景気は、家計部門の改善が遅れるなど、厳しい状況をなお脱していないが、企業部門を中心に自律的回復に向けた動きが継続し、全体としては、緩やかな改善が続いている。
需要面をみると、個人消費は、収入がやや回復してきたものの、おおむね横ばいの状態が続いている。住宅建設は、持家及び貸家の着工が増加したため、直近ではやや水準を戻している。設備投資は、製造業を中心に増加している。公共投資は、総じて低調に推移しているが、工事の受注にはこのところ前年を上回る動きがみられる。
生産は、増加のテンポが緩やかになっている。雇用情勢は、完全失業率が高水準で推移するなど、依然として厳しいものの、残業時間や求人が増加傾向にあるなど改善の動きが続いている。
企業収益は、大幅な改善が続いている。また、企業の業況判断は、全体としては改善のテンポが緩やかになってきており、先行きに慎重な見方もみられる。一方、倒産件数は、やや高い水準となっている。 |
景気の改善は、そのテンポがより緩やかになっている。
- アメリカ経済の減速から輸出が弱含み、それに伴い生産の増加テンポも緩やかになっている。
- 個人消費はおおむね横ばいであり、失業率は高水準で推移するなど、景気は厳しい状況をなお脱していない。
- 企業収益や設備投資は増加しており、自律的回復に向けた動きは続いている。
先行きについては、アメリカ経済の減速など、懸念すべき点がみられる。
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