児童虐待防止法及び児童福祉法の一部を改正する法律(概要)
前回(平成16年)の改正法附則の見直し規定を踏まえ、児童虐待防止対策の強化を図る観点から、児童の安全確認等のための立入調査等の強化、保護者に対する面会・通信等の制限の強化等を図るための所要の見直しを行う。(平成20年4月施行) |
1 児童の安全確認等のための立入調査等の強化
○ 児童相談所等は、虐待通告を受けたときは、速やかに安全確認のための措置を講ずるものとすること。
○ 市町村等は、立入調査又は一時保護の実施が適当であると判断した場合には、その旨を児童相談所長等に通知するものとすること。
○ 児童虐待のおそれのある保護者に対する都道府県知事による出頭要求を制度化すること。
○ 従来の立入調査のスキームに加え、都道府県知事が立入調査を実施し、かつ、重ねての出頭要求を行っても、保護者がこれに応じない場合に限り、裁判官の許可状を得た上で、解錠等を伴う立入を可能とすること。
○ 立入調査を拒否した者に対する罰金の額を引き上げるものとすること。(30万円以下→50万円以下)
2 保護者に対する面会・通信等の制限の強化
○ 一時保護及び保護者の同意による施設入所等の間も、児童相談所長等が保護者に対して面会・通信を制限できるようにすること。
○ 裁判所の承認を得て強制的な施設入所等の措置を行った場合であって、特に必要があるときは、都道府県知事は、保護者に対し、児童へのつきまといや児童の居場所付近でのはいかいを禁止できることとし、当該禁止命令の違反につき罰則を設けること。
3 保護者に対する指導に従わない場合の措置の明確化
○ 児童虐待を行った保護者に対する指導に係る都道府県知事の勧告に従わなかった場合には、一時保護、施設入所措置その他の必要な措置を講ずるものとすること。
○ 施設入所等の措置を解除しようとする際には、保護者に対する指導の効果等を勘案するものとすること。
4 その他
○ 法律の目的に、「児童の権利利益の擁護に資すること」を明記すること。
○ 国及び地方公共団体は、重大な児童虐待事例の分析を行うこととすること。
○ 地方公共団体は、要保護児童対策地域協議会の設置に努めなければならないものとすること。
など