(整理番号28)
事業評価書(
事前
・事後)
平成17年8月

評価対象(事業名) 地域における若者自立支援ネットワーク整備モデル事業
担当部局・課 主管部局・課 職業能力開発局育成支援課キャリア形成支援室
関係部局・課  


1.事業の内容
(1) 関連する政策体系の施策目標
  番号  
基本目標 労働者の職業能力の開発及び向上を図るとともに、その能力を十分に発揮できるような環境を整備すること
施策目標 労働者の就業状況等に対応した多様な職業訓練・教育訓練の機会の確保を図ること
II 若年者の職業能力開発を推進すること

(2) 事業の概要
事業内容(
新規
・一部新規)
 いわゆるニート等の若年者を職業的自立へ誘導するため、地域において各若年者支援機関がネットワークを構築し、個々の若年者に応じた支援を継続的に受けられる仕組みを作り上げる。
 こうした、仕組みの中心的推進役を担うものとして「地域若者サポートステーション(仮称)」を設置し、同ステーションに、キャリア・コンサルタント及び臨床心理士等を配置しニート等の若者に対して以下の事業を行う。
 なお、「地域若者サポートステーション(仮称)」は、地方自治体の推薦に基づき国が選定した民間団体等が国からの委託を受けて運営する。
 (1)相談支援事業
 キャリア形成にかかる相談を含めた総合的な相談支援の実施及び、必要に応じ心理カウンセリングも実施する。
 (2)職業意識啓発事業
 若者キャリア開発プログラム(ジョブトレーニング、職業ふれあい事業)を実施し職業意識の啓発を行う。
 (3)コーディネイト事業
 地域の若者支援機関のネットワークを構築し、各機関のサービスが効果的に受けられようネットワークを通じて誘導し、必要な支援が継続的に実施されるよう一元的にフォローする。
予算概算要求額 (単位:百万円)
H14 H15 H16 H17 H18
1103

(3) 問題分析
(1)現状分析
 働いてもおらず、教育も訓練も受けていない、いわゆる「ニート」と呼ばれる若年者が2004年には64万人に達しており、このような無業者状態の若年者の増加による若年者の就労問題が将来の我が国経済社会に与える影響は重大であり、早急に対策を講じる必要がある。

(2)問題点
 このような若年者は、職業意識が欠如しているだけでなく、協調性やコミニケーション能力といった基本的な能力(人間力)が不足しているものが少なくない。こうした状況に加え、自身のキャリア形成の問題に対する悩みや不安を抱えている者、働くことに自身を失っている者も見受けられる。

(3)問題分析
 このような若年者を就労へ導くためには、基本能力等の養成だけに留まらず、職業意識の啓発やメンタルヘルス、さらには社会適応支援を含む包括的な支援が必要となっている。また、こうした支援は各人の置かれた状況に応じて個別的に行うことや、一度限りの支援に留まらず継続的に行う必要性がある。

(4)事業の必要性
 これらのことから、地域を主体とした若年者の対する職業的自立支援のためのネットワークを構築し、これを通じた若年者の職業的自立支援の取組を一層促進し、増加し続けるニート等の若年者を就労等へ誘導し、その自立を支援していく必要がある。

(4) 事業の目標
目標達成年度  
政策効果が発現する時期  
アウトカム指標 H18 H19 H20 H21 H22 目標値/基準値
・就労等への自立意識変化の割合
・就職(訓練)等の達成数
           
(説明)
働くことの意義を再認識し、就労等へ向けた自発的行動が開始できることが主眼。
(モニタリングの方法)
アウトプット指標 H18 H19 H20 H21 H22 目標値/基準値
・相談援助件数
・啓発事業参加者数
           
(説明)
より多くの支援対象者を捕捉し、意識啓発の機会を多く持たせるかが事業の成果となる。
(モニタリングの方法)
参考指標(過去数年度の推移を含む) H12 H13 H14 H15 H16
           
(説明) (モニタリングの方法)


2.評価

(1) 必要性
行政関与の必要性の有無(主に官民の役割分担の観点から)
 無 その他
(理由)
 若年者支援は、社会全体で取り組むべき課題であり、若年者の無業者化は社会制度の基盤を揺るがしかねない問題であるため、行政として民間の持つノウハウを活用しつつ、民間の主体的な取り組みを促すため、国による先進的取り組みによるモデルを作り上げていくことが必要である。
国で行う必要性の有無(主に国と地方の役割分担の観点から)
 無 その他
(理由)
 若年者支援は地域の実情の応じて、地域資源を活かしつつ個別的に行われる必要があるが、ニート等への自立支援は喫緊の課題となっており、国として先鞭をつけるべき事業を展開しモデルとして紹介しつつ、地方の自主的な取り組みを誘発していく必要がある。
民営化や外部委託の可否
   否
(理由)
 本事業は、若年者支援方策に精通し、支援のための各種ノウハウを有した各地域の民間団体に事業委託することとしている。
緊要性の有無
   無
(理由)
 我が国の社会基盤を維持していくためには、年々増え続けていくニート等を放置しておくことはできず、最も優先して取り組まねばならないものである。

(2) 有効性
政策効果が発現する経路
 ニート等の職業的自立の意識が希薄な若年者に対して数々の啓発機会を付与 → 個々の若年者職業意識の啓発 → 各人の就労へ向けた取り組みの促進 → ニート等の若年者職業的自立
これまで達成された効果、今後見込まれる効果
 ニート等の若年者に、「働く」意義を見いださせ、職業的自立が達成される。
政策の有効性の評価に特に留意が必要な事項
 特になし

(3) 効率性
手段の適正性
 地域の既存資源を有効に活用し、若年者支援を実施していく取り組みを全国的に定着させるため、国の限定的モデル事業として実施し、その事業主体は地域の民間団体を活用することにしており、政策効果を見つつ全国に事業を拡大させていくものであり、政策効果を最大限に発現させる手法として適切である。
費用と効果の関係に関する評価
 ノウハウのある民間団体を事業実施主体として活用し、また地域に既存の若年者支援方策を連携させ活用していくことから少ない費用で効果を全国に波及させるものであり、事業は効率的、効果的に実施することが可能である。
他の類似事業(他省庁分を含む)がある場合の重複の有無 有   無
(有の場合の整理の考え方)


(4) その他


(5) 反映の方向性
 評価結果を踏まえ、平成18年度予算概算要求において所要の予算を要求する。


3.特記事項

(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項

(2)各種政府決定との関係及び遵守状況

(3)総務省による行政評価・監視等の状況

(4)国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)

(5)会計検査院による指摘


トップへ