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平成16年12月22日
健康局結核感染症課
課長:牛尾
担当:前田(内線2373)


京都府における高病原性鳥インフルエンザの
抗体価調査の結果について


【概要】
 平成16年2月に京都府の養鶏場で起こった高病原性鳥インフルエンザの集団発生事例における防疫作業従事者58名(うち、養鶏場従業員16名、京都府職員42名)に対し、高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に対する血清抗体価調査及び作業内容や健康状態に関するアンケート調査を実施した。また、対照群として、作業に従事しなかった京都府職員33名に対し、血清抗体価調査 (PDF:26KB)を実施した。

 血清抗体価調査を実施した91名のうち4名は、1か月程度の間隔をあけて、2回の採血による検査を行ったが、残りの87名については、本年4月以降の1回だけの検査を行った。

 抗体価調査の結果
  人数 中和抗体価別人数
10未満 10以上
養鶏場従業員 16 12 4(※)
京都府職員 42 41
対照群 33 33
(※)うち1名は、2回採血による検査の結果、1回目が陰性で、2回目が陽性だったもの

 感染の原因
 今回の調査では、感染の有無は断定できないが、仮に感染していたとすれば、養鶏場では、集団発生開始後、長期にわたり組織的な感染防御なしに病鳥との接触や汚染環境との接触などが行われており、個人防護具の着用なしに作業に従事していたことによって高率に感染が起こったと考えられる。
 一方、府職員は、高病原性鳥インフルエンザ対策としてのN95マスク着用等の感染防御策が実施される前の初期緊急現地調査の際に、ウイルスが大幅に増幅していたと考えられるもとで、養鶏場の鶏舎において感染したのではないかと考えられる。

 健康状態に関する調査
 今回、抗体陽性となった5名は、高病原性鳥インフルエンザの発症はしておらず、今後も発症のおそれや他に感染させる可能性もないことから、公衆衛生上、問題はないと考えている。

【調査の意義及び今後の対応】
   本調査は、高病原性鳥インフルエンザ事例への対応が重要となる中で、高病原性鳥インフルエンザウイルスの感染リスク、感染防護、抗インフルエンザウイルス薬の効果等が検証され、個人防護具の着用により、感染が防御できることが判明するなど、今後の対策の確立に寄与する有意義なものであった。
 本調査を踏まえ、厚生労働省としては、本日、都道府県等に対し、防疫作業従事者等への感染防御の徹底の周知等を図るため、高病原性鳥インフルエンザの国内発生時の措置について、通知 (PDF:12KB)を発出。


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