厚生労働省

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厚生労働省

厚生労働省発表

平成20年12月5日

厚生労働省大臣官房統計情報部

担当:雇用統計課労働経済第一係

電話:03(5253)1111 内線 7622

03(3595)3145(夜間直通)

労働経済動向調査(平成20年11月)結果の概況

I調査の概要

この調査は、生産、販売活動及びそれに伴う雇用、労働時間などの現状と今後の短期的見通しなどを把握するため、年4回実施(通信調査方式)しているもので、本概況は平成20年11月に実施した調査の結果である。調査対象は、日本標準産業分類(平成14年3月改訂)の建設業、製造業、情報通信業、運輸業、卸売・小売業、金融・保険業、不動産業、飲食店,宿泊業及びサービス業(他に分類されないもの)に属する事業所規模30人以上の全国の民営事業所5,664事業所である。(回答事業所数3,108、回答率54.9%)

○結果のポイントは以下のとおりです。

・生産・売上額等の実績見込は、製造業、卸売・小売業、サービス業で「前期と比べて減少した」が「増加した」を引き続き上回り、その幅が拡大した
・過去1年間に事業の見直しを「実施した」事業所は約2割
・事業の見直しを行った事業所における雇用面での対応方法(複数回答)は「配置転換」、「中途採用の実施・拡大」など
生産・売上額等、所定外労働時間、雇用

(1)生産・売上額等の20年10〜12月期の実績見込は、製造業、卸売・小売業、サービス業で「前期と比べて減少した」が「増加した」を引き続き上回り、その幅が拡大した。(P2表1、P8第1図)

(2)所定外労働時間の20年10〜12月期の実績見込は、製造業、卸売・小売業、サービス業で「前期と比べて減少した」が「増加した」を引き続き上回り、その幅が拡大した。(P2表2、P9第2図)

(3)正社員等雇用の20年10〜12月期の実績見込は、卸売・小売業でマイナス、製造業とサービス業でほぼ横ばいとなっている。(P2表3、P10第3図)

労働者の過不足状況及び中途採用

(1)正社員等労働者及びパートタイム労働者の不足感が続いているが、不足超過幅は縮小している。(P3表5、表6、P12第5図)

(2)中途採用の実績は昨年より減少している。(P5表9、P13第8図)

業の見直しと雇用面での対応

(1)過去1年間に事業の見直し(拡大・縮小・合理化等)を「実施した」事業所割合は18%、今後1年間に「実施する予定」では15%となっている。(P5表10)

(2)事業の見直し方法(複数回答)では、「製品・サービスの生産・提供システムの見直し」(4%)、「不採算事業部門の縮小」(4%)の割合が高い。(P6表11)

(3)過去1年間に実施した事業の見直しに伴う雇用面での対応方法(複数回答)をみると、「配置転換」(6%)、「中途採用の実施・拡大」(5%)、「教育訓練の充実・拡大等、社内人材の育成」(4%)の割合が高い。(P6表12、P13第9図)

II結果の概要

生産・売上額等、所定外労働時間、雇用
(1)生産・売上額等《製造業、卸売・小売業、サービス業の実績見込でマイナス幅拡大》

生産・売上額等判断D.I.(20年7〜9月期実績)は、製造業ではマイナス21ポイント、卸売・小売業でマイナス2ポイント、サービス業でマイナス9ポイントとなった。先行きは、20年10〜12月期実績見込では、製造業ではマイナス28ポイント、卸売・小売業でマイナス20ポイント、サービス業でマイナス14ポイントとなっている。21年1〜3月期見込は製造業でマイナス14ポイント、卸売・小売業でマイナス10ポイント、サービス業でマイナス11ポイントとなっている。(表1、第1図

生産・売上額等の判断D.I.(季節調整値)

(2)所定外労働時間《製造業、卸売・小売業、サービス業の実績見込でマイナス幅拡大》

所定外労働時間判断D.I.(20年7〜9月期実績)は、製造業ではマイナス14ポイント、卸売・小売業で1ポイント、サービス業でマイナス7ポイントとなった。先行きは、20年10〜12月期実績見込では、製造業ではマイナス26ポイント、卸売・小売業でマイナス14ポイント、サービス業でマイナス5ポイントとなっている。21年1〜3月期見込は製造業でマイナス16ポイント、卸売・小売業でマイナス8ポイント、サービス業でマイナス6ポイントとなっている。(表2、第2図

所定外労働時間判断D.I.(季節調整値)

(3)正社員等雇用《卸売・小売業でマイナス、製造業とサービス業でほぼ横ばいの実績見込》

正社員等雇用判断D.I.(20年7〜9月期実績)は、製造業では0ポイントとなり、卸売・小売業ではマイナス6ポイント、サービス業でマイナス3ポイントとなった。先行きは、20年10〜12月期実績見込では、製造業では1ポイント、卸売・小売業でマイナス2ポイント、サービス業で0ポイントとなっている。21年1〜3月期見込は製造業で2ポイント、卸売・小売業で2ポイント、サービス業で3ポイントとなっている。(表3、第3図

正社員等雇用判断D.I.(季節調整値)

(4)パートタイム雇用《製造業とサービス業の実績見込でマイナス》

パートタイム雇用判断D.I.(20年7〜9月期実績)は、製造業ではマイナス2ポイント、卸売・小売業でマイナス2ポイント、サービス業でマイナス5ポイントとなった。先行きは、20年10〜12月期実績見込では、製造業ではマイナス5ポイント、卸売・小売業で1ポイント、サービス業でマイナス3ポイントとなっている。21年1〜3月期見込は製造業でマイナス3ポイント、卸売・小売業でマイナス3ポイント、サービス業でマイナス1ポイントとなっている。(表4、第4図

パートタイム雇用判断D.I.(季節調整値)

付属統計表 第1表

労働者の過不足状況
(1)正社員等労働者《不足感続くが、不足超過幅は縮小》

20年11月1日現在の正社員等労働者過不足判断D.I.により、雇用過不足感の動向をみると、調査産業計で13ポイントとなり、不足超過幅は前期(18ポイント)よりも縮小している。

産業別にみると、建設業と飲食店,宿泊業を除いた産業で不足超過幅が前期より縮小しているが、特に金融・保険業、製造業で不足超過幅の縮小が大きい。(表5、第5図

正社員等労働者の過不足状況判断

(2)パートタイム労働者《不足感続くが、不足超過幅は縮小》

20年11月1日現在のパートタイム労働者過不足判断D.I.により、雇用過不足感の動向をみると、調査産業計で14ポイントとなり、不足超過幅は前期(18ポイント)よりも縮小している。

産業別にみると、運輸業と製造業で不足超過幅が前期より縮小し、特に製造業で不足超過幅が0ポイントとなり、また、建設業で過剰超過となった。(表6、第5図

パートタイム労働者の過不足状況判断

付属統計表 第2-1表第2-2表第3表第6図

雇用調整
(1)実施割合

雇用調整を実施した事業所の割合(20年7〜9月期実績)は、調査産業計で16%と前期(14%)と比べるとやや上昇している(表7、第7図)。

雇用調整の時期別実施事業所割合

(2)実施方法

雇用調整の実施方法は、調査産業計では残業規制(8%)の割合が高く、次いで配置転換(4%)となっている(表8)。

雇用調整の方法別実施事業所割合

付属統計表 第4表

中途採用《減少している》

「中途採用あり」とした事業所(20年7〜9月期実績)は、調査産業計で55%と前年同期(19年7〜9月期実績)と比べると減少している。

産業別にみると、サービス業を除くすべての産業で前年同期より減少しており、特に情報通信業、運輸業での減少幅が大きい。(表9、第8図

中途採用の時期別実施事業所割合

付属統計表 第5表

(以下は今回調査の特別項目となります。)

事業の見直しと雇用面での対応
(1)事業の見直し実施状況

過去1年間に事業の見直し(拡大・縮小・合理化等)を「実施した」とする事業所は、調査産業計で18%と前年(21%)と比べると減少している。

産業別にみると、特に運輸業、金融・保険業、不動産業で減少している。

また、今後1年間に事業の見直しを「実施する予定」の事業所は、調査産業計で15%と前年(19%)と比べると減少している。(表10)

事業の見直し

(2)事業の見直し方法

過去1年間に実施した事業の見直し方法(複数回答)は、調査産業計で「製品・サービスの生産・提供システムの見直し」(4%)、「不採算事業部門の縮小」(4%)の割合が高くなっている。

また、今後1年間に実施する予定の事業の見直し方法(複数回答)は、調査産業計で「製品・サービスの高付加価値化」(4%)、「製品・サービスの生産・提供システムの見直し」(4%)の割合が高くなっている。(表11)

事業の見直し方法別事業割合

(3)事業の見直しに伴う雇用面での対応方法

過去1年間に実施した事業の見直しに伴う雇用面での対応方法(複数回答)は、調査産業計で「配置転換」(6%)、「中途採用の実施・拡大」(5%)、「教育訓練の充実・拡大等、社内人材の育成」(4%)の割合が高くなっている(表12、第9図

また、今後1年間に実施予定の事業の見直しに伴う雇用面での対応方法(複数回答)は、調査産業計で「配置転換」(5%)、「中途採用の実施・拡大」(4%)、「教育訓練の充実・拡大等、社内人材の育成」(4%)の割合が高くなっている(表12)。

事業の見直しに伴う雇用面での対応方法別事業所割合

付属統計表 第6表第7表第8表

主な用語の説明

〔労働者〕

正社員等・・・・・・・・・・・・・・・雇用期間を定めないで雇用されている者または1年以上の期間の雇用契約を結んで雇用されている者をいい、パートタイムは除く。

なお、下記の派遣労働者は含まない。

(注)平成20年2月調査から下線部分の追加により定義を変更し、併せて名称を「常用」から「正社員等」に変更した。

臨時・季節・・・・・・・・・・・・・・1か月以上1年未満の期間を定めて雇用されている者及び期間を限って季節的に働いている者をいい、1か月未満の雇用契約の者及びパートタイムは除く。

(注)平成20年2月調査から下線部分の追加により定義を変更した。

パートタイム・・・・・・・・・・・・・1日の所定労働時間又は1週間の所定労働日数が当該事業所の正社員のそれより短い者をいう。

(注)平成20年2月調査から下線部分を「一般労働者」から「正社員」に変更した。

派遣労働者・・・・・・・・・・・・・・労働者派遣法に基づいて他社(派遣元事業所)から当該事業所に派遣されている者をいう。

〔職

管理・・・・・・・・・・・・・・・課以上の組織の管理に従事する者をいう。

事務・・・・・・・・・・・・・・・課長等管理職の指導、監督を受けて事務に従事する者をいう。

専門・技術・・・・・・・・・高度の専門的知識を応用し、技術的な業務、研究等に従事する者をいう。

販売・・・・・・・・・・・・・・・商品、証券などの売買・営業、保険外交などに従事する者をいう。

サービス・・・・・・・・・・・調理・接客・給仕など個人に対するサービスの仕事に従事する者をいう。

運輸・通信・・・・・・・・・鉄道、自動車、通信電話交換などで運転、操作に従事する者及び車掌、電話交換手などをいう。

技能工・・・・・・・・・・・・原材料の加工、各種機械器具の組み立て、修理、印刷、製本、建設作業などに従事する者のうち高度の熟練、判断力、責任を要する作業を行う者をいう。

単純工・・・・・・・・・・・・上記「技能工」と同じ作業に従事しているが、技能などの修得を要しない簡単な作業、単純な筋肉労働に従事する者をいう。

利用上の注意

1 この調査で「サービス業」とは、「サービス業(他に分類されないもの)」を指している。

2 表10、表11、表12、第9図、付属統計表の第6表、第7表、第8表は、該当集計項目に回答していない事業所も含む回答事業所すべてについて集計した結果であり、その他の表やグラフは、該当集計項目に回答していない事業所を除いて集計したものである。

3「生産・売上額等判断D.I.」、「所定外労働時間判断D.I.」及び「雇用判断D.I.」とは、前期と比べて増加と回答した事業所の割合から減少と回答した事業所の割合を差し引いた値である。

4 上記判断D.I.の季節調整は、センサス局法X-12-ARIMAのなかのX-11デフォルトによる。

5 「労働者過不足判断D.I.」とは、不足と回答した事業所の割合から過剰と回答した事業所の割合を差し引いた値である。

6 統計表中の「0」は単位未満の割合を示し、「−」は調査客体がないものを示す。

7 この調査では、それぞれの回答をした事業所の割合を集計して表章しているが、労働者が多い事業所ほど調査対象として選ばれやすくなっている(確率比例抽出)ため、実質的に、事業所の割合というよりもこうした回答をした事業所で働く労働者の割合に近い。

8 用語の「正社員等」及び「臨時・季節」の変更により平成20年2月調査から集計対象が一部異なっているため、表3、第3図、第5図、付属統計表の第1表の平成19年11月調査以前との比較に当たっては注意を要する。

9 調査の結果は、厚生労働省のホームページに掲載されている。

アドレス(https://www.mhlw.go.jp/toukei/index.html)

「統計調査結果」→「最近公表の統計資料」→「月報で公表・提供しているもの」→「労働経済動向調査(平成20年11月)結果の概況」


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