重症急性呼吸器症候群(SARS)関連情報
健感発第0605001号
平成15年6月5日
各 検疫所長 殿
結核感染症課長
(公印省略)
重症急性呼吸器症候群(SARS)に関する検疫所の対応について
標記については、当職通知、平成15年4月4日付け健感発第04044002号、平成15年5月7日付け健感発第0507001号、及び検疫所業務管理室長からの平成15年4月4日付け事務連絡により、SARSに関する船舶の検疫を実施して頂いているところであります。
今後、世界保健機関(WHO)の指定する伝播確認地域から本邦に来港する船舶のSARSに関する検疫をより強化するため、下記の事項に留意し、SARS対策に遺漏のなきようお願いいたします。
なお、伝播確認地域からの者が乗組員の交代等により乗船した場合、その他SARSに関する検疫を実施する必要が認められる場合においても、同様に対応するよう併せてお願いいたします。
記
1. | 入港前の確認事項
伝播確認地域から来航する船舶について、無線検疫の通報、検疫前通報において次の事項を確認する。
・ | 日本到着前10日間の伝播確認地域への寄港の有無、上陸の有無、入港・出港年月日 |
・ | 入港前10日間のSARSの患者又は疑いのある者との接触の有無 |
・ | 発熱者の有無 |
・ | 解熱剤の使用者の有無 |
・ | 咳、呼吸困難等の呼吸器症状の有無 |
・ | 乗組員及び乗客全員(以下、「乗組員等」という。)の到着前24時間以内の各人の体温 |
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2. | 船舶への指導、要請事項
伝播確認地域から来港する船舶内で、38℃以上の発熱、呼吸器症状等がある乗組員または乗客(以下、「有症者」という。)がいる場合には、当該船舶に対して次の事項を要請する。
・ | 有症者は個室での隔離を実施する。 |
・ | 有症者との接触は最小かつ限定した者のみとし、感染防止対策(マスク、ゴム手袋、手洗い、うがい)を実施する。 |
・ | 朝夕の体温測定(2回)と症状、使用した薬剤の記録及び報告を行う。 |
・ | 有症者の使用するトイレを限定し、必要な場所の消毒を実施する。 |
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3. | 船舶代理店、水先人への指導及び情報提供
・ | 船舶代理店及び水先人に対して、SARSの伝播確認地域、流行状況、伝播様式、症状、予防方法等の詳細な情報を提供するとともに、伝播確認地域から10日以内に本邦に来港する船舶を水先人に明確に指示し、乗船時の注意事項を指導する。 |
・ | 伝播確認地域からの船舶の乗組員等については、極力上陸を控えるように船舶の長に要請する。 |
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4. | SARSに関する臨船検疫及び着岸検疫に関する事項
・ | 客船においては、臨船検疫又は着岸検疫を実施することとし、質問票を事前に配布し、記入したものを回収するとともに、全員の体温測定を実施する。本邦に上陸する者には健康カードを配布する。 |
・ | 船舶内に有症者がいる場合には、「SARS患者の搬送の判断基準」により特定感染症指定医療機関等への搬送の必要性を判断する。 |
・ | 搬送に至らない症状が軽度な者においては、マスク等により必要な感染防御を行った後、医療機関を受診するように勧め、適切な医療機関を紹介する。また、併せて該当者の船舶内における健康監視を船舶の長に依頼する。 |
・ | 船内に有症者または症状が軽度な者がいる場合には、停泊期間中は他の乗組員に対しても健康監視を船舶の長に対し依頼する。 |
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5. | 国内において二次港等へ寄港を予定している船舶の対応
・ | 検疫終了後二次港等において、船舶内で有症者が発生した場合は、船舶からの情報が速やかに検疫所に届くように船舶代理店等に対して要請するとともに、検疫所間の連携を密にし、適切な対応を実施する。 |
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