第6 安心で質の高い効率的な医療の提供と健康づくりの推進 |
1 医師等の臨床研修必修化の円滑な実施 188億円(59億円) |
○ 医師臨床研修の推進 | 171億円 |
平成16年度からの医師臨床研修の必修化は、良質かつ適切な医療の提供に向けた改革の基礎として不可欠なものであり、新制度の円滑な実施を図るため、研修を行う病院に必要な支援を行う。 |
○ 歯科医師臨床研修の推進 | 11億円 |
平成18年度からの歯科医師臨床研修必修化に向け、所要の準備を進める。 |
2 安心で質の高い医療提供体制の充実 536億円(585億円) |
(1)医療安全対策や医療に関する情報提供の推進 | 20億円 |
○ 医療事故に関する情報の収集・分析・提供事業の実施(新規) | 1.1億円 |
医療事故の発生予防・再発防止のため、「第三者機関」において、医療機関等から幅広く事故に関する情報を収集し、これらを総合的に分析した上で、その結果を医療機関等に広く情報提供していく。 |
○ 医薬品表示コード化による医療事故防止対策の推進(新規) | 8百万円 |
医薬品の名称や外観が類似している製品の取り違えによる医療事故を防止するため、製品情報をコード表示化することを検討するとともに、医薬品の名称や外観に関する情報データベースを整備する。 |
○ 「医療安全支援センター」への総合支援 | 1.1億円 |
医療に関する患者・家族等の苦情や相談に迅速に対応するため、都道府県等に設置された「医療安全支援センター」に対する支援を実施する。 |
○ 根拠に基づく医療(EBM)、医療のIT化等の着実な推進 | 10億円 |
根拠に基づく医療(EBM)が実践できるようインターネット等を利用し、最新の質の高い医療情報を医療関係者や国民に提供する。 また、電子カルテシステムの普及を図るため、地域の医療機関が電子カルテシステムにより診療情報を交換する際のセキュリティーを重視したネットワークを構築するためのモデル事業を行う。 |
(2)救急医療の充実をはじめとする地域医療の確保 |
○ 救急医療体制等の整備 | 399億円 |
10床規模による必要な機能を備えた新型救命救急センターの整備をはじめ、救急医療体制の計画的かつ体系的な整備を推進するとともに、離島などのへき地においては、二次医療圏を越えた広域的な支援体制による医療提供を確保する。 |
(3)質の高い看護の提供 | 117億円 |
○ 訪問看護推進事業の創設(新規) | 7.5億円 |
ALS等人工呼吸器を装着しながら在宅で療養している患者等への訪問看護の充実に向けたモデル事業の実施、がん末期患者等の在宅ホスピスケアの推進及び訪問看護ステーションと医療機関の看護師の相互交流による研修など、訪問看護の推進を図る。 |
○ 専門性の高い看護職員の育成 | 1.6億円 |
がん看護や感染管理など専門性の高い研修に対する支援を行うことにより、質の高い看護職員の育成を重点的に促進する。 |
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(1)第3次対がん10か年総合戦略の推進 | 92億円 |
○ がん研究の推進 | 66億円 |
がんの罹患率と死亡率の激減を目指して、発がんの分子機構等に関する研究を更に進めるとともに、革新的な予防・診断・治療法の開発、がん患者の生活の質の向上、がんの実態把握とがん情報の発信に関する研究に取り組む。 また、効果的な医療技術の確立を目指した臨床研究を推進する。 |
○ がん予防の推進 | 14億円 |
生活習慣等の行動変容を図りがんの罹患率を減少させるため、がん予防に関する知識の普及啓発を推進する。 |
○ がん医療の向上とそれを支える社会環境の整備 | 12億円 |
全国的に質の高いがん医療が提供できる体制を整備するため、地域がん診療拠点病院の整備を促進するとともに、がん診療施設情報ネットワークの対象施設の拡充等を図る。 地域がん診療拠点病院 50施設 → 80施設 |
(2)健康づくり施策の推進 | 849億円 |
○ 健康づくりのための「食育」の推進 | 4.3億円 |
糖尿病等を予防するため食生活の指針を策定するとともに、外食料理の栄養成分表示や健康に配慮したメニューの提供等を普及する。 また、健康づくり支援者(ヘルスサポーター)による地域における健康づくりのための活動を支援する。 |
○ 未成年者の喫煙防止対策の推進 | 8百万円 |
未成年者の喫煙率が依然として高いことを踏まえ、各地域において幅広い関係者の参加のもと、未成年者の喫煙防止対策が推進されるよう、地域での連携手法等の方策について検討する。 |
○ 「健康日本21」の中間評価に向けた取組の推進 | 11百万円 |
「健康日本21」の目標項目等を踏まえた評価を行い、その後の運動の推進に反映させるため、2005年の中間評価に向けた取組を進める。 |
4 SARS等感染症・疾病対策の推進 1,816億円(1,807億円) |
(1)SARS等感染症対策の充実 | 72億円 |
○ 感染症発生動向把握システムの構築 | 1.4億円 |
<「基本方針2003」における「モデル事業」> | |
保健所に届出のあった感染症に関する情報を全国規模で迅速に収集し、国民、医療関係者等に還元するためのシステムを構築する。 |
○ 医療提供体制の充実 | 7億円 |
・ | SARS等重篤な感染症の初期診療を行う機関として、感染症患者とその他の患者との接触を避けるための専用外来部門の整備を推進する。 | |
・ | 感染症指定医療機関の維持・運営に対する財政支援を強化し、良質かつ適切な医療提供体制の確保を図る。 | |
・ | 感染症指定医療機関のスタッフを対象とした院内感染防止等に関する実地研修を行う。 |
○ 動物由来感染症対策の強化 | 71百万円 |
国内外の動物由来感染症の発生状況に関する情報の収集・分析・提供、予防のための正しい知識の普及等を行う。 |
○ 検疫体制の強化 | 1億円 |
SARS等新たな感染症の国内侵入を防ぐため、迅速なウイルス検査ができるリアルタイムPCR装置を検疫所に導入するなど、検疫体制の強化を図る。 |
○ SARS等新興・再興感染症研究の推進 | 17億円 |
SARSの検査法の迅速化やワクチン開発等、新興・再興感染症に関する研究を推進する。 |
○ 国際疾病センター(仮称)の設置(新規) | 46百万円 |
国立国際医療センターに、国際疾病センター(仮称)を設置し、SARS等の新興感染症の発生地域に専門家チームを派遣し、診断・治療、発生原因の究明等を実施する。 |
(2)肝炎対策の推進 | 64億円 |
老人保健法に基づく健康診査など各種健康診査の場を活用した肝炎ウイルス検査の実施、肝炎・肝硬変・肝がん等の予防及び治療法の研究、肝炎ウイルス感染者に対する保健指導や肝炎に関する正しい情報提供など、C型肝炎等緊急総合対策を引き続き推進する。 |
(3)ポリオ予防接種による2次感染者への対応(新規) | 9百万円 |
野生株によるポリオ症例がなくなった後(1980年以降)のポリオ生ワクチンによる2次感染者に対し、医療費等を支給する。 |
(4)移植対策の推進 | 27億円 |
○ 臓器移植対策の推進 | 5.2億円 |
医療関係者とあっせん機関の連携を強化するとともに、一層の普及啓発の推進を図る。 |
○ 造血幹細胞移植対策の推進 | 18億円 |
骨髄移植コーディネーターの専任化を進め、骨髄移植のあっせん体制を強化するとともに、骨髄ドナー登録者の拡大を図る。また、より移植に適した細胞数の多いさい帯血の確保を図り、さい帯血提供体制の充実を図る。 |
(5)難病対策の推進 | 1,073億円 |
難治性疾患に関する調査・治療研究の推進により原因の究明や治療法の確立等を目指すとともに、難病相談・支援センターの整備の推進など難病患者のニーズを踏まえたきめ細かな保健医療福祉施策の充実連携を図る。 |
(6)ハンセン病対策の推進 | 460億円 |
ハンセン病療養所入所者の療養を確保し、退所者の社会生活に対する支援などにより福祉の増進を図るとともに、ハンセン病資料館の拡充等、ハンセン病患者・元患者の名誉回復を図る観点から更なる普及啓発の充実を図る。 |
(7)エイズ対策の推進 | 105億円 |
正しい知識の普及啓発や検査・相談体制の充実を図るとともに、医療の提供、研究開発等の推進を図る。特に、青少年を対象とした教育及び啓発事業を文部科学省と連携しながら新たに実施するとともに、大都市における休日のHIV検査・相談事業をモデル的に実施する。 |
(8)リウマチ・アレルギー対策の推進 | 11億円 |
リウマチ、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症、膠原病などの免疫アレルギー疾患の発症機序の解明、診断・治療法の開発を推進するとともに、正しい情報の普及啓発を図る。 |
(9)シックハウス対策の推進 | 3.3億円 |
シックハウス症候群の原因分析、診断・治療法の研究等の対策を関係省庁と連携しつつ、総合的に推進する。 |
5 安定的で持続可能な医療保険制度運営の確保 8兆1,238億円(7兆7,521億円) |
○ 政府管掌健康保険、国民健康保険、老人保健制度等に係る医療費国庫負担 | 8兆1,238億円 |
・診療報酬改定 | △1.0% | ||||||||
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