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梅毒
感染症法に基づく医師及び獣医師の届出について
(1) | 定義
スピロヘータの一種である梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum )の感染によって生じる性感染症である。
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(2) | 臨床的特徴
I期梅毒として感染後3〜6週間の潜伏期の後に、感染局所に初期硬結や硬性下疳、無痛性の鼠径部リンパ節腫脹がみられる。
II期梅毒では、感染後3か月を経過すると皮膚や粘膜に梅毒性バラ疹や丘疹性梅毒疹、扁平コンジローマなどの特有な発疹が見られる。
感染後3年以上を経過すると、晩期顕症梅毒としてゴム腫、梅毒によると考えられる心血管症状、神経症状、眼症状などが認められることがある。なお、感染していても臨床症状が認められないものもある。
先天梅毒は、梅毒に罹患している母体から出生した児で、(1)胎内感染を示す検査所見のある症例、(2)II期梅毒疹、骨軟骨炎など早期先天梅毒の症状を呈する症例、(3)乳幼児期は症状を示さずに経過し、学童期以後にHutchinson3徴候(実質性角膜炎、内耳性難聴、Hutchinson歯)などの晩期先天梅毒の症状を呈する症例がある。また、妊婦における梅毒感染は、先天梅毒のみならず、流産及び死産のリスクとなる。
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(3) | 届出基準
ア | 患者(確定例)
医師は、(2)の臨床的特徴を有する者を診察した結果、症状や所見から梅毒が疑われ、かつ、次の表の左欄に掲げる検査方法により、梅毒患者と診断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を7日以内に行わなければならない。
この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。 |
イ | 無症状病原体保有者
医師は、診察した者が(2)の臨床的特徴を呈していないが、次の表の左下欄に掲げる検査方法により、抗体(1)カルジオリピンを抗原とする検査では16倍以上又はそれに相当する抗体価)を保有する者で無症状病原体保有者と見なされる者(陳旧性梅毒と見なされる者を除く。)を診断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を7日以内に行わなければならない。
この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。 |
ウ | 感染症死亡者の死体
医師は、(2)の臨床的特徴を有する死体を検案した結果、症状や所見から、梅毒が疑われ、かつ、次の表の左欄に掲げる検査方法により、梅毒により死亡したと判断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を7日以内に行わなければならない。
この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。 |
検査方法 |
検査材料 |
染色法またはPCR検査等による病原体の検出 |
病変(初期硬結、硬性下疳、扁平コンジローマ、粘膜疹) |
・ | 次の1)、2)の両方の抗体検査による血清抗体の検出 |
1) | カルジオリピンを抗原とする検査
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2) | T. pallidumを抗原とする検査
例) | TPLA法、TPPA法、CLIA法、FTA−ABS法 等 |
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血清 |
先天梅毒は、下記の5つのうち、いずれかの要件をみたすものである。
ア | 母体の血清抗体価に比して、児の血清抗体価が著しく高い場合 |
イ | 児の血清抗体価が移行抗体の推移から予想される値を高く超えて持続する場合 |
ウ | 児のT.pallidumを抗原とするIgM抗体陽性 |
エ | 早期先天梅毒の症状を呈する場合 |
オ | 晩期先天梅毒の症状を呈する場合 |
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先天梅毒の届出に関する手引き(
PDF:382KB)
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