Ministry of Health, Labour and Welfare

English
SARS

重症急性呼吸器症候群(SARS)関連情報

事務連絡
平成15年3月28日



都道府県
政令市
特別区



衛生主管部(局)
 感染症対策担当課 御中
厚生労働省健康局結核感染症課



重症急性呼吸器症候群(SARS)に関するWHO勧告等について



 標記については、これまでも通知等により情報提供してきたところですが、今般、WHO(世界保健機関)から、SARS伝播確認地域の政府に対し、出国する旅行者について、SARSの疑いの有無について質問等による確認を行い、発熱等の有症者には旅行を延期するよう助言することが望ましい旨の勧告を公表しました。このため、今後、当該地域を出国する際に、発熱等の症状があれば、航空機等への搭乗を延期される可能性があります。
 また、香港特別行政区政府からは、香港に到着する旅行者は、入境の際、健康状態を申告させる措置を29日から開始するとの情報提供がありました。
 つきましては、貴自治体においても広報等により情報提供されると共に、問い合わせに対しましては、必要な情報提供等、適切な対応を取られるようお願いします。



照会先
厚生労働省健康局結核感染症課
佐野、市原
TEL 03-5253-1111
    (2381、2388)



別紙
(仮訳)

WHO勧告

(海外旅行にともなうSARSの拡大防止対策)

(3月27日 更新第11報)



WHOは本日、海外旅行に関して新しい拡大防止策を勧告した。これは、重症急性呼吸器症候群(SARS)がこれ以上世界中に伝播する危険性を軽減することを目的とするものである。

勧告された対策の一つは、報告のあった伝播確認地域から、他の国へ出発する航空機の搭乗客をスクリーニングすることである。SARSの病原体がその地域内でヒト‐ヒトの感染環で伝播している事が知られている伝播確認地域は、継続的に監視下に置き、毎日WHOホームページに状況を掲載している。現状では、カナダ、香港、中国、台湾、シンガポール、ベトナムだけが対象となっている。(「伝播確認地域」:http://idsc.nih.go.jp/others/urgent/area-02.html参照)

世界のその他の地域の空港で出発客に対するスクリーニングを行なうといった、予防的措置は勧告されていない。

各国の衛生当局と空港当局は、SARSに感染していることが疑われる症状を伴う疾病を感知するために、伝播確認地域から出発する旅行客へのインタビューを含むスクリーニングを考慮することを勧告している。

衛生当局は、SARSの伝播確認地域から出国する旅行客が、発熱していた場合、回復するまで旅行を延期するよう助言しうる。国際旅行をする旅行者は総て、SARSの症状に十分に注意し、仮に症状を発症した際には直ちに医療機関を受診するべきである。Clinicians hold virtual conference on management of SARS patients

2月末にSARSのサーベイランスが開始されてから、少数ながらSARSの疑い例と可能性例が、伝播確認地域から他の国へ空路出発していることが示唆されている。

これまでほとんどの症例は、SARS患者と濃厚な接触があった人の間で生じている。このような濃厚な接触は、飛行機内で咳や鼻水がでているSARS感染者の近くへ座った人にも起こる事が考えられる。

WHOは航空各社に対しても機内でSARSの「疑い例」が出た場合に取るべき対応の、段階ごとの勧告を出している。WHOの勧告には、患者と疑われる乗客に濃厚に接触したと考えられる同乗客を追跡調査するための方法の助言と、これらの乗客と家族への指示が含まれている。

WHOは患者との接触者はSARSに該当する症状を発症しない限り旅行を継続してもよいと提言している。

WHOの症例定義は、サーベイランスのために広く用いられているが、これはWHOのホームページに掲載されており、常に改訂が検討されている。Case Definitions for Surveillance of Severe Acute Respiratory Syndrome (SARS)

多くの国の衛生当局が、海外旅行者へのSARSに関した助言を発表している。

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