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第1章 禁煙を支える環境

第1章
  禁煙を支える環境

 効果的なたばこ規制戦略に対する認識は、ここ30年間で、喫煙者個人の行動変容を促すことから、周りの環境に目を向け、社会規範の変化を進めるというより幅広く包括的なアプローチへと変化してきた。喫煙者が抱えるリスクについての教育や、臨床的な禁煙プログラムに加えて、社会規範の改変、紙巻きたばこの値上げ、喫煙可能な場所の制限、マスコミによる禁煙キャンペーンなどの取り組みが行われるようになってきている。このような取り組みの結果、アメリカ全体の喫煙率は、1965年の47%から1999年には約22%まで低下した(National Cancer Institute, 2000)。国立がん研究所の要請により、1999年に米国国勢調査局が実施した喫煙調査によると、喫煙経験があると答えた約半数は、すでに禁煙している「元喫煙者」であるという結果であった(Bureau of the Census for the National Cancer Institute, 2001)。
 このような取り組みの中心にあるのは、たばこを非日常化するという重要な長期目標である。禁煙できる状況を作り出し、喫煙者に禁煙するよう促すのは、何よりも社会環境であるため、社会規範の変化を推し進めていくことが、禁煙を成功させるには欠かせないことである。
 社会規範を変えることで禁煙を推進するという地域社会による介入政策は、将来に向けたすぐれた投資である。たとえば、職場の禁煙化には様々な効果があることが実証されている。アメリカでは、禁煙の職場は1986年から1999年までに50%増加しているが、それに伴い、血清コチニン量の中央値(50パーセンタイル)を指標とした、3歳以上の人口における受動喫煙の曝露レベルは75%減少した(Health and Nutrition Examination Survey)。また、職場を禁煙化することは、そこで働く人の減煙や禁煙の手助けともなる(Fichtenberg et al., 2002)。
 たばこ業界によるデータでも、すべての職場が禁煙化されると禁煙率が74%も増加し、業界の収入が大幅に減少すると予測している。たばこ業界が禁煙範囲拡大を求める法案に反対するのは、このような大きな根拠に基づいてのことである(Heronimus, 1992)。
 さらに、たばこ規制に対する公衆衛生的アプローチは、最小限のコストで多くの人に影響を与えることができる。職場の禁煙化は費用対効果の高いアプローチである。同様に、増税によって紙巻きたばこの値上げをはかるというアプローチも費用対効果が高い。
 たばこの需要を減らすための値上げや増税に加えて、価格と関係のないたばこ規制対策を行うことで、禁煙を支える環境をさらに効果的なものにすることもできる。このような対策には、たとえば、(1)たばこ煙による受動喫煙からの保護、(2)たばこ製品の成分含有量の規制、(3)たばこ製品の包装やラベル表示の規制、(4)教育、宣伝、トレーニング、および公衆意識の啓発、(5)たばこの広告、販売促進、スポンサー活動の規制、(6)たばこの供給量減少に関する対策、などがある。たばこの供給量は、たばこ製品の違法取引の取り締まりや未成年者へのたばこ製品の売買禁止、および、たばこ企業の労働者や葉たばこ栽培農家、個人販売者が代替として別の経済活動に従事できるような支援の提供、などの対策によって減らすことができる。
 低所得国から高所得国まで、あらゆる所得レベルの国々において、紙巻きたばこの値上げは需要を減らすのに非常に効果があることが実証されている。増税も、禁煙や喫煙開始の防止に役立つ。また、禁煙後の喫煙再発数を減らすとともに、現在の喫煙者の喫煙量を減らすこともできる。平均すると、紙巻きたばこの価格を10%値上げすると、高所得国では約4%、価格の変化に敏感な低中所得国では約8%の紙巻きたばこの需要を減らすことができる。この介入法は、成人より価格の変化に敏感な児童や青少年に、より大きな影響を与えることができる(World Bank, 1999)。
 マスコミは、社会規範を変化させ、ひいては禁煙を促進するための重要な手段になる。社会構造によって喫煙者の環境が大きく変化するとき、禁煙を促すにはメディア・キャンペーンの効果が最も高いことが実証されている。メディア・キャンペーンと社会変化の相乗効果によって、禁煙についての態度や行動に前向きな変化を促すことが可能となる(National Cancer Institute, 2000)。世界銀行(1999)によると、喫煙が健康に及ぼす影響についての重要な新情報を盛り込んだ研究調査の発表など、「情報ショック」を与えることで、喫煙に対する需要は低下するという。特に、健康へのリスクに対する人々の認識がそれほど高くない場合、マスコミの影響は非常に大きいと思われる。高所得国の計量経済学研究によると、広告や販売促進活動を包括的に禁止することで、喫煙に対する需要は約7%減らすことができるという(World Bank, 1999)。
 このような戦略への投資は実を結びつつある。カナダの最近の調査では、非喫煙者数の増加と喫煙継続者が消費する紙巻きたばこの数の減少は、公共の場での喫煙を制限する市町村の喫煙規制条例と深い関係があることが実証されている(Stephens, et al., 2001)。米国政府が行った最大規模のたばこ規制調査のひとつ、国立がん研究所の「アメリカ禁煙介入研究」(American Stop Smoking Intervention Study)の新データでも、州レベルの屋内空気汚染防止規制政策や増税によって、喫煙の拡大を抑え、喫煙量を減らせることが明らかになっている(Stillman F. et al., 近日刊行、訳注:すでに刊行されたJ Nat Cancer Inst 2003;95:1681-91)。

地域社会の介入の効果と到達度
  効果(%) 人口到達度(%)
地域での世界禁煙デーの実施 0.15 90
より広範囲の地域社会の介入:    
 効果の高いもの 0.5 100
 中程度の効果があるもの 0.1 100
 効果の低いもの 0.05 100
懸賞つき禁煙キャンペーン:    
 費用と参加者数が平均的なもの 8 1.26
 費用と参加者数が少ないもの 6 0.27
 費用と参加者数が多いもの 10 3.11
出典: Parrott et al., 1998. Thorax 1998; 53 (Supplement 5, Part 2): S11-S16

 カナダでは2001年から、各国の前例となるような健康に関する警告を紙巻きたばこのパッケージに表示しているが、同国のがん協会が2002年1月に発表した調査結果(紙巻きたばこのパッケージの新たな警告表示に対する評価)を見ると、この警告表示が喫煙防止に効果をあげていることが分かる。この全国調査は、カナダの18歳以上の成人2,031人(633人の喫煙者を含む)を対象に、2001年9月19日から10月10日まで実施された。その結果を見ると、大部分の喫煙者にとって、この警告は禁煙しようという気を起こさせ、喫煙が健康に及ぼす影響についての懸念と認識を深めたということが明らかである。カナダが健康に関する警告表示で収めた成功は、他の国々にとってもよい刺激となっている。

 ブラジルのたばこ製品のパッケージには、2002年1月31日から絵図による警告が表示されており、欧州委員会指令もEU加盟国に絵図を使ってもよいとしている。ブラジルの126の地方自治体で18歳以上の2,216人を対象に、新しい警告表示の実施から3ヵ月後の2002年4月に行われた世論調査によると、喫煙者のうちこの措置に賛成する者は73%、新しい健康に関する警告が実施されてから喫煙が健康に及ぼす影響についての考えを改めたという者が54%であった。新しい健康に関する警告表示を見て禁煙したくなったと回答した喫煙者は67%(推定)に上った。新しい健康に関する警告表示は、どちらかというと低所得で教育程度の低い層に対する影響が大きかった(Costa e Silva, 2002)。


禁煙を支える環境作り
禁煙を重要方針としたブラジルの
全国たばこ規制プログラム
ブラジルでは過去13年間、禁煙の促進と禁煙関連の情報源を利用しやすくすることを、包括的な全国たばこ規制プログラムの4大重要戦略のひとつに据えている。
州および地方自治体の保健局の効率的なネットワークにより、全国で行動計画が確実に実行に移されている。プログラムは中央政府の保健省をはじめ、全国26州、連邦特別区、および3,500以上の地方自治体が共同で管理している。
たばこの広告宣伝とスポンサー活動を禁止し、また禁煙区域の設置を定めた法律によって、禁煙を支える環境作りが行われている。
専門禁煙センターとしてレファレンス・センターを設置し、ここで医療従事者に対するトレーニングを行っている。トレーニングを受けた医療従事者は、通常業務の中での短時間の禁煙介入のほか、行動療法や薬物療法を提供することができる。禁煙療法は他の戦略的保健プログラムにがっちりと組み込まれている。
紙巻きたばこのパッケージ上に視覚的な健康に関する警告や全国ホットラインの電話番号を表示して禁煙情報を提供し、禁煙のための支援を求めるよう喫煙者に促している。


 オランダでは2002年5月1日から、たばこ製品メーカーがたばこ製品のパッケージ上に新しい健康に関する警告を印刷することが義務付けられた。15歳以上の8,836人(そのうち喫煙者は31.8%にあたる2,812人)を対象とした調査によると、紙巻きたばこ製品のパッケージ上に印刷された新しい警告表示によって喫煙の魅力が減少していることがはっきりわかる。特に禁煙したいと考える喫煙者グループには、それが顕著に表れた。その結果、この喫煙者グループからは禁煙しようとする者が多く出ており、すでに減煙している者もいる。このグループの占める割合は全喫煙者の3分の1以上になるため、これをオランダの総人口に当てはめると、国内には同じような喫煙者が137万5,000人以上いると推定される(Willemsen, 2002)。
 たばこ規制活動、特に喫煙についての社会規範を変えようとする取り組みは、常に問題を抱えてきた。これまで、たばこ規制活動についての評価は、公衆衛生への投資効果についての評価のみであって、この投資効果を弱め、その価値を落としめようとする対抗勢力については考慮されていなかった。アメリカのたばこ企業だけで毎年何十億ドルもの資金を使っていることを考えると、こういった対抗勢力によって喫煙の需要を増やすために甚大な努力が払われていることは明らかであり、これが禁煙を推進しようとする取り組みに影響を与えている(Stillman F. et al., 1999)。
 禁煙希望者を支援するもうひとつの介入法は、ニコチン置換療法(NRT)やその他の禁煙介入を受けやすくすることである。NRTは禁煙効果が非常に高く、離脱症状の治療費用も少なくてすむことが知られているが、多くの国は、NRTを受けることが難しい状況にある(World Bank, 1999)。
 したがって、禁煙の試みを支援する低コストの医療制度を利用しやすくし、喫煙者やたばこ使用者の禁煙を支える環境をさらに強化することは重要である。具体的には、プライマリーケアやセカンダリーケアなどを含む医療制度の様々な要素を調整し、禁煙やたばこ依存症治療などへのより恒常的な介入を可能にする必要がある。このような禁煙プログラムでは、短時間のアドバイスのほか、必要に応じて長期的なフォローアップ治療を行う態勢も必要である。また、保険(国民保険または民間保険)の補償範囲に禁煙やたばこ依存症治療を含めることも重要である。
 これらの需要削減対策をすべて組み合わせた場合の効果について、世界銀行(1999)は、定かでないとしている。たばこ規制政策が実施されているほとんどの国では、これらを組み合わせた喫煙者対策がとられているが、そのうちひとつだけの対策を取り出して研究することはできないからである。しかし、いずれかひとつの介入を実施すれば他の介入も成功することが実証されており、このことは総合的なたばこ規制を実施することの重要性を浮き彫りにしている。
 以上のことは、次のように要約される。政策への取り組みは時間がかかるものだが、最終的には社会規範に大きな変化をもたらす効果がある。アメリカなど、たばこ規制への取り組みが成功を収めている国々では、喫煙者の行動が大きく改善された。たばこ業界は公共政策を弱体化させ、喫煙を維持しようと引き続き莫大な投資をしているが、それにもかかわらず、このような変化が生じているのである。包括的なたばこ規制政策をこれからも継続しつつ、同時に集団や個人の禁煙努力に対する支援を拡大していくことが重要である。


References

Bureau of Census (1999). Current Population Survey, January 1999: Tobacco Use Supplement/ conducted by the Bureau of Census for the National Cancer Institute. - Washington: Bureau of the Census (producer and distributor), 2001.

Canadian Cancer Society (2002). Evaluation of new warnings on cigarette packages. Available at: http://www.cancer.ca/.

Costa e Silva, VL (2002). Presentation to EU Commission/Brussels on the enforcement of Health warnings in Brazil.

Fichtenberg CM, Glantz SA (2002). Smoke-free workplaces substantially reduce smoking: a metaanalysis.British Medical Journal, August 2002.

National Center for Health Statistics (1999) National Health and Nutrition Nutrition Examination Survey (NHANES III & IV), Hyattsville, USA.

Heronimus J (1992). Impact of workplace restrictions on consumption an incidence (memo to Louis Suwarna). Philip Morris: January 21, 1992: Access date, October 27, 2001. Bates Range 2045447779/7806 URL http://www.pmdocs.com/

Lam TH. Smoke-Free Places. Presentation at the occasion of the WHO meeting on Global Policy forSmoking Cessation hosted by the Ministry of Health of the Russian Federatio, Moscow, 14-15 June 2002.

National Cancer Institute (2000). Population Based Smoking Cessation: Proceedings of a Conference on What Works to Influence Cessation in the General Population, Smoking and Tobacco Control Monograph No. 12. Bethesda, MD: United States Department of Health and Human Services, National Cancer Institute, NIH Publication. No 00-4892, November 2000.

Parrott S, Godfrey C, Raw M, West R, McNeill A (1998). Guidance for Commissioners on the Cost Effectiveness of Smoking Cessation Interventions. Thorax,53 (Supplement 5, Part 2): S11-S16.

Stephens T, et al. (2001). Comprehensive tobacco control policies and the smoking behavior of Canadian Adults. Tobacco Control,10: 317-322.

Stillman F. Policy efforts for smoking cessation/smoke-free workplaces. Presentation at the occasion of the WHO meeting on Global Policy for Smoking Cessation hosted by the Ministry of Health of the Russian Federation, Moscow, 14-15 June 2002.

Stillman F, Hartman A, Graubard B, et al. (forthcoming). Evaluation of the American Stop Smoking Intervention Study (Assist): a report of outcomes.


Stillman F, Hartman A, Graubard B, et al. (1999) The American Stop Smoking Intervention Study: conceptual framework and evaluation design. Evaluation Review; 23(3):259-280.

Willemsen MC (2002). The Altered View of Tobacco Products: The Effects of the New Health Warnings on Smokers. DEFACTO for a smoke-free future, the Hague, the Netherlands.

World Bank (1999). Curbing the Epidemic: Governments and the Economics of Tobacco Control. Washington, DC, World Bank.



表I
  禁煙とたばこ依存症治療に関する包括的戦略のための幅広い政策枠組み

 以下の表では、禁煙とたばこ依存症治療のための幅広い枠組みを示している。各国政府は、この枠組みを利用して、自国の包括的な禁煙戦略を維持するための資源と実行能力の強化進展と並行して、取り入れる提言の範囲を、最初は必要最小限のものからはじめ(低)、次はそれより範囲を広げ(中)、最終的には最も重要な提言を取り入れる(高)というように、段階的に選択していくことができる。この幅広い枠組みには、柱となる3つの戦略が組み合わされている。ひとつは「公共衛生的アプローチ」で、社会環境を変え、禁煙を支える環境の推進を求めるものである。ふたつめは「医療制度的アプローチ」で、これは臨床上のベストプラクティス(たばこ依存症の患者が禁煙に成功する確率を高めるための行動療法や薬物療法)を持続可能な医療制度に組み込むというものである。最後は「サーベイランス、研究、および情報によるアプローチ」で、情報や知識の交換を推進し、人々に社会規範を変える必要性があることに気づかせるというものである。このように組み合わせた戦略に含まれる要素としては、紙巻きたばこ税の引き上げ、たばこ製品の広告や販売促進活動の禁止、公衆衛生についての情報の増加、禁煙区域の増大、行動療法や薬物療法を利用した禁煙の奨励などがある。



表I
  禁煙を支える環境の促進−公衆衛生的アプローチ
 
課税 すべてのたばこ製品の価格を実質価格にするための調整(名目価格の引き上げは全体的なインフレ率に合わせる) すべてのたばこ製品の実質価格の引き上げ(名目価格の年間引き上げは全体的なインフレ率より高くする) すべてのたばこ製品の実質価格の年間5%ずつの引き上げ
屋内空気汚染防止 病院の完全禁煙化 なし 法律による公共の場や職場の完全禁煙の実施
広告、販売促進、スポンサー活動 直接広告の部分的禁止 直接広告の全面禁止 直接および間接広告、販売促進、スポンサー活動の全面禁止
公衆衛生教育プログラム−啓発活動 全国的な世界禁煙デーやメディアのイベント活動を開催 マスコミ(新聞、ラジオ、テレビ)による頻繁なキャンペーンの実施 持続的で体系的なマスコミのキャンペーン
プログラムの構造に基づく実行能力の強化 担当者の決定(分担) 担当者の常設 担当者の常設と全国たばこ規制委員会の設置
提唱活動 情報の収集 情報の周知 自国に合ったプログラムの積極的な推進
禁煙電話相談 なし 一部の地域で実施 全国で実施
警告表示と健康に関するメッセージ 最小限度 保健省またはその他の関係当局からのメッセージ 回転式メッセージ、表面の半分を覆う表示、絵図表示(禁煙メッセージを含む)
製品規制 最小限の成分表示 なし 包括的な成分リスト(および規制)



表I
  臨床的ベストプラクティスの推進−医療制度的 アプローチ
 
臨床治療を優先項目として確立 政府政策文書の一般項目としての位置付け なし 政府政策文書の重要項目としての位置付け
臨床治療に関する要素の役割の明確化 情報交換 調整ずみ 制度化および資源の割り当て
薬物療法以外の治療費の負担 治療費負担制度なし(喫煙者が治療費を支払う) 政府が一部の治療費を負担 政府と(または)民間部門が全額負担
薬物療法の治療費の負担 負担制度なし(喫煙者が治療費を支払う) 政府が一部の治療費を負担 政府と民間保険会社が分担し、治療費全額を負担
WHOのエッセンシャルドラッグのリスト 禁煙補助薬なし 特定のNRT NRTおよび効果が実証されている薬剤
たばこ使用状況の調査、治療の提供 リスクのある患者に対するたばこ使用状況の調査 なし すべての患者について、日常診療において、ステージモデル(Stage-of-change model)を用いたたばこ使用状況の調査を実施
薬物療法の利用可能性 なし 薬物療法と特定のNRTが利用可能 NRT、およびその他の薬物療法が利用可能
薬物療法を行う施設の範囲 特殊な患者のための専門医療機関(3次医療施設)でのみ利用可能。
例:心血管疾患の2次予防
2次医療機関 すべてのプライマリーケア施設
行動療法の利用可能性 セルフヘルプ法、または、都合のよい時に行う短時間のアドバイス 目標を定めたステージに基づく(動機付けの程度に合わせた)介入 強力な行動カウンセリング(専門家)
臨床治療のための実施ガイドラインの使用 各国の状況に適した最低限のガイドラインを作成、提供 なし 公認されている他の基準と整合性のある包括的なガイドラインを作成、提供
医療従事者のための卒業前トレーニング 医療専門職の学校で最低限のカリキュラム なし 医療専門職の学校で豊富なカリキュラムを与え、卒後も教育プログラムを継続
卒業後の禁煙トレーニング なし 実地トレーニング 認定プログラム



表I
  サーベイランス、研究、および情報交換の推進
 
NRTの販売を監視 年間を通じて、すべての種類のNRTの価格、ならびに規制と広告の状況を追跡調査 すべての種類のNRTの年間売上高と使用を追跡調査 すべての種類のNRTの、人口層別(例:年齢、性別、収入、教育)年間売上高と使用を追跡調査
喫煙率とたばこ消費 青少年の実態調査の実施 医療従事者やその他のハイリスク・グループを対象とした実態調査の実施 性、教育、および経済的地位別にみた成人の実態調査の実施
知識、態度、習慣 喫煙に伴う健康へのリスクについて調査を行い、人口層別の意識レベルを調査 たばこ規制対策に対する行動と態度を調査し、健康リスクについての社会的規範がどのように形成されるかを把握 喫煙者の禁煙する理由と意図を調査
プロセス 調査と実証的研究を実施 パターンとプログラムを観察 プログラムと政策を評価

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