(整理番号25)
事業評価書(
事前
・事後)
平成17年8月

評価対象(事業名) 若者の就業をめぐる悩みに対する専門的相談体制の整備
担当部局・課 主管部局・課 職業安定局若年者雇用対策室
関係部局・課  


1.事業の内容
(1) 関連する政策体系の施策目標
  番号  
基本目標 経済・社会の変化に伴い多様な働き方が求められる労働市場において、労働者の職業の安定を図ること
施策目標 労働者等の特性に応じた雇用の安定・促進を図ること
III 若年者の雇用を促進すること

(2) 事業の概要
事業内容(
新規
・一部新規)
 就職を希望しながら、その実現に向け心理面を含めた多様な悩み、課題を有する若者を対象に、全国のハローワーク、ヤングワークプラザ(※)等において、専門的人材を活用し、常時カウンセリングサービスを提供できる体制を整備する。これにより、離職時等に生まれた挫折感の解消、対人関係等に係る不安等の解消を図る。
 若年失業者が特に高い水準にある大都市部にあって、概ね30才までの若年失業者を安定した雇用機会に結びつけるため、自己認識や労働市場についての理解不足等の若者特有の課題を踏まえ、適性検査からカウンセリング、職業紹介に至る一貫した個別支援を実施する専門のハローワーク窓口として設置。
予算概算要求額 (単位:百万円)
H14 H15 H16 H17 H18
491

(3) 問題分析
(1)現状分析
 定職に就かず、アルバイトやパートにより不安定な就労を繰り返す、いわゆるフリーターは、平成16年には約213万人と、学校にも行かず働かない若年無業者、いわゆるニートについては平成16年に64万人と増加傾向にある。

(2)問題点
 厚生労働省では、若者の働く意欲、自身の向上を図るための総合的な取組「若者人間力強化プロジェクト」を推進し、社会参加と自立の促進を図ることとしているが、人間関係面など深い心の問題を抱える者も多いと考えられる。

(3)問題分析
 内閣府が実施した「若年無業者に関する調査(中間報告)」(2005年)によれば、就職希望を表明していながら求職活動を行っていない「非求職型」について、求職活動をしていない理由のうち、「病気・けがのため」と答える人が急増しており、一つの原因として注目される。

(参考)
・求職活動をしていない理由で「病気・けがのため」と答えた者の人口
  1992年6.4万人 → 2002年10.4万人

(4)事業の必要性
 以上のように、若年者の雇用問題の要因の中には、就職を希望しながら、その実現に向け心理面を含めた多様な悩み、課題を有する若者が多く存在することが推定され、課題を有する若者を対象に、それぞれの課題に応じた個別的、専門的サービス等を提供することが必要である。

(4) 事業の目標
目標達成年度  
政策効果が発現する時期 実施以降随時、効果の発現が見込まれる。
             
             
   
アウトプット指標 H18 H19 H20 H21 H22 目標値/基準値
相談件数            
(説明)
 本事業により実施される相談件数の合計数
(モニタリングの方法)
 労働局からの報告による


2.評価

(1) 必要性
行政関与の必要性の有無(主に官民の役割分担の観点から)
 無 その他
(理由)
 若年者雇用問題は、若者自身のキャリア形成はもとより、わが国産業・経済活動に重大な影響を与えるものであり、不安定就労の増大や生活基盤の欠如による所得格差の拡大、社会保障システムの脆弱化などによって、社会不安の拡大、少子化の一層の進行等深刻な社会問題を引き起こしかねず、国が実施する必要がある。
国で行う必要性の有無(主に国と地方の役割分担の観点から)
 無 その他
(理由)
 若年者雇用問題の解決は、全国的な課題であり、また、公共職業安定所が行っている職業紹介業務と一体的に行うことが効率的かつ効果的であることから、国が対応することが必要である。
民営化や外部委託の可否
   否
(理由)
 臨床心理士等専門的人材への委嘱により実施することとしている。
緊要性の有無
   無
(理由)
 フリーターやニートが増加傾向にある中にあって、緊急に対応することが必要である。
 また、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2005(骨太方針2005)」(平成17年6月21日閣議決定)においても、「若者の働く意欲を喚起しつつ、その職業的自立を促進し、ニート・フリーター等の増加傾向を反転させるため、・・・地域の相談体制充実等によるニート対策の強化・・・など、「若者の自立・挑戦のためのアクションプラン」を強化・推進する。」とされたところであり、いわゆるニート層を含む若者に対して、総合的・継続的な自立支援を行うため、地域レベルにおいて、専門的人材による心理面の支援や、精神保健福祉機関、学校等関係機関が緊密なネットワークを構築することが求められており、その一翼を担う立場から、職業安定機関としても体制を整備する必要があり、その緊要性は高い。

(2) 有効性
政策効果が発現する経路
 心理面の支援を含めた専門的相談体制の整備 → 就職の実現に向け心理面の支援が重要な課題と考えられる若者への心理支援 → 若者の不安解消 → 積極的な就職活動による就職の実現
これまで達成された効果、今後見込まれる効果
 地域レベルにおいて構築される若者に対する総合的・継続的な自立支援を行うためのネットワークに、職業安定機関という立場からその一翼を担うことにより、若者の社会的自立、職業的自立を、効果的かつ効率的に促進することができると見込まれる。
政策の有効性の評価に特に留意が必要な事項
 特になし。

(3) 効率性
手段の適正性
 ニート層を含む若者に対する総合的・継続的な自立支援を行うためのネットワークに、職業安定機関という立場からその一翼を担い、就職を希望しながら、その実現に向け心理面を含めた多様な悩み、課題を有する若者を対象に、それぞれの課題に応じた個別的、専門的サービス等を提供することは、若者の職業的自立を促すことができるための手段として適正である。
費用と効果の関係に関する評価
 ハローワークの有する職業相談・職業紹介のノウハウや地域における職業安定機関としての位置づけを最大限有効に活用して実施するものであり、費用的にも効率的である。
他の類似事業(他省庁分を含む)がある場合の重複の有無
  
(有の場合の整理の考え方)


(4) その他


(5) 反映の方向性
 評価結果を踏まえ、平成18年度予算概算要求において所要の予算を要求する。


3.特記事項

(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項

(2)各種政府決定との関係及び遵守状況
 「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2005」(平成17年6月21日閣議決定)に、人間力の強化として、「若者の働く意欲を喚起しつつ、その職業的自立を促進し、ニート・フリーター等の増加傾向を反転させるため、・・・地域の相談体制充実等によるニート対策の強化・・・など、「若者の自立・挑戦のためのアクションプラン」を強化・推進する」ことが盛り込まれている。

(3)総務省による行政評価・監視等の状況

(4)国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)

(5)会計検査院による指摘


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