
重症急性呼吸器症候群(SARS)関連情報
健感発第0404001号
平成15年4月4日
平成15年4月4日
各 | ┌ | | └ |
都道府県 政令市 特別区 |
┐ | | ┘ |
衛生主管部(局)長 殿 |
厚生労働省健康局結核感染症課長
ハノイ・香港等における原因不明の「重症急性呼吸器症候群」の 集団発生に伴う対応について(第6報) |
標記については、「ハノイ・香港等における病院内での原因不明の重症呼吸器疾患の集団発生に関するWHOの緊急情報について」(平成15年3月12日健感発第0312002号)等により、貴管内の医療機関等の関係機関への周知等の対応をお願いしているところです。
平成15年4月3日付健感発第0403001号厚生労働省健康局結核感染症課において、伝染性の未知の疾患である重症急性呼吸器症候群(SARS)については、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)(以下、「感染症法」という。)第6条第7項に規定する新感染症として取り扱うことが適当であることを通知したところですが、これに関連して、下記についても適切に対応するようお願いします。
なお、本症候群に関する通知等については、厚生労働省ホームページで、随時提供中であることを申し添えます。(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou05/index.html)
1 | 都道府県からの通報基準 感染症法上の新感染症としての都道府県等から厚生労働省への通報のための基準について、平成15年4月4日に開催された厚生科学審議会感染症分科会感染症部会における検討を受けて、別紙のとおり作成したのでお知らせします。 また、平成15年3月12日付け健感発第0312002号及び平成15年3月14日付け健感発第0314002号厚生労働省健康局結核感染症課長通知により依頼した貴管内の医療機関等からのWHOの基準に基づく「疑い例」及び「可能性例」に係る報告については継続してください。 なお、厚生労働省と都道府県等が密接な連携を図るという感染症法第51条の趣旨及び個人情報の保護に十分留意するという同法第16条の趣旨を踏まえ、通報及び報告を行っていただくようお願いします。 |
2 | 病床の確保 感染症指定医療機関については、「感染症の予防の総合的な推進を図るための基本的な指針」(平成11年厚生省告示第115号)及び平成11年3月19日付け健医発第457号厚生省保健医療局長通知において、空気感染に対応できる第一種感染症指定医療機関について都道府県の区域ごとに1か所2床を配置基準として確保するよう要請しているところですが、SARSの所見のある者に対して適切な医療の提供を行う観点からも、その確保を改めて要請します。 |
(別紙)
医師から都道府県知事への届出の対象となる「疑い例」「可能性例」のうち、以下の場合を除く「可能性例」を都道府県知事から厚生労働大臣への通報の対象となる「重症急性呼吸器症候群(SARS)」とする。
- 他の診断によって病状が説明できるもの
- 標準の抗生剤治療で改善する等3日以内に病状の改善を医師が認めたもの
○ 疑い例
2003年2月1日以降に以下の全ての症状を示して受診した患者で
- 38度以上の急な発熱がある者
- 咳、息切れ、呼吸困難感などの呼吸器症状を一つ以上呈している者
かつ、以下のいずれかを満たす者
- 発症前10日以内に、原因不明の重症急性呼吸器症候群の発生が報告されている地域へ旅行した者
- 発症前10日以内に、原因不明の重症急性呼吸器症候群の症例を看護・介護するか、同居しているか、近距離で接触するか、患者の気道分泌物、体液に触れた者
○ 可能性例
疑い例であって、
- 胸部レントゲン写真で肺炎、または呼吸窮迫症候群の所見を示す者
または
- 原因不明の呼吸器疾患で死亡し、剖検により呼吸窮迫症候群の病理学的所見を示した者
(備考) | 重症急性呼吸器症候群は、発熱、呼吸器症状に加え、頭痛、筋硬直、食欲不振、倦怠感、意識混濁、発疹、下痢等の症状を伴なうものもある。 |