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児童虐待の防止等に関する法律及び児童福祉法の一部を改正する法律要綱

児童虐待の防止等に関する法律及び
児童福祉法の一部を改正する法律要綱

第一 児童虐待の防止等に関する法律の一部改正関係

一 目的(1条関係)

この法律の目的として、「児童の権利利益の擁護に資すること」を明記するものとすること。

二 国及び地方公共団体の責務等(4条関係)

1  国及び地方公共団体の責務に、児童虐待を受けた児童等に対する「医療の提供体制の整備」と、「児童虐待を受けた児童がその心身に著しく重大な被害を受けた事例の分析」を加えるものとすること。

2  児童の親権を行う者は、児童を心身ともに健やかに育成することについて第一義的責任を有するものであって、親権を行うに当たっては、できる限り児童の利益を尊重するよう努めなければならないものとすること。

三 安全確認義務(8条関係)

市町村、福祉事務所の長及び児童相談所による児童虐待を受けたと思われる児童の安全確認が努力義務であったのを改め、安全確認のために必要な措置を講ずることを義務化するものとすること。

四 出頭要求(8条の2関係)

1  都道府県知事は、児童虐待が行われているおそれがあると認めるときは、保護者に対し、児童を同伴して出頭することを求め、児童相談所の職員等に必要な調査又は質問をさせることができるものとすること。

2  都道府県知事は、保護者が1の出頭の求めに応じない場合、立入調査その他の必要な措置を講ずるものとすること。

五 再出頭要求(9条の2関係)

都道府県知事は、保護者が正当な理由なく立入調査を拒否した場合において、児童虐待が行われているおそれがあると認めるときは、当該保護者に対し、当該児童を同伴して出頭することを求め、児童相談所の職員等に必要な調査又は質問をさせることができるものとすること。

六 臨検等(9条の3から10条の5まで関係)

1  都道府県知事は、保護者が五の再出頭要求を拒否した場合において、児童虐待が行われている疑いがあるときは、児童の安全の確認を行い又はその安全を確保するため、児童の住所又は居所の所在地を管轄する地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所の裁判官があらかじめ発する許可状により、児童相談所の職員等に児童の住所若しくは居所に臨検させ、又は児童を捜索させることができるものとすること。

2  警察署長に対する援助要請その他の臨検等に当たって必要な手続等を定めるものとすること。

七 児童虐待を行った保護者に対する指導(11条関係)

児童虐待を行った保護者に対する指導に係る勧告に保護者が従わなかった場合には、当該保護者の児童について、都道府県知事が一時保護、強制入所措置その他の必要な措置を講ずる旨を明記するものとすること。

八 面会等の制限等(12条から12条の4まで及び17条関係)

1  一時保護及び同意施設入所措置の場合にも、強制施設入所措置の場合と同様に、児童相談所長等は、児童虐待を行った保護者について当該児童との面会又は通信を制限することができるものとすること。

2  都道府県知事は、強制入所措置の場合において、1により面会及び通信の全部が制限されているときは、児童虐待を行った保護者に対し、当該児童の身辺へのつきまとい又はその住居等の付近でのはいかいを禁止することを命ずることができるものとすること。この命令の違反につき、罰則を設けるものとすること。

九 施設入所等の措置の解除(13条関係)

都道府県知事は、施設入所等の措置を解除するに当たっては、児童虐待を行った保護者の指導に当たった児童福祉司等の意見を聴くとともに、当該保護者に対し採られた措置の効果、児童虐待が行われることを予防するために採られる措置について見込まれる効果等を勘案しなければならないものとすること。

十 関係機関等相互の情報提供(13条の3関係)

地方公共団体の機関は、市町村長等から児童虐待の防止等に関する資料又は情報の提供を求められたときは、当該資料又は情報について、当該市町村長等が児童虐待の防止等に関する事務又は業務の遂行に必要な限度で利用し、かつ、利用することに相当の理由があるときは、これを提供することができるものとすること。ただし、当該資料又は情報を提供することによって、当該資料又は情報に係る児童等又は第三者の権利利益を不当に侵害するおそれがあると認められるときは、この限りでないものとすること。

十一 都道府県児童福祉審議会等への報告(13条の4関係)

都道府県知事は、都道府県児童福祉審議会等に、立入調査、臨検・捜索及び一時保護の実施状況、児童の心身に著しく重大な被害を及ぼした事例等を報告しなければならないものとすること。

第二 児童福祉法の一部改正関係

一 要保護児童対策地域協議会(25条の2関係)

地方公共団体は、要保護児童対策地域協議会を置くよう努めなければならないものとすること。

二 未成年後見人請求の間の親権の代行(33条の7関係)

児童相談所長は、未成年後見人の選任の請求がされている児童等に対し、親権を行う者又は未成年後見人があるに至るまでの間、親権を行うものとすること。

三 罰則(61条の5関係)

正当な理由がないのに立入調査を拒否した者に対する罰金の額を、30万円以下から50万円以下に引き上げるものとすること。

第三 その他

一 施行期日

この法律は、平成20年4月1日から施行するものとすること。

二 検討

1  政府は、この法律の施行後3年以内に、児童虐待の防止等を図り、児童の権利利益を擁護する観点から親権に係る制度の見直しについて検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。

2  政府は、児童虐待を受けた児童の社会的養護に関し、里親及び児童養護施設等の量的拡充に係る方策、児童養護施設等における虐待の防止を含む児童養護施設等の運営の質的向上に係る方策、児童養護施設等に入所した児童に対する教育及び自立の支援の更なる充実に係る方策その他必要な事項について速やかに検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。

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