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第2章 賃金、労働時間の動向

 現金給与総額は、所定外給与の減少幅が縮小したものの、所定内給与、特別給与の減少幅が拡大したことから、2年続けて減少し、減少幅は比較可能な1991年以降で最大となった。実質賃金も2年続けて減少した。
 労働時間は、生産の持ち直しを反映し所定外労働時間が若干の増加となったが、所定内労働時間が引き続き減少したことから、2年連続して減少した。

(賃金の動向)
 2002年に入り景気は底入れしたものの、2002年の現金給与総額は前年比2.4%減と2年連続で減少した。内訳をみると、所定内給与が前年比1.2%減、所定外給与が0.9%減、特別給与が7.3%減となった。実質賃金は、前年比1.3%減と2年連続で減少した(第7表)。
 2002年の民間主要企業春季賃上げ率は1.66%と5年連続で前年を下回り過去最低となった。
 所定内給与の減少には、パートタイム労働者構成比の上昇が平均でみた労働時間の減少と時間当たり賃金の減少の双方に寄与したことに加え、賃上げ率の低下を背景に一般労働者の所定内給与が0.3%減少と比較可能な1994年以降初めて減少したこと等が影響している。
 特別給与の大部分を占める賞与をみると、夏季賞与は前年比5.9%減、年末賞与は前年比5.0%減となり、いずれも減少幅は比較可能な1991年以降で最大となった。

(労働時間の動向)
 2002年の総実労働時間は前年比0.8%減となった。内訳をみると、所定内労働時間が前年比1.0%減、所定外労働時間は景気の底入れを反映して0.1%増となった。
 所定外労働時間は、鉱業、建設業、サービス業以外の産業で増加した。製造業の所定外労働時間(季節調整値)は、生産の動向を反映して、2001年10〜12月期を底に2002年は増加傾向で推移した。ただし、生産の伸びが年後半は鈍化し年末には弱含み傾向で推移した中で、所定外労働時間の増加テンポもやや鈍化した(第8図)。
 所定内労働時間は1年を通して前年と比べて減少した。出勤日数の減少のほか、パートタイム労働者の構成比の上昇、パートタイム労働者の所定内労働時間の減少等が影響している。


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