デキサメタゾン試験法
1.装置
液体クロマトグラフ・タンデム質量分析計を用いる。
2.試薬・試液
次に示すもの以外は,第2 添加物の部C 試薬・試液等の項に示すものを用いる。
ア | セトニトリル 液体クロマトグラフ用に製造したものを用いる。 |
オ | クタデシルシリル化シリカゲルミニカラム(360mg) 内径8〜9mmのポリエチレン製のカラム管に,オクタデシルシリル化シリカゲル360mgを充てんしたもの又はこれと同等の分離特性を有するものを用いる。 |
カ | ラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用に製造した合成ケイ酸マグネシウム(粒径150〜250μm)を130℃で12時間以上加熱した後,デシケーター中で放冷する。 |
水 | 液体クロマトグラフ用に製造したものを用いる。 |
メ | タノール 液体クロマトグラフ用に製造したものを用いる。 |
リ | ン酸緩衝液(pH5.0)
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3.標準品
デ | キサメタゾン 本品はデキサメタゾン99%以上を含む。 |
融点 | 本品の融点は262〜264℃である。 |
4.試験溶液の調製
a 抽出法
検体を細切均一化した後,その5.00gを量り採り,95%アセトニトリル水溶液30mlを加えて細砕した後,毎分2,500回転で5分間遠心分離し,アセトニトリル層を採る。残留物に95%アセトニトリル水溶液30mlを加え,上記と同様に細砕,遠心分離し,アセトニトリル層を採る。
b 精製法
(1) 合成ケイ酸マグネシウムカラムクロマトグラフィー
内径15mm,長さ300mmのクロマトグラフ管に,カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム8gをアセトニトリルに懸濁したものを入れ,カラムの上端に少量のアセトニトリルが残る程度までアセトニトリルを流出させる。このカラムにアセトニトリル100mlを注入し,流出液は捨てる。このカラムにa抽出法で得られた溶液及びアセトニトリル30mlを順次注入し,溶出液を300mlの分液漏斗に移す。これにn-ヘキサン50mlを加え,振とう機を用いて3分間激しく振り混ぜた後,静置し,アセトニトリル層をすり合わせ減圧濃縮器中に採り,40℃以下でアセトニトリルを除去する。この残留物にリン酸緩衝液(pH5.0)4mlを加えて溶かし,水6mlを加える。
(2) オクタデシルシリル化シリカゲルカラムクロマトグラフィー
オクタデシルシリル化シリカゲルミニカラム(360mg)に,メタノール10ml,水10ml及びリン酸緩衝液(pH5.0)2mlを順次注入し,流出液は捨てる。このカラムに(1) 合成ケイ酸マグネシウムカラムクロマトグラフィーで得られた溶液を注入した後,リン酸緩衝液(pH5.0)5ml及び25%メタノール水溶液10mlを順次注入し,流出液は捨てる。このカラムに60%アセトニトリル水溶液10mlを注入し,溶出液をすり合わせ減圧濃縮器中に採り,40℃以下でアセトニトリル及び水を除去する。この残留物に10%アセトニトリル水溶液0.5mlを加えて溶かし,これを試験溶液とする。
5.操作法
a 定性試験
次の操作条件で試験を行う。試験結果は標準品と一致しなければならない。
操作条件
カ | ラム充てん剤 オクタデシルシリル化シリカゲル(粒径2〜5μm)を用いる。 |
カ | ラム管 内径2.0〜6.0mm,長さ100〜250mmのステンレス管を用いる。 |
カ | ラム温度 40℃ |
移 | 動相 アセトニトリル,ギ酸及び水の混液(1,200:1:800)を用いる。デキサメタゾンが7〜10分で流出する流速に調整する。 |
a 定性試験と同様の操作条件で得られた試験結果に基づき,ピーク高法又はピーク面積法により定量を行う。