
重症急性呼吸器症候群(SARS)関連情報
平成15年5月2日
各 | ┌ | | └ |
都道府県 政令市 特別区 |
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衛生主管部(局)長 殿 |
香港等における原因不明の「重症急性呼吸器症候群」 の集団発生に伴う対応について(第11報) |
標記については、「ハノイ・香港等における病院内での原因不明の重症呼吸器疾患の集団発生に関するWHOの緊急情報について」(平成15年3月12日健感発第0312002号)等により、貴管内の医療機関等の関係機関への周知等の対応をお願いしているところである。
従来、SARS(重症急性呼吸器症候群)については、「ハノイ・香港等における原因不明の「重症呼吸器症候群」の集団発生に伴う対応について(第6報)」(平成15年4月4日健感発第0404001号)において、SARS可能性例のうち、他の診断によって説明がつかないもの又は3日以内に標準の抗生剤治療等により症状の改善が見られないものを、「SARSの所見がある者」として都道府県知事から厚生労働大臣への通報の対象としてきたところである。
現在までの知見及び本日開催された厚生科学審議会感染症分科会において取りまとめられた意見等を踏まえ、SARS可能性例についても「SARSの所見がある者」として厚生労働大臣への通報の対象とすることとしたので、引き続き当課と連絡を取りつつ適切に対応するようお願いする。
なお、本症候群に関する通知等については、厚生労働省ホームページで、随時提供中であることを申し添える。(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou05/index.html)
1 | 入院について SARSの所見がある者(SARS可能性例を含む。以下同じ。)について、当課へ通報し、指導・助言を受けた上で、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下「法」という。)第46条に基づき、10日間の入院勧告を出すことができることとする。これに伴い、SARSの所見がある者として入院している期間の入院費用を公費により負担することとする。 |
2 | 退院について SARSの所見がある者については、症状が消失し、SARSを公衆にまん延させるおそれがないとされた場合は、当課へ通報し、指導・助言を受けた上で、法第48条に基づき、10日間の経過を待たずに退院させてよいこととする。 |
3 | 健康診断について SARSの所見がある者の家族や職場の同僚等のうち、必要な者に対して、当課へ通報し、指導・助言を受けた上で、法第45条に基づき、健康診断受診の勧告を出すこととする。 健康診断の対象者については、積極的疫学調査を十分に活用し、必要最小限の者に対して行うよう留意する。 |
4 | 消毒について SARSの所見がある者がいた場所等については、当課へ通報し、指導・助言を受けた上で、法第50条に基づき、市町村に対して消毒を行うよう命じることとする。 |
5 | 積極的疫学調査について SARSの所見がある者及びその接触者について、法第15条に規定する積極的疫学調査を迅速に行うこととする。 なお、積極的疫学調査を支援するため、厚生労働省から感染症その他の関連分野の専門家からなるチームを派遣する予定であることを申し添える。 |
(参考)SARS疑い例及び可能性例について
(SARS疑い例)
2002年11月1日以降に、38度以上の急な発熱及び咳、呼吸困難感等の呼吸器症状を示して受診した患者のうち、次のいずれかの条件を満たす者
1 | 発症前、10日以内に、原因不明の重症急性呼吸器症候群の発生が報告されている地域(WHOが公表したSARSの伝播確認地域)へ旅行した者 |
2 | 発症前10日以内にSARSの患者を看護又は介護していた者 |
3 | 発症前10日以内にSARSの患者と同居していた者 |
4 | 発症前10日以内にSARSの患者の気道分泌物又は体液に触れた者 |
(SARS可能性例)
SARS疑い例のうち、次のいずれかの条件を満たす者
1 | 胸部レントゲン写真で肺炎、または呼吸窮迫症候群の所見を示す者 |
2 | 原因不明の呼吸器疾患で死亡し、剖検により呼吸窮迫症候群の病理学的所見を示した者 |