1 概況
(1) | 一般経済の概況 景気は、おおむね横ばいとなっているが、引き続き不透明感がみられる。
先行きについては、アメリカ経済等の回復が持続すれば、景気は持ち直しに向かうことが期待される。一方、イラク問題の動向やアメリカ経済の先行き等を巡る不透明感により、我が国の最終需要が引き続き下押しされる懸念が存在している。 |
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(2) | 労働経済の概況 労働経済面をみると、雇用情勢は、依然として厳しい。求人が増加傾向にあるものの、完全失業率が高水準で推移し(第1図)、賃金も弱い動きが続いている。
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2 一般経済
(1) | 鉱工業生産・出荷・在庫の動きをみると、生産は、弱含んでいる。 2月の鉱工業生産(季節調整済前月比、速報、以下同じ)は、1.7%減と2か月ぶりの減少となった。輸出の増加が緩やかなものにとどまっており、また最終需要の先行きが不透明であることなどを背景に企業が在庫積み増しに慎重であることなどから、基調として弱含んでいる(第2図)。 業種別にみると輸送機械、電気機械、一般機械等が低下した。出荷は0.8%減と2か月ぶりに減少し、在庫は2.3%減と3か月ぶりに減少した。 今後の動向については、製造工業生産予測調査によると、製造工業生産は3月 2.8%増の後、4月は同0.2%増となっている。 |
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(2) | 最終需要の動向をみると、
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(3) | 国内企業物価、消費者物価は、これまでの原油価格上昇の影響等により、ともに横ばいとなっている。 3月の国内企業物価は、前月比0.1%上昇(前年同月比0.7%下落)となり、輸出物価は同0.4%下落(同6.1%下落)、輸入物価は同0.4%上昇(同1.8%上昇)となった。 2月の消費者物価は、総合が前年同月比0.2%下落(前月比0.3%下落)、生鮮食品を除く総合が同0.7%下落(同0.1%下落)となった(第7図)。 |
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(4) | 企業収益は、改善している。また、企業の業況判断は、緩やかながら、引き続き改善がみられる。倒産件数は、おおむね横ばいで推移している。 財務省「法人企業統計季報」によると、全産業の経常利益は、季節調整値で7〜9月5.6%増の後、10〜12月4.7%増(製造業17.2%増、非製造業3.1%減)と増加が続くなど、企業収益は改善している。 なお、前出の「企業短期経済観測調査」によれば、企業の15年度上期の経常利益計画(前年同期比)は、製造業17.9%の増益、非製造業8.4%の増益と大幅な増益が見込まれている(第8表)。 企業の業況判断D.I.(「良い」−「悪い」)をみると、中小企業製造業を中心に緩やかながら引き続き改善がみられる一方、大企業製造業では改善に足踏みがみられる(第9表)。 倒産件数(東京商工リサーチ調べ)は、2月1,454件(前年同期比13.1%減)となっている。ここ4か月、1,400件台で推移しているなど、おおむね横ばいの動きとなっている。 |
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(5) | 平成14年10〜12月期の実質国内総生産(GDP)成長率は、季節調整済前期比0.5%増(年率2.2%増)となった。内外需別にみると、国内需要の寄与度は0.2%、財貨・サービスの純輸出の寄与度は0.3%となった。また、名目GDPの成長率は季節調整済前期比0.1%減となった。なお、平成14年の実質GDP成長率は、0.3%増となった(第10図)。 |
3 雇用・失業
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(2) | 有効求人(季節調整値)は、2月は前月比0.7%増と6か月連続で増加し、有効求職者数(季節調整値)は同0.4%増と7か月ぶりに増加した。有効求人倍率(季節調整値)は、引き続き緩やかに上昇しており、2月は0.61倍と前月を0.01ポイント上回った。 新規求人(季節調整値)は、引き続き増加傾向にある。新規求人(季節調整値)は1月前月比1.2%増の後、2月は同1.1%減と3か月ぶりに減少した。新規求職者数(季節調整値)は1月前月比0.5%増の後、2月は2.6%増と2か月連続で増加した。新規求人倍率(季節調整値)は、2月は0.99倍と前月より0.03ポイント低下した(第12表)。 新規求人(季節調整値)を一般(除パート)、パートの別でみると、2月は、一般は前月比2.0%減と3か月ぶりに減少し、パートは同0.6%増と2か月ぶりに増加した。新規求職(季節調整値)は、一般は前月比2.3%増と2か月連続で増加し、パートは同3.6%増と2か月ぶりに増加した 常用新規求職者数(除パート、原数値)のうち事業主都合離職者は、1月は前年同月比15.9%減と5か月連続で減少した。 |
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(3) | 産業別にみると、2月の就業者数(原数値)は、製造業は前年同月差14万人減、卸売・小売業は同11万人減、飲食店,宿泊業は16万人減、サービス業は同32万人減と減少したのに対し、建設業は同13万人増、運輸業は同20万人増、医療,福祉は同17万人増となっている。 2月の新規求人(原数値)は、建設業は前年同月比1.2%減と減少したのに対し、製造業が同16.8%増、運輸・通信業は同17.2%増、卸売・小売業,飲食店は同6.4%増、サービス業は同13.4%増となっている。 |
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(4) | 雇用の先行指標と考えられる製造業の所定外労働時間(季節調整値)は、緩やかな増加傾向が続いている。所定外労働時間(事業所規模5人以上、季節調整済指数)は、製造業では、1月(確報値)前月比1.9%増の後、2月(速報値)同1.1%減となり、調査産業計では、1月前月比2.4%増の後、2月同0.6%減となった。 日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(3月調査)によると、雇用人員判断DI (「過剰」-「不足」)は、若干低下したものの、依然として高い水準にある(第13図)。 厚生労働省「労働経済動向調査」によると、2002年10〜12月期に雇用調整を実施した事業所割合は23%、2003年1〜3月期に実施予定の事業所割合は24%、2003年4〜6月期に実施予定の事業所割合は22%と引き続き低下が見込まれている(第14図)。 内閣府「景気ウォッチャー調査」による3月の2〜3か月先の景気の先行き判断DI・雇用関連は41.0で前月を2.0ポイント下回り、3か月ぶりに低下した。 |
4 賃金・労働時間
(1) | 2月の現金給与総額(産業計、速報、以下同じ)は281,218円で、前年同月比0.1%増となった。就業形態別にみると、一般労働者は前年同月比0.5%増、パートタイム労働者は同0.1%減となった。 内訳をみると、所定内給与は前年同月比0.2%減(一般労働者同0.1%増、パートタイム労働者同0.2%減)となったほか、所定外給与は同6.6%増、特別給与は同10.6%減となり、実質賃金は同0.5%増となった(第15図)。なお、平成14年冬季賞与は、前年比5.0%減(前年同3.7%減)となった。 |
(2) | 2月の総実労働時間(産業計、速報、以下同じ)は150.9時間で、前年同月比0.1%減となった。就業形態別にみると、一般労働者は前年同月比0.2%増、パートタイム労働者は同0.2%増となった。 内訳をみると、所定内労働時間は141.0時間で前年同月比0.6%減(一般労働者同0.5%減、パートタイム労働者同横ばい)、所定外労働時間は9.9時間で同6.5%増となった。なお、月間出勤日数は19.6日と前年同月差0.1日減となった。 2月の製造業の所定外労働時間(速報)は14.8時間で、前年同月比16.5%増となった。規模別にみると、500人以上規模で前年同月比17.2%増、100〜499人規模で18.6%増、30〜99人規模で同20.2%増、5〜29人規模で同12.3%増となった(第16図)。 |
(注) | 日本標準産業分類の改訂に伴い、総務省統計局「労働力調査」に係る表記は、平成15年1月結果の公表以降、新産業分類で表記し、平成14年以前の対前年同月増減については、改訂による影響のない又は小さい産業について表章している。 なお、3月月例労働経済報告に掲載されている資料出所において「労働力調査」以外の資料出所においては、旧産業分類に基づいて表記されている。 |
月例労働経済報告参考表
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