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調査の概要


 調査の目的
 本調査は、全国の医療施設を利用する患者について、受療の状況や受けた医療に対する満足度等を調査することにより、患者の医療に対する認識や行動を明らかにし、今後の医療行政の基礎資料を得ることを目的とした。

 調査の沿革
 医療に関する統計調査は、従来から患者の状況や医療施設の状況を医療施設面から把握してきたが、人口の高齢化、疾病構造の変化等の医療をめぐる状況が年々多様化してきていることを踏まえて、平成7年3月に有識者からなる「医療統計のあり方に関する検討会」において、医療の利用者側である患者側から情報を把握するための新規調査の導入が提言された。
 その後、平成7年6月「医療統計改善検討調査」として試験調査を行い、調査の信頼性、妥当性が確認されたことを踏まえ、平成8年3月の厚生統計協議会における「受療行動調査の実施計画」についての諮問答申に基づき、統計報告調整法(昭和27年法律第148号)に基づく承認統計調査として、平成8年10月に第1回目の調査を実施し、その後医療施設静態調査、患者調査と合わせ、3年周期で実施することとした。

 調査の対象及び客体
 全国の一般病院を利用する患者(外来・入院)を対象として、層化無作為抽出した一般病院(500施設)を利用する患者を調査の客体とした。
 ただし、往診、訪問診療等を受けている在宅患者は除いた。
 また、外来患者については、通常の外来診療時間内に来院した患者に限ることとした。

 調査の期日
 平成14年10月8日(火)〜10日(木)の3日間のうち医療施設ごとに指定した1日

 調査事項
 外来患者票
病院を選ぶ際の情報、複数の医療機関受診の状況、
待ち時間・診察時間、説明の状況、カルテ開示の状況、満足度等
 入院患者票
病院を選ぶ際の情報、説明の状況、カルテ開示の状況、
医師から言われた今後の入院期間、今後の療養、満足度等

 調査の方法
 患者への調査票の配布は、外来患者票、入院患者票ともに調査員が行った。
 記入は、原則として患者本人の記入方式としたが、記入できない場合については、家族が補助して記入した。
 回収は、患者により回収用封筒に密封された調査票を、外来については医療施設に設置された回収箱により、入院については調査員が回収した。なお、郵送回収も可とした。

 調査の系統
調査の系統の図

 集計及び結果の公表
 集計は厚生労働省大臣官房統計情報部において行った。
 本報告書の統計表については、基本集計及び関連集計に分けて掲載した。
 なお、基本集計及び関連集計については、「平成14年医療施設静態調査」による在院患者数、外来患者延数及び「平成14年患者調査」による入院患者、外来患者の年齢構成を用いて全国推計を行った。

 病院の表章区分は、以下のとおりとした。

特定機能病院
療養病床のみの病院(療養病床、療養型病床群及び老人病棟のみを有する病院)
小病院(特定機能病院、「療養病床のみの病院」を除いた一般病院で、病床数が20床〜99床の病院)
中病院(特定機能病院、「療養病床のみの病院」を除いた一般病院で、病床数が100床〜499床の病院)
大病院(特定機能病院、「療養病床のみの病院」を除いた一般病院で、病床数が500床以上の病院)

その他の表章については、「用語の解説」を参照。

 (1)基本集計
 基本集計(本調査の調査項目の単独集計)に用いた有効回答数の状況及び調査実施施設は次のとおりである。

調査票配布数、回収数、回収率、有効回答数
  調査票配布数
(A)
回収数
(B)
回収率(%)
(C)=(B)/(A)
基本集計
有効回答数
総数 154,100 118,118 76.7 115,907
外来 103,308 74,957 72.6 73,370
入院 50,792 43,231 85.1 42,537


調査実施施設数
病院の種類 施設数
総数 483
特定機能病院 30
療養病床のみの病院 167
小病院 175
中病院 83
大病院 28


 (2)関連集計
 平成14年に受療行動調査と平行して実施した患者調査と医療施設静態調査の2つの調査からデータ・リンケージできた患者を用いて、患者情報並びに施設情報の関連について集計を行った。

  (1)関連集計に用いた有効客体数は次のとおりである。
有効客体数
  関連集計
有効客体数
総数 39,227
外来 23,455
入院 15,772

  (2)データ・リンケージ項目に関する表章
 結果の概要では受療行動調査とデータ・リンケージした調査の調査名及び項目名を下記のように示した。

 
○○○○
←── リンケージした調査項目
└─── リンケージした調査名
(患:患者調査、医:医療施設調査)


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