるだけ速やかに行えるよう協力を求める。
 また、学齢児童の入所措置に当たって児童相談所は、教育委員会と密接に連携をとり、その子どもが適切な教育を受けられるようにする。
(3) 児童相談所は、児童の適切な就学指導等を行うために設置される就学指導委員会と十分な連携を図り、児童福祉の観点から助言等を行う。
 また、資料の提出等を求められた場合において、児童福祉の観点から必要と認められるときには、児童、保護者等の同意を得て行う。
(3) 児童相談所は、子どもの適切な就学指導等を行うために設置される就学指導委員会と十分な連携を図り、児童福祉の観点から助言等を行う。
 また、資料の提出等を求められた場合において、児童福祉の観点から必要と認められるときには、子どもや保護者等の同意を得て行う。
(4) 児童相談所は、教育委員会が行う教育相談に必要に応じ協力する等十分な連携を図る。 (4) 児童相談所は、教育委員会が行う教育相談に必要に応じ協力する等十分な連携を図る。
第11節 警察との関係 第14節 警察との関係
1.警察の位置付け 1.警察の位置付け
(1) 警察は個人の生命、身体及び財産の保護、犯罪の予防等に関する業務を行うとともに、少年補導、非行防止活動等を行っている。 (1) 警察は個人の生命、身体及び財産の保護、犯罪の予防等に関する業務を行うとともに、少年補導、非行防止活動等を行っている。
(2) 児童相談所は、次に掲げる事項について警察と関係を有する。
  • [1] 触法少年、ぐ犯少年の通告(法第25条)
  • [2] 棄児、迷子、被虐待児その他警察署で発見した要保護児童の通告(法第25条)
  • [3] 一時保護に関する事項
  • [4] 被虐待児童の調査、保護等に関する事項
  • [5] 少年補導、非行防止活動等
  • [6] その他
(2) 児童相談所は、次に掲げる事項について警察と関係を有する。
  • [1] 触法少年、ぐ犯少年の通告(法第25条)
  • [2] 棄児、迷子、虐待を受けた子どもその他警察署で発見した要保護児童の通告(法第25条)
  • [3] 一時保護に関する事項
  • [4] 虐待を受けた子どもの調査、保護等に関する事項
  • [5] 少年補導、非行防止活動等
  • [6] その他
2.児童相談所へ通告される事例 2.児童相談所へ通告される事例
(1) 触法少年及びぐ犯少年の通告は法第25条に基づき原則として児童相談所に対し、犯罪捜査規範(昭和32年国家公安委員会規則第2号)第215条に定める児童通告書等の文書により行われる。 (1) 触法少年及びぐ犯少年の通告は法第25条に基づき原則として児童相談所に対し、犯罪捜査規範(昭和32年国家公安委員会規則第2号)第215条に定める児童通告書等の文書により行われる。
(2) 棄児、迷子、被虐待児等の通告は、通知書等の文書により行われるよう事前に警察と調整しておく。 (2) 棄児、迷子、虐待を受けた子ども等の通告は、通知書等の文書により行われるよう事前に警察と調整しておく。
(3) 法第25条は、一時保護の要否に応じて通告先を異ならせておらず、また警察に一時保護の要否を判断する権限はないことから、警察は、一時保護の要否その他の事情にかかわらず、市町村、福祉事務所及び児童相談所のいずれの機関に対しても通告を行うことができる。
 ただし、深刻な虐待が疑われる場合など緊急性、専門性が高いと警察が判断した場合には、一般的には、市町村や福祉事務所ではなく、児童相談所に直接通告することとなる。
 なお、市町村、福祉事務所及び児童相談所は、警察からの要保護児童の通告について、身柄付であるか否かを問わず、その受理を拒否することはできない。このため、市町村又は福祉事務所は、警察からの通告を受けた場合において、その子どもについて一時保護が必要であると判断するときは、通告を受理した上で児童相談所に送致することとなる。また、児童相談所が市町村等が対応することが適当と判断する場合は、通告を受理した上で、市町村等と連携を図りつつ対応することとする。
(3) 通告の際に身柄を伴う場合については、あらかじめ十分協議する。 (4) 通告の際に身柄を伴う場合については、あらかじめ十分協議する。
(4) 児童相談所は通告を受けた場合には、受理会議で検討し、迅速かつ的確に相談援助活動を行う。また、処遇の結果を当該警察に通知する。 (5) 児童相談所は通告を受けた場合には、受理会議で検討し、迅速かつ的確に相談援助活動を行う。また、援助の結果を当該警察に通知する。なお、援助方針についても必要に応じて通知するものとする。
3.委託一時保護 3.委託一時保護
(1) 一時保護の必要な児童を警察官が発見し又は市民から警察が引き継いだ場合で、児童相談所が遠隔地にある又は夜間にわたるなどのため、児童相談所が直ちに引き取ることができないときなどにおいては、児童相談所は警察署に委託一時保護を行うことができる。 (1) 一時保護の必要な子どもを警察官が発見し又は市民から警察が引き継いだ場合で、児童相談所が遠隔地にある又は夜間にわたるなどのため、児童相談所が直ちに引き取ることができないときなどにおいては、児童相談所は警察署に委託一時保護を行うことができる。
(2) 警察署における一時保護は原則として24時間を超えることができない。交通その他真にやむを得ない事情がある場合には、この時間を延長することができるが、この場合においても、できる限り早期に一時保護所において保護するよう努める。 (2) 警察署における一時保護は原則として24時間を超えることができない。交通その他真にやむを得ない事情がある場合には、この時間を延長することができるが、この場合においても、できる限り早期に一時保護所において保護するよう努める。
4.少年補導、非行防止活動等 4.少年補導、非行防止活動等
(1) 児童相談所は、警察から要請があった場合、児童福祉の観点から必要に応じ少年補導、非行防止活動に協力する。具体的協力方法としては、少年サポートセンタ−の運営について協力すること等が考えられる。 (1) 児童相談所は、警察から要請があった場合、児童福祉の観点から必要に応じ少年補導、非行防止活動に協力する。具体的協力方法としては、少年サポートセンタ−の運営について協力すること等が考えられる。
(2) 児童相談所は警察の行うヤング・テレホン等の相談事業について、必要な助言等を行う。 (2) 児童相談所は警察の行うヤング・テレホン等の相談事業について、必要な助言等を行う。
(3) 児童相談所において調査の対象とされている子どもについて、警察官による事情聴取を行う場合には、必要に応じ、児童福祉司が立ち会うなど、個々の子どもの成長・発達状況に十分留意し、子どもに不適切な負担をかけないように配慮すること
5.虐待事例等における連携 5.虐待事例等における連携
(1) 要保護児童の通告
 警察から通告される虐待事例等は、一般に保護の緊急性が高い場合が多いので、即日緊急の受理会議を開催する等、特に迅速かつ柔軟に対応する。
(1) 要保護児童の通告
 警察から通告される虐待事例等は、一般に保護の緊急性が高い場合が多いので、即日緊急の受理会議を開催する等、特に迅速かつ柔軟に対応する。
(2) 立入調査における連携
 立入調査に当たっては、必要に応じ、児童又は調査担当者に対する保護者等の加害行為等に対して迅速な援助が得られるよう、児童虐待防止法第10条により警察官に対する援助の依頼を行い、これに基づく連携による適切な調査を行うとともに、状況に応じ遅滞なく児童の一時保護を行うなど、児童の福祉を優先した臨機応変の対応に努める。
(2) 立入調査における連携
 立入調査に当たっては、必要に応じ、子ども又は調査担当者に対する保護者等の加害行為等に対して迅速な援助が得られるよう、児童虐待防止法第10条により警察署長に対する援助の依頼を行い、これに基づく連携による適切な調査を行うとともに、状況に応じ遅滞なく子どもの一時保護を行うなど、子どもの福祉を優先した臨機応変に対応しなければならない。
   なお、警察官への援助の依頼については、緊急の場合を除き、行政組織を一体的に運営し、児童の保護の万全を期する観点から、文書により事前に組織上の責任者から責任者に対して行うことを原則とする。    なお、警察署長への援助の依頼については、緊急の場合を除き、行政組織を一体的に運営し、子どもの保護の万全を期する観点から、事前に文書により行うことを原則とする。
(3) 一時保護における連携
  • [1] 現に保護者等が児童に著しい身体的暴力を加えている場合など、児童の保護の緊急性や保護者の違法行為の蓋然性の程度から判断して警察官の援助が必要であると認められる場合には、児童虐待防止法第10条により警察官に対する援助の依頼を行い、これに基づく連携による児童の迅速な保護に努める。
  • [2] 一時保護中の児童について保護者等の強引な引取りに対しては、必要に応じ、児童又は担当者等に対する保護者等の加害行為等に対して迅速な援助が得られるよう、警察に対して、児童虐待防止法第10条に準じた対応を依頼し、これに基づく連携を図る。
(3) 一時保護における連携
  • [1] 現に保護者等が子どもに著しい身体的暴力を加えている場合など、子どもの保護の緊急性や保護者の違法行為の蓋然性の程度から判断して警察官の援助が必要であると認められる場合には、児童虐待防止法第10条により警察署長に対する援助を求めなければならず、これに基づく連携による子どもの迅速な保護に努める。
  • [2] 一時保護中の子どもについて保護者等の強引な引取りに対しては、必要に応じ、子ども又は担当者等に対する保護者等の加害行為等に対して迅速な援助が得られるよう、警察に対して、児童虐待防止法第10条に準じた対応を依頼し、これに基づく連携を図る。
(4) 法第28条による家庭裁判所の承認に基づく児童福祉施設入所措置等について、保護者等の強引な引取りが予想される場合には、必要に応じ、児童又は担当者等に対する保護者等の加害行為等に対して迅速な援助が得られるよう、施設の住所地を管轄する警察に対し、児童虐待防止法第10条に準じた対応を依頼し、これに基づく連携を図る等、児童福祉施設に対する協力を行う。 (4) 法第28条による家庭裁判所の承認に基づく児童福祉施設入所措置等について、保護者等の強引な引取りが予想される場合には、必要に応じ、子ども又は担当者等に対する保護者等の加害行為等に対して迅速な援助が得られるよう、施設の住所地を管轄する警察に対し、児童虐待防止法第10条に準じた対応を依頼し、これに基づく連携を図る等、児童福祉施設に対する協力を行う。
(5) 児童虐待防止法第10条の「必要があると認めるとき」とは、児童相談所長等による立入調査、一時保護等の職務執行に際し、保護者又は第三者から物理的その他の手段による抵抗を受けるおそれがある場合、現に児童が虐待されているおそれがある場合などであって、児童相談所長等だけでは職務執行をすることが困難なため警察官の援助を必要とする場合をいう。
 警察官の「援助」とは、児童相談所長等による職務執行に際して、当該職務執行が円滑に実施できるようにする目的で、警察官が警察法、警察官職務執行法等の法律により与えられている任務と権限に基づいて行う措置である。なお、児童相談所長等による職務執行そのものは、警察官の任務ではなく、児童相談所長等がその専門的知識に基づき行うべきものであり、警察官は、児童相談所長等の権限行使の補助者ではない。
(5) 児童虐待防止法第10条の「必要があると認めるとき」とは、児童相談所長等による立入調査、一時保護等の職務執行に際し、保護者又は第三者から物理的その他の手段による抵抗を受けるおそれがある場合、現に子どもが虐待されているおそれがある場合などであって、児童相談所長等だけでは職務執行をすることが困難なため警察官の援助を必要とする場合をいう。
 警察官の「援助」とは、児童相談所長等による職務執行に際して、当該職務執行が円滑に実施できるようにする目的で、警察官が警察法、警察官職務執行法等の法律により与えられている任務と権限に基づいて行う措置である。なお、児童相談所長等による職務執行そのものは、警察官の任務ではなく、児童相談所長等がその専門的知識に基づき行うべきものであり、警察官は、児童相談所長等の権限行使の補助者ではない。
(6) 平成16年の児童虐待防止法の改正により、子どもが同居する家庭における配偶者に対する暴力も児童虐待の一種であるとされた趣旨も踏まえ、その子どもが面前で配偶者に対する暴力が行われる等により有害な影響を受けていないか等についても、児童福祉の専門的知見を活用して検討し、適切に対応すべきである。
6.その他 6.その他
(1) 児童の一時保護所、施設等への移送については、必要に応じて警察の協力が得られるよう、事前に十分協議しておく。 (1) 子どもの一時保護所、施設等への移送については、必要に応じて警察の協力が得られるよう、事前に十分協議しておく。
(2) 児童相談所は警察と定期的に連絡会議を行う等日頃から、情報の共有や意見交換の機会を持ち常に十分な連携を図る。 (2) 児童相談所は警察と定期的に連絡会議を行う等日頃から、情報の共有や意見交換の機会を持ち常に十分な連携を図る。
(参考)
5.医療機関 第15節 医療機関との関係
(1) 児童の相談援助活動を行うに当たって専門的医学的な判断や治療を必要とする場合には、児童相談所は医療機関への紹介、あっせんを行う。 (1) 子どもの相談援助活動を行うに当たって専門的医学的な判断や治療を必要とする場合には、児童相談所は医療機関への紹介、あっせんを行う。このような業務を円滑に進めることができるよう、地域の医師会、医療機関との協力、連携体制の充実を図ることが必要である。
(2) 児童虐待の問題を医療機関が発見した場合には、速やかに児童相談所へ通告されるよう体制を整えておくとともに、児童の身体的・精神的外傷に対する治療や、精神医学的治療を必要とする保護者等の治療が適切かつ円滑に行われるよう体制整備に努める。 (2) 地域の医療機関に対し、要保護児童を発見した場合の通告窓口を周知するなどにより、児童虐待の問題を医療機関が発見した場合には、速やかに児童相談所へ通告されるよう体制を整えておくとともに、子どもの身体的・精神的外傷に対する治療や、精神医学的治療を必要とする保護者等の治療が適切かつ円滑に行われるよう体制整備に努める。
(3) 障害児や病児等長期的な療育や福祉的援助が必要な児童を医療機関が把握した場合には、保護者に児童相談所への相談を勧めてもらうよう体制を整えておく。 (3) 障害児や病児等長期的な療育や福祉的援助が必要な子どもを医療機関が把握した場合には、保護者に児童相談所への相談を勧めてもらうよう体制を整えておく。
1.婦人相談所 第16節 婦人相談所との関係
(1) 婦人相談所は保護を要する女子に関する種々の問題について、相談、調査、判定、指導を行い、必要に応じ一時保護を行う行政機関である。 (1) 婦人相談所は保護を要する女子に関する種々の問題について、相談、調査、判定、指導を行い、必要に応じ一時保護を行う行政機関である。また、婦人相談所は、次節の配偶者暴力相談支援センターにも指定されており、近年は、配偶者からの暴力被害者に対する支援においても重要な役割を果たしている。
(2) 性非行を伴う女子の児童の事例については、児童相談所と婦人相談所の業務が重なる場合もあるので、十分協議し最善の処遇が行われるよう努める。 (2) 性非行を伴う女子の子どもの事例については、児童相談所と婦人相談所の業務が重なる場合もあるので、十分協議し最善の援助が行われるよう努める。なお、配偶者からの暴力の被害者の同伴児童の保護については、次節を参照。
(3) 児童を有する女子を婦人相談所が一時保護した場合であって、母子の分離を行うことが不適当な場合には、婦人相談所と十分協議する。 (3) 子どものいる女子を婦人相談所が一時保護した場合であって、母子の分離を行うことが不適当な場合には、婦人相談所と十分協議する。
第17節 配偶者暴力相談支援センターとの関係
1.配偶者暴力相談支援センターの位置付け
(1) 配偶者暴力相談支援センターは、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るため、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(平成13年法律第31号。この節において「配偶者暴力防止法」という。)に基づき、配偶者からの暴力の被害者に対し次のような支援を行う行政機関である。
  • [1] 相談への対応、他の相談機関の紹介
  • [2] 医学的又は心理学的な指導その他の指導
  • [3] 被害者及びその同伴家族の一時保護(ただし、婦人相談所のみ実施可能)
  • [4] 自立して生活することを促進するための制度(就業の促進、住宅の確保、援護等)の利用等に関する情報提供、助言、関係機関との連絡調整その他の援助
  • [5] 保護命令制度の利用についての情報提供、助言、関係機関への連絡その他の援助
  • [6] 被害者を居住させ保護する施設の利用についての情報提供、助言、関係機関との連絡調整その他の援助
(2) 都道府県は、当該都道府県が設置する婦人相談所その他の適切な施設を配偶者暴力相談支援センターに指定することとされている。実際に配偶者暴力相談支援センターに指定されている機関としては、婦人相談所のほか、福祉事務所、女性センター等がある。
 また、平成16年の配偶者暴力防止法の改正により、市町村(特別区を含む。)も、当該市町村が設置する適切な施設を配偶者暴力相談支援センターに指定することができるとされたところである。
2.配偶者からの暴力の被害者の子どもの保護における連携
(1) 配偶者からの暴力の被害者が配偶者暴力相談支援センターに保護を求めた場合であって、その被害者に子どもがいる場合には、当該配偶者暴力相談支援センターとよく連携し、子どもが年長の男児であり、婦人相談所一時保護所で一時保護することがふさわしくない場合に一時保護を引き受けることはもちろん、その子どもにとって最善の援助がなされるよう児童相談所としても積極的に関与する。
(2) 特に、平成16年の児童虐待防止法の改正により、子どもが同居する家庭における配偶者に対する暴力も児童虐待の一種であるとされた趣旨も踏まえ、その子どもが面前で配偶者に対する暴力が行われる等により有害な影響を受けていないか等についても、児童福祉の専門的知見を活用して検討し、適切に対応すべきである。
(3) なお、子ども又はその保護者に対応する場合、その対応によって配偶者からの暴力の被害者が配偶者からの更なる暴力によりその生命又は身体に重大な危害を受けるなど、配偶者からの暴力の被害者及びその子どもの安全が損なわれることのないよう、事前に必ず配偶者暴力相談支援センターと十分な協議を行うことが必要である。
第18節 法務局、人権擁護委員との関係
(1) 法務局、市町村の区域に置かれている人権擁護委員(以下本節において「法務省の人権擁護機関」という。)は、子ども人権110番といった分野別の相談ツールを活用した子どもの人権に関する相談活動や啓発活動を行い、虐待の早期発見及び未然防止に努めている。また、人権侵犯事件の調査及び処理を通じて、侵犯事実の有無を確かめ、その結果に基づき、ケースに応じた適切な被害者救済のための措置を講じるとともに、関係者に働きかけて、人権尊重に対する理解を深めさせ、子どもの人権の擁護を図っている。
(2) 虐待ケースについては、その背景に、家庭内における様々な人間関係のトラブルや関係者の人権尊重理念に対する無理解が存在する場合が少なくなく、当該ケースを通じ、関係者間の対話促進による関係調整、関係者への人権尊重の理念の啓発を行う必要がある場合もあるので、児童相談所は、法務省の人権擁護機関と日頃から情報の共有や意見交換の機会を持つなど十分な連携を図る必要がある。また、虐待の未然防止の観点から、子どもの人権に関する一般啓発も重要であり、法務省の人権擁護機関から要請があった場合、必要に応じ啓発活動に協力するといった連携も図る必要がある。
第19節 民間団体との関係
(1) 児童虐待防止法においては、「関係機関及び民間団体の間の連携の強化」に努めなければならないとされている。
児童虐待防止の取組においては、より多くの担い手が必要であることから、児童虐待防止や子育て支援のための活動を行っている民間団体との連携について、積極的に考慮する。
(2) 具体的な連携に当たっては、当該民間団体の有する専門性などに応じ、地域の実情に応じた柔軟で多様な連携を図る。例えば、個別のケースにおける見守り的な支援などの役割を民間団体が担うことが考えられる。
(3) 個人情報の保護には十分な配慮が必要であるが、そのことのみを理由として、連携に消極的となるべきではない。
情報共有と守秘に関する協定を締結したり、要保護児童対策地域協議会を活用するなど、個人情報の保護に配慮した具体的な連携方策を検討すべきである。
第12節 その他の機関との関係 第20節 その他の機関との関係
1.婦人相談所
(1) 婦人相談所は保護を要する女子に関する種々の問題について、相談、調査、判定、指導を行い、必要に応じ一時保護を行う行政機関である。
(2) 性非行を伴う女子の児童の事例については、児童相談所と婦人相談所の業務が重なる場合もあるので、十分協議し最善の処遇が行われるよう努める。
(3) 児童を有する女子を婦人相談所が一時保護した場合であって、母子の分離を行うことが不適当な場合には、婦人相談所と十分協議する。
.公共職業安定所 .公共職業安定所
(1) 公共職業安定所は職業紹介、職業指導等の業務を行うために設置される行政機関である。 (1) 公共職業安定所は職業紹介、職業指導等の業務を行うために設置される行政機関である。
(2) 施設を退所した児童等の自立を図るため、就業させる必要がある場合又は職業訓練校等に入校させる必要がある場合等には、児童相談所は公共職業安定所等と十分連携を図る。 (2) 施設を退所した子ども等の自立を図るため、就業させる必要がある場合又は職業訓練校等に入校させる必要がある場合等には、児童相談所は公共職業安定所等と十分連携を図る。
.地域障害者職業センタ− .地域障害者職業センタ−
(1) 障害者の職業評価、職業指導等を行うために設置される機関である。 (1) 障害者の職業評価、職業指導等を行うために設置される機関である。
(2) 障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号)に規定する障害者雇用率制度、障害者雇用納付金制度等の雇用対策(障害者雇用に係る税法上の優遇措置を含む。)については、知的障害者は身体障害者と同様に取り扱われることとされており、これらの施策上の知的障害者であるか否かについては、児童相談所等のほか地域障害者職業センターも判定機関とされている。なお、この判定は、特別児童扶養手当、障害者控除等の認定に係る判定でなく、また、知的障害者であることの確認は、基本的には療育手帳によって行うものであるので、判定等を依頼された場合には適切に対応する。 (2) 障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号)に規定する障害者雇用率制度、障害者雇用納付金制度等の雇用対策(障害者雇用に係る税法上の優遇措置を含む。)については、知的障害者は身体障害者と同様に取り扱われることとされており、これらの施策上の知的障害者であるか否かについては、児童相談所等のほか地域障害者職業センターも判定機関とされている。なお、この判定は、特別児童扶養手当、障害者控除等の認定に係る判定でなく、また、知的障害者であることの確認は、基本的には療育手帳によって行うものであるので、判定等を依頼された場合には適切に対応する。
(3) 地域障害者職業センタ−から、知能指数、身辺処理能力等に関して意見を求められた場合は、児童、保護者等のプライバシーに十分配慮しつつ適切に対応する。 (3) 地域障害者職業センタ−から、知能指数、身辺処理能力等に関して意見を求められた場合は、子どもや保護者等のプライバシーに十分配慮しつつ適切に対応する。
.精神保健福祉センタ−
 思春期精神保健福祉に関する相談等については、児童相談所は精神保健福祉センタ−と十分連携を図り、相談援助活動を行っていく。
.精神保健福祉センタ−
 引きこもりに対する心のケアなど、思春期精神保健福祉に関する相談等については、児童相談所は精神保健福祉センタ−と十分連携を図り、相談援助活動を行っていく。
5.医療機関
(1) 児童の相談援助活動を行うに当たって専門的医学的な判断や治療を必要とする場合には、児童相談所は医療機関への紹介、あっせんを行う。
(2) 児童虐待の問題を医療機関が発見した場合には、速やかに児童相談所へ通告されるよう体制を整えておくとともに、児童の身体的・精神的外傷に対する治療や、精神医学的治療を必要とする保護者等の治療が適切かつ円滑に行われるよう体制整備に努める。
(3) 障害児や病児等長期的な療育や福祉的援助が必要な児童を医療機関が把握した場合には、保護者に児童相談所への相談を勧めてもらうよう体制を整えておく。
.社会福祉協議会 .社会福祉協議会
(1) 社会福祉協議会は、社会福祉を目的とする事業の調査、総合的企画、連絡・調整等を行う団体である。 (1) 社会福祉協議会は、社会福祉を目的とする事業の調査、総合的企画、連絡・調整等を行う団体である。
(2) 児童相談所は、児童に対する相談援助活動、児童福祉に関する事業を企画、実施する場合等において、必要に応じ社会福祉協議会と十分な連携を図る。 (2) 児童相談所は、子どもに対する相談援助活動、児童福祉に関する事業を企画、実施する場合等において、必要に応じ社会福祉協議会と十分な連携を図る。
.その他
 児童相談所は、少年鑑別所、少年サポートセンター、保護観察所、保護司、人権擁護委員、弁護士、いのちの電話、児童虐待防止センター等の民間虐待防止団体等、地域にある機関及び母子家庭、父子家庭介護人派遣事業等各種事業を展開している機関、団体等について十分把握し、連携を図る。
.その他
 児童相談所は、少年鑑別所、少年サポートセンター、保護観察所、保護司、人権擁護委員、弁護士、いのちの電話、児童虐待防止センター等の民間虐待防止団体、ボランティア団体等、地域にある機関及び母子家庭等日常生活支援事業等各種事業を展開している機関、団体等について十分把握し、連携を図る。

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