Ministry of Health, Labour and Welfare

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SARS

重症急性呼吸器症候群(SARS)関連情報

健感発第 1215001 号
平成 15 年12 月15 日




都道府県
政令市
特別区



衛生主管部(局)長 殿

厚生労働省健康局結核感染症課長


SARSの非流行時における報告等について

 重症急性呼吸器症候群(SARS)については、「医師から都道府県等への届出基準」(平成15年11月5日健感発第1105006号)により、感染症法に基づく届出を求めるとともに、「重症呼吸器症候群についての患者、疑似症患者の患者基準等」(平成15年7月14日健感発第0714001号)に基づき、疑い例について情報提供を求めているところである。
 これらの届出等の基準には、伝播確認地域への渡航が要件とされているため、伝播確認地域が存在しない現在において、万一SARSの患者が国内に発生した場合には、上記の届出等が迅速に行われない場合も考えられる。
 このような状況に鑑み、SARSにり患している疑いのある者を早期に把握し、ウイルス検査や接触者調査等必要な対応を迅速かつ的確に実施するため、SARSについては、院内感染による患者の発生が多かったことに着目し、別紙のとおり非流行時における報告基準等を取りまとめたので、御了知いただくとともに、貴管内の医師会、医療機関等の関係機関への周知方お願いする。



別紙

SARSの非流行時における報告等について

1.報告基準
 医療機関(※1)で、SARSの臨床的症例定義(※2)を満たす医師・看護師等(※3)が、1人以上発生した場合

 ※1 当該医療機関では、医師等の発症の前10日以内において、「海外渡航から帰国後10日以内に、SARSの臨床的症例定義(※2に同じ)を満たす原因不明の肺炎患者」の診療が行われていること

 ※2 SARSの臨床的症例定義
 以下の条件をすべて満たす者であること
 ・発熱(38℃以上)
 ・一つ以上の下気道症状(咳嗽、呼吸困難、息切れ)を有する
 ・肺炎またはRDSの肺浸潤影と矛盾しない放射線学的所見、あるいは、明らかな他の原因がなく、肺炎またはRDSの病理所見と矛盾しない病理解剖所見がある
 ・以下に掲げた条件のいずれにも該当し、かつ、SARSの他にこの病態を十分に説明できる診断がつかない
 1)インフルエンザの検査結果は陰性である
 2)適切な抗生物質の投与にもかかわらず解熱しない

 ※3 医師・看護師等とは、当該患者またはその検体と濃厚に接触した医師、看護師等、又はそれと同等の暴露を受けた者を意味する

2.対応
(1)医療機関からの報告
医療機関が報告基準を満たした事例(以下「報告事例」という。)を探知した場合には、速やかに最寄りの保健所に所定の報告用紙(別添1)をもって報告する。
保健所は、都道府県・保健所設置市・特別区(以下「都道府県等」という。)の本庁を通じて、厚生労働省結核感染症課に報告する。
(2)医療機関における報告事例についての対応
医療機関においては、報告事例の対象者について、別添2に掲げる予防策、個室対応を実施する。
(3)検査・調査
地方衛生研究所は、報告事例から採取された検体について、必要な検査を行う。
都道府県等は、報告事例について接触者調査等必要な積極的疫学調査を行う。









別添2


予防策

・手洗い体液・体物質あるいは患者が直接接触したと思われるものに接触後、手袋を外した後、患者から患者へ接触するとき(通常は石鹸と流水)
・手袋体液に接触、粘膜接触、傷のある皮膚に接触する場合は手袋着用。使用後は手袋を外し、直ちに手洗いの励行
・マスク着用(サージカルマスク以上)
・ガウン衣類が汚染しそうなとき、着用汚染したガウンはすぐに脱ぎ、手洗い励行。
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