Ministry of Health, Labour and Welfare

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SARS

重症急性呼吸器症候群(SARS)関連情報

香港特別行政区、広東省の旅行に関するWHO勧告

(4月2日、更新第17報)

 急性重症呼吸器症候群(SARS)の集団発生はカナダ(トロント)、中国(広東省、香港特別行政区、山西省)、台湾、シンガポール(シンガポール)、ベトナム(ハノイ)の伝播確認地域で持続している。SARSの病原体は精力的、かつ国際的に研究されているが、今日のところ、完全には特定されておらず、ワクチン、その他の予防方法がない。
 WHOが3月12日に緊急情報を出して以来、多数の国の衛生担当部局がSARS症例のサーベイランスを実施し、症例が報告された場合、すみやかに隔離されることにより、実質上、全ての国で症例の拡大が防止されている。一例として、ハノイの集団発生はピークを過ぎ、過去一週間新しい症例の報告はない。先週WHOはSARSの拡大をさらに限定し、飛行機による海外旅行者を保護することを目的に勧告を出した。これらの勧告は現在でも有効である(WHO勧告:海外旅行にともなうSARSの拡大防止対策参照)。
 病院という最初の集団発生の場所を越えて、SARSと思われる症例が持続的、かつ確実に増加している香港特別行政区での現状から、注目すべき特徴が次第に認められつつある。それらの知見から、部屋や、各階をつなぐ共通のシステムの汚染を介して、SARSが環境汚染という伝播経路によって拡大する可能性を示唆している。集団発生を終息させるための厳密な対策を行っているにも関わらず、香港から帰国後にSARSと診断される香港訪問者が少数ながら持続している。香港に隣接する広東省からはSARSの最大の集団発生が報告され、その集団発生が広く一般住民の間で拡大した証拠も示されている。これらに対する予防手段として、今回、WHOは香港、中国広東省への不要不急の旅行を延期することを考慮するよう勧告する。今回の勧告は一時的なものであり、現在集団発生地域に指定されている地域の今後の展開により再評価される予定であり、状況により世界の他の地域が勧告の対象になることもありうる。
 今回の勧告は香港特別行政区と、広東省に直接入る旅行者のみを対象にしており、当該地域の国際空港で直接乗り換える旅行者を対象にしていないことを特記する。

WHOは伝播確認地域を、SARSの感染がその地域で連鎖的に伝播していることをその国の衛生担当部局がWHOに報告している地域と定義している。地域のリストは常にホームページ上更新されている。
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