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厚生労働省大臣官房統計情報部

雇用統計課労働経済第一係

電話 03-5253-1111(内線7622)

夜間直通 03-3595-3145

厚生労働省発表

平成20年  9月

労働経済動向調査(平成20年8月)結果の概況

I 調査の概要

この調査は、生産、販売活動及びそれに伴う雇用、労働時間などの現状と今後の短期的見通しなどを把握するため、年4回実施(通信調査方式)しているもので、本概況は平成20年8月に実施した調査の結果である。調査対象は、日本標準産業分類(平成14年3月改訂)の建設業、製造業、情報通信業、運輸業、卸売・小売業、金融・保険業、不動産業、飲食店,宿泊業及びサービス業(他に分類されないもの)に属する事業所規模30人以上の全国の民営事業所5,664事業所である。(回答事業所数3,255、回答率57.5%)

○ポイントは以下のとおりです。

・労働者の不足感が続く

・正社員募集を行い、かつ新規学卒者採用枠で既卒者が応募可能だった事業所は全体の3割

≪1 生産・売上額等、所定外労働時間、雇用≫

生産・売上額等の20年4〜6月期の実績は、製造業、卸売・小売業、サービス業の産業で「前期と比べて増加した」が「減少した」を下回った。(p2表1、p8第1図)

所定外労働時間の20年4〜6月期の実績は、サービス業で「前期と比べて増加した」が「減少した」を上回った。(p2表2、p9第2図)

正社員等雇用の20年4〜6月期の実績は、製造業、サービス業で「前期と比べて増加した」が「減少した」を上回った。(p2表3、p10第3図)

≪2 労働者の過不足状況及び中途採用≫

正社員等労働者及びパートタイム労働者の不足感が続いている。 (p3表5,p4表6,p12第5図)

中途採用の実績は昨年より減少している。(p5表9、p13第8図)

≪3 既卒者の応募可能性≫

過去1年間に正社員の募集を行い、かつ新規学卒者採用枠で既卒者が応募可能だった事業所割合は全体の33%。中途採用者採用枠で応募可能だったのは52%となっている。(p5表10、p13第9図)

新規学卒者採用枠に応募可能だった既卒者の応募年齢に「上限がある」事業所割合は50%、このうち、「24歳以下」を上限とする事業所割合が40%となっている。(p6表11)

≪4 新規学卒者採用枠の募集状況≫

過去1年間に正社員を新規学卒者採用枠で「募集した」事業所割合は53%となっている。

募集した事業所における募集時期では、「春季の一括採用のみ」とする事業所割合が67%、「年間を通して随時」が25%、「春季と秋季」が8%となっている。(p6表13)

注:1) 「正社員」とは、当該事業所で正社員とする者をいう。

2) 「既卒者」とは、学校卒業後すぐに当該事業所に就職する者以外で、35歳未満の者をいう。勤務経験の有無は問わない。

3) 「新規学卒者採用枠」とは、「新規学卒者」として採用する場合をいい、それ以外は「中途採用者採用枠」として扱う。

II 結果の概要

1 生産・売上額等、所定外労働時間、雇用

(1) 生産・売上額等《三産業の実績でマイナスになった》

生産・売上額等判断D.I.(20年4〜6月期実績)は、製造業ではマイナス3ポイント、卸売・小売業でマイナス3ポイント、サービス業でマイナス5ポイントとなった。先行きは、20年7〜9月期実績見込では、製造業ではマイナス11ポイント、卸売・小売業でマイナス2ポイント、サービス業で0ポイントとなっている。20年10〜12月期見込は製造業でマイナス2ポイント、卸売・小売業とサービス業でともにマイナス5ポイントとなっている。(表1、第1図

生産・売上額等の判断D.I.(季節調整値)

(2) 所定外労働時間《サービス業の実績でプラスが続く》

所定外労働時間判断D.I.(20年4〜6月期実績)は、製造業ではマイナス8ポイント、卸売・小売業でマイナス3ポイント、サービス業ではプラスが続き、2ポイントとなった。先行きは、20年7〜9月期実績見込では、製造業ではマイナス12ポイント、卸売・小売業でマイナス4ポイント、サービス業でマイナス3ポイントとなっている。20年10〜12月期見込は製造業でマイナス6ポイント、卸売・小売業でマイナス7ポイント、サービス業でマイナス1ポイントとなっている。(表2、第2図

所定外労働時間判断D.I.(季節調整値)

(3) 正社員等雇用《製造業とサービス業の実績でプラスが続く》

正社員等雇用判断D.I.(20年4〜6月期実績)は、製造業では13ポイントとプラスが続き、卸売・小売業ではマイナスになり、マイナス1ポイント、サービス業ではプラスが続き、5ポイントとなった。先行きは、20年7〜9月期実績見込では、製造業では4ポイント、卸売・小売業でマイナス3ポイント、サービス業で7ポイントとなっている。20年10〜12月期見込は製造業で4ポイント、卸売・小売業でマイナス3ポイント、サービス業で4ポイントとなっている。(表3、第3図

正社員等雇用判断D.I.(季節調整値)

(4) パートタイム雇用《製造業とサービス業の実績でマイナスになった》

パートタイム雇用判断D.I.(20年4〜6月期実績)は、製造業ではマイナスになり、マイナス4ポイント、卸売・小売業では0ポイント、サービス業でマイナスになり、マイナス2ポイントとなった。先行きは、20年7〜9月期実績見込では、製造業では0ポイント、卸売・小売業でマイナス2ポイント、サービス業で2ポイントとなっている。20年10〜12月期見込は製造業でマイナス1ポイント、卸売・小売業でマイナス4ポイント、サービス業でマイナス2ポイントとなっている。(表4、第4図

パートタイム雇用判断D.I.(季節調整値)

付属統計表 第1表

2 労働者の過不足状況

(1) 正社員等労働者《不足感続く》

20年8月1日現在の正社員等労働者過不足判断D.I.により、雇用過不足感の動向をみると、調査産業計で 18ポイントとなり、超過幅は前期(21ポイント)よりも縮小したものの、依然として不足超過幅が大きい。

産業別にみると、特に製造業、飲食店,宿泊業、不動産業で不足超過幅が前期より縮小している。(表5、第5図

正社員等労働者の過不足状況判断

(2) パートタイム労働者《不足感続く》

20年8月1日現在のパートタイム労働者過不足判断D.I.により、雇用過不足感の動向をみると、調査産業計で18ポイントとなり、超過幅は前期(20ポイント)よりもやや縮小したものの、依然として不足超過幅が大きい。

産業別にみると、運輸業と金融・保険業を除いた産業で不足超過幅が前期より縮小しているが、特に飲食店,宿泊業、サービス業で不足超過幅の縮小が大きい。(表6、第5図

パートタイム労働者の過不足状況判断

付属統計表 第2-1表第2-2表第3表第6図

3 雇用調整

(1) 実施割合

雇用調整を実施した事業所の割合(20年4〜6月期実績)は、調査産業計で14%と前期(13%)と比べるとやや増加している(表7、第7図)。

雇用調整の時期別実施事業所割合

(2) 実施方法

雇用調整の実施方法は、調査産業計では残業規制(6%)の割合が高く、次いで配置転換(4%)となっている(表8)。

雇用調整の方法別実施事業所割合

付属統計表 第4表

4 中途採用《減少している》

「中途採用あり」とした事業所割合(20年4〜6月期実績)は、調査産業計で61%と前年同期(19年4〜6月期実績)と比べると減少している。

産業別にみると、サービス業を除くすべての産業で前年同期より減少しており、特に情報通信業、運輸業での減少幅が大きい。(表9、第8図

中途採用の時期別実施事業所割合

付属統計表 第5表

(以下は今回調査の特別項目となります。)

5 既卒者の応募可能性

過去1年間(平成19年8月から平成20年7月まで)に正社員を募集する際の既卒者の応募受付状況をみると、「応募可能だった」とする事業所割合は、調査産業計で新規学卒者採用枠が33%、中途採用者採用枠が52%となっている。産業別にみると、情報通信業が新規学卒者採用枠、中途採用者採用枠のいずれも最も高くなっている。(表10、第9図

また、新規学卒者採用枠に応募可能だった既卒者の応募年齢をみると、「上限がある」事業所割合は、調査産業計で50%、このうち、上限年齢を「24歳以下」とする割合が40%となっている(表11)。

新規学卒者採用枠に応募可能だった既卒者の卒業後の経過期間の上限をみると、「上限がある」事業所割合は調査産業計で27%、このうち、上限期間を「1年〜2年以内」とする割合が37%となっている(表12)。

過去1年間の既卒者の応募受付状況別事業所割合

新規学卒採用枠に応募可能な既卒者の応募年齢の上限設定の有無別事業所割合

新規学卒採用枠に応募可能な既卒者の卒業後の経過期間の上限設定の有無別事業所割合

付属統計表 第6表第7表第8表

6 新規学卒者採用枠の募集状況

過去1年間(平成19年8月から平成20年7月まで)に新規学卒者採用枠で正社員を「募集した」事業所割合は、調査産業計で53%となっている。産業別にみると、情報通信業、製造業、建設業、金融・保険業で割合が高くなっている。

また、募集した事業所について、その募集時期をみると、調査産業計では「春季の一括採用のみ」とする割合が67%となっており、「年間を通して随時」が25%、「春季と秋季」が8%であった。(表13)

過去1年間における新規学卒者採用枠での正社員の募集状況別事業所割合

付属統計表 第9表

主な用語の説明

〔労働者〕

正社員等・・・・・・・・・・・・・・・雇用期間を定めないで雇用されている者または1年以上の期間の雇用契約を結んで雇用されている者をいい、パートタイムは除く。

なお、下記の派遣労働者は含まない。

(注)平成20年2月調査から下線部分の追加により定義を変更し、合わせて名称を「常用」から「正社員等」に変更した。

臨時・季節・・・・・・・・・・・・・・1か月以上1年未満の期間を定めて雇用されている者及び期間を限って季節的に働いている者をいい、1か月未満の雇用契約の者及びパートタイムは除く。

(注)平成20年2月調査から下線部分の追加により定義を変更した。

パートタイム・・・・・・・・・・・・・1日の所定労働時間又は1週間の所定労働日数が当該事業所の正社員のそれより短い者をいう。

(注)平成20年2月調査から下線部分を「一般労働者」から「正社員」に変更した。

派遣労働者・・・・・・・・・・・・・・労働者派遣法に基づいて他社(派遣元事業所)から当該事業所に派遣されている者をいう。

〔職 種〕

管理・・・・・・・・・・・・・・・課以上の組織の管理に従事する者をいう。

事務・・・・・・・・・・・・・・・課長等管理職の指導、監督を受けて事務に従事する者をいう。

専門・技術・・・・・・・・・高度の専門的知識を応用し、技術的な業務、研究等に従事する者をいう。

販売・・・・・・・・・・・・・・・商品、証券などの売買・営業、保険外交などに従事する者をいう。

サービス・・・・・・・・・・・調理・接客・給仕など個人に対するサービスの仕事に従事する者をいう。

運輸・通信・・・・・・・・・鉄道、自動車、通信電話交換などで運転、操作に従事する者及び車掌、電話交換手などをいう。

技能工・・・・・・・・・・・・原材料の加工、各種機械器具の組み立て、修理、印刷、製本、建設作業などに従事する者のうち高度の熟練、判断力、責任を要する作業を行う者をいう。

単純工・・・・・・・・・・・・上記「技能工」と同じ作業に従事しているが、技能などの修得を要しない簡単な作業、単純な筋肉労働に従事する者をいう。

利用上の注意

1 この調査で「サービス業」とは、「サービス業(他に分類されないもの)」を指している。

2 表10、表11、表12、表13、付属統計表の第6表、第7表、第8表、第9表は、該当集計項目に回答していない事業所も含む回答事業所すべてについて集計した結果であり、その他の表やグラフは、該当集計項目に回答していない事業所を除いて集計したものである。

3「生産・売上額等判断D.I.」、「所定外労働時間判断D.I.」及び「雇用判断D.I.」とは、前期と比べて増加と回答した事業所の割合から減少と回答した事業所の割合を差し引いた値である。

4 上記判断D.I.の季節調整は、センサス局法X-12-ARIMAのなかのX-11デフォルトによる。

5 「労働者過不足判断D.I.」とは、不足と回答した事業所の割合から過剰と回答した事業所の割合を差し引いた値である。

6 統計表中の「0」は単位未満の割合を示し、「−」は調査客体がないものを示す。

7 この調査では、それぞれの回答をした事業所の割合を集計して表章しているが、労働者が多い事業所ほど調査対象として選ばれやすくなっている(確率比例抽出)ため、実質的に、事業所の割合というよりもこうした回答をした事業所で働く労働者の割合に近い。

8 用語の「正社員等」及び「臨時・季節」の変更により平成20年2月調査から集計対象が一部異なっているため、表3、表5、第3図、第5図、付属統計表の第1表、第2−1表の平成19年11月調査以前との比較に当たっては注意を要する。

9 調査の結果は、厚生労働省の web ページ(https://www.mhlw.go.jp/)に掲載されている。

「統計調査結果」→「最近公表の統計資料」→「月報で公表・提供しているもの」→「労働経済動向調査(平成20年8月)結果の概況」


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