平成17年結核発生動向調査年報集計結果(概況)
○ 本年報は、全国の都道府県・政令市・特別区から保健所を通じて報告される結核患者等の状況(平成17年1月1日〜12月31日)を取りまとめたものである。
■平成17年 年報のポイント
- ○新登録結核患者数・罹患率は過去6年連続で減少している。
新登録結核患者数 28,319人
罹患率(人口10万人対の新登録結核患者数) 22.2 (対前年比1.1減)
- ○20歳代と30歳代の結核罹患率が微増。
参考資料6参照
20歳代の罹患率 15.4(対前年比0.1増)
30歳代の罹患率 14.9(対前年比0.1増)
- ○患者が発病してから初診までの期間はやや短縮。短縮傾向が続いていた初診から登録までの期間はやや拡大。
参考資料10参照
発病から初診までの期間が2か月以上の割合 18.2% (対前年比0.6減)
初診から登録までの期間が1か月以上の割合 25.7% (対前年比0.7増)
- ○新登録結核患者における高齢者の割合は約4割を占め、増加傾向にある。
参考資料5参照
70歳以上の新登録結核患者の占める割合44.9% (対前年比1.0増)
- ○大都市部の結核罹患率の格差はやや縮小したものの、国内の地域間格差は依然大きい。
大阪市の罹患率(58.8)、神戸市の罹患率(34.5)、東京都特別区の罹患率(33.9)は、それぞれ長野県(10.7)の5.5倍(対前年比0.4減)、3.2倍(対前年比0.3減)、3.2倍(対前年比0.1減)
- ○世界的に見て、日本は依然として結核中まん延国である。
参考資料1参照
日本の罹患率(22.2)は、スウェーデン(4.6)の4.8倍、米国(4.9)の4.5倍、オーストラリア(5.3)の4.2倍。
1 新登録結核患者数、罹患率
参考資料4参照
- 平成17年中に新たに結核患者として登録された者の数は28,319人で、前年より 1,417人減少している。
- 罹患率は22.2であり、前年の23.3より1.1減少しており、減少傾向が続いている。
- 菌喀痰塗抹陽性肺結核患者数は11,318人で、前年より127人の減少である。菌喀痰塗抹陽性肺結核患者が新登録結核患者数に占める割合は40.0%で前年より1.5ポイント大きくなっている。
区分 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 新登録結核患者数 35,489人 32,828人 31,638人 29,736人 28,319人 罹患率(人口10万対) 27.9 25.8 24.8 23.3 22.2 菌喀痰塗抹陽性肺結核患者数 12,656人 11,933人 11,857人 11,445人 11,318人 新登録結核患者数に占める割合 35.7% 36.4% 37.5% 38.5% 40.0% - 都道府県別に罹患率をみると、大阪府、東京都、兵庫県の順に高く、長野県、宮城県、山形県の順に低い。罹患率の一番高い大阪府は、罹患率の一番低い長野県の3.6倍、大阪府の中でも大阪市は長野県の5.5倍であり、地域間格差は近年、縮まってきているものの依然差は大きい。
2 結核登録患者数、有病率
参考資料8参照
- 平成17年末現在の結核登録患者数は68,508人であり、前年より3,571人減少している。うち、活動性全結核患者数は23,969人であり、前年より2,976人減少している。
有病率は18.8であり、前年の21.1より2.3減少している。区分 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 結核登録患者数 91,395人 82,974人 77,211人 72,079人 68,508人 活動性全結核患者数 36,288人 32,396人 29,717人 26,945人 23,969人 有病率(人口10万対) 28.5 25.4 23.3 21.1 18.8
3 死亡者数、死亡率、死亡順位
- 平成17年中の結核による死亡者数は2,295人で、前年に比べ35人減少、死亡率は前年同様1.8となっている。死因順位は、前年と同様25位である。