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2.年金改革の選択肢
 公的年金制度を安定的に運営していくためには、給付と負担の均衡を図ることが不可欠である。
 給付と負担の水準をめぐっては、

・現行制度の給付水準は基本的に変えるべきではないという考え方

・人口構造の変化等の予見しがたい変化については年金受給世代と現役世代の双方が痛みを分かち合うべきという考え方

・年金制度全体を基本から仕組み直して水準を設定すべきという考え方

 など幅広いものがあり、大きな枠組みとして整理すると、次の5案が考えられる。

A案 現行制度の給付設計を維持する案
 前回の平成6年改正に基づく給付水準や支給開始年齢等を維持する。
 厚生年金の最終保険料率は、月収の34.3%(ボーナスを含む年収の26.4%)に上昇。
B案 厚生年金保険料率を月収の30%以内にとどめる案
 厚生年金の最終保険料率を、前回の平成6年改正の前提であった月収の30%(ボーナスを含む年収の23%程度)以内にとどめることとし、その範囲内に収まるよう給付設計を見直す。
 平成37(2025)年度時点で支出総額を1割程度抑制することが必要。
C案 厚生年金保険料率を年収(ボーナス含む)の20%程度にとどめる案
 厚生年金の最終保険料率を、ボーナスを含む年収の20%程度(月収の26%程度)にとどめることとし、その範囲内に収まるよう給付設計を見直す。
 平成37(2025)年度時点で支出総額を2割程度抑制することが必要。
D案 厚生年金保険料率を現状程度に維持する案
 厚生年金の最終保険料率を、現状程度の月収の20%程度(ボーナスを含む年収の15%程度)にとどめることとし、その範囲内に収まるよう給付設計を見直す。
 平成37(2025)年度時点で支出総額を4割程度抑制することが必要。
E案 厚生年金の廃止(民営化)案
 公的年金は基礎年金を基本に1階建ての年金とするとともに、厚生年金は廃止し、積立方式による民間の企業年金又は個人年金に委ねる。


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