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毎月勤労統計調査全国調査で作成している指数等の解説(平成27年1月分抽出替え)

1 指数の作成

 毎月勤労統計調査では、雇用、賃金及び労働時間の各調査結果の時系列比較を目的として、基準年の平均(以下「基準数値」という。)を100とする指数を作成している。

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2 指数の算式

 各月の指数は、実質賃金指数を除き次の算式によって作成している。

数式

 指数と各月の調査結果の実数との対応は次のとおりである。

指数の種類

各月の調査結果の実数

常用雇用指数

現金給与総額指数

きまって支給する給与指数

所定内給与指数

総実労働時間指数

所定内労働時間指数

所定外労働時間指数

各月の本月末常用労働者数

各月の1人平均現金給与総額

  〃    きまって支給する給与額

  〃    所定内給与額

  〃    総実労働時間数

  〃    所定内労働時間数

  〃    所定外労働時間数

 実質賃金指数の算式
 賃金の購買力を示す指標として、実質賃金指数を次の算式によって作成している。

数式

 上記の算式により作成された指数に基づいて、前年同月比等の増減率を計算している。

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3 指数の年平均等

 指数の年平均、年度平均、半期平均及び四半期平均(以下「年平均等」という。)は、全て、各月の指数の単純平均により算出している。
 なお、実質賃金指数の年平均等は、名目賃金指数及び消費者物価指数のそれぞれについて、年平均等をとったものの比率で算出する。

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4 指数の基準時

 現在の指数の基準時は、平成22年(2010年)である。

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5 指数の改訂

 これらの指数は、(1)基準年の変更に伴う改訂(以下「基準時更新」という。)、(2)30人以上規模事業所(以下「第一種事業所」という。)の抽出替えに伴う改訂及び(3)常用労働者数のベンチマーク更新という3つの事由で過去に遡って改訂する。

  1. (1)基準時更新
     基準時更新とは、指数の基準年を西暦年の末尾が0又は5の付く年に変更する改訂のことをいい、5年ごとに行うものである(指数の基準時に関する統計基準(平成22年3月31日総務省告示第112号)に基づく)。
     この基準時更新では、各指数を全期間にわたって改訂するが、増減率は改訂しない。
  2. (2)第一種事業所の抽出替えに伴う改訂(ギャップ修正)
     経済センサスの実施周期に合わせて、第一種事業所の抽出替え(調査対象事業所の入れ替え)を行っている。その際に、新旧の調査対象事業所が入れ替わったことにより、単位集計区分内の集計値(注)にギャップが生じるため、新・旧の期間をまたぐ統計の接続性を確保するために、それを技術的に補正している。この補正のことを「ギャップ修正」と呼んでいる。

    (注)リンク・リラティブ方式で集計している労働者数を除く。

     ギャップ修正の基本的な考え方は、以下のとおりである。
    1. [1]第一種事業所の抽出替え(新母集団枠に基づくもの)実施月の新サンプルによる調査結果は、最新の事業所情報を反映した水準と考えられる。
    2. [2]一方、旧サンプルの調査結果についても、それぞれの調査時点での事業所情報を反映した水準であると考えられる。
    3. [3]調査対象が入れ替わったことによる新・旧結果の「ずれ」について、新・旧の期間をまたぐ分析を行う際には、抽出替えを行った月に急激な変化が生じたと考えることは、不適切であると考えられるため、旧サンプルの結果が新サンプルの結果になめらかに接続するよう、旧サンプルの調査開始時点に遡って段階的に調整する。

 賃金・労働時間指数を例に取れば、第一種事業所の抽出替え実施月に旧サンプルと新サンプルとの調査を行い、新サンプルによる調査結果を最新の事業所情報が反映された水準と考え、この水準と現行の指数の水準との間に生じるギャップについて、過去に遡って技術的に補正している。
 なお、指数を作成していない所定外給与、特別に支払われた給与及び夏季・年末賞与についても、このギャップの補正計算と同様な計算を行い、増減率のみ改訂する。
 ただし、毎月の絶対的な水準を表す実数値については、改訂を行っていない。そのため、公表されている増減率と実数から計算した増減率は必ずしも一致しないので、時系列比較をする際には注意を要する。また、パートタイム労働者比率及び入・離職率はギャップ修正を行わない。

  1. (3)常用労働者数のベンチマークの更新(常用雇用指数のギャップ修正)
     単位集計区分毎に前月のベンチマーク(注1)に対して、標本事業所における前月から当月への変動を反映し、当月の値を算出するリンク・リラティブ方式で常用労働者数を推計している。
     また、この常用労働者数は、単位集計区分の集計値を積み上げる際のウエイトとしても利用されている。
     常用労働者数のベンチマークの数値については、民営・公営事業所を対象とする経済センサス基礎調査(注2)の結果が利用できるタイミングで更新している。この時、常用雇用指数(就業形態計)については、前回のベンチマーク設定時点以降の期間の指数についてギャップ修正を行っている。
     なお、一般労働者・パートタイム労働者別の常用雇用指数について、基本的には、常用雇用指数(就業形態計)の補正の考え方と同様に行っているが、新母集団労働者数を用いて新・旧の両サンプルそれぞれの集計を行った場合、旧調査結果と新調査結果とでは、前月末の一般労働者・パートタイム労働者の推計値にギャップが生じるため、常用雇用指数(就業形態計)の補正に加えて、このギャップについての補正を行っている。
  1. (注1)前月の母集団労働者数に雇用保険事業所データによる補正を施したもの。
  2. (注2)経済センサスには、公営事業所を含めた全事業所を対象とする「基礎調査」と民営事業所のみを対象とする「活動調査」がある。

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6 平成27年1月分調査における指数の改訂の考え方

 平成27年1月のギャップ修正は、平成24年次フレーム(事業所母集団データベース)に基づく第一種事業所の抽出替えを平成27年1月分調査で行ったことに伴い、賃金指数及び労働時間指数の改訂を行った。

  1. (1)賃金・労働時間指数
     賃金・労働時間指数については、ギャップ修正の基本的な考え方に従い、前回のギャップ修正実施月の翌月である平成24年2月分に遡って指数の補正を行った。
     
     抽出替えに伴うギャップを、

     数式

     として、平成24年2月分から平成26年12月分までの指数を次式により補正した。

     数式

    ここで、nは、平成24年2月から当該月までの月数とする(平成24年2月;n=1、平成26年12月;n=35)。

    一般・パートタイム労働者別の賃金・労働時間指数についても同様の方法で補正した。
    (注)賃金指数については、いずれの指数についても「きまって支給する給与」のギャップ率を用いた。

     イメージ図
  2. (2)実質賃金指数
     実質賃金指数については、上記(1)で(名目)賃金指数を補正した後、次式により補正した。

     数式
  3. (3)増減率の改訂
     ギャップ修正を行った指数により、増減率を再計算した。
     すなわち、賃金・労働時間指数の増減率を平成24年2月分以降について改訂した。
     なお、指数を作成していない所定外給与、特別に支払われた給与及び夏季・年末賞与についても、このギャップの補正計算と同様な計算を行い、増減率のみ改訂した。
  4. (4)ギャップ率(5人以上、調査産業計)
    指数

    ギャップ率

    きまって支給する給与指数

    0.9887054

    総実労働時間指数

    0.9992674

    所定内労働時間指数

    0.9984102

    所定外労働時間指数

    1.0093458

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7 指数以外の指標の作成

  1. (1)労働異動率
     以上の指数のほかに、雇用の流動状況を示す指標として労働異動率を作成している。その算式は次に示すとおり、月間の増加労働者数又は減少労働者数を月初の労働者数(前月末労働者数)で除した百分比をそれぞれ、入職率、離職率としている。

     数式
  2. (2)パートタイム労働者比率
     パートタイム労働者比率とは、調査期間末のパートタイム労働者数を全労働者数(本月末労働者数)で除した百分比をいい、次の算式によって作成している。

     数式

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8 指数等の季節調整

  1. (1)季節調整の方法
     作成している指数等のいくつかの系列については、季節調整値(以下「季調値」という。)を作成している。季節調整には、センサス局法(X-12-ARIMAのなかのX-11デフォルト)を用いている。 なお、実質賃金指数及び入・離職率の季調値は、次の算式により算出したものをそれぞれの季調値としている。

    数式
  2. (2)季調値の再計算の頻度及び対象期間
     季調値は、年1回、毎年12月分までのデータが揃った時点で再計算し、原則として、1月分結果速報公表時に再計算の対象とした全期間の季調値を改訂している(季調替え)。ただし、平成27年の季調替えについては、指数の改訂に併せ1月分結果確報公表時に実施した。
     季調値の計算の対象とする期間は、原則として、指数作成開始時点から前年の12月分までであるが、指数作成開始時点が昭和29年以前である系列については、昭和30年1月分を始期としている。なお、事業所規模30人以上の実質賃金指数については、全て、昭和45年1月分を始期としている。
     また、再計算の対象となった期間以降の季調値の作成には、季調値の再計算の際に計算される予測季節要素を用いている。

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