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第9 科学技術の振興

 最先端科学を活用したがん等の予防・診断・治療法を開発するとともに、国民の健康と安全を守るため、国際的な健康危機管理体制の強化や食品、医薬品等の安全確保に関する研究を推進する。
 また、医薬品・医療機器産業の国際競争力を確保するため、治験推進体制の充実や疾患関連たんぱく質解析等の基盤研究を推進するとともに、基盤技術の研究開発体制を整備する。

1 最先端科学の活用による疾病の予防と診断・治療法の開発
59億円(55億円)

 ○ 最先端科学を活用したがん研究の推進46億円
   厚生労働科学研究として、ゲノム等の最先端科学を活用したがんの革新的な予防・診断・治療法の開発等を推進する。

 ○ 循環器系疾患等の生活習慣病対策の推進13億円
   心臓病、脳卒中、糖尿病等に対する効果的な治療技術を確立するための臨床研究を推進するとともに、新しい治療法の有効性評価等を行う。

2 国民の健康上の安心・安全の確保85億円(80億円)

 ○ 健康危機管理体制の強化18億円
   BSEやSARS等の発生に対する国際的な感染症分野での研究を強化するとともに、国民の健康被害を最小限にするため、感染症等の発生動向の監視評価、国内外の情報収集と解明のための国際機関等とのネットワークのあり方や、国際的な健康危機管理に必要な人材養成に関する研究を推進する。

 ○ 食品・医薬品等の安全確保に関する研究の推進50億円
   食品の安全性確保のための研究のほか、医薬品・医療機器の製造承認段階から市販後までの総合的な規制手法や生物由来医薬品等のリスク評価・管理手法の開発、化学物質の迅速かつ効率的な毒性評価法の開発等を推進する。

 ○ 医療安全確保等に関する研究の推進17億円
   医療事故の発生頻度を把握することや医療機関の安全性と質に関する合理的な指標の開発など、医療の安全と質の確保等に向けた研究を推進する。

3 医薬品・医療機器産業の国際競争力の確保
48億円(31億円)

(1)基盤研究の推進37億円
 ○ 治験推進体制の充実11億円
   国内における治験の空洞化を防ぐため、がんや循環器病などの疾患群ごとに複数の医療機関によって形成する大規模治験ネットワークを拡充する。

 ○ 疾患関連たんぱく質解析の推進6.6億円
   高血圧、糖尿病、がん、痴呆等の患者と健康な者との間のたんぱく質の種類・量を比較し、疾患に特有のたんぱく質を同定し、データベース化することによって、画期的な医薬品開発を支援する。

 ○ ナノメディシン関連研究の推進13億円
   ナノテクノロジーを応用し、より精密な画像診断技術や生体適合性の高い新材質、より有効性・安全性の高い医療機器・医薬品の研究開発等を推進する。

 ○ 身体機能の解析・補助・代替のための機器開発の推進7億円
   バイオテクノロジー、IT等の先端的要素技術を効率的に組み合わせ、生体機能を立体的・総合的に解析し、補助・代替する機能を持つ、新しい医療機器の開発を推進する。

(2)医薬基盤技術研究施設の整備(新規)8億円
  医薬品・医療機器分野における、ゲノム科学、たんぱく質科学等の先端的技術を活用し、その成果を医薬品等の開発に橋渡しするための基盤的な研究開発及び研究資源の適切な提供を目的とする中核的な研究施設を整備する。

(3)先進医工学センター(仮称)の設置(新規)2.4億円
  国立循環器病センターに、先進医工学センター(仮称)を設置し、ナノテクノロジーを駆使した高度先端医療機器等の開発及び実用化を図る。


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