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平成24年3月 月例労働経済報告

1 概況

  1. (1)一般経済の概況
     景気は、東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にあるなかで、緩やかに持ち直している。
    • 生産は、緩やかに持ち直している。輸出は、このところ弱含んでいる。
    • 企業収益は、減少している。設備投資は、このところ持ち直しの動きがみられる。
    • 企業の業況判断は、大企業製造業で低下しており、全体としても小幅改善となっている。先行きについても、全体として慎重な見方となっている。
    • 雇用情勢は、持ち直しの動きもみられるものの、東日本大震災の影響もあり依然として厳しい。
    • 個人消費は、底堅く推移している。
    • 物価の動向を総合してみると、緩やかなデフレ状況にある。
     先行きについては、各種の政策効果などを背景に、景気の持ち直し傾向が確かなものとなることが期待される。ただし、欧州政府債務危機の影響や原油価格の上昇、これらを背景とした海外景気の下振れ等によって、我が国の景気が下押しされるリスクが存在する。また、電力供給の制約や原子力災害の影響、さらには、デフレの影響、雇用情勢の悪化懸念が依然残っていることにも注意が必要である。
  2. (2)労働経済の概況
     労働経済面をみると、雇用情勢は、持ち直しの動きもみられるものの、東日本大震災の影響もあり依然として厳しい(第1図)。

     完全失業率は、1月は前月比0.1%ポイント上昇し、4.6%となった。また、15〜24歳層の完全失業率は、前月比0.6%ポイント上昇し、9.5%となった。労働力人口、就業者数は減少し、完全失業者数は増加した。雇用者数はこのところ横ばいで推移している。
     新規求人数が増加していることなどから有効求人倍率は上昇している。製造業の残業時間は、このところ持ち直しの動きがみられる。
     賃金をみると、定期給与、現金給与総額はは横ばい圏内で推移している。
     先行きについては、東日本大震災の影響や生産の動向に留意する必要がある。

2 一般経済

  1. (1)鉱工業生産・出荷・在庫の動きをみると、生産は、緩やかに持ち直している。
     2012年1月の鉱工業生産(季節調整済前月比、確報、以下同じ)は、1.9%上昇した(第2図)。
     業種別にみると、輸送機械工業、情報通信機械工業、鉄鋼業等が上昇し、電子部品・デバイス鉱業、精密機械工業、一般機械工業等が低下した。
     出荷は前月比0.9%の低下。在庫は前月比3.0%の上昇であった。
     生産の先行きについては、緩やかな持ち直し傾向が続くものと期待されるが、海外景気の下振れリスクや電力供給制約等に留意する必要がある。
     なお、製造工業生産予測調査においては、2月は前月比1.7%の上昇、3月も同1.7%の上昇が見込まれている。
  2. (2)最終需要の動向をみると、
    1. (1)個人消費は、底堅く推移している。
       二人以上の世帯の実質消費支出(季節調整済前月比、速報、以下同じ)は、12月0.1%減の後、1月0.1%減となった。うち勤労者世帯では、12月0.8%減から、1月0.2%増となった。勤労者世帯の平均消費性向(季節調整値)は12月74.5%の後、1月73.7%となった(第3図)。
       消費者態度指数(季節調整済前月差)の推移をみると、1月は1.1ポイント上昇し、40.0となった。
       1月の小売業販売額(季節調整済前月比、確報、以下同じ)は、3.1%増、大型小売店販売額は0.3%増となった。また、国内新車(乗用車のみ)登録・届出台数(原数値前年同月比)は、1月38.4%増の後、2月31.7%増となった。
       先行きについては、政策効果もあって、引き続き底堅く推移すると見込まれる。ただし、雇用・所得環境や電力供給の制約には留意が必要である。
    2. (2)設備投資は、このところ持ち直しの動きがみられる。
       財務省「法人企業統計季報」によると、全産業の設備投資は、2011年7〜9月期に季節調整済前期比0.9%低下した後、10〜12月期同11.9%上昇(うち製造業同4.2%上昇、非製造業同16.5%上昇)となっている(第4表)。また、資本財出荷指数(除く輸送機械)をみると、2012年1月は季節調整済前月比3.7%低下した。
       今後の動向については、日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(12月調査)では、全規模の2011年度の設備投資計画(前年度比)は、全産業では0.0%の横ばい、製造業では8.6%上昇、非製造業は4.5%低下となっている。また、機械受注(船舶・電力を除く民需)は、2011年12月に季節調整済前月比7.1%低下した後、2012年1月は同3.4%上昇した。国土交通省「建築着工統計」による非居住用建築物(民間)の工事予定額をみると、2011年12月は季節調整済前月比0.2%上昇の後、2012年1月は同14.2%上昇した。
       先行きについては、東日本大震災からの復旧・復興需要が引き続き見込まれることから、持ち直し傾向が続くことが期待される。
    3. (3)住宅建設は、このところ横ばいとなっている。
       新設住宅着工戸数をみると、2011年12月は季節調整済前月比5.0%低下したが、2012年1月月は同5.0%上昇し、年率82.2万戸となった(第5図)。
       着工床面積は、2011年12月は季節調整済前月比4.5%の低下、2012年1月は同3.0%の上昇となった。
       先行きについては、底堅い動きとなることが期待される。ただし、雇用・所得環境に加え、建設労働者の需給状況に注視が必要である。
    4. (4)公共投資は、堅調に推移している。
       公共機関からの建設工事受注額は、2011年12月は前年同月比21.8%の上昇、2012年1月は同27.2%の上昇となった。また、公共工事請負金額(「公共工事前払金保証統計」)をみると、1月は8.5%の上昇、2月は16.8%の上昇となった。
       先行きについては、補正予算による押し上げ効果が引き続き見込まれる。
    5. (5)輸出は、このところ弱含んでいる。
       通関輸出(数量ベース、季節調整済前期比)は、2011年12月に1.6%上昇、2012年1月に2.3%低下し、四半期別では、2011年7〜9月期に7.2%上昇の後、10〜12月期は4.5%低下した(第6図)。
       地域別にみると、アジア向けの輸出は、このところ弱含んでいる。なお、タイ向けの輸出は持ち直している。アメリカ向けの輸出は、緩やかに増加している。EU向けの輸出は、下げ止まりつつある。先行きについては、アメリカ経済の回復等による下支えが期待されるが、海外景気の下振れリスク等に留意する必要がある。
      輸入は、このところ増勢が鈍化している。
       通関輸入(数量ベース、季節調整済前期比)は、2011年12月に0.3%の低下、2012年1月は1.3%の上昇となったが、四半期別では、2011年7〜9月期は0.7%上昇、10〜12月期も2.0%の上昇となった(第6図)。
       地域別にみると、アジアからの輸入は、緩やかに増加している。アメリカからの輸入は、横ばいとなっている。EUからの輸入は、弱含んでいる。先行きについては、緩やかに増加することが見込まれる。
  3. (3)国内企業物価は、このところ横ばいとなっている。消費者物価は、緩やかに下落している。
     1月の国内企業物価(確報)は、前月比0.1%下落(前年同月比0.5%上昇)となり、輸出物価は同0.5%下落(同5.0%下落)、輸入物価は同1.7%下落(同2.1%上昇)となった。
     1月の消費者物価は、生鮮食品、石油製品及びその他特殊要因を除く総合(コアコア)では前年同月比0.7%下落(季節調整済前月比横ばい)となった。総合が 同0.1%上昇(同0.3%上昇)となり、生鮮食品を除く総合は同0.1%下落(同0.1上昇)となった(第7図)。
     先行きについては、消費者物価(コアコア)は、当面、緩やかな下落傾向で推移すると見込まれる。
     なお、消費者物価は下落基調が続いているなど、物価の動向を総合してみると、持続的な物価下落という意味において、緩やかなデフレ状況にある。
  4. (4)企業収益は、減少している。企業の業況判断は、大企業製造業で低下しており、全体としても小幅改善となっている。先行きについても、全体として慎重な見方となっている。倒産件数は、おおむね横ばいとなっている。
     財務省「法人企業統計季報」によると、全産業の経常利益は、四半期別前年同期比で、2011年7〜9月期8.5%の低下、10〜12月期10.3%の低下(製造業21.5%低下、非製造業4.3%低下)、季節調整済前期比で2011年7〜9月期5.3%の上昇、10〜12月期は2.1%の低下(製造業9.4%低下、非製造業1.2%上昇)となった(第8表)。
     また、日本銀行「全国企業短観経済観測調査」(12月調査)によれば、企業の全規模の2011年度の経常利益計画(前年度比)は、2011年度(計画)通期では全産業4.8%の減益、製造業5.2%の減益、非製造業4.6%の減益となっている。なお、2011年度上期では、全産業5.8%の減益、製造業8.7%の減益、非製造業3.8%の減益の後、下期(計画)でも全産業3.8%の減益、製造業1.3%の減益、非製造業5.3%の減益が見込まれている。
     企業の業況判断D.I.(「良い」−「悪い」)について日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(12月調査)をみると、規模計で、全産業▲7ポイント(2ポイント上昇)、製造業▲5ポイント(横ばい)、非製造業▲7ポイント(5ポイント上昇)となっており、製造業で横ばい、全産業、非製造業で改善している(負の数には▲を付した。)(第9表)。
     倒産件数(東京商工リサーチ調べ)は、2012年2月は1,038件で、前年同月比5.1%の上昇となった。
  5. (5)2011年10〜12月期の実質国内総生産(GDP)成長率は、季節調整済前期比0.2%減(年率0.7%減)となった。内外需別にみると、国内需要の寄与度は0.5%増、財貨・サービスの純輸出の寄与度は0.6%減となった。また、名目GDPの成長率は季節調整済前期比0.5%減(年率1.8%減)となった(第10図)。

3 雇用・失業

  1. (1)[1] 1月の就業者数(季節調整値)は、6,259万人となった。

     就業者数(季節調整値)は、1月は前月差35万人減の6,259万人(原数値は6,211万人、前年同月差48万人減)となった。男女別には、男性が3,624万人(前月差10万人減)、女性が2,635万人(同25万人減)となった(第11表)。
     1月の雇用者数(季節調整値)は、5,507万人となった。
     雇用者数(季節調整値)は1月は前月差18万人減の5,507万人(原数値は5,492万人、前年同月差28万人減)となった(第12図)。男女別には、男性が3,165万人(前月差1万人減)、女性が2,342万人(前月差17万人減)となった。雇用形態別(原数値)にみると、常雇が4,711万人(前年同月差5万人増)、臨時雇・日雇が781万人(同8万人増)となった。
     1月の常用雇用指数(事業所規模5人以上、季節調整済指数、速報)は、前月比0.1%増となった。また、一般とパートの別にみると、一般労働者は同0.5%増、パートタイム労働者は同0.9%減となった。

  2. [2]1月の完全失業率(季節調整値)は、4.6%となった。
     完全失業率(季節調整値)は1月は前月差0.1%ポイント上昇の4.6%(原数値は4.5%、前年同月差0.3%ポイント低下)となった。男女別には、男性が4.9%(前月と同水準)、女性が4.4%(前年同月差0.4%ポイント増)となった。
     1月の完全失業者数(季節調整値)は、305万人となった。
      完全失業者数(季節調整値)は、1月は前月差9万人増の305万人(原数値は291万人、前年同月差19万人減)となった。男女別には、男性が186万人(前月差1万人減)、女性が120万人(同10万人増)となった。
     なお、求職理由別(原数値)にみると、1月は非自発的理由による離職失業者は103万人(前年同月差14万人減)、自発的理由による離職失業者は101万人(同5万人減)、学卒未就職者は11万人(同2万人減)、その他の理由による失業者は71万人(同2万人増)となった(第11表)。
  3. [3]1月の労働力人口(季節調整値)は、6,565万人となった。
    労働力人口(季節調整値)は1月は前月差27万人減の6,565万人(原数値は6,502万人、前年同月差67万人減)となった。
     1月の非労働力人口(季節調整値)は、4,537万人となった。
     非労働力人口(季節調整値)は、1月は前月差26万人増の4,537万人(原数値は4,601万人、前年同月差58万人増)となった。男女別には、男性が1,549万人(前月差12万人増)、女性が2,988万人(同14万人増)となった。
     労働力人口比率(原数値)は、1月は58.6%(前年同月差0.4%ポイント低下)となった。男女別には、男性が70.6%(前年同月比0.4%ポイント低下)、女性が47.3%(同0.5%ポイント低下)となった(第11表)。
     就業率(15歳以上人口に占める就業者の割合、原数値)は、1月は55.9%(前年同月差0.3%ポイント低下)となった。
  4. (2)月間有効求人数(季節調整値)は、前月比1.0%増と10か月連続で増加した。
     月間有効求職者数(季節調整値)は、前月比1.7%減と7か月連続で減少した。
     1月の有効求人倍率(季節調整値)は、0.73倍と前月より0.02ポイント上昇した。
     新規求人数(季節調整値)は、前月比1.2%増と4か月連続で増加した。
     新規求職者数(季節調整値)は、前月比0.1%増と5か月ぶりに増加した。
     1月の新規求人倍率(季節調整値)は、1.20倍と前月より0.02ポイント上昇した(第13表)。
     正社員の有効求人倍率は、0.48倍(前年同月差0.08ポイント上昇)となった。
     新規求人数(季節調整値)を一般(除パート)とパートの別でみると、1月は一般は前月比0.6%減と2か月連続で減少し、パートについては同0.4%増と9か月連続で増加した。新規求職者数(季節調整値)は、一般は前月比0.5%増と5か月ぶりに増加し、パートについては同1.5%減と3か月連続で減少した。
  5. (3)産業別にみると、1月の就業者数(原数値)は、医療・福祉は前年同月差37万人増、情報通信業は同10万人増、学術研究,専門・技術サービス業は同3万人増、教育,学習支援業は同2万人増と増加したのに対し、卸売業,小売業は同27万人減、建設業は同21万人減、その他サービス業は12万人減、製造業は11万人減、運輸業,郵便業は同11万人減、宿泊業,飲食サービス業は同9万人減、生活関連サービス業,娯楽業は同9万人減であった。
     また、1月の新規求人(原数値)は、建設業は前年同月比27.5%増、生活関連サービス業,娯楽業は同15.9%増、その他サービス業は同15.6%増、卸売業,小売業は同13.6%増、宿泊業,飲食サービス業は同12.7%増、医療,福祉は同10.7%増、運輸業,郵便業は同10.5%増、情報通信業は同8.6%増、製造業は同7.9%増、学術研究、専門・サービス業は同6.8%増、教育,学習支援業は同2.3%増と全ての主要産業で増加した。
  6. (4)雇用に先行して動くと考えられる指標についてみると、所定外労働時間(事業所規模5人以上、季節調整済指数、速報)は、製造業では12月に前月比 5.7%増となった後、1月は同2.3%増、調査産業計では12月に前月比2.3%増となった後、1月は同0.5%増となった。
     日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(12月調査)によると、雇用人員判断D.I.(「過剰」-「不足」)は、全産業では2%ポイント(9月調査より1%ポイント低下)となり、13四半期連続で過剰超過となった(第14図)。
     厚生労働省「労働経済動向調査」によると、2011年10〜12月期に雇用調整を実施した事業所割合は33%となり7〜9月期と同水準であった(第15図)。また、1〜3月期に実施予定の事業所割合は32%、4〜6月期に実施予定の事業所割合は29%となっている。

4 賃金・労働時間

  1. (1)1月の現金給与総額(事業所規模5人以上、産業計、速報、以下同じ)は273,318円で、前年同月比横ばいとなった。就業形態別にみると、一般労働者は前年同月比横ばい、パートタイム労働者は同0.9%増となった。
     内訳をみると、所定内給与は前年同月比0.3%増(一般労働者同0.2%増、パートタイム労働者同0.8%増)となったほか、所定外給与は同1.2%増、特別給与は同5.3%減となった(第16図)。
     また、きまって支給する給与は前年同月比0.3%増(一般労働者同0.3%増、パートタイム労働者同0.9%増)となった。
  2. (2)1月の総実労働時間(事業所規模5人以上、産業計、速報、以下同じ)は136.6時間で、前年同月比0.1%増となった。就業形態別にみると、一般労働者は前年同月比横ばい、パートタイム労働者は同0.1%減となった。
     内訳をみると、所定内労働時間は126.7時間で前年同月比横ばい(一般労働者同横ばい、パートタイム労働者同0.3%減)、所定外労働時間は9.9時間で同1.0%増(一般労働者同横ばい、パートタイム労働者同7.6%増)となった。なお、月間出勤日数は17.7日で前年同月差0.1日減となった。
      1月の製造業の所定外労働時間は13.3時間で、前年同月比1.5%増となった。
     規模別にみると、500人以上規模で前年同月比横ばい、100〜499人規模で同3.3%減、30〜99人規模で同4.8%増、5〜29人規模で同8.2%増となった(第17図)。

3月の主要変更点

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