水道施設を計画的に更新し、この資産を健全な状態で次世代に引き継いでいくことは現世代の責務であり、その中でも水道事業の運営・管理を担っている水道事業者の方々の役割は特に重要です。高度経済成長期等に急速に整備された水道施設の老朽化が進行し、大規模な更新ピークを迎えつつある今、水道施設の計画的更新は全国の水道事業者共通の最重要かつ喫緊の課題となっています。 厚生労働省では、平成16 年に策定した水道ビジョンにおいて『安定』『持続』を長期的な政策目標として示し、「中長期的財政収支に基づく計画的な施設の整備・更新」を水道の運営基盤強化における施策課題の一つに位置付けましたが、水道事業者等における施設更新・資金確保の取組は必ずしも十分ではないというのが現状です。 この状況を踏まえ、平成 20 年7 月に策定した水道ビジョン改訂版では、レビューに基づく重点取組項目として、『アセットマネジメント手法も導入しつつ、中長期的な視点に立った、技術的基盤に基づく計画的・効率的な水道施設の改築・更新や維持管理・運営、更新積立金等の資金確保方策を進めるとともに、改築・更新のために必要な負担について需要者の理解を得るための情報提供の在り方等について、具体的検討を推進する。』と明記されたところです。 中長期的財政収支に基づき施設の更新等を計画的に実行し、持続可能な水道を実現していくためには、各水道事業者等において、長期的な視点に立ち水道施設のライフサイクル全体にわたって効率的かつ効果的に水道施設を管理運営することが必要不可欠であり、これらを組織的に実践する活動がアセットマネジメント(資産管理)です。本手引きは、アセットマネジメントの重要性について各水道事業者の方々が十分に理解した上で、全ての水道事業者等においてアセットマネジメントの実践が推進されることを意図して策定したものです。また策定に当たっては、学識経験者及び水道事業者の方々の意見も踏まえつつ、わかりやすく、利用しやすい手引きとなるよう配慮いたしました。 各水道事業者の方々が本手引きを積極的に活用することにより、持続可能な水道事業の実現には中長期の更新需要・財政収支見通しに基づく計画的な施設更新・資金確保が必要不可欠であることが改めて認識され、アセットマネジメント(資産管理)の継続的な実践により健全な水道が次世代へ確実に引き継がれていくことを期待します。 解説版(PDF:1.036KB) 概要版(PDF:152KB) 表紙・はじめに・目次(PDF:200KB) 第I編 総論〜アセットマネジメント(資産管理)に係る基本的な考え方(PDF:200KB)     1.アセットマネジメント(資産管理)とは     2.本手引きの使い方     3.アセットマネジメント(資産管理)の基本事項 第II編 各論〜アセットマネジメント(資産管理)の実践手法(PDF:302KB)     「第II編 各論」の使い方     1.必要情報の整備     2.ミクロマネジメントの実施     3.マクロマネジメントの実施     4.更新需要・財政収支見通しの活用     5.進捗管理 第III編 アセットマネジメント手法の検討事例(PDF:586KB)     1.検討事例の使い方について     2.事例とするA市水道事業の概要     3.検討事例1(タイプ3Cによる検討)     4.検討事例2(タイプ2Bによる検討)     5.検討事例3(タイプ1Aによる検討) 第IV編 記入様式(PDF:899KB)     1.記入様式の使い方について     2.各様式の記入要領     3.支援ファイルの活用方法     4.記入様式(記入様式:1,961KB)記入例:2,277KB)     5.支援ファイル(ZIP:1,512KB) 第V編 資料集(PDF:952KB)     1.わが国におけるアセットマネジメントの取組状況     2.アセットマネジメント(資産管理)の実践手法に関する参考資料     3.参考文献等     4.索引
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厚生労働省健康局水道課 電話03-5253-1111 内線4028,4030 |