(整理番号22)
事業評価書(
事前
・事後)
平成17年8月

評価対象(事業名) フリーター常用就職支援事業の強化
担当部局・課 主管部局・課 職業安定局若年者雇用対策室
関係部局・課  


1.事業の内容
(1) 関連する政策体系の施策目標
  番号  
基本目標 経済・社会の変化に伴い多様な働き方が求められる労働市場において、労働者の職業の安定を図ること
施策目標 労働者等の特性に応じた雇用の安定・促進を図ること
III 若年者の雇用を促進すること

(2) 事業の概要
事業内容(
新規
・一部新規)
 全国のハローワークにおいて、広くフリーターを対象に若年者ジョブサポーター等の担当制による、常用雇用化に向けた一貫した就職支援措置を拡充実施する。
 具体的には、支援対象者ごとの課題に応じ、就職活動の目標、具体的支援メニューを盛り込んだ就職支援プランを作成、就職に向けた認識の深化を図りつつ、同プランに基づく支援措置を展開する。
予算概算要求額 (単位:百万円)
H14 H15 H16 H17 H18
636

(3) 問題分析
(1)現状分析
 定職に就かず、アルバイトやパートにより不安定な就労を繰り返す、いわゆるフリーターについては、平成4年の約101万人と比べて、平成16年は約213万人、年間おおむね10万人ずつ程度増加するなど、急増している。
 このため、平成17年度に、「フリーター20万人常用雇用化プラン」を推進しているところである。

(2)問題点
 企業側の要因として、求人数の減少や求人自体のパート・アルバイト化及び高度化の二極分化により需給のミスマッチが拡大しているとともに、若年者側の要因として、職業意識の不十分さによる就職に至らない者の増加や早期離職者の増加している。

(3)問題分析
 フリーターの増加については、厳しい経済状況での新卒採用の抑制の影響や、企業の即戦力志向の高まりの中で、求められる人材が高度化・多様化していること。また、若者本人の仕事に対する意識の変化などの様々なものが考えられる。

(4)事業の必要性
 以上のように、若者の雇用問題の要因は多岐にわたるため、フリーターの増加傾向を転換し、減少を図ることをより確実なものにするためには、従来の「フリーター20万人常用雇用化プラン」の充実・強化を図るとともに、若者一人ひとりの課題に応じたきめ細かな対応と、就職後まで含める一貫した支援が必要である。

(4) 事業の目標
目標達成年度  
政策効果が発現する時期 実施以降随時、効果の発現が見込まれる。
アウトカム指標 H18 H19 H20 H21 H22 目標値/基準値
フリーターの常用雇用化数            
(説明)
 本事業により、フリーターから常用雇用の実現に至った者の合計数
(モニタリングの方法)
 労働局からの報告による。
アウトプット指標 H18 H19 H20 H21 H22 目標値/基準値
相談援助件数            
(説明)
 本事業により、配置される若年者ジョブサポーターの相談件数
(モニタリングの方法)
 労働局からの報告による。


2.評価

(1) 必要性
行政関与の必要性の有無(主に官民の役割分担の観点から)
 無 その他
(理由)
 フリーターの増加等の若年者雇用問題は、若者自身のキャリア形成はもとより、わが国産業・経済活動に重大な影響を与えるものであり、不安定就労の増大や生活基盤の欠如による所得格差の拡大、社会保障システムの脆弱化、さらには、社会不安の拡大、などによって、少子化の一層の進行等深刻な社会問題を引き起こしかねず、国が実施する必要がある。
国で行う必要性の有無(主に国と地方の役割分担の観点から)
 無 その他
(理由)
 フリーターの増加等の若年者雇用問題の解決は、全国的な課題であり、国が対応することが必要である。
民営化や外部委託の可否
  
(理由)
 公共職業安定所が行っている職業紹介業務と一体的に行うことが効率的かつ効果的である。
緊要性の有無
   無
(理由)
 フリーターが増加傾向にある中にあって、緊急に対応することが必要である。
 また、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2005(骨太方針2005)」(平成17年6月21日閣議決定)においても、「若者の働く意欲を喚起しつつ、その職業的自立を促進し、ニート・フリーター等の増加傾向を反転させるため、フリーター20万人常用雇用化プランの充実・強化・・・など、「若者の自立・挑戦のためのアクションプラン」を強化・推進する。」とされたところであり、緊要性は高い。

(2) 有効性
政策効果が発現する経路
 ハローワークにおけるフリーター等に対する就職支援機能の強化 → フリーター一人ひとりの課題に応じたきめ細かな就職相談・職業紹介の実施 → フリーターの常用就職の実現 → フリーターの減少
これまで達成された効果、今後見込まれる効果
 フリーター等に対して一人ひとりの課題に応じた就職支援を実施、常用雇用化することで、フリーターの減少が見込まれる。
政策の有効性の評価に特に留意が必要な事項
 特になし。

(3) 効率性
手段の適正性
 ハローワークにおいて、フリーター等に対して担当制により、本人への就職活動技法等に係る助言から、個別求人開拓、職業紹介、就職後の職場定着指導まで一貫した就職支援を実施することにより、常用就職を促すことができるため、手段として適正である。
費用と効果の関係に関する評価
 ハローワークの有するノウハウや全国ネットワークを最大限有効に活用して実施するものであり、費用的にも効率的である。
他の類似事業(他省庁分を含む)がある場合の重複の有無
   無
(有の場合の整理の考え方)
 高校学卒者等を対象とした就職支援を実施するため、若年者ジョブサポーターを配置しているところであるが、当該事業については、学校卒業後フリーターとなったものが対象である。

(4) その他


(5) 反映の方向性
 評価結果を踏まえ、平成18年度予算概算要求において所要の予算を要求する。


3.特記事項

(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項

(2)各種政府決定との関係及び遵守状況
 「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2005」(平成17年6月21日閣議決定)に、人間力の強化として、「若者の働く意欲を喚起しつつ、その職業的自立を促進し、ニート・フリーター等の増加傾向を反転させるため、フリーター20万人常用雇用化プランの充実・強化・・・など、「若者の自立・挑戦のためのアクションプラン」を強化・推進する」ことが盛り込まれている。

(3)総務省による行政評価・監視等の状況

(4)国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)

(5)会計検査院による指摘


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