2009年９月の鉱工業生産（季節調整済前月比、確報、以下同じ）は、2.1％増と7か月連続で上昇した（第２図）。

業種別にみると、2009年９月は輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、電気機械工業等が上昇し、その他工業が低下した。

出荷は前月比4.2％増と上昇した。在庫は前月比0.4％減と低下した。

今後の動向については、製造工業生産予測調査によると、製造工業生産は10月3.1％増の後、11月は1.9％増となっている。

先行きについては、輸出の増加傾向などから、当面、持ち直しが続くことが期待される。

二人以上の世帯の実質消費支出（季節調整済前月比、速報、以下同じ）は、８月1.9％増の後、９月0.1％ 増となった。うち勤労者世帯では、８月0.4％減から、９月0.4％増となった。勤労者世帯の平均消費性向（季節調整値）は８月73.5％の後、９月74.0％となった（第３図）。

消費者態度指数の推移をみると、2009年７〜９月期（季節調整済前期差）は2.6ポイント上昇し、40.2となった。なお、１０月（原数値前年同月差）は11.1ポイント上昇し、40.5となった。

９月の小売業販売額（季節調整済前月比、速報、以下同じ）は、0.9％増、大型小売店販売額は0.6％増となった。また、乗用車（軽を含む）の新車登録台数（原数値前年同月比）は、９月4.2％増の後、１０月7.8％増となった。

先行きについては、消費者マインドが持ち直している中で、経済対策の効果が引き続き見込まれるものの、雇用・所得環境が厳しいことや新型インフルエンザの流行による影響を注視する必要がある。

財務省「法人企業統計季報」によると、全産業の設備投資は、2009年１〜３月期季節調整済前期比7.4％減の後、2009年４〜６月期同4.5％減(うち製造業同13.4％減、非製造業同1.4％増）となっており、全産業、製造業で減少、非製造業で増加している。

今後の動向については、日本銀行「全国企業短期経済観測調査」（9月調査）をみると、全規模の2009年度の設備投資計画（前年度比）は、全産業で17.3％減、製造業は28.8％減、非製造業は11.0％減となっている（第４表）。また、機械受注（船舶・電力を除く民需）は、季節調整済前月比で2009年８月は0.5％増の後、９月は10.5％増となっている。国土交通省「建築着工統計」による非居住用建築物（民間）の工事予定額をみると、2009年８月は季節調整済前月比20.5％減の後、９月は同9.9％減となっている。

先行きについては、厳しい企業収益の状況、世界景気の先行き不透明感などを背景に、当面、低調に推移する可能性が高い。

新設住宅着工戸数をみると、2009年８月は季節調整済前月比9.3％減、９月は同3.3％増の5.8万戸（年率69.9万戸）と６か月ぶりに増加した（第５図）。

新設住宅着工床面積は、2009年８月は季節調整済前月比6.8％減の後、９月は同5.4％増となった。

先行きについては、経済対策の効果が期待されるものの、雇用・所得環境が厳しいことなどから、当面、弱い動きが続くと見込まれる。

公共機関からの建設工事受注額は、前年同月比で、2009年８月は0.2％増の後、９月は26.7％増となった。また、公共工事請負金額（「公共工事前払金保証統計」）をみると、2009年９月は前年同月比22.1％増の後、１０月は8.3％増となっている。

先行きについては、予算や事業の見直しに伴う影響等を見極める必要がある。

通関輸出（数量ベース、季節調整済前期比）は、月別で2009年８月は6.1％増の後 、 ９月は0.3％減となっており、四半期別では、2009年４〜６月期10.8％増の後、2009年７〜９月期10.5％増となった（第６図）。

地域別には、アジア向けの輸出は、大幅に増加している。アメリカ向け、ＥＵ向けの輸出は、ともに持ち直しの動きがみられる。先行きについては、世界的な在庫調整の進展やアジアを中心として景気持ち直しの動きが広がっていることなどから、当面、増加傾向が続くとみられる。

輸入は、持ち直している。

通関輸入（数量ベース、季節調整済前期比）は、月別で2009年８月は0.4％減の後、 ９月は7.3％増となっており、四半期別では、2009年４〜６月期1.5％減の後、2009年７〜９月期9.8％増となった（第６図）。

地域別には、アジアからの輸入は、増加している。アメリカ、ＥＵからの輸入は、ともに持ち直しの動きがみられる。

１０月の国内企業物価（速報）は、前月比0.7％下落（前年同月比6.7％下落）となり、輸出物価は同0.9％下落（同7.7％下落）、輸入物価は同1.0％下落（同23.4％下落）となった。

９月の消費者物価は、総合が前年同月比2.2％下落（前月比横ばい）となり、生鮮食品を除く総合は同2.3%下落（同0.1％上昇）となった（第７図）。

先行きについては、消費者物価（コアコア）は、引き続き緩やかな下落傾向で推移すると見込まれる。

こうした動向を総合してみると、持続的な物価下落という意味において、緩やかなデフレ状況にある。

財務省「法人企業統計季報」によると、全産業の経常利益は、四半期別前年同期比で、2009年１〜３月期69.0％減の後、2009年４〜６月期53.0％減（製造業89.2％、非製造業26.4％減）、季節調整値で2009年１〜３月期26.2％減の後、2009年４〜６月期13.8％増（製造業については、前期の季節調整値が負数のため算出できない。非製造業7.9％増）となった。

また、日本銀行「全国企業短観経済観測調査」（9月調査）によれば、企業の全規模の2009年度の経常利益計画（前年度比）は、2009年度通期では全産業19.3％の減益、 製造業39.1％の減益、非製造業9.8％の減益となっている。なお、2009年度上期では、全産業63.5％の減益、製造業93.6％の減益、非製造業36.9％の減益の後、下期では全産業2.1倍の増益、製造業は利益、非製造業28.4％の増益が見込まれている（第８表）。

企業の業況判断D.I.（「良い」−「悪い」）について日本銀行「全国企業短期経済観測調査」（９月調査）をみると、規模計で、全産業 ▲38ポイント（７ポイント改善）、製造業 ▲43ポイント（12ポイント改善）、非製造業▲33ポイント（６ポイント改善）となっており、全産業、製造業、非製造業で改善となっている（負の数には▲を付した。）（第９表）。

倒産件数（東京商工リサーチ調べ）は、2009年10月1,261件で、前年同月比11.7％減となった。

就業者数（季節調整値）は、８月に前月差29万人増となった後、９月は同４万人増と増加し、6,264万人（原数値は6,295万人、前年同月差98万人減）となった。男女別には、男性が3,616万人（前月差１万人減）、女性が2,648万人（同６万人増）となった（第11表）。

９月の雇用者数（季節調整値）は、３ヶ月連続で前月差で増加した。

雇用者数（季節調整値）は、８月に前月差22万人増となった後、９月は同７万人増と増加し、5,466万人（原数値は5,470万人、前年同月差59万人減）となった（第13図）。男女別には、男性が3,129万人（前月差７万人減）、女性が2,338万人（同15万人増）となった。雇用形態別（原数値）にみると、常雇が4,709万人（前年同月差40万人減）、臨時雇・日雇が762万人（同18万人減）となった。

９月の常用雇用指数（事業所規模５人以上、季節調整済値、確報）は、前月より0.1％増加した。また、一般とパートの別にみると、一般労働者は前月比0.2％増、パートタイム労働者は同0.6％増となった。

完全失業率（季節調整値）は、８月に前月差0.2ポイント低下の5.5％となった後、９月は前月差0.2ポイント低下の5.3％（原数値は5.5％、前年同月差1.4ポイント上昇）となった。男女別には、男性が5.6％（前月差0.2ポイント低下）、女性が4.9％（同0.1ポイント低下）となった。

９月の完全失業者数（季節調整値）は、２ヶ月連続で前月差で減少した。

完全失業者数（季節調整値）は、８月に前月差14万人 減となった後、９月は同10万人減の352万人（原数値は363万人、前年同月差92万人増）となった。男女別には、男性が215万人（前月差９万人減）、女性が138万人（前月と同水準）となった。

なお、求職理由別（原数値）にみると、 ９月は非自発的理由による離職失業者は153万人（前年同月差68万人増）、自発的理由による離職失業者は114万人（同６万人増）、学卒未就職者は15万人（同４万人増）、その他の理由による失業者は77万人（同15万人増）となった（第11表）。

　労働力人口（季節調整値）は、８月に前月差21万人増となった後、９月は同２万人減の6,619万人（原数値は6,658万人、前年同月差５万人減）となった。

９月の非労働力人口（季節調整値）は、前月と同水準であった。

非労働力人口（季節調整値）は、８月に前月差22万人減となった後、９月は前月と同水準の4,429万人（原数値は4,392万人、前年同月差６万人増）となった。男女別には、男性が1,510万人（前月差９万人増）、女性が2,919万人（同９万人減）となった。

労働力人口比率（原数値）は、 ９月は60.2％（前年同月差0.1ポイント低下）となった。男女別には、男性が72.0％（同0.8ポイント低下）、女性が49.2％（同0.6ポイント上昇）となった（第11表）。

就業率（15歳以上人口に占める就業者の割合、原数値）は、９月は57.0％（前年同月差0.8ポイント低下）となった。

月間有効求職者数（季節調整値）は、前月比1.6％減と17ヶ月ぶりに減少した。

９月の有効求人倍率(季節調整値)は、0.43倍と前月より0.01ポイント上昇した。

新規求人数（季節調整値）は、前月比3.6％増であった。

新規求職者数（季節調整値）は、前月比0.2％減と２ヶ月ぶりに減少した。

９月の新規求人倍率（季節調整値）は、0.79倍と前月より0.03ポイント上昇した（第12表）。

正社員の有効求人倍率は、0.26倍（前年同月差0.28ポイント低下）となった。

新規求人（季節調整値）を一般（除パート）とパートの別でみると、９月は一般は前月比 4.2％増と２ヶ月ぶりに増加し、パートについては同2.8％増と２ヶ月ぶりに増加した。新規求職者数（季節調整値）は、一般は前月比0.1％増と３ヶ月ぶりに増加し、パートについては同2.4％減と２ヶ月ぶりに減少した。