「らい予防法」違憲国家賠償請求事件
第一 | 本件の主要な争点 | ||||
一 | 厚生大臣のハンセン病政策遂行上の違法及び故意・過失の有無 | ||||
二 | 国会議員の立法行為の国家賠償法上の違法及び故意・過失の有無 | ||||
三 | 損害 | ||||
四 | 除斥期間 |
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第二 | 当裁判所の判断 | ||||
一 | 厚生大臣のハンセン病政策遂行上の違法及び故意・過失の有無について(争点一) 患者の隔離は、患者に対し、継続的で極めて重大な人権の制限を強いるものであるから、少なくとも、ハンセン病予防という公衆衛生上の見地からの必要性(以下「隔離の必要性」という。)を認め得る限 度で許されるべきものである。 らい予防法(以下「新法」という。)が制定された昭和二八年前後の医学的知見等を総合すると、遅くとも昭和三五年以降においては、もはやハンセン病は、隔離政策を用いなければならないほどの特別の疾患ではなくなっており、すべての入所者及びハンセン病患者について、隔離の必要性が失われた。 したがって、厚生省としては、同年の時点において、隔離政策の抜本的な変換等をする必要があったが、新法廃止まで、これを怠ったのであり、この点につき、厚生大臣の職務行為に国家賠償法上の違法性及び過失があると認めるのが相当である。 |
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二 | 国会議員の立法行為の国家賠償法上の違法及び故意・過失の有無について(争点二)
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三 | 損害について(争点三) 原告らが被告の違法行為によって受けた被害のうち、共通性を見いだすことができるもののみを包括して賠償の対象とすることとし、慰謝料額を、初回入所時期と入所期間に応じて、一四〇〇万円、一二〇〇万円、一〇〇〇万円及び八〇〇万円の四段階とする。なお,認容額の総額は,一八億二三八〇万円(うち慰謝料が一六億五八〇〇万円,弁護士費用が一億六五八〇万円)である。 |
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四 | 除斥期間について(争点四) 本件において、除斥期間の起算点となる「不法行為ノ時」は、違法行為の終了した新法廃止時と解するのが相当であり、除斥期間の規定の適用はない。 |