(整理番号20)
事業評価書(
事前
・事後)
平成17年8月

評価対象(事業名) 刑務所出所者等就労支援事業
担当部局・課 主管部局・課 職業安定局首席職業指導官室
関係部局・課 職業安定局雇用開発課


1.事業の内容
(1) 関連する政策体系の施策目標
  番号  
基本目標 経済・社会の変化に伴い多様な働き方が求められる労働市場において労働者の職業の安定を図ること
施策目標 労働者等の特性に応じた雇用の安定・促進を図ること
   

(2) 事業の概要
事業内容(
新規
・一部新規)
 刑務所出所者等に対する生活基盤整備、就労支援策等を総合的、一元的に実施するスキームを創設し、これらの者の社会的自立を効果的に推進するとともに、ハローワークと刑務所及び保護観察所等との連携の強化を図るため、以下のような就労支援事業を強力に推進することとする。
(1)刑務所及び少年院と連携した職業相談・職業紹介等の実施
(1) 釈放前の職業相談・職業紹介及び職業講話の実施
(2) 受刑者及び在院者に対する就職ガイドブックの配布
(2)社会的自立推進機関を通じた就労支援の実施
(1) 職場体験講習の委託
(2) 試行(トライアル)雇用奨励金の支給
(3) セミナー・事業所見学会の実施
(3)ハローワークの職業相談体制の強化
(1) ハローワーク職員等による就労支援メニューの策定
(2) 担当者制による職業相談・職業紹介の実施
(3) 公共職業訓練の受講あっせん
(4) 協力雇用主等を対象とした求人開拓等
(5) 職場適応・定着支援
予算概算要求額 (単位:百万円)
H14 H15 H16 H17 H18
        383

(3) 問題分析
(1)現状分析
 刑務所の1日平均収容人員は、平成7年度以降、大幅に増加しており、また、少年院及の収容人員も平成7年以降高止まりで推移している。これに伴い、刑務所等を出所後に保護観察に付される者も大幅に増加している現状にある。特に、保護観察中で就労していない者の再犯率は、就労している者に比べて非常に高くなっている。
(2)問題点
 刑務所出所者等は多くの場合、社会復帰後に十分な貯蓄や住居の確保といった生活基盤が確立していないこと、その前歴が故に社会から排除されやすいことなどから、就労活動に向けた条件が整っておらず、就労機会が制約されているところである。
(3)問題分析
 刑務所出所者等に対して、円滑な就労活動の前提となる生活基盤の整備対策や社会の理解を促進するための対策等を総合的に推進するとともに、体系的な就労支援を行うことは、本人の改善更正・社会復帰を実現するものであり、さらに、その再犯の防止や社会全体の安定、治安再生の推進に資するものであることから、我が国にとって喫緊の課題となっている。
(4)事業の必要性
 再犯の防止や社会全体の安定、治安再生を図るため、法務省との連携の下、刑務所出所者等に対する就労支援を強力に推進する必要がある。

(4) 事業の目標
目標達成年度  
政策効果が発現する時期  
アウトカム指標 H18 H19 H20 H21 H22 目標値/基準値
就職率            
(説明)
本事業の終了者に占める就職者の割合
(モニタリングの方法)
業務報告により把握
アウトプット指標 H18 H19 H20 H21 H22 目標値/基準値
支援対象者数            
(説明)
本事業により支援を受けた者の数
(モニタリングの方法)
業務報告により把握
参考指標(過去数年度の推移を含む) H12 H13 H14 H15 H16
           
(説明) (モニタリングの方法)



2.評 価
(1) 必要性
行政関与の必要性の有無(主に官民の役割分担の観点から)
 無 その他
(理由)
 刑務所出所者等に対し就労支援を行うことは、本人の改善更正・社会復帰を実現するものであり、さらに、その再犯の防止や社会全体の安定、治安再生の推進に資するものであることから、行政が関与し、適切な就労支援を行う必要がある。
国で行う必要性の有無(主に国と地方の役割分担の観点から)
 無 その他
(理由)
 刑務所出所者等に対する就労支援は、治安対策としての再犯防止の観点からも、国の責任において国が実施すべきものである。
民営化や外部委託の可否
   否
(理由)
 本事業は、一般の者に比べ特別な配慮が必要な者に対する就労支援であり、国がセーフティネットとしてあらゆる職業紹介を取り扱い、専門的なノウハウも有するハローワークを通じて実施することが適当である。
 ただし、就労支援事業の一部については、更正保護事業の実施及び普及・啓発に関するノウハウ等を有し、保護観察所との連携を有する更正保護法人に委託することと している。
緊要性の有無
   無
(理由)
 刑務所の1日平均収容人員は、平成7年度以降、大幅に増加しており、また、少年院及の収容人員も平成7年以降高止まりで推移している。これに伴い、刑務所等を出所後に保護観察に付される者も高止まりで推移している現状にある。特に、保護観察中で就労していない者の再犯率は、就労している者に比べて非常に高くなっていることから、刑務所出所者等の就労支援については、早急な対応が必要である。

(2) 有効性
政策効果が発現する経路
 円滑な就労に向けた条件を整備するために、日常生活の自立や社会生活への適応等を支援するとともに、ハローワークが中心となって、刑務所等と連携して、就労・自立の意欲が一定程度以上ある者を選択 → 担当制による職業相談、公共職業訓練の受講あっせんなどを実施する就労支援事業を実施 → 刑務所出身者等の就労による自立
これまで達成された効果、今後見込まれる効果
 本事業を実施することにより、刑務所出所者等に対する就労が促進され、より多くの刑務所出所者等の就労による自立が期待される。
政策の有効性の評価に特に留意が必要な事項
 特になし。

(3) 効率性
手段の適正性
 刑務所出所者等の改善更生・社会復帰を実現するために必要な就労支援を刑務所等と国の職業紹介機関であるハローワークが連携して実施する本事業は、就労による自立を直接促すものであり、手段として適正である。
費用と効果の関係に関する評価
 国の財政負担の観点から、刑務所出所者等の就労による自立は、保護観察に関する費用や再犯防止に係る費用を減少させるなど、社会的コストの削減に大きな効果が期待されるため、本事業は費用対効果の観点からも効率的である。
他の類似事業(他省庁分を含む)がある場合の重複の有無
  
 特になし。

(4) その他
なし

(5) 反映の方向性
評価結果を踏まえ、平成18年度予算概算要求において所要の予算を要求する。


3.特記事項

(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項
なし

(2)各種政府決定との関係及び遵守状況
なし

(3)総務省による行政評価・監視等の状況
なし

(4)国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)
なし

(5)会計検査院による指摘
なし

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