厚生労働省

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4 死因分析

(1) 死因別死亡確率

人はいずれ何らかの死因で死亡することになるが、生命表の上で、ある年齢の者が将来どの死因で死亡するかを計算し、確率の形で表したものが死因別死亡確率である。

平成21年の死因別死亡確率をみると、0歳では男女とも悪性新生物で将来死亡する確率が最も高く、次いで、男は心疾患、肺炎、脳血管疾患、女は心疾患、脳血管疾患、肺炎の順になっている。65歳では0歳に比べ悪性新生物の死亡確率が低く、他の死亡確率が高くなっており、75歳では更にこの傾向が強くなっている。一方、90歳では女の脳血管疾患の死亡確率が75歳より低くなっている。3大死因(悪性新生物、心疾患、脳血管疾患)の死亡確率は0歳、65歳の男女及び75歳の男では5割を超えているが、75歳の女及び90歳の男女では5割を下回っている。

前年と比較すると、悪性新生物の死亡確率は0歳の女及び65歳、75歳、90歳の男女で高くなっている。一方、心疾患の死亡確率は0歳、65歳、75歳の男女及び90歳の男で低くなっており、脳血管疾患、肺炎の死亡確率は各年齢の男女とも低くなっている。
(図4、表7)

図4 死因別死亡確率(主要死因)

図4 死因別死亡確率(主要死因)
図4 死因別死亡確率(主要死因)

表7 死因別死亡確率(主要死因)の推移(0歳・65歳・75歳・90歳)

(単位:%)
主要死因 年齢
平成17年 18年 19年 20年 21年 平成17年 18年 19年 20年 21年
悪性新生物   0歳 29.88 29.97 30.10 29.98 29.90 20.54 20.56 20.56 20.49 20.63
65 29.30 29.37 29.50 29.39 29.40 18.63 18.68 18.69 18.61 18.82
75 25.59 25.81 26.00 25.94 26.12 16.37 16.44 16.49 16.39 16.63
90 14.68 15.00 14.98 14.91 15.50 9.83 9.92 9.87 9.74 9.96
心疾患
(高血圧性を除く)
  0歳 14.88 14.87 14.67 14.74 14.68 19.17 19.24 19.16 19.13 19.09
65 15.16 15.18 14.97 15.00 14.93 19.97 20.04 19.97 19.93 19.87
75 15.57 15.63 15.42 15.43 15.37 20.55 20.64 20.56 20.52 20.47
90 17.27 17.47 17.27 17.41 17.25 21.40 21.48 21.42 21.51 21.53
脳血管疾患   0歳 11.57 11.16 10.80 10.42 10.08 14.52 13.77 13.29 12.75 12.11
65 12.18 11.66 11.25 10.83 10.44 15.01 14.22 13.71 13.13 12.45
75 12.78 12.19 11.71 11.24 10.79 15.41 14.58 14.06 13.45 12.73
90 12.97 12.42 11.84 11.03 10.79 15.37 14.35 14.07 13.46 12.57
肺炎   0歳 12.46 12.47 12.53 12.50 12.20 12.01 12.07 11.84 11.74 11.35
65 14.14 14.11 14.13 14.06 13.72 12.75 12.80 12.55 12.43 11.99
75 16.16 15.99 15.98 15.85 15.39 13.55 13.57 13.28 13.13 12.65
90 22.07 21.39 21.70 21.00 20.07 16.21 16.20 15.64 15.33 14.68
 
3大死因
(悪性新生物、心疾患、
脳血管疾患)
  0歳 56.33 56.00 55.57 55.14 54.65 54.23 53.57 53.02 52.36 51.84
65 56.63 56.21 55.72 55.22 54.77 53.61 52.94 52.37 51.67 51.13
75 53.95 53.63 53.13 52.61 52.28 52.33 51.66 51.11 50.35 49.82
90 44.92 44.89 44.09 43.35 43.54 46.60 45.76 45.36 44.70 44.06

(2) 特定死因を除去した場合の平均余命の延び

ある死因が克服された場合、その死因によって死亡していた者は、その死亡年齢以後に他の死因で死亡することになる。その結果、死亡時期が繰り越され、平均余命が延びることになる。この延びは、その死因のために失われた平均余命としてみることができ、これによって各死因がどの程度平均余命に影響しているかを測ることができる。

平成21年についてみると、0歳における延びは男女とも悪性新生物、心疾患、脳血管疾患、肺炎の順、65歳における延びは男では悪性新生物、心疾患、肺炎、脳血管疾患、女では悪性新生物、心疾患、脳血管疾患、肺炎の順、75歳における延びは男では悪性新生物、心疾患、肺炎、脳血管疾患、女では心疾患、悪性新生物、脳血管疾患、肺炎の順になっている。一方、90歳における延びは男では肺炎、心疾患、悪性新生物、脳血管疾患、女では心疾患、肺炎、脳血管疾患、悪性新生物の順になっており、悪性新生物の順位が低下している。

3大死因(悪性新生物、心疾患、脳血管疾患)を除去した場合の延びは、0歳では男8.04年、女6.99年、65歳では男6.48年、女5.75年、75歳では男5.00年、女4.89年、90歳では男2.30年、女2.78年となっている。(表8)

表8 特定死因を除去した場合の平均余命の延び(0歳・65歳・75歳・90歳)

    
(単位:年)
主要死因 年齢
平成17年 18年 19年 20年 21年 平成17年 18年 19年 20年 21年
悪性新生物   0歳 4.00 4.02 4.04 3.99 3.98 3.02 3.01 3.01 3.01 3.03
65 3.07 3.09 3.12 3.09 3.11 2.03 2.03 2.03 2.03 2.07
75 2.03 2.07 2.10 2.09 2.12 1.41 1.41 1.42 1.42 1.46
90 0.58 0.58 0.60 0.59 0.63 0.47 0.45 0.45 0.45 0.48
心疾患
(高血圧性を除く)
  0歳 1.60 1.57 1.55 1.54 1.55 1.73 1.66 1.65 1.64 1.65
65 1.22 1.21 1.20 1.19 1.19 1.63 1.56 1.57 1.56 1.56
75 1.03 1.03 1.02 1.01 1.02 1.53 1.47 1.47 1.47 1.48
90 0.70 0.68 0.69 0.69 0.69 1.12 1.01 1.03 1.04 1.09
脳血管疾患   0歳 1.13 1.09 1.06 1.02 1.00 1.29 1.19 1.15 1.10 1.06
65 0.95 0.90 0.88 0.84 0.82 1.19 1.09 1.05 1.00 0.96
75 0.83 0.79 0.77 0.73 0.71 1.11 1.01 0.97 0.93 0.89
90 0.51 0.46 0.45 0.41 0.41 0.76 0.64 0.64 0.61 0.59
肺炎   0歳 0.94 0.92 0.94 0.93 0.91 0.88 0.84 0.83 0.83 0.80
65 0.99 0.97 0.98 0.97 0.95 0.89 0.85 0.84 0.83 0.81
75 1.02 1.00 1.01 0.99 0.97 0.90 0.85 0.84 0.83 0.81
90 0.95 0.86 0.91 0.86 0.83 0.81 0.72 0.71 0.70 0.69
 
3大死因
(悪性新生物、心疾患、
脳血管疾患)
  0歳 8.49 8.31 8.25 8.10 8.04 7.68 7.20 7.12 7.00 6.99
65 6.85 6.67 6.64 6.51 6.48 6.39 5.91 5.86 5.75 5.75
75 5.24 5.11 5.10 4.99 5.00 5.46 5.00 4.97 4.86 4.89
90 2.51 2.31 2.32 2.24 2.30 3.31 2.74 2.77 2.72 2.78

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