(整理番号18)
事業評価書( |
| ・事後) |
平成17年8月
評価対象(事業名) | 建設業新分野雇用創出給付金(仮称) | |
担当部局・課 | 主管部局・課 | 職業安定局建設・港湾対策室 |
関係部局・課 |
1.事業の内容
(1) 関連する政策体系の施策目標
番号 | ||
基本目標 | 4 | 経済・社会の変化に伴い多様な働き方が求められる労働市場において労働者の職業の安定を図ること |
施策目標 | 2 | 雇用機会を創出するとともに雇用の安定を図ること |
V | 産業の特性に応じた雇用の安定を図ること |
(2) 事業の概要
| |||||||||
建設業新分野雇用創出給付金(仮称) 建設業事業主団体が、構成事業主の雇用労働者の雇用の安定等のために、雇用管理の改善及び建設業務労働者就業機会確保事業又は建設業務有料職業紹介事業を一体として実施することを内容とする実施計画の認定を受け、自ら新分野の事業を創出し、構成事業主の建設労働者を継続して雇用する労働者として雇い入れた場合に、当該事業の開始に要した費用及び対象労働者の人数に応じて助成する。 | |||||||||
| |||||||||
H14 | H15 | H16 | H17 | H18 | |||||
− | − | − | − | 107 |
(3) 問題分析
(1)現状分析 建設投資は平成2年度に85兆円とピークを迎え、その後、民間投資の減少及び近年の公共工事の抑制を背景として減少の一途をたどり、平成16年度には53兆円となり、ピーク時と比較して約40%減少している(国土交通省「建設投資見通し」による)。一方、建設業の労働者数はピーク時の平成9年の685万人から平成16年の584万人へと約15%の減少にとどまっている(総務省「労働力調査」による。)ことなどから、建設業は過剰供給構造にある。 (2)問題点 今後も、建設投資の大幅な改善の見込みがない中で、建設業労働者については、成長性のある新分野において雇用を吸収する必要がある。 (3)問題分析 新分野進出の際には、当該分野の特性に応じた労働力の確保が必要であるが、新分野進出当初は、事業が安定する段階に至っていないことが多く、必要な労働者数を確保することは事業主にとってコスト面の負担が大きい。 (4)事業の必要性 建設業者が新分野に進出し、雇用を吸収しやすい環境を整備する観点から、新分野進出に際して必要となる労働者の確保についてコスト負担を軽減するための助成措置を設ける必要がある。 |
(4) 事業の目標
目標達成年度 | |||||||
政策効果が発現する時期 | |||||||
アウトカム指標 | H18 | H19 | H20 | H21 | H22 | 目標値/基準値 | |
助成金が対象者の雇用の増加に「役立った」とする事業所の割合 | 80% | ||||||
(説明) 目標値については、雇用保険三事業における類似の指標(建設業需給調整機能強化促進助成金等)を基に設定。 |
(モニタリングの方法) 独立行政法人雇用・能力開発機構によるアンケート調査 |
||||||
アウトプット指標 | H18 | H19 | H20 | H21 | H22 | 目標値/基準値 | |
助成金を活用した事業所の数 | 47事業所 | ||||||
(説明) 目標値については、概ね各県に1事業所を見込んでいる。 |
(モニタリングの方法) 独立行政法人雇用・能力開発機構調べによる |
||||||
参考指標(過去数年度の推移を含む) | H12 | H13 | H14 | H15 | H16 | ||
(説明) | (モニタリングの方法) |
2.評価
行政関与の必要性の有無(主に官民の役割分担の観点から) |
| |||
(理由) 建設業については過剰供給構造にあるため、建設業の事業主が新分野へ進出し、建設業の労働者の雇用を吸収する必要があるが、これを民間の自律的な投資のみに委ねた場合には、新規事業立ち上げの際に必要な一時的な大きなコスト負担が障壁となることから、新分野への進出が充分に進まないため、多くの建設業の労働者が失業するおそれがある。 新規事業立ち上げの際の一時的なコスト負担を本給付金を活用し軽減することにより、建設業の事業主の新分野進出が促進され、その結果として雇用が創出され、建設業の労働者の雇用の安定が図られることから、行政の関与が必要である。 | ||||
国で行う必要性の有無(主に国と地方の役割分担の観点から) |
| |||
(理由) 建設業就業者は、全就業者の約1割を占めるなど、その雇用の安定は地域的問題に止まるものではなく、全国的問題であり、政府として実施する必要がある。 | ||||
民営化や外部委託の可否 |
| |||
(理由) これまで建設労働者の雇用の改善等のための諸事業を実施し、建設労働の実態を熟知する独立行政法人雇用・能力開発機構に事業を実施させることとする。 | ||||
緊要性の有無 |
| |||
(理由) 建設業は、過剰供給構造の是正に向け、事業規模の縮小の促進等が進められており、また、経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004において、建設業者が住宅リフォーム等の新たな雇用の吸収先となる新分野へ進出することを関係省庁が連携して支援することとされており、こうした状況を踏まえ、早急に実施する必要がある。 |
(2) 有効性
政策効果が発現する経路 |
建設業新分野雇用創出給付金を建設事業主団体が利用→建設事業主団体による必要な建設労働者の雇入れ→建設業における雇用の創出が促進され、ひいては建設労働者の雇用の安定が図られる。 |
これまで達成された効果、今後見込まれる効果 |
本給付金については、概ね各県に1つの事業主団体が活用することを目標としているが、これにより、全国的に建設業の新分野進出の支援が促進されることとなるため、その結果として雇用が創出され、供給過剰の状態にある建設労働者の雇用を吸収できると見込まれる。 また、新分野進出に成功した事例の蓄積により、本給付金を活用しない事業主等の新分野進出のモデルケースとなることも副次的な効果としてあげられる。 |
政策の有効性の評価に特に留意が必要な事項 |
(3) 効率性
手段の適正性 | |||||
新分野の事業の創出には相当の初期経費が必要となり、障壁となっているることから、当該費用負担を軽減させるという最も直接的なインセンティブを与える本事業の手段は適正と考える。 | |||||
費用と効果の関係に関する評価 | |||||
本事業については、新分野に進出し、労働者を雇い入れることが支給要件であり、それ自体で雇用の安定に資するものであるが、さらに、本助成金をきっかけに新分野進出が成功すれば、波及効果としての雇用者数が拡大することが予想され、費用対効果が高いものと考える。 | |||||
他の類似事業(他省庁分を含む)がある場合の重複の有無 |
| ||||
(有の場合の整理の考え方) |
(4) その他
(5) 反映の方向性
評価結果を踏まえ、平成18年度予算概算要求において、所要の予算を要求する。 |
3.特記事項
|