
重症急性呼吸器症候群(SARS)関連情報
平成15年3月14日
各 | ┌ │ └ |
都道府県 政令市 特別区 |
┐ │ ┘ |
衛生主管部(局)長 殿 |
国内における対応について
標記については、「ハノイ・香港等における病院内での原因不明の重症呼吸器疾患の集団発生に関するWHOの緊急情報について」(平成15年3月12日健感発第0312002号)にて、貴管内の医療機関等の関係機関への周知及び疑われる事例等の報告を依頼しているところであります。
今般、WHOが、本疾患の発生動向調査のための症例定義を示しましたので、先般の通知にて依頼していた疑い事例の当課への報告基準を別紙のとおり定めました。つきましては、当分の間報告に当たってはこの報告基準に基づくよう、改めて貴管内の医療機関、医師会等の関係機関への周知方お願いします。
別紙
現在WHOは原因不明の急性呼吸器症候群の集団発生を調査中である。
平成15年2月26日、ベトナムのハノイで入院した肺炎患者が急激に呼吸不全を併発して死亡した。患者は中国本土と香港を旅行した直後に発病した。また患者に4−7日間医療行為を施したこの病院のスタッフも発病した。初発症状はいずれも高熱と筋肉痛であり、発病した病院スタッフには、2−5日後に咳、咽頭痛、息切れ、呼吸困難感など様々な呼吸器症状が見られ、その後肺炎を併発し、重症例は成人呼吸窮迫症候群に陥った。胸部レントゲン写真上は、片側、または両側性の陰影が認められ、間質浸潤は認められることもないこともある。発病3−4日後の検査では7万/μL以下の血小板減少、4000/μL以下の白血球減少がみられた。
香港でも中国本土に旅行後、急性呼吸不全を合併した患者が3月7日入院した。この病院でも治療に当たった複数の病院スタッフが発病し、ベトナムと同じ症状を呈しており、現在も発病するスタッフがいるとされる。
原因不明の急性呼吸器疾患の症例定義
○疑い例
2003年2月23日以降に以下の全ての症状を示して受診した患者で
・ | 38度以上の急な発熱 |
・ | 筋肉痛 |
・ | 咳、咽頭痛、息切れ、呼吸困難感などの呼吸器症状 |
・ | 発症2週間以内に中国本土、香港、ハノイへの旅行した者 |
・ | 可能性例を看護・介護するか、同居しているか、近距離で接触するか、患者の気道分泌物に触れた者 |
○可能性例
疑い例であって、
・ | 胸部レントゲン写真で肺炎、または成人呼吸窮迫症候群の所見を示す者。 |
平成15年3月14日
感染症危機管理対策室長 殿
国内における対応について
標記について、WHO本部が本疾患の発生動向調査のための症例定義を示しましたので、厚生労働省においては、別添(写)のとおり、各都道府県・政令市・特別区衛生主管部(局)長あて通知したところです。
つきましては、貴職におかれましても、貴下会員各位及び関係方面に周知していただき、関係者の格別の御協力が得られるようよろしくお取り計らい願います。