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第3節 物価、勤労者家計の動向

 1999年の石油の国際市況の高騰はあったものの、物価は低下傾向で推移し、消費者物価は2年連続の低下となった。
 家計消費は、収入の伸び悩み等から3年連続の減少となった。

 (物価の動向)

○ 2000年の物価は、消費者物価が2年連続の低下となるなど、緩やかな下落傾向となった(第11図)。国内卸売物価は、1999年3月以降の原油の国際市況の高騰を背景におおむね横ばいで推移したが、2000年10月以降は低下傾向となった。

○ 物価が下落傾向で推移したのは、消費が横ばいで推移したこと、技術革新や低い賃金上昇等によりコストが低下したこと等によるものと考えられる。

 (勤労者家計の動向)

○ 2000年の勤労者世帯の消費支出は、実収入の伸び悩みなどから前年比名目1.5%減少、同実質0.6%減少と、ともに1998年から3年連続の減少となった(第12表)。

○ 2000年の平均消費性向は、消費者マインドの回復の状況が緩やかなことなどを反映し、72.1%と前年に比べ0.6%ポイントの上昇となったが、依然として低い水準にとどまった。

○ 世帯主の年間収入階級別では、実収入は全階級で減少し、消費支出は第I階級を除き減少した。平均消費性向は、第I、第II階級での上昇が顕著だった(第13図)。

○ 2000年末における勤労者世帯の貯蓄現在高は減少した。最近では特に、流動性の高い通貨性預貯金へのシフトが顕著にみられる。


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