Ministry of Health, Labour and Welfare

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SARS

重症急性呼吸器症候群(SARS)関連情報

WHOによる重症急性呼吸器症候群(SARS)多国同時集団発生の

報告

(4月12日、更新第28報)

伝播確認地域、各国のSARS集団発生の状況

伝播確認地域

WHOは金曜日(4月11日)に、北京(中国)をSARSの伝播確認地域の一覧表へ加えた。この地域は、地域内での感染伝播鎖が存在していることが示唆されたのに伴い、一覧へ追加された。よく知られているリスク群である医療従事者や、家庭内や病院での面会などで患者と直接対面し、密接に接触する人以外のあいだで患者が発生したために危機感が高まった。

北京の他に、中国の伝播確認地域には広東省、香港特別行政区、山西省、台湾が含まれる。トロント、シンガポール、ハノイも伝播が確認されたとして一覧に載っている。

他の多くのSARS 症例を報告している国々では、依然2〜3例の輸入症例の報告に限られており、他への感染の広がりは無いか、あってもごくわずかである。


中国

WHO調査チームの5人の専門家は、医療機関を視察し、北京のSARSの状況を検討するために、北京保健局により招かれた。この招聘は保健当局によるSARSの管理状況、特に症例報告と接触者追跡調査に関してWHOが懸念を表明したことに呼応した形で行われた。

金曜日(4月11日)に始まった会談は、来週一杯続けられる予定である。会談の明確な目的としては、サーベイランスと報告、患者管理、感染制御、症例の臨床検査などの強化がある。

本日は、中国からの報告は受けていない。


香港

香港は本日、累計で1,108症例、35死亡例を報告している。これは昨日に比べ、SARSの症状で病院へ入院した新規症例49例と、死亡例3例の増加である。新規に入院した症例のうち3例は医療従事者で、11例は淘大花園(アモイガーデン)住宅団地からであった。

香港の症例のほとんどが、病院や人口が密集した淘大花園(アモイガーデン)住宅団地に集積している。保健当局は引き続き、Eブロック1棟の1翼に症例が集中したことを説明できる可能性のある環境因子について調査している。保健局職員は又、第二の住宅団地での集団発生が、淘大花園(アモイガーデン)の集団発生と関連があるかどうかについて調査している。

国家保健省は本日ウエッブサイト上に、住人がSARSを発症した建物群の詳細な一覧を掲載した。


シンガポール

シンガポールは本日、累計で147例のSARS症例を報告した。依然60例が入院中で、その内15例は集中治療室にいる。最近、シンガポール総合病院とタントクセン病院の医療従事者、入院患者、面会者の間で見られているSARS症例の集積に関心が集まっている。

WHOはこの調査で、保健当局と協力して接触者の追跡調査を行い、ほとんどの院内感染例はひとりの「スーパー・スプレッダー」に結び付けられた。この患者はタントクセン病院で3月5日〜20日の間に治療を受け、このとき感染したと考えられている。彼は引き続き3月24日に、シンガポール総合病院へ入院した。この患者は4月2日に隔離されるまで、非常に非典型的な臨床経過を辿った。この隔離の遅滞が、一人の患者に結びつく多くの暴露者および感染者が出たことを、部分的に説明していると考えられている。

現在進行中の調査によって、シンガポール総合病院、タントクセン病院、そして他のシンガポールの病院での集団発生が、はっきりとした伝播経路の繋がりで結びつけられた。


ベトナム

ベトナムからは1症例が新規に報告され、1例が症例の一覧表から削除された。累積報告症例数は62症例のままで、昨日と同じである。厳しい警戒と、優れた接触者追跡調査、質の高い感染制御法が導入されており、最初の集団発生に関連した新規症例の発生数を小さなものに止めることが期待されている。


カナダ

ヘルス・カナダは本日、101例の「可能性例」を報告している。カナダ人の症例はすべてアジアへ旅行したか、家庭内あるいは医療機関でSARS症例と接触した人の中から出ている。オンタリオ州は98例の「可能性例」を報告している。ブリティッシュ・コロンビア州からは「可能性例」が3例報告されている。


患者情報と感染が報告された国に関する最新報告

本日までに、19ヶ国から累積で2,960例の症例と119例の死亡例が報告されている。これは昨日に比べ、70症例と3死亡例の増加である。本日は中国からの報告は受け取っていない。

3例の新しい死亡例は香港特別行政区から報告されている。新規症例はカナダから3例、香港49例、台湾(中国)2例、シンガポール14例、タイ1例、と英国から1例が報告されている。

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