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児童相談所運営指針改定案(概要)

児童相談所運営指針改定案(概要)

第1章 児童相談所の概要

【児童相談所の性格と任務】

  • 児童相談所は、児童家庭相談に関する一義的な相談窓口である市町村との適切な役割分担・連携を図りつつ、その任務を果たしていく必要がある旨を明記。(P7)

  • 児童相談所の基本的機能に、市町村援助機能を追加。(P7)

【児童相談所の業務】

  • 一般の相談者は、自らの相談が専門的な知識及び技術等を要するものであるか否かを判断することは通常困難であることから、相談の受付自体は幅広く行うこととしつつ、その内容に応じて、市町村等の関係機関中心の対応とする、あるいは自らが中心となって対応することとする。(P9)

【相談の種類とその対応】

  • 虐待相談に関連して、市町村における要保護児童対策地域協議会の設置・運営を支援するなど、連携体制づくりに努める旨を明示する。(P12)

【援助指針の重要性】

  • 児童相談所は、児童福祉施設、里親への措置をする場合には、援助指針(里親への措置の場合は自立支援計画)を策定し、それに基づき行われた援助について定期的に検証を行い、必要に応じて、方針等の見直しを行うこと。(P14)

  • 援助指針を策定するに当たっては、事前に子どもや保護者等に対して十分説明を行い、その意向等を踏まえて策定することとする。(P15)

  • 援助指針を策定するに当たっては、事前に児童福祉施設、里親と協議を行うものとすること。(P16)

第2章 児童相談所の組織と職員

【各職員の職務内容】

  • 児童福祉司の業務として、子ども、保護者等の関係調整(家族療法など)を行うことを明記する。(P21)

  • 心理判定員は、心理診断のほか、心理療法等をその職務としていることを踏まえ、「心理判定員」の名称を「児童心理司」とする。(P22)

【職員の資格、研修等】

  • 専門性の確保・向上を図りつつ、人材登用の幅を広げる観点から、児童福祉司の任用資格が見直された旨を明記(P23)

  • 所長の研修受講義務について明記(P24)

  • 職員は自らの職責の重大性を常に意識するとともに、専門的態度、専門的知識及び専門的技術を獲得するよう努めなければならないものとする。特に、所長は、子どもを守る最後の砦として一時保護や親子分離といった強力な行政権限が与えられた行政機関である児童相談所の責任者であり、その判断は、これを誤れば、子どもの命を奪うことにもつながりかねない極めて重大なものである。所長は、こうした極めて重大な権限行使の最終的判断を担うという職責の重大性を常に意識し、業務に従事することが必要である。(P24)

第3章 相談、調査、診断、判定業務

【相談援助活動の原則】

  • 虐待などに対する相談援助活動については、幅広い関係機関の参画と相互の連携が重要であり、日頃から関係機関間との意思疎通を十分に図っておくこと。(P25)

【相談の受付と受理会議】

  • 支援を行っている家庭が他の自治体に転出する際には、連携を図りつつ対応してきた関係機関等に連絡するとともに、児童福祉法第25条等に基づき、転出先の自治体を管轄する児童相談所に通告し、ケースを移管するとともに、当該家庭の転出先やこれまでの対応状況など必要な情報を提供するなど、転出先の児童相談所と十分に連携を図ることが必要である。(P28)

  • 市町村、福祉事務所及び児童相談所は、相互に緊密に連携し、夜間、休日等であっても通告を受けて適切な対応が採れるよう所要の体制を整備することが必要である。

    このため、児童相談所においては、当直体制の整備など自らが通告を受けて適切な対応が取れるような体制の確保に努めるほか、児童相談所が市町村や福祉事務所とは異なり、立入調査や一時保護等の権限の行使を認められた児童福祉の専門機関であることも踏まえ、夜間、休日等の執務時間外の市町村等からの送致や相談に適切に対応することが必要である。(P29)

  • 学校や保育所、医療機関など関係機関からの電話通告については、後日通告書を送付してもらう。また、学校の教職員、保育所の職員、医師、保健師、弁護士その他子どもの福祉に職務上関係のある者からの電話通告の場合には、これに準じた対応をとることが望ましい。(P32)

【調査】

  • 児童虐待に係る通告については、必要に応じ近隣住民、学校の教職員、児童福祉施設の職員その他の者の協力を得つつ、その子どもとの面会その他の手段によりその子どもの安全の確認を行うよう努めなければならない。(P35)

  • 虐待相談の場合、緊急保護の要否を判断する上で子どもの心身の状況を直接観察することが極めて有効であるため、子どもの安全確認を行う際には、子どもを直接目視することを基本とする。(P36)

【判定】

  • 高度に専門的な判断が必要な場合には、外部の専門家の意見を積極的に求め、これを十分に踏まえて判定を行うものとする。(P41)

第4章 援助

【在宅指導等】

  • 法第28条の規定に基づく措置に関する承認の審判をする場合において、家庭裁判所が都道府県(児童相談所長)に対して保護者指導に係る勧告を行うか否かは、家庭裁判所の判断によるが、児童相談所としてこうした勧告が効果的であると判断する場合には、家庭裁判所への審判の申立時にその旨の意見を述べることが適当である。(P50)

【里親】

  • 職業指導を行う里親の認定や里親による職業指導を実施するかどうかの判断等を慎重に行うことはもちろん、里親が職業指導を行う場合には、こまめに職場を訪問するなどして子どもが置かれている状況等を常に把握し、児童が里親や職場の他の者から不当な扱いを受けることのないよう十分注意する。(P51)

  • 里親の支援担当者は、定期的に訪問するなどにより、必要な支援を行うこと。特に委託直後は、手厚い支援が必要であり、訪問による子どもの状態の把握や養育に関する里親からの具体的な相談に応ずるなど積極的に支援すること。(P52)

  • 里親の有する懲戒に関する権限については、あくまでも子どもの健全な育成のために認められているものであり、決して濫用されるようなことがあってはならない。

    もとより、里親は、委託されている子どもに対して、児童虐待防止法に規定する児童虐待その他子どもの心身に有害な影響を与える行為をしてはならないものであり、里親から虐待を受けた子どもは、児童虐待防止法第6条の通告の対象となるものである。

    委託されている子どもやその保護者から、懲戒に関する権限の濫用や虐待等の訴え等があったときや通告を受けたときには、客観的事実の把握に努め、事実に基づく対応をしなければならない。(P53)

【児童福祉施設入所措置、指定医療機関委託】

  • 乳児院における「保健上、安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合」の具体的な例としては、

    • ア 子どもに疾病や障害があり、引き続き乳児院で処遇することが適当であると判断される場合(疾病や障害の内容・程度に鑑み、医療機関や障害児施設において対応するのが適当な場合は除かれる。)
    • イ 保護者の家庭環境が整備され、ほどなく家庭に引き取られることが明らかな場合や、近々に里親委託や養子縁組成立が見込まれる場合
    • ウ きょうだいで別々の施設に措置することが子どもの福祉に反する場合
    等が考えられる。(P57)
  • 児童養護施設における「安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合」の具体的な例としては、

    • ア きょうだいで別々の施設に措置することが子どもの福祉に反する場合
    • イ 小学校就学後も家庭等に引き取られる見込みが極めて低い場合
    等が考えられる。(P57)
  • 乳児院又は児童養護施設への入所又は継続入所の判断は、職員との愛着関係の形成状況を始めとする子どもの状況や家庭環境の状況、保護者や施設長の意見等を踏まえ、児童相談所長が総合的に判断すべきものであるが、上記のような具体的な例を含め、「子どもの最善の利益」に資すると考えられる場合に限り、乳児院への入所及び入所継続措置並びに児童養護施設への入所措置を行うこと。(P57)

  • 児童福祉施設の長の有する懲戒に関する権限については、あくまでも子どもの健全な育成のために認められているものであり、決して濫用されるようなことがあってはならない。

    もとより、児童福祉施設の職員は、入所してる子どもに対して、児童虐待防止法に規定する児童虐待その他子どもの心身に有害な影響を与える行為をしてはならないものであり、児童福祉施設の職員から虐待を受けた子どもは、法第25条の通告の対象となるものである。

    入所している子どもやその保護者から、懲戒に係る権限の濫用や虐待等の訴え等があったときや通告を受けたときには、あくまで客観的事実の把握に努め、事実に基づく対応をしなければならない。(P59)

  • 一時保護をしている子どもについて、家庭裁判所に対し法第28条第1項の規定に基づく承認に関する審判を申し立てた場合は、家庭裁判所は、審判前の保全処分として、承認に関する審判が効力を生ずるまでの間、保護者について子どもとの面会又は通信を制限することができるので、保護者に対し説得を重ねたり毅然とした対応をとってもなお子どもの保護に支障をきたすと認められる場合などには、本保全処分の申立てを検討する。(P61)

  • 措置の解除、停止、変更及び在所期間の延長については、これまで施設が行った子どもへの支援や家族調整などの効果に関する意見等を十分に聴くこととし、その上で、措置の解除等を検討すること。(P61)

  • 施設退所後の子どもに対する支援については、生活福祉資金制度や、雇用促進住宅の活用も考えられるので、各都道府県の社会福祉協議会や社会福祉部局、雇用対策部局、住宅対策部局等と連携して対応することが望ましい。(P63)

  • 施設を退所した子どもに対し、相談や定期的な訪問等を行い子どもを見守るとともに、家族等に対しても精神的な支援等を行うためには、要保護児童対策地域協議会を活用することも有効と考えられるので、協議会との連携を確保しつつ、施設を退所した子どもが新しい生活環境の下で安定した生活を継続できるように必要な支援を行う。(P63)

【家庭裁判所に対する家事審判の申立て】

  • 法第28条の規定による措置の期間は、当該措置を開始した日から2年を超えてはならないため、この間に親子の再統合その他の子どもが良好な家庭的環境で生活することができるようにすることに向けて、保護者に対する指導や施設や里親に措置(委託)された子どもの訪問面接等に努めるものとする。(P67)

  • 法第28条の規定に基づく措置に関する承認の審判(措置の期間の更新に際しての承認を含む。)子どもの住所地を管轄する家庭裁判所に対して行う。なお、家事審判においては、管轄のない裁判所が事件を自庁処理することも可能であるので(家事審判規則第4条第1項ただし書)、子どもの住所地を管轄する家庭裁判所に措置期間の更新の承認に関する審判を申し立てることについて、措置先が探知され、子どもの生活妨害等の事態が予測されるなど不都合があると考えられる場合には、最初の承認時の家庭裁判所に自庁処理を求めることも検討する。(P68)

  • 入所措置の更新の申立ては、事案ごとに、措置開始(又は更新措置開始)から2年が経過する日から審理及び審判の確定に要する期間(2〜3か月程度)を見込んだ上で前もって、所要の資料を準備し、申立てを行う。(P68)

  • 期間更新の申立てを行っている場合において、やむを得ない事情があるときは、措置の期間が満了した後も、審判が確定するまでの間、引き続き当該措置を採ることができる。(P69)

  • ただし、下級審で申立てを却下する判断が出ている場合は、その事実を考慮してもなお必要があると認める場合に限られているため、継続の要否については慎重に検討する必要がある。(P69)

  • 法第28条の規定に基づく措置に関する承認の審判をする場合において、家庭裁判所が都道府県(児童相談所長)に対して保護者指導に係る勧告を行うか否かは、家庭裁判所の判断によるが、児童相談所としてこうした勧告が効果的であると判断する場合には、審判の申立時にその旨の意見を述べることが適当である。(P70)

  • 親権喪失宣告の請求の検討に当たっては、子ども等の意向を十分配慮するものとする。(P70)

第5章 一時保護

【一時保護の目的と性格】

  • 一時保護については、

    • ア 管轄する一時保護所における適切な援助の確保が困難な場合には、他の都道府県等の管轄する一時保護所を一時的に活用するといった広域的な対応や、
    • イ 児童福祉施設、医療機関等に対する委託一時保護の活用
    等により、適切な援助の確保に努めることが重要である。(P73)
  • 児童相談所は、一時保護所に虐待を受けた子どもと非行児童を共同で生活させないことを理由に、非行児童の身柄の引継ぎを拒否することはできない。なお、一時保護委託や広域的な対応等には一定の時間を要することや、児童相談所が遠隔地にある場合などやむを得ない事情により、直ちに引き取ることができないときは、警察に一時保護を委託することも考えられる。(P73)

【一時保護所の運営】

  • 在籍校と緊密な連携を図り、どのような学習を展開することが有効か協議するとともに、取り組むべき学習内容や教材などを送付してもらうなど、創意工夫した学習を展開する必要があること。特にやむを得ず一時保護期間が長期化する子どもについては、特段の配慮が必要であり、都道府県又は市町村の教育委員会等と連携協力を図り、具体的な対策について多角的に検討し、就学機会の確保に努めること。(P78)

  • 一時保護所においては、意見箱の設置といった児童からの苦情を受け付けるための窓口の設置や第三者委員の設置など、子どもの権利擁護に努めること。(P79)

  • 一時保護所からの無断外出は子どもの最善の利益を損なうことにもつながりかねないものであり、できる限り防止に努めること。例えば、一時保護所からの自由な出入りを制限する、その子どもを他の子どもとは別の部屋で生活させ常時職員の目が届くようにしておくなどの対応も採りうるようにしておくことが考えられる。(P79)

  • 一時保護している子どもについて、家庭裁判所に対し法第28条第1項の規定に基づく承認に関する審判を申し立てた場合は、家庭裁判所は、審判前の保全処分として、承認に関する審判が効力を生ずるまでの間、保護者に対し子どもとの面会又は通信を制限することができるので、保護者について説得を重ねたり毅然とした対応をとってもなお子どもの保護に支障をきたすと認められる場合などには、本保全処分の申立てを検討する。(P80)

【委託一時保護】

  • 委託一時保護委託を行うことが適当と判断される場合として、これまで明記されているものに加え、以下の場合を明記すること。(P84)

    • ア 一時保護後に、児童自立支援施設、情緒障害児短期治療施設あるいは医療機関などのより専門的な機関において対応することが見込まれる場合
    • イ これまで育んできた人間関係や育ってきた環境などの連続性を保障することが必要な場合(例えば、その子どもが住んでいる地域の里親・児童委員、その子どもが通っている保育所の保育士、学校(幼稚園・小学校等)の教員などに委託することが適当な場合)
    • ウ 現に児童福祉施設への入所措置や里親への委託が行われている子どもであって、他の種類の児童福祉施設や里親あるいは専門機関において一時的に援助を行うことにより、その子どもが抱える問題について短期間で治療効果が得られることが期待される場合
  • 現に児童福祉施設への入所措置や里親への委託が行われている子どもを他の種類の児童福祉施設や里親あるいは専門機関に委託一時保護する際には、措置を解除又は停止した上で委託すること。(P84)

第7章 各種機関との連携

【各種機関との連携の重要性】

  • 地方公共団体は、関係機関等により構成され、要保護児童及びその保護者に関する情報等の交換や要保護児童等に対する支援内容の協議を行う要保護児童対策地域協議会を置くことができることとされた。児童相談所は、市町村による要保護児童対策地域協議会の設置や運営を支援するなどに積極的に取り組むことが求められる。(P96)

  • 平成16年児童虐待防止法改正法により、子どもの福祉に職務上関係のある者だけでなく、学校、児童福祉施設、病院等の児童の福祉に業務上関係のある団体も児童虐待の早期発見に責任を負うことが明確にされるとともに、通告の対象が「児童虐待を受けた児童」から「児童虐待を受けたと思われる児童」に拡大された。

    これを踏まえ、関係機関等に対し平成16年児童虐待防止法改正法の内容を周知するとともに、虐待の早期発見のため、通告はためらうことなく、幅広く行うよう依頼することも必要である。(P97)

【市町村との関係】

  • 市町村と都道府県の連携については、市町村長は、

    • ア 専門的な知識及び技術を必要な相談については、児童相談所の技術的援助及び助言を求めなければならず
    • イ 医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定を必要とする場合には、児童相談所の判定を求めなければならない。
    他方、都道府県知事は、市町村の業務の適切な実施を確保するため必要があると認めるときは、市町村に対し、必要な助言を行うことができることとされている。(P98)

【要保護児童対策地域協議会】

  • 協議会は、基本的には住民に身近な市町村が設置主体となると考えられるが、地域の実情に応じ、複数の市町村が共同で設置することも考えられる。市町村が設置主体となる要保護児童対策地域協議会については、児童相談所は、その構成員として参画し、個別ケースの見立てを行うなど、市町村の後方支援を行うことが期待される。(P100)

【福祉事務所との関係】

  • 市の設置する福祉事務所は、市における児童家庭相談体制の一翼を担うと考えられ、他方、都道府県の設置する福祉事務所は、町村の後方支援や都道府県の担う専門的な相談を児童相談所とともに担うことが考えられる。(P103)

【保健所、市町村保健センター等との関係】

  • 保健所や市町村保健センター等は、虐待の発生予防に対する取り組みを始め、虐待を受けた子どもとその保護者に対して家族全体を視野に入れた在宅支援を行っている。これらの機能を十分活用するため、日頃から保健所や市町村保健センター等と密に連携を図っておくことが必要である。(P106)

【児童委員との関係】

  • 調査の委託や、児童委員指導措置を行う際には、主任児童委員をはじめ、問題解決に最適と考えられる児童委員を選任するものとする。(P108)

【発達障害者支援センターとの関係】

  • 発達障害者(児)への専門的な相談援助、支援等は、発達障害者支援センターが担うことから、必要に応じて、児童相談所から同センターを紹介するなど同センターと適切な連携を図りつつ、発達障害児に対する相談援助に当たる必要がある。(P112)

  • 児童福祉施設への措置や一時保護の権限は都道府県や児童相談所長にあることから、発達障害児やその家族への支援において、児童福祉施設への入所措置や一時保護が必要であると判断されるような場合については、児童相談所が中心となって対応することとなる。(P112)

【児童福祉施設、里親等との関係】

  • 児童福祉施設に対する措置が行われてから児童福祉施設が子ども等の実態把握・評価に基づき自立支援計画を策定するまでの数ヶ月間は、児童相談所の策定した援助指針を自立支援計画として活用し支援することとして差し支えない。(P112)

  • 里親へ措置された子どもの自立支援計画については、児童相談所が策定する。自立支援計画は、事前に子どもや保護者等に対して児童相談所の案について十分説明を行い、その意向等を踏まえて策定すること。(P112)

【保育所等との関係】

  • 保育所が児童相談所に通告する際には、併せて保育の実施の委託元である市町村にも連絡する。(P114)

  • 通告を受け、保育の実施が適当と認めてその子どもの保育の実施に係る市町村の長に通知する措置を採る際には、市町村は、保育所に入所する子どもを選考する場合には、児童虐待の防止に寄与するため、特別の支援を要する家庭の福祉に配慮しなければならないこととされていることを伝えることとする。また、通知した場合には、その後も保育所と連携してその子どもの状況の把握に努めるものとする。(P114)

【弁護士、弁護士会との関係】

  • 児童相談所は、必要に応じて弁護士や弁護士会と連携を図りつつ、必要となる法的対応について、適切に対応していくことが必要である。(P117)

  • 具体的な連携としては、個別のケースで問題となる法的問題に対する助言や、法第28条の申立ての代理人等を要請することが考えられる。(P117)

【学校、教育委員会との関係】

  • 不登校の子どもについて、学校関係者のみでは、当該児童の状況把握が困難である場合には、児童相談所等の関係機関等の協力を得て状況把握に努めることとされているところであり、十分に連携を図りつつ対応する。(P118)

【警察との関係との関係】

  • 警察は、一時保護の要否その他の事情にかかわらず、市町村、福祉事務所及び児童相談所のいずれの機関に対しても通告を行うことができる。ただし、深刻な虐待が疑われる場合など緊急性、専門性が高いと警察が判断した場合には、一般的には、市町村や福祉事務所ではなく、児童相談所に直接通告することとなる。(P119)

  • 市町村又は福祉事務所は、警察からの通告を受けた場合において、その子どもについて一時保護が必要であると判断するときは、通告を受理した上で児童相談所に送致することとなる。また、児童相談所が市町村等が対応することが適当と判断する場合は、通告を受理した上で、市町村等と連携を図りつつ対応することとする。(P119)

【医療機関との関係】

  • 地域の医療機関に対し、要保護児童を発見した場合の通告窓口を周知するなどにより、児童虐待の問題を医療機関が発見した場合には、速やかに児童相談所へ通告されるよう体制を整えておく。(P121)

【配偶者暴力相談支援センターとの関係】

  • 配偶者からの暴力の被害者が配偶者暴力相談支援センターに保護を求めた場合であって、その被害者に子どもがいる場合には、当該センターとよく連携し、子どもが年長の男児であり、婦人相談所一時保護所で一時保護することがふさわしくない場合に一時保護を引き受けることはもちろん、その子どもにとって最善の援助がなされるよう児童相談所としても積極的に関与する。(P123)

  • 子ども又はその保護者に対応する場合、その対応によって配偶者からの暴力の被害者が配偶者からの更なる暴力によりその生命又は身体に重大な危害を受けるなど、配偶者からの暴力の被害者及びその子どもの安全が損なわれることのないよう、事前に必ず配偶者暴力相談支援支援センターと十分な協議を行うことが必要である。(P123)

【法務局、人権擁護委員との関係】

  • 法務局、市町村の区域に置かれている人権擁護委員(以下本節において「法務省の人権擁護機関」という。)は、子ども人権110番といった分野別の相談ツールを活用した子どもの人権に関する相談活動や啓発活動を行い、虐待の早期発見及び未然防止に努めている。また、人権侵犯事件の調査及び処理を通じて、侵犯事実の有無を確かめ、その結果に基づき、ケースに応じた適切な被害者救済のための措置を講じるとともに、関係者に働きかけて、人権尊重に対する理解を深めさせ、子どもの人権の擁護を図っている。(P123)

  • 虐待ケースについては、その背景に、家庭内における様々な人間関係のトラブルや関係者の人権尊重理念に対する無理解が存在する場合が少なくなく、当該ケースを通じ、関係者間の対話促進による関係調整、関係者への人権尊重の理念の啓発を行う必要がある場合もあるので、児童相談所は、法務省の人権擁護機関と日頃から情報の共有や意見交換の機会を持つなど十分な連携を図る必要がある。また、虐待の未然防止の観点から、子どもの人権に関する一般啓発も重要であり、法務省の人権擁護機関から要請があった場合、必要に応じ啓発活動に協力するといった連携も図る必要がある。(P123)

【民間団体との関係】

  • 民間団体との連携に当たっては、当該団体の有する専門性などに応じ、地域の実情に応じた柔軟で多様な連携を図る。例えば、個別のケースにおける見守り的な支援等の役割を民間団体が担うことが考えられる。(P124)

  • 個人情報の保護には十分な配慮が必要であるが、そのことのみを理由として、連携に消極的となるべきではない。情報共有と守秘に関する協定を締結したり、要保護児童対策地域協議会を活用するなど、個人情報の保護に配慮した具体的な連携方策を検討すべきである。(P124)

第8章 児童相談所の設備、器具、必要書類

【設備等】

  • 虐待や非行などにより一時保護が必要な子どもについては、基本的には心理的に深い傷を受けている中・重度な状態にある場合が多く、個別的なケアが必要であり、その子どもに対して適切に対応できる静養室や個室などを設けることが必要である。(P126)

  • 強引な引取要求を行う保護者への対応も含め、外部からの不当な進入を防止するために必要な体制の整備に努めることが適当である。(P126)


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