事業評価書(事前)
事務事業名 | 中高年ホワイトカラー離職者等に対する総合的な職業能力開発プログラム | ||
事務事業の概要 | (1)目的 | 緊急経済対策に基づく不良債権処理等に伴い新たな中高年ホワイトカラー失業者の大量発生が見込まれることから、これらの者の職業能力習得機会の提供等を通じた就職支援を図る | |
(2)内容 | 中高年ホワイトカラー離職者等を対象に、職業訓練機関と職業紹介機関の連携強化の下、的確・早期の職業訓練機会提供し、綿密な就職支援に至るまでの一貫した総合的な支援プログラムを新たに構築し、離職者毎のニーズに応じた支援メニューを提供し、早期の就職促進を図る。具体的施策は別紙参照。
|
||
(3)達成目標 | 中高年ホワイトカラー離職者等の職業能力開発、ひいては円滑な再就職を促進し、職業生活の全期間を通じて職業の安定を図る。具体的には16万3千人を対象に職業訓練を実施することとしている。 | ||
評価 | (1)必要性 | 〔国民や社会のニーズに照らした妥当性〕 本年4月に策定された「緊急経済対策」、同年6月に決定された「産業構造改革・雇用対策本部 中間とりまとめ」においても、不良債権の処理に伴い多数の離職者が見込まれる中、中高年ホワイトカラーの職業能力開発の推進が重要な柱として取り上げられており、本事業は社会のニーズに対応して行われている。雇用のセーフティネットを整備することは、各般の構造改革を国民的コンセンサスを得て推進する上でも不可欠である。 〔公益性〕 不良債権処理等により生じた中高年ホワイトカラー離職者等(19万8千人対象)の就職を促進し、雇用の安定を図ることは、公益に資するものである。 〔官民の役割分担〕 本事業は民間機関を活用し、事業を推進していくものである。具体的には、事業主、事業主団体、高等教育訓練機関、専修学校及びNPO法人等の多様な民間教育訓練機関への委託により、職業訓練を実施することとしている。 〔国と地方の役割分担〕 国(雇用・能力開発機構)と都道府県がそれぞれのネットワークを活用し、幅広く民間教育訓練機関を開拓・活用することとしている。事業の実施においては、国(雇用・能力開発機構、国による交付金措置)、都道府県(国による委託事業)ともに実施主体として事業を実施することとしている。 〔民営化や外部委託の可否〕 〔官民の役割分担〕のとおり、本事業においては民間教育訓練機関を積極的に活用することとしている。 〔緊要性の有無〕 本事業については、中高年ホワイトカラー離職者の生活に直結し、また、経済・雇用対策上も、喫緊に対応すべき課題である 〔他の類似施策(他省庁分を含む)〕 離職者等に対する職業能力開発・就職支援施策については、これまでも実施されてきたところであるが、本事業については、不良債権処理の雇用への影響を最小限に押さえるためのセーフティーネットを充実させるための施策であることから、その緊急性、重要性等に鑑み、追加・拡充したものである。 〔社会経済情勢の変化を受けた廃止、休止の可否(継続事業のみ)〕 |
|
(2)有効性 |
〔これまで達成された効果(継続事業)、今後見込まれる効果〕
〔効果の発現が見込まれる時期〕
|
||
(3)効率性 | 〔単年度の費用〕 24,460百万円 〔手段の適正性〕 本事業については、能力開発、教育訓練に関する専門能力をもち、また、これまでの既存事業等において必要なノウハウを有する雇用・能力開発機構、都道府県及び民間教育訓練機関を活用するものであり、費用対効果・実施能力の面で優れている。 〔効果と費用との関係に関する分析〕 中高年ホワイトカラー離職者が早期に再就職を実現することにより、早期の再就職が果たせず失業給付を受給し続ける場合の費用、再就職により得る賃金等が見込まれ、事業の費用面の効果は高い。 |
||
(4)その他 (公平性・優先性など) |
不良債権処理等に伴い発生した中高年ホワイトカラー離職者等が円滑に労働移動を行うために個別離職者ごとの一貫した支援を行うことは、離職者の早期就職を促進し雇用のセーフティーネットの役割を果たすため、最優先されるべき課題である。 | ||
関連事務事業 | なし | ||
特記事項 | 〔各種政府決定との関係及び遵守状況〕 「緊急経済対策」(平成13年4月6日)、「産業構造改革・雇用対策本部 中間とりまとめ」(平成13年6月26日) 〔予算の執行状況(不用、繰越)〕 なし 〔スクラップ・アンド・ビルドについての考え方〕 就職支援能力開発事業、新規成長分野における職業訓練の推進事業等の従来実施事業の対象を中高年ホワイトカラー離職者等に重点化し実施。 〔会計検査院による指摘〕 なし 〔総務省による行政評価、行政監察の状況〕 なし 〔国会による決議等の状況〕 (警告決議、付帯決議等) なし |
||
主管課 及び関係課 |
(主管課)職業能力開発局能力開発課 |
「中高年ホワイトカラー離職者等に対する総合的な
職業能力開発プログラムの展開」の概要
平成14年度予定額 24,460百万円(4,025百万円)
〔訓練受講対象者数 20万人〕
1 目的
不良債権処理等に伴い大量発生が見込まれる中高年ホワイトカラー離職者等の職業能力開発に係る一貫した支援を通じた早期就職促進(雇用のセーフティ・ネットの整備)。
2 事業のポイント
職業訓練機関(雇用・能力開発機構、都道府県)が、職業安定機関、民間教育訓練機関と一体となって、中高年ホワイトカラーごとのニーズに合致した、訓練から紹介に至る個別の支援メニューを提供、確実に就職に結び付ける。
(1) 求職者を対象とした綿密なキャリア・コンサルティング等の支援 ◎ 求職者の的確な能力開発の方向づけを図るため、求職者を対象とした集団ガイダンス、先進企業訪問等を内容とするキャリアアップガイダンス(能力再開発適応講習)を実施。 |
↓
(2) あらゆる民間機関を活用した高度・多様な職業訓練機会の拡大 ◎ 就職率等実績に基づく的確な委託訓練機関の選定、訓練コース情報のリアルタイム提供のためのシステム整備 ◎ 専修学校等に加え、事業主、大学(院)、NPO等、あらゆる民間機関を活用した高度・多様な職業能力開発機会の創出・提供
◎ 求人者の人材ニーズに応じた職業訓練の実施体制の整備 中高年ホワイトカラー等の採用意欲を有する求人者ごとの人材ニーズに応じたオーダーメイド型の訓練コースを、民間機関等のノウハウも活用しコーディネート・設定することにより、就職に結びつく多様な教育訓練機会を機動的に提供。 |
↓
(3) 訓練受講者に対する早期就職支援 ◎ 機構都道府県センター及び都道府県能力開発主管課に配置する巡回就職支援指導員(全国205名)が、委託訓練実施機関を巡回し、職業安定機関との連携の下、委託訓練実施機関が効果的な就職支援等を行うに際して必要な技術的援助・指導・求人情報提供等を実施し、訓練受講者の早期再就職促進を図る。 ↓ ◎ インターネットを活用した訓練受講者情報の求人者に対する提供による、個別求人開拓、就職機会の拡大。 * これらの措置により訓練修了までに就職に至らない場合、安定所が中心となって、職業相談、求人情報提供、合同選考会開催等のフォローアップ。 |
事業評価書(事前)
事務事業名 | 人材大国を創造する先導的な取組の推進 | ||
事務事業の概要 | (1)目的 | 柔軟で質の高い技術と能力を有する労働者、知恵を生み出す創造的人材が豊富に存在する人材立国の創造に向けた人材育成システムを確立する観点からの先導的な取組を推進することにより人材大国を確立し、もって我が国が引き続き競争力や活力を保持・増進していくこととする。 | |
(2)内容 |
上記の目的を達成するため、人材大国の創造に向けた推進体制の整備及び人材大国の創造を進めるための先導的な教育訓練の推進等に係る事業を実施する。具体的な事業は以下のとおり。 (1) 「人材大国創造総合会議」(国レベル)及び「人材大国総合地域協議会」(都道府県レベル)の開催 総合的な教育訓練を実践的に推進していくため、大学・大学院、NPO等産官学関係者を構成員とした会議(協議会)を国及び都道府県レベルにおいて開催し、国レベルにおいては総合的な教育訓練推進のための指針を策定し、都道府県レベルにおいては地域の人材・訓練ニーズを把握・分析を行うとともに、それに応じた教育訓練機会の開発整備及び教育訓練機会の提供等を行う。 (2)人材大国を創造するための先導的な教育訓練の推進
(3) 人材大国の創造に向けた社会・企業の仕組みづくり
|
||
(3)達成目標 |
本事業の達成目標については、地域の人材ニーズに見合った企業の基盤及び企業発展の中核となるような高度な人材養成を行うための訓練コースの開発を行い、当該コースを活用した訓練を実施するとともに、労働者のキャリア形成支援を推進するための社会・企業システムを整備する。具体的には以下のとおり。
|
||
評価 | (1)必要性 | 〔国民や社会のニーズに照らした妥当性〕 現下の厳しい雇用失業情勢の下にあって、効果的な職業能力開発システムを構築することは、能力のミスマッチの解消に寄与し、雇用失業情勢の改善に寄与するものであり、国民や社会のニーズに適合したものである。「産業構造改革・雇用対策本部 中間とりまとめ」において「人材育成・能力開発の推進」が4本柱の1つに挙げられており、また、「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」において「労働力には、柔軟で質の高い技術、能力が備わっている必要がある」、「自発的な能力開発の支援」と指摘されているところであり、本事業は社会のニーズに応じたものである。 〔公益性〕 人材大国を創造し、先導的教育訓練を行い人材育成を図ることは公益にかなうものである。 また、本事業は幅広い企業、労働者を対象にその実施成果が還元されるものであり、公益性は高いものである。 〔官民の役割分担〕 本事業は民間機関の機能や実例を積極的に活用し、民間企業や社会システムの支援をするものである。具体的には、本事業の中心的機関である人材大国創造総合会議及び人材大国創造地域協議会は産学官の関係者が結集し、総合的な教育訓練のための指針の策定、地域の人材ニーズを把握・分析し、訓練コースの開発を行うとともに、大学・大学院、NPO、事業主等の民間教育訓練機関を活用し、委託訓練の実施等各種職業訓練等のほか、企業内における労働者に対するキャリア形成支援の実例を公共が客観的・中立的な立場から収集・整理し、それらを民間に還元することによるキャリア形成支援システムの整備を実施するものである。 〔国と地方の役割分担〕 本事業は産学官関係者が結集した各地域の人材大国創造地域協議会を中心に事業を実施しており、産学官関係者においては、各都道府県の能開行政関係者も参画しており、国と地方が相まって事業を推進しているところである。 〔民営化や外部委託の可否〕 〔官民の役割分担〕のとおり、「各人材の特性に応じた教育訓練機会の提供」事業においては民間教育訓練機関への事業委託を積極的に活用している。また、「人材大国の創造に向けた社会・企業の仕組みづくり」事業については、民間におけるキャリア形成支援の実例の収集・整理を客観的・中立的な立場から行う必要から、公共が行うものであり、民営化や外部委託を行うことは実例の正確な収集の観点から困難である。 〔緊要性の有無〕 厳しい雇用情勢下で、ミスマッチの解消を図るため民間資源を利用しつつ人材育成を推進していくことは喫緊の課題である。 なお、本事業は地域の必要とする人材養成に直結し、また、離職者訓練においては受講者の再就職を目指すものであるほか、企業におけるキャリア形成支援を促進するものであり、経済・雇用対策上喫緊に対応すべきものである。 〔他の類似施策(他省庁分を含む)〕 なし(大学・大学院等の活用において文部科学省と連携)。 〔社会経済情勢の変化を受けた廃止、休止の可否(継続事業のみ)〕 本事業については、現在実施している「21世紀人材立国計画」の事業内容を見直しの上緊急性を要するものについて実施するものである。 |
|
(2)有効性 |
〔これまで達成された効果(継続事業)、今後見込まれる効果〕 (1) 訓練コースの開発 平成11、12年度に合計103の訓練コースを開発し、公共職業訓練等に活用しているところ。具体的には以下の通り。
(2) 地域人材育成センターにおける職業能力開発に関する相談援助・情報提供
(3) 在職者を対象とした能開大での職業訓練
(4) 離職者を対象とした事業主等への委託訓練
(5) 若年社会人に対する異業種交流セミナー
(6) 高齢者創業支援セミナー @ 平成11年度結果
A 平成12年度結果
また、今後見込まれる効果については、上記の通り既に就職、創業等の効果が発現しているところであるが、今後、既に開発した訓練コースのより幅広い公共職業能力開発施設や民間教育訓練機関への普及・展開や企業内におけるキャリア形成など、一層の効果の発現が見込まれる。 〔効果の発現が見込まれる時期〕 |
||
(3)効率性 |
〔単年度の費用〕 〔手段の適正性〕 〔効果と費用との関係に関する分析〕
|
||
(4)その他 (公平性・優先性など) |
「各人材の特性に応じた教育訓練機会の提供」事業において、地域の人材ニーズ等に応じた訓練コースを開発し、それに応じた訓練等を実施することは、人材を効果的に活用するものである。本事業は在職者、離職者に対し支援を行い、単に受益者本人が効果を受益するばかりではなく、失業に伴う社会的コストの削減、労働力の有効活用をはじめ、産業界が必要とする高度な人材育成に資するなどミスマッチ解消のための効率的なシステムであり雇用対策上・経済対策上有益なものである。 | ||
関連事務事業 | なし | ||
特記事項 | 〔各種政府決定との関係及び遵守状況〕 「産業構造改革・雇用対策本部 中間取りまとめ」(平成13年6月26日) 「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」(平成13年6月26日) 〔予算の執行状況(不用、繰越)〕 なし 〔スクラップ・アンド・ビルドについての考え方〕 本事業は、21世紀人材立国計画を発展させたものである。 〔会計検査院による指摘〕 なし 〔総務省による行政評価、行政監察の状況〕 なし 〔国会による決議等の状況〕 なし (警告決議、雇対法等の付帯決議等) |
||
主管課 及び関係課 |
(主管課)職業能力開発局能力開発課 育成支援課 (関係課)職業能力開発局総務課 |
事業評価書(事前)
事務事業名 | 新分野等への事業展開に必要な相談援助、人材養成 | ||
事務事業の概要 | (1)目的 | 今後雇用機会の拡大が期待される新規成長分野等における人材面の支援を中心としたソフト及びハード両面からの起業等に対する支援(雇用機会の創出)を行う | |
(2)内容 | 起業等に対する支援については、関係各機関等において、起業等に至る動機付けとなる意識啓発等のセミナーや、実際の事業開始から運営に至る際の補助金等資金面の支援を中心に実施されているところであるが、起業等に至る過程で必要となる人材の確保・育成も一つの大きな隘路となっており、その支援が十分とは言えない状況にある。 そのため、職業能力開発施設等が蓄積してきた職業能力開発等に関するノウハウ・機器等のソフト・ハード両面を活用して、企業等が新分野等への事業展開を図る際の事業化に至るまでの人材面を中心とした相談援助や、必要となる人材養成のための訓練コース等の開発・普及による支援を、関係各機関の支援対策と相まって実施することにより、起業等の促進を図る。
|
||
(3)達成目標 | 新分野への事業展開を担う人材養成のための訓練コースの開発及び試行的実施(新分野への事業展開を企画・実施する人材養成420人、新規成長分野等の高度な技術者の養成180人、民間教育訓練機関等において行う指導者養成320人)をすることにより、企業等の促進を図る。 | ||
評価 | (1)必要性 | 〔国民や社会のニーズに照らした妥当性〕 事業所・起業統計調査(平成11年度)によれば、平成8年から3年間において全産業で約106万事業所の廃業に伴い、約717万人分の雇用機会が喪失し、約74万事業所の新設に伴い約628万人分の雇用機会が創出されており、都合約89万人分の雇用機会の減少がみられるところであり、新規成長分野等を中心とした起業等を促進することにより雇用機会の拡大を図ることが、雇用対策上急務である。また、「産業構造改革・雇用対策本部中間とりまとめ」において「新市場、新産業の育成による雇用創出」が挙げられ社会のニーズに応じたものである。 〔公益性〕 起業等に対する支援は、結果的に起業された事業所における雇用の創出につながるため、公益にかなうものである。 〔官民の役割分担〕 本事業は、官民が連携して推進していくものであるが、特に国は支援のための環境作りを、また、コース開発等においては、企業・団体・民間教育訓練機関等の参画を得、民間の有するノウハウを積極的に活用する。 〔国と地方の役割分担〕 新分野等への事業展開に必要な相談援助や新分野への事業展開を担う人材の養成は、全国共通的に先端的なノウハウが必要とされるものであり、国が実施する。開発されたコースについての積極的実施は地方が行う。 〔民営化や外部委託の可否〕 本事業は国が先導的に行うものであるが、訓練コースの開発や訓練の試行的実施に当たっては、外部の専門家の意見を聴取したり、講師を依頼するなどにより、民間のノウハウを積極的に活用する。また、開発した訓練コース等は民間教育訓練機関等への普及を図る。 〔緊要性の有無〕 雇用情勢が依然と厳しく、完全失業率が高水準で推移する状況にあって、本事業の目指す起業等を通じた雇用機会の創出は、喫緊の課題である。 〔他の類似施策(他省庁分を含む)〕 職業安定局等で新規・成長分野企業等に対する支援を実施しているが、人材面での相談援助や人材養成のための訓練コースの開発・普及での類似施策はない。 |
|
(2)有効性 | 〔今後見込まれる効果〕 開発した訓練コースは、民間教育訓練機関等へ普及し、全国的な展開を図る。 〔効果の発現が見込まれる時期〕 人材育成については、中長期的視点に立って考慮する必要がある。 |
||
(3)効率性 | 〔単年度の費用〕 417百万円 〔手段の適正性〕 本事業は、訓練コースを開発し試行的に実施するもので民間教育訓練機関等へ普及することで、大きな波及効果が見込まれ効率的な手法である。 〔効果と費用との関係に関する分析〕 人材投資の費用対効果分析については、一律ではない。 |
||
(4)その他 (公平性・優先性など) |
なし | ||
関連事務事業 | なし | ||
特記事項 | (1)各種政府決定との関係及び遵守状況 「産業構造改革・雇用対策本部 中間とりまとめ」の「新市場、新産業の育成による雇用創出」 (2)予算の執行状況(不用、繰越) (3)スクラップ・アンド・ビルドについての考え方 (4)会計検査院による指摘 (5)総務省による行政評価、行政監察の状況 (6)国会による決議等の状況 |
||
主管課 及び関係課 |
(主管課)職業能力開発局 能力開発課 |
事業評価書(事前)
事務事業名 | 総合的かつ体系的な職務分析の推進(「生涯職業能力開発体系」の検証・拡充) | ||
事務事業の概要 | (1)目的 | 総合的かつ体系的に職務分析を行う「生涯職業能力開発体系」の実務的な検証及び拡充と併せて、支援ツールを構築し、企業等の新分野への事業展開や、労働者のキャリア形成、訓練コースの開発等に活用する。 | |
(2)内容 | 人材養成を取り巻く環境の変化の中で、すべての労働者に、その職業生活の全期間にわたって必要な時期に適切な職業能力開発の機会を提供するためには、各産業、企業における職業能力開発の基本となる職務分析を総合的かつ体系的に推進する必要がある。 このため、これまで試行的に開発してきた、総合的かつ体系的に職務分析を行う「生涯職業能力開発体系」の実務的な検証及び改修等を行い、対象業種の拡充を図るとともに、個別事業等の職務分析や、労働者の能力評価、訓練カリキュラムの作成等を行う支援ツールをシステム上に構築することにより、企業等の新分野への事業展開や、労働者のキャリア形成、訓練コースの開発等に活用する。
|
||
(3)達成目標 | 試行開発した「生涯職業能力開発体系」について、個別企業等において試行的に活用を行い、その成果等を検証し実務に即した改修等を行うとともに、対象業種の拡充(約65業種)を図る。また、「生涯職業能力開発体系」のデータベース化を図り、支援ツールである個別職業能力開発体系作成支援システムの構築、職業能力評価支援システムの構築及び訓練カリキュラム作成支援システムの構築を図ることにより、新分野への事業展開における事業の職務分析と必要な職業能力の把握、個々の労働者の職業能力評価とキャリア形成支援、事業・職務ごとの訓練コースの開発等効果的な事業展開を図る。 | ||
評価 | (1)必要性 | 〔国民や社会のニーズに照らした妥当性〕 労働者の就業意識・就業形態の多様化、労働移動の増大(平成12年度延べ労働移動者は約1,269万人(前年約1,206万人)、平成12年雇用動向調査結果速報)等に伴い、これまでの企業主導の職業能力開発に加え、労働者の自発的な職業能力開発が重要となっている。これらに的確に対応するための「生涯職業能力開発体系」は、すべての労働者に、その職業生活の全期間にわたって必要な時期に適切な職業能力開発の情報を効率よく提供するものであり、能力開発の道しるべ的なものであることから必要不可欠なものである。 〔公益性〕 「生涯職業能力開発体系」等の整備は、新分野への事業展開における事業の職務分析と必要な職業能力の把握、個々の労働者の職業能力開発評価とキャリア形成支援及び事業・職務ごとの訓練コース等の開発につながるため、公益にかなうものである。 〔官民の役割分担〕 本事業は、各産業等の職務分析を行う必要上、官民が連携して推進していくものである。 〔国と地方の役割分担〕 本事業は、これまで試行的に開発してきた「生涯職業能力開発体系」の実務的な検証と内容の拡充及び支援ツールの構築であるため、これまでの経緯を踏まえ国が実施する。 〔緊要性の有無〕 技術革新の進展や産業構造の変化、労働者の就業意識・就業形態の多様化等人材養成を取り巻く環境の変化の中で、これまでの企業主導の職業能力開発に加え、労働者の自発的な職業能力開発がミスマッチ解消のためには不可欠である。これらに的確に対応するための「生涯職業能力開発体系」は、すべての労働者に、その職業生活の全期間にわたって必要な時期に適切な職業能力開発の情報を効率よく提供するものであり、能力開発の道しるべ的なものであることから早急な整備が求められる。 〔他の類似施策〕(他省庁分を含む) 仕事ごとに細かく体系的に評価したものはない。 |
|
(2)有効性 | 〔今後見込まれる効果〕 これまで実施してきた在職者を対象とした各訓練コースを業種・職務ごとに体系的・段階的に試行的に配置を行った結果、これまでの各訓練コースが単発的に終わるのでなく、段階的にレベルアップできるような連続的になること、段階的に並べることにより、訓練コースの不足する部分が確認できるようになること、等の効果が得られた。しかし、あくまで検証をともなわない試行的な不十分な体系であるため、これらを個別企業等において試行的に活用を図り、その成果等を検証し実務に即した改修等を行った「生涯職業能力開発体系」等が整備できれば、その活用による効果的な新分野への事業展開における事業の職務分析と必要な職業能力の把握、個々の労働者の職業能力開発評価とキャリア形成支援及び事業・職務ごとの訓練コース等の開発が可能となる。 〔効果の発現が見込まれる時期〕 支援ツールの開発は、平成14年度で行うが、業種・職務ごとの実務的な検証等については、年間10業種ずつ、65業種について整備する。 |
||
(3)効率性 | 〔単年度の費用〕 208百万円 生涯職業能力開発体系の実務的な検証及び対象業種の拡充にあっては、年間10業種ずつ65業種について整備する。 〔手段の適正性〕 本事業と評価制度、キャリア形成支援システムを組み合わせることにより、企業等の体系的な人材養成等が効率的に行われることが見込まれる。 〔効果と費用との関係に関する分析〕 人材投資の費用対効果分析については未だ確立しておらず、慎重な検討を要する。 |
||
(4)その他 (公平性・優先性など) |
なし | ||
関連事務事業 | なし | ||
特記事項 | (1)各種政府決定との関係及び遵守状況 (2)予算の執行状況(不用、繰越) (3)スクラップ・アンド・ビルドについての考え方 試行的に開発してきた「生涯職業能力開発体系」であるが、検証をともなわない不十分なものであるため、実務的な検証及び改修等を行うとともに対象業種の拡充を図り、労働者のキャリア形成や訓練コースの開発等の支援ツールとして活用するためのものある。また、産業構造の変化や技術革新等により常にメンテナンスを必要とするものである。 (4)会計検査院による指摘 (5)総務省による行政評価、行政監察の状況 (6)国会による決議等の状況 |
||
主管課 及び関係課 |
(主管課)職業能力開発局 能力開発課 |
事業評価書(事前)
事務事業名 | キャリア形成促進助成金 | ||
事務事業の概要 | (1)目的 | 労働者の職業生活設計に即した自発的な職業能力開発に係る取組みを支援する事業主に助成を行うことにより、企業内における労働者のキャリア形成の効果的な促進を図る。 | |
(2)内容 | 目標が明確化された教育訓練の実施、職業能力開発休暇の付与、職業能力評価の実施、キャリア・コンサルティングに係る体制整備を行う事業主に対して必要な助成(経費・賃金の1/4(中小企業は1/3))を行う。
|
||
(3)達成目標 | (1)事業主による体系的・計画的な教育訓練等の取組みの向上 (2)労働者によるキャリア形成の取組の向上 |
||
評価 | (1)必要性 | [国民や社会のニーズに照らした妥当性] 本制度は、「今後の職業能力開発の在り方について(建議)」(平成12年12月7日、中央職業能力開発審議会)における、「労働者のキャリア形成を支援するため、能力開発関係の給付金制度について、教育訓練の実施、職業能力評価等が効果的に組み合わされた職業能力開発を促進、支援するという新しい視点から見直す必要がある」との指摘を踏まえ創設されたものであり、労働者の自発的な職業能力開発を促進することにつながるものであり、必要。 [公益性] 事業主による長期的な観点からの人材育成に対する取組を支援することは、労働者の自発的な能力開発の促進のみならず、社会全体としての生産性や国際競争力の向上につながるものであり、公益性を有する。 [官民の役割分担] 本事業は全国的な実施体制の確保が必要であること、非採算的な事業であること、公平かつ公正な事業運営が要求されること等を考慮すると公的機関が行うことが適当である。 [国と地方の役割分担] 助成金の支給を全国一律に行うために、国が実施することが適切である。 [民営化や外部委託の可否] 全国的な実施体制の確保が必要であること、非採算的な事業であること、公平かつ公正な事業運営が要求されること等を考慮すると、民営化は困難である。また、従前より助成金の支給事務を行い、そのノウハウを有する雇用・能力開発機構に支給事務を委託することにより、効率的な事業運営が見込まれる。 [緊要性の有無] 労働者の自発的な職業能力開発に対する事業主の支援を促進することによって、雇用の安定・拡大を図るものであり、緊要性がある。 [他の類似施策(他省庁分を含む)] なし |
|
(2)有効性 | [今後見込まれる効果] 労働者のキャリア形成の向上、事業主の体系的・計画的な教育訓練等の取組みの向上の結果、労働者の職業能力の開発・向上が促進され、ひいては社会全体として生産性や国際競争力の向上が見込まれる。 [効果の発現が見込まれる時期] 本事業を推進することにより、上記のような効果を得ることができると見込まれるが、これらの効果には、本事業以外の多種多様な要素が関連することから、その発現の時期を特定することは困難である。 |
||
(3)効率性 | [単年度の費用] 7,671百万円(1年当たりの費用。恒常的な費用。) [手段の適正性] 労働者の自発的な職業能力開発を促進するためにはの事業主による支援が必要であることから、当該事業主に対して、経費、賃金の一部を助成金として直接的に支援することは、効果的かつ効率的であり、手段として適正である。 [効果と費用との関係に関する分析] 本事業は、企業内における労働者のキャリア形成の効果的な促進を図るために国と事業主が適切な費用分担の下に、実施するものであり、投下する資源量に見合った効果を得ることができるものと思料する。 |
||
(4)その他 (公平性・優先性など) |
|
||
関連事務事業 | キャリア形成支援コーナーによる相談援助事業(同事業による企業外におけるキャリア形成の促進と本事業による企業内におけるキャリア形成の促進により、労働者の自発的な職業能力開発を一層効果あるものとする。) | ||
特記事項 |
[各種政府決定との関係及び遵守状況] @) 平成13年6月26日の「産業構造改革・雇用対策本部中間とりまとめ」において、「能力開発に関する事業主助成制度を見直し、労働者の自発性を活かした訓練に取り組む事業主への支援等個人の主体的な能力開発を支援する方向で早期に制度を整備する。」とされている。 A) 平成13年6月26日の「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」において、「職業能力開発については、IT教育訓練などの充実を図るとともに、それが十分に活用されるよう、自己啓発支援等の仕組みを強化する。」とされている。 B) 平成13年5月の第7次職業能力開発基本計画において、企業内におけるキャリア形成支援システムを整備するため、「事業主がキャリア形成支援を行うことができるよう情報提供、相談、助成金支給等の援助を行う。」とされている。 [予算の執行状況(不要、繰越)] [スクラップ・アンド・ビルトについての考え方] [会計検査院による指摘] [総務省による行政評価、行政監察の状況] [国会による決議等の状況] @) 平成13年3月30日の衆議院・厚生労働委員会の「経済社会の変化に対応する円滑な再就職を促進するための雇用対策法等の一部を改正する等の法律案に対する付帯決議」において、「本改正により、雇用政策の柱の一つである労働者が安心して働ける社会を構築するため、雇用保険の充実と並んで自発的な職業能力開発の促進を図るとともに、雇用の維持及び安定施策が後退することのないよう努めること」とされている。 A) 平成13年4月12日の参議院・厚生労働委員会の「経済社会の変化に対応する円滑な再就職を促進するための雇用対策法等の一部を改正する等の法律案に対する付帯決議」において、「本改正により、雇用政策の課題である労働者が安心して働ける社会を構築するため、自発的な職業能力開発を支援するとともに、ミスマッチによる構造的な失業の解消に努め、雇用の維持安定を図ること」とされている。 |
||
主管課 及び関係課 |
(主管課)職業能力開発局 育成支援課 |
事業評価書(事前)
事務事業名 | 幅広い職種を対象とする包括的な職業能力評価制度の整備事業 | ||
事務事業の概要 | (1)目的 | 経済・産業構造の変化が進み、労働移動が増加していく中で、雇用の安定・再就職の促進を図るためには、企業内外における円滑な労働移動を支援することが必要である。このため、適正な職業能力評価制度を包括的に整備し、労働者にとって自己に求められる職業能力を容易に把握でき、企業等にとって配転・採用に当たり労働者の職業能力を容易に把握できるようにすることにより、職業能力のミスマッチの解消を図る。 | |
(2)内容 | 業界団体等が取組む職種ごとの実践的かつ包括的職業能力評価基準・手法の策定に対する支援を行うため、「包括的職業能力評価制度整備委員会(仮称)」を設置・運営するとともに、業界団体等に有識者等から構成される専門部会等を設け、その策定等の促進を図る。
|
||
(3)達成目標 | 労働市場の社会的基盤として、職種ごとに職業能力評価手法が策定されること。 | ||
評価 | (1)必要性 | 〔国民や社会のニーズに照らした妥当性〕 経済・産業構造の変化が進み、労働移動が増加する中で、職業能力のミスマッチの解消を図るために、本事業により職業能力評価制度を整備することによって、労働者にとって自己に求められる職業能力を容易に把握でき、自らの職業能力のステップアップを図る上で明確な目標の設定をすることが容易になるとともに、企業等にとって配転・採用に当たり労働者の職業能力を容易に把握できるようにすることは重要な課題である(特記事項中の〔各種政府決定との関係及び遵守状況〕参照)。 したがって、本事業は、国民や社会のニーズに照らし、妥当な事務事業である。 〔公益性〕 本事業による職業能力評価制度の整備を通じて、職業能力のミスマッチの解消を図ることは、ひいては社会全体としての生産性や国際競争力の向上につながるものであり、公益性を有する。 〔官民の役割分担〕 本事業は、既に活用が図られている民間資格等を排除するものではなく、民間の既存の資格等やノウハウを積極的に活用することを通じて、包括的な職業能力評価の体系を創ることを目的とするものであることから、公的機関が行うことが適当である。 〔国と地方の役割分担〕 全国的な労働移動が見込まれる中、職業能力評価の基準・手法は全国一律のものとして策定される必要があることから、本事業は国が実施することが適切である。 〔民営化や外部委託の可否〕 本事業は、幅広い職種を対象とする包括的な職業能力評価のための基準・手法を策定するものであり、全国一律の実施体制が必要であること、非採算的な事業であること等を考慮すると、民営化は困難である。 なお、現在実施されている技能検定その他の国等が行うものを除き、業界団体や民間教育訓練機関等(いわゆる民間資格等)の積極的活用を想定しているところである。 〔緊要性の有無〕 近年における失業の原因の一つとされる職業能力のミスマッチを解消するための社会的基盤の整備の一環として、急速な産業構造等の変化に伴って労働者に求められる職業能力を適正に評価する制度を整備することは、喫緊の課題である。 〔他の類似施策〕 他の類似施策はない。 |
|
(2)有効性 | 〔今後見込まれる効果〕 本事業を通じて包括的な職業能力評価制度が整備されることにより、企業等にとっては、必要とする人材を効率的に確保することができるようになるとともに、労務管理等に当たっても公正な職業能力評価を実施することにより、労働者の能力に応じた処遇等の指標として活用することができるようになる。 また、労働者個人にとっては、自己の職業能力を客観的に把握することが容易になり、キャリア形成を図る上で到達すべき目標が明確になるほか、自己の職務に必要な資格等についての判断が容易になる。 〔効果の発現が見込まれる時期〕 本事業の推進により整備される能力評価基準等については、その成果が企業等に取り入れられ、活用されることでその成果が最大限に発揮されるものであるが、企業等はその中長期的な人事戦略に基づき、職業能力評価の手段を考えるため、企業等が本事業の成果を導入する時期は一定ではない。 また、本事業以外の多種多様な要素が、導入するかのどうかの判断に関連すると考えられることから、現時点においてその発現時期を明確に特定することは困難である。 |
||
(3)効率性 | 〔単年度の費用〕 約290百万円(平成14年度要求額。全体の整備は10年間で行う予定。) 〔手段の適正性、効果と費用との関係に関する分析〕 本事業は、包括的な職業能力評価の基準・手法の体系を整備することを目的として、既に実施されている民間資格等を積極的に活用するとともに、現在整備されていない職種について業界団体のノウハウを活用して職業能力評価のための新たな基準・手法を策定するものである。既存の資格等やノウハウを活用することから、その策定にかかる費用は他の手段を用いた場合より少なく、効率的であり、手段として適正である。 |
||
(4)その他 (公平性・優先性など) |
〔公平性〕 本事業により策定される職業能力評価のための基準・手法は全ての労働者や企業に活用されるものであり、その効果は公平に分配される。 |
||
関連事務事業 | なし | ||
特記事項 |
〔各種政府決定との関係及び遵守状況〕 @ 平成13年6月の産業構造改革・雇用対策本部の中間とりまとめにおいて、「職務の明確化や能力評価基準の策定に対する支援を推進する。」とされている。 A 平成13年6月の「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」において、「職業能力評価システムの整備(中略)等を推進する。」とされている。 B 平成13年5月の第7次職業能力開発基本計画において、職業能力を適正に評価するための基準、仕組みを整備を図るために、「各業界の労使と国との連携による包括的な職業能力評価システムの構築に向けた検討を進める。」とされている。 C 平成11年8月の第9次雇用対策基本計画において、「労働移動の増加が見込まれる中で、労働者の就業能力の向上を図るためには、職業能力を評価できる制度の整備を図る必要がある。」とされている。 〔予算の執行状況(不用、繰越)〕 〔スクラップ・アンド・ビルドについての考え方〕 〔会計検査院による指摘〕 〔総務省による行政評価、行政監察の状況〕 〔国会による決議等の状況〕 |
||
主管課 及び関係課 |
(主管課)職業能力開発局 育成支援課 |