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2 労働条件等の動向と対策

 (1) 賃金・物価
(1) 欧米諸国
 欧米諸国では、物価は概ね安定して推移した。賃金上昇率(名目)は、イギリス、フランスで3%を超えるものとなった。
(2) アジア諸国
 アジア諸国では、物価上昇率はインドネシアで昨年に引き続き大幅に上昇する一方で、中国、シンガポールではマイナスとなった。賃金上昇率(名目)は、中国、韓国で景気の拡大により、大幅な上昇となった。

 (2) 労働時間
 各国とも労働時間の増減幅はわずかなものにとどまった。

 (3) 労働条件対策
(1) アメリカでは、2003年3月に、時間外労働の割増賃金の支払いの適用を除外される労働者(エクゼンプト労働者)と除外されない労働者(非エクゼンプト労働者)の区分の簡素化を目的とした、公正労働基準法の改正案が発表された。
(2) イギリスでは、2002年10月に最低賃金の引上げが実施されたほか、2003年4月から、子を持つ親に柔軟な就労形態を要求する権利が認められることとなった。
(3) ドイツでは、事業所理由による解雇の場合に、新たに法定退職補償金制度が導入される解雇保護法の改正案が2003年6月に連邦議会に提出された。
(4) フランスでは、2002年12月「賃金・労働時間・雇用促進法」が成立し、超過勤務時間の年間の上限を130時間から180時間に引き上げ、週35時間制を緩和するとともに、複雑化した法定最低賃金の一本化等を図ることとなった。
(5) 韓国では、2002年9月、週休2日制に係る勤労基準法の改正案が国会に提出されたが、労使ともに同改正案に反対しているため、2003年7月現在、審議が行われていない。
(6) 中国では、2003年に「労災保険条例」が公布され、都市部のすべての労働者を対象とした労災保険制度が発足した。
(7) インドネシアでは、労働者の保護に重点を置く労働力法(原案は労働力開発保護法案)が、国会提出から2年半を経て成立した。


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