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第4 若年者を中心とした人間力の強化

 我が国にとって人材が国家の基礎であることから、経済社会の活力の維持・向上を図るため、今後の時代を担う若年者の人間力の総合的な強化を図る「若者自立・挑戦プラン」を推進するとともに、労働者個人が主体的なキャリア形成を図ることができるようにするための条件整備や厳しい雇用失業情勢の中で再就職を促進するための効果的な能力開発システムの構築を図る。

1 「若者自立・挑戦プラン」の推進
301億円(252億円)

(1)教育段階から職場定着に至るキャリア形成・就職支援の実施46億円
 ○ 中高生仕事ふれあい活動支援事業の拡充13億円
   学校等と連携して、中高生自らが職業に関する取材活動、職業体験、ボランティア体験等を行うことにより、在学中からの職業に対する意識を啓発する「中高生仕事ふれあい活動支援事業」の対象地域を拡充する。
16都道府県 → 32都道府県

 ○ キャリア探索プログラムの拡充等による職業意識形成支援の推進16億円
   企業人等働く者を講師として学校に派遣し、職業や産業の実態、働くことの意義、職業生活等に関して生徒に理解させ自ら考えさせるキャリア探索プログラムについて、早い段階からの職業意識形成を支援するため、高校のほか小中学校においても実施する。

 ○ 若年者ジョブサポーターによる新規学卒者等のマッチングの強化13億円
   在学中の早い段階からの職場見学等による職業理解の促進から就職後の職場定着までの各段階を通じてマンツーマンによる一貫した支援を行う若年者ジョブサポーターを全国の公共職業安定所に配置し、中学・高校卒業者の円滑、的確な就職を実現する。

 ○ 学卒就職者の早期離職防止対策モデル事業の実施(新規)31百万円
   就業意欲や職業能力の向上の動機づけ、職場でのコミュニケーション能力の付与等を内容とする業界単位の集団研修、職場定着のための事業所内の相談、助言体制の整備等を内容とするモデル事業を地域の事業主団体等に委託し、実施する。

 ○ 職業意識啓発や就業に係る基礎的知識等の能力開発支援の拡充3.8億円
   フリーター等の若年者に対し、民間教育訓練機関等を活用し、グループカウンセリングによる職業意識啓発やマナー講習等に加え、新たに企業での職業体験を実施する。

(2)実務・教育連結型人材育成システム(日本版デュアルシステム)の導入(新規)75億円
  若年者を対象とした新たな人材育成システムとして、企業と教育機関をコーディネートし、企業実習と一体となった教育訓練を行うとともに、修了時に実践力の能力評価を行うことにより一人前の職業人を育成する「実務・教育連結型人材育成システム(日本版デュアルシステム)」を導入する。当面は学卒未就職者や近年急増しているフリーターを中心に広範に推進する。
訓練計画数  平成16年度 4万人

(3)若年者向けキャリア形成支援の推進9.7億円
 ○ 専門的なキャリア・コンサルタントの養成・活用(新規)1.2億円
   若年者向けの専門的なキャリア・コンサルタントに必要な能力基準等を策定するとともに、必要な能力付与を行うための訓練を職業能力開発大学校等で実施し、若年者対策での活用を推進する。

 ○ フリーター等が相互に職業意識を高めるための拠点づくりの推進8.5億円
   フリーター等が相互に職業意識を高めるための拠点として大都市部に開設している「ヤングジョブスポット」について、民間団体への運営委託を進めるとともに、企業や大学等を含めた関係者との連携を強化し、より効果的な運営を図る。

(4)若年労働市場の整備127億円
 ○ 学卒、若年者向けの実践的能力評価・公証の仕組みの整備6.6億円
   学卒、若年者向けの能力評価として技能系から事務系にわたる幅広い職種を対象とした実践的能力評価、公証の仕組みの整備を行う。

 ○ 企業における若年者の採用・育成方針の集約と情報開示等の推進(新規)19百万円
   企業が若年者に求める能力要件を調査・分析して取りまとめ、若年者への情報提供を行うとともに、若年者の人材育成に積極的な企業の事例の収集及び分析を行う。

 ○ 若年者試行雇用事業の推進86億円
   学卒未就職者等の若年失業者に実践的な能力を取得させ、常用雇用へ移行するため短期間の試行雇用を実施して、若年者の雇用を推進する。

 ○ フリーターから正社員への登用制度の普及促進(新規)18百万円
   フリーターに対して安定就労の動機付けや職業生活に必要な知識・技能の付与等をしつつ、正社員として登用する制度を有する企業の事例を収集、分析するとともに、これを活用した事業主に対する普及促進のためのセミナー、相談・援助を実施する。

(5)地域との連携・協力による若年者就職支援対策の展開(新規)27億円
  若年者のためのワンストップサービスセンター(通称ジョブ・カフェ)や地域の経済団体等に対し、企業説明会等の事業を委託するとともに、都道府県の要請に応じワンストップサービスセンターに公共職業安定所を併設するなど、地域との連携・協力による効果的な就職支援対策を推進する。

2 キャリア形成支援のための条件整備の推進
49億円(61億円)

(1)多様なニーズに応じたキャリア・コンサルティング実施体制の整備30億円
  キャリア形成(職業経歴を通した能力形成)についての相談支援を強化するため、民間機関、職業能力開発大学校等においてキャリア・コンサルタントの養成を推進するとともに、公共職業安定所や民間企業等での活用を図る。
  労働市場や心理学、キャリア形成等に関する理論、実践にわたる高度専門的な能力に基づき、より専門性の高いキャリア・コンサルティングを行う人材の養成に向け、その能力要件の明確化と学習カリキュラムの検討を行う。

(2)幅広い職種を対象とした職業能力評価制度の整備6.4億円
  労働者のキャリア形成や労働市場の機能強化を図るため、ホワイトカラーを含め、幅広い職種を対象とした職業能力評価基準の策定を業界団体等との連携の下で進めるとともに、策定された評価基準等の普及促進を図る。

3 高度かつ効果的な職業能力開発システムの整備
246億円(234億円)

 ○ 民間を活用した効果的な職業訓練と就職支援の推進238億円
   専修学校や大学・大学院等の民間を活用して職業訓練から就職支援まで一貫した支援を推進する。このうち民間への訓練委託については、就職率向上を図るため、訓練委託費を就職実績を踏まえて交付する仕組みを導入する。また、求人事業所等を活用した求人ニーズに即したオーダーメード型訓練の推進を図る。

 ○ 産学連携による大学等を活用した高度かつ実践的教育訓練の開発(新規)8百万円
   大学及び事業主団体等からなる産学協議会を設置し、大学・大学院等を活用した社会人向けのモデルカリキュラムを開発するとともに、そのモデル実施、効果測定を行い、今後の高度な人材養成に活用する。

 ○ 新たなものづくり等に向けた先端的な取組7.4億円
  起業や新分野展開に係る相談援助、人材育成を行う創業サポートセンターにおいて、離職者向け訓練の実施や創業人材と支援者等とのマッチング、ネットワークづくりを図る等の拡充を行う。
  技術・技能の変化に即応し、創意工夫も出来る実践力のある人材を育成するため、技能五輪の機会を活用した若年者のものづくり教育の推進や集積地における地域の事業主団体等が行う人材育成に対する支援を行う。


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